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小学校はどう変わる?

小学校の先生が知りたいことを、小学校の分だけ1ページに。何が変わる・変わらない・教科ごとの変更点・指導案・準備まで、かみ砕いて解説します。

全面実施2030年度教科等13指導案7本全面実施まであと1,244日
小学校の英語の先生はこちら外国語活動・外国語がどう変わるかは、英語のページにまとめています。
もくじ(14項目)
  1. ひとことで:小学校はどう変わる?
  2. 小学校の大きな変化
  3. 変わらないこと
  4. 先生の毎日はどう変わりそう?
  5. 教科ごとの変更点(小学校・13教科等)
  6. 小学校の英語(外国語)
  7. 小学校のAI活用
  8. 小学校の指導案(試案)
  9. 小学校の授業アイデア
  10. 小学校の先生の準備チェックリスト
  11. 小学校の先生のよくある疑問
  12. 図解アニメで見る
  13. 小学校の授業に使える原田英語のサイト
  14. ほかの校種・全校種共通も見る

ひとことで:小学校はどう変わる?

ひとことで言うと

時間割を学校で工夫でき、総合に「情報」が加わる方向です。

たとえると

たとえるなら、栄養の基準は守ったまま、量や順番を学校で調整できる給食に変わるようなものです。教える内容(栄養)はそのままに、時間の使い方を学校が工夫できるようにする、というイメージです。

いつから?

小学校の全面実施は2030年度(令和12年度)からの見込みです。その前の2028年度(令和10年度)から、調整授業時数制度や総合の「情報の領域」を先に始められるようにする方向です。どれも告示前の予定で、変わることがあります。

全面実施2030年度(令和12年度)から(見込み)
移行期間(一部を先に始める)2028〜2029年度(時期・内容は今後検討)
告示(正式に決まる)2026年度末の予定
教科書2030年度から新しい教科書(2028年度に検定)

文部科学省「改訂スケジュール(イメージ)」と審議まとめによる見込み。答申・告示で変わることがあります。

小学校の大きな変化

  1. 授業時数を学校で調整できる

    教科の内容はすべて扱う前提で、標準の授業時数より少なく計画できる仕組みの案です(調整授業時数制度)。生まれた時間は、ほかの教科への上乗せ、学校独自の教科、学び直しや先生の研修の時間に回せます。減らせる幅は教科ごとに最大15%程度が想定されています。すべての教科を上限まで減らした場合、5年生の試算で1年間に最大138コマ程度です。国への申請はいらない方向です。 P31P32P37P38

    いままで年度の初めに、各教科の標準授業時数を必ず確保して時間割を組んでいます。
    これから(方向)標準を下回って計画し、生まれた時間を学校の判断で使える方向です。
  2. 総合に「情報の領域」

    いまの小学校には、情報を学ぶ教科や決まった時間がありません。そのため学校ごとの差が大きいとされました。次期は、総合的な探究の時間に「情報の領域」を加え、体験しながら情報技術を使う力を育てる方向です。時間は3・4年が各学年最大30コマ程度、5・6年が各学年最大35コマ程度とされています。ローマ字の学習は今までどおり3年の国語で行い、ローマ字入力によるタイピングは、こちらを中心に学ぶ方向です。 P60P72P74P78P140

    いままで情報の学習は各教科や総合の中で扱い、決まった時間はありません。
    これから(方向)総合を「探究の領域」と「情報の領域」の2つで組み立てる方向です。
  3. 学年は「◯学年相当」に

    いまは「習っていない漢字は使ってはいけない」といった指導が生まれることがあると指摘されました。次期は、学年別の目標を定めない方向です。学年を示すときも「◯学年相当」という書き方にします。その学年に縛られず、子供に合わせて計画できることをはっきりさせるねらいです。 P18

    いままで学年ごとの書き方から「上の学年の内容は扱えない」という思い込みがあります。
    これから(方向)「◯学年相当」と書き、学年に縛られない計画ができると示す方向です。
  4. 態度のABC評価をやめる方向

    「主体的に学習に取り組む態度」をABCで評価するやり方は、ノートの提出回数のような形だけの評価になりがちでした。次期は、この力を所見欄で一人一人の伸びとして書く形(個人内評価)にする案です。思考・判断・表現の評価の中で、良い姿が続けて見られたら「◯」を書き添えます。小学校で多い業者の単元テストに頼った評価も見直す方向です。 P62P63P64

    いままで教科ごとに3つの観点をABCで評価し、単元テストに頼る例が多いです。
    これから(方向)学びに向かう力は所見で書き、思考・判断・表現に「◯」を添える方向です。
  5. 年間40週・週28コマへ

    いまの「年間35週以上」という書き方から、時数を35週で割って週29コマにする習慣が根強いとされました。次期は「年間40週を標準」とする書き方に改める方向です。40週で計画すれば、週28コマにしやすくなります。1〜3年生についても、標準を大きく上回る時数の目安が国の通知で示され、見直しが促されています。 P39P55P56

    いままで年間35週以上で計画し、週29コマにする学校が多い状態です。
    これから(方向)年間40週を標準とし、週28コマなどへのならし(平準化)を進める方向です。
  6. 総合の名前と探究の形

    小学校の「総合的な学習の時間」は、高校と同じ「総合的な探究の時間」に名前をそろえる方向です。クラス共通のテーマで取り組む「テーマ探究」と、子供が自分の「好き」から問いを立てる「マイ探究」をバランスよく組み合わせます。調べる・行動するだけでなく、作品をつくる「創作系」の探究も示されています。 P11P76P77

    いままで名前は「総合的な学習の時間」で、学校が決めたテーマに子供を当てはめる例もあります。
    これから(方向)「総合的な探究の時間」になり、テーマ探究とマイ探究を組み合わせる方向です。
  7. 外国語は中学校へなめらかに

    3・4年の外国語活動は、音声で英語に慣れ親しむ時間です。そこから、読む・書くを含む5・6年の外国語科へ、なめらかにつなぐ指導を具体的に示す方向です。5・6年では、日本語と英語の語順の違いに気付かせる指導も挙げられています。国は、重要な語彙をまとめた「基盤語彙リスト」を作る方向です。 P61P281P283

    いままで活動や話題の難しさが、小学校から中学校へうまくつながらない面があります。
    これから(方向)話題や活動を段階的に高め、学年段階の目安とともに示す方向です。
  8. 体育は「動き」を軸に

    体育では、4年生までは具体的な運動の種類を示すやり方を改める方向です。かわりに、どんな「動き」ができるようになってほしいかを軸に示します。たくさんの運動を全部やる負担を減らすねらいです。各領域は、2年間のまとまりで計画的に学ぶことを基本にするとされています。 P61

    いままで低・中学年でも、具体的な運動の種類が示されています。
    これから(方向)4年生までは、身に付けたい「動き」を軸に示す方向です。

変わらないこと

3つの力の柱で育てる

知識・技能、思考力・判断力・表現力等、学びに向かう力・人間性等という3つの柱で力を育てる考え方は続きます。次期は、その示し方を、力のつながりが見えるように整理し直す方向です。 P7P13P16

主体的・対話的で深い学び

「主体的・対話的で深い学び」を目指す授業改善は、これからも中心です。次期は、とくに「深い学び」の姿を先生がつかみやすくし、どの学校でも実際に行えるようにすることを目指しています。 P7

1年間の授業時間の合計

1年間の授業時間の合計(標準総授業時数)は、いまより増やさない前提です。新しい「情報の領域」の時間は、3年生以上の各教科から少しずつ減らして生み出す考え方です。 P78P79

教える内容は全部扱う

調整授業時数制度で時間を減らす場合も、学習指導要領に示す内容はすべて扱うことが前提です。内容を省くための仕組みではなく、時間の使い方を工夫するための仕組みとされています。 P31

先生の毎日はどう変わりそう?

授業では、単元の初めに「子供がどんな理解にたどり着くか」から計画を立てる形が求められる方向です。評価では、態度のABCのための材料集めが減り、所見で一人一人の伸びを書く形に変わる案です。時間割は、学校の判断で授業時数を調整し、学び直しや研修の時間を作れる案です。ICTは、1人1台端末などが常に使える前提で考えます。どれも告示前の方向性です。

教科ごとの変更点(小学校・13教科等)

気になる教科の「ポイントを開く」を押してください。ひとことの要点・くわしいポイント・教室での例・指導案が開きます。

国語話す・聞く、書く、読むを「話や文章の機能」でつなぐ。手書きの書写を引き続き重視ポイントを開く閉じる

やさしく言うと国語は、話す・聞く、書く、読むの学習をつなぐ方向です。カギは「話や文章の機能」(仮称)です。これは、文章が社会で果たす役割のことです。たとえば「考えや主張の理由付けと吟味」があります。言葉の知識は、使いながら深めるものと、教養として深めるものに分けて整理する案です。小学校では、手で書く書写の指導を丁寧に進めるとされています。

「話や文章の機能」で3つの領域をつなぐ

今は、話す・聞く、書く、読むの学習が別々に意識されがちです。次期は、文章の役割(機能)ごとに指導事項を整理する方向です。たとえば「論説を読む」「意見文を書く」「提案のスピーチをする」を、同じ機能の学習としてつなげやすくします。 P131P134P139

教室では、たとえば:説明文で学んだ「主張と理由」の形を、次の単元の意見文やスピーチでも使う。そんなつなげ方が考えられます。

言葉の知識を2つの面に分ける

知識は「運用しながら深める」面と「教養として深める」面に分ける案です。前者は文章の組み立てなど、使いながら身に付けるものです。後者は言葉のきまり、古典、書写、読書などです。漢字の「読み書き」と「成り立ち」も一つにまとめる例が示されています。 P131P135P138

教室では、たとえば:新出漢字を、部首や成り立ち、意味と結び付けて読み書きする。そうした学び方が、この方向に合う一例として考えられます。

手で書く書写を丁寧に

タイピングで文字を入力する機会が増えても、書写は引き続き重視するとされています。とくに小学校では、手書きの書写を丁寧に指導する方向です。書くのが苦手な子には、デジタルの活用や代わりの方法を用意することも明確にするとしています。 P141

教室では、たとえば:書写では字形や筆順を確かめて整えて書く。日記など表現の手段として書く文字とは、評価を分けて考えるのが一例です。

ローマ字は3年の国語、入力は「情報の領域」で

ローマ字の学習は、今どおり小学校3年の国語で行う方向です。ローマ字入力のタイピングは、総合的な学習の時間の「情報の領域」(仮称)が中心に担うとされています。要約など、育てたい力に直結する場面では、生成AIを不用意に使わないよう慎重にとしています。 P140

教室では、たとえば:要約の単元では、まず自分で要約を書き、生成AIの出力は後で比べて吟味する材料にする。そうした順番が考えられます。

この教科の指導案(試案):図書室をもっと楽しい場所に

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社会・地理歴史・公民4年「県内の特色ある地域」は3地域→2地域に精選。情報の正しさを確かめる技能を加えるポイントを開く閉じる

やさしく言うと小学校の社会は、身近な地域から国際社会へと広げる考え方を続ける方向です。そのうえで、グローバル化などの地域の変化も内容に入れるとされています。内容は重なりを整理してしぼる案です。調べてまとめる力には、情報が確かかどうかを確かめる力が加わる方向です。教科書が歴史の通史にならないようにすることも示されています。

4年「県内の特色ある地域」は3つから2つへ

今は、地場産業、国際交流、資源の保護・活用の3つの地域を同じように扱うことになっています。次期は、このうち2つの地域を選ぶ方向でしぼる案です。5年の「産業と情報」は、新しい「情報の領域」と役割を分け、情報を生かす産業の役割に重点を置くとされています。 P153

教室では、たとえば:県内の2つの地域を選び、それぞれの特色を時間をかけてじっくり比べて調べる。そんな単元の組み方が考えられます。

「確かな」情報で調べてまとめる

ネットの情報には、真偽や意図、背景が分かりにくいものがあります。そこで、調べてまとめる技能に「情報の妥当性の確認」(情報が確かか確かめること)を新たに位置付ける方向です。小中学校では「確かな」情報に基づき、「適切かつ」効果的に調べまとめるとしています。 P148P159

教室では、たとえば:調べ学習のカードに「この情報はだれが出したか」「ほかの資料でも同じか」を書く欄を作る。そんな工夫が一例です。

歴史は人物と文化遺産で大まかに

小学校の歴史は、人物の業績や優れた文化遺産を通して、世の中の動きを大まかに理解する構成です。事象を網羅的に扱うものではないとされています。そのため、教科書が通史(すべての時代を順に追う形)にならないよう促す方向です。 P155

教室では、たとえば:ある人物の働きを中心に「なぜこの人は人々に支持されたのか」という問いで1時間を組み立てる。そんな授業が考えられます。

主権者教育を体験から

主権者教育を「深める」と「広げる」の両方から進める方向です。子供が主体となる模擬選挙や模擬議会などの実践的な活動を進めるとしています。こども基本法をふまえ、特別活動とも連携し、子供が実感をもって活動する機会を充実するとしています。 P157P158

教室では、たとえば:学校のきまりや地域の課題について意見を出し合い、話し合って決める模擬議会を開く。そんな活動が一例です。

この教科の指導案(試案):お客さんが集まるひみつをさぐろう

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算数割合・比・分数の内容と順序を見直し。証明につながる「論理的に説明する活動」を充実ポイントを開く閉じる

やさしく言うと算数は、小・中・高で目標と見方・考え方をそろえる方向です。学習内容は共通の6つの「分野」で整理する案です。割合・比・分数など、つまずきやすい内容は、内容や順序の見直しを検討するとされています。中学校の証明につながる「論理的に説明する活動」も充実する方向です。算数の公式の英語表記は「Mathematics」に改めるとされています。

割合・比・分数の内容と順序を見直す

割合・比・分数などは、理解が難しく、身に付いていない子が相当数いるとされています。そこで、確実に身に付くよう、学習内容や並べ方の改善を検討する方向です。帯分数のような「足掛かり」の事項も、本当に必要か点検するとしています。 P165P167P171

教室では、たとえば:割合の単元の前に、かけ算・わり算の意味が分かっているかを短い問題で確かめてから入る。そんな確認が方向に沿う一例です。

「なぜそうなるか」を説明する活動

中学校・高校の証明(論証)につながる、論理的に説明する活動を充実する方向です。速さや割合の「みはじ」「くもわ」のような覚え方だけでは、かえって理解を妨げかねないとしています。最後は意味の理解を伴うことが欠かせないとしています。 P164P171

教室では、たとえば:速さの問題で、図や数直線を使って「なぜこの式になるか」をペアで説明し合う時間をとる。そんな授業が考えられます。

小中高で共通の6つの分野

小学校の算数から高校の数学Ⅰまでを、共通する6つの「分野」で整理する案です。数と式、図形、変化と関係、データと確からしさ、論証、社会を読み解く数学の6つです。小中高の目線を合わせ、学びをつなぐことがねらいとされています。 P166P167

教室では、たとえば:今の単元が6つの分野のどれに当たり、中学校のどの学習につながるかを、単元の初めに子供と確かめる。そんな工夫が一例です。

学び直しの時間をつくる

学年の区分は残しつつ、学校の判断で指導時期を前倒し・後ろ倒しできる方向です。まとまった時間をつくり、定着に課題がある単元を学び直せるとしています。分散学習など、認知心理学の知見をふまえた指導も有効とされています。 P174P175

教室では、たとえば:以前の単元の問題を、間をあけて朝の時間や授業の冒頭に少しずつ解き直す。そうした分散学習の取り入れ方が考えられます。

この教科の指導案(試案):どちらが「大きくふえた」?

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理科分野をまたぐ課題を学ぶ「理科と日常生活」を新設。内容を物理・化学・生物・地学の4分野で整理ポイントを開く閉じる

やさしく言うと小学校の理科は、学習内容を物理・化学・生物・地学の4つの「分野」で整理する方向です。小・中・高で目標もそろえます。ただし、小学校の内容を難しくするものではないと、国が丁寧に周知する必要があるとされています。分野をまたぐ課題を学ぶ「理科と日常生活」を新しく設ける方向です。授業時間に「余白」を生むため、内容の精選も進めます。

新しく「理科と日常生活」

エネルギー問題や環境問題など、一つの分野に収まらない社会の課題が増えています。そこで、これまで学んだことをもとに、分野をまたぐ課題を学ぶ「理科と日常生活」を新しく設ける方向です。社会・職業との関係だけを扱う独立の内容は設けないとされています。 P182P187

教室では、たとえば:電気・水溶液・植物などの既習事項を使い、「家庭の省エネ」を多面的に考える学習。そんな内容が方向に沿う一例として考えられます。

4つの分野で整理(難しくはしない)

今の小学校は「エネルギー」「粒子」「生命」「地球」の4領域です。次期は、小中高共通で物理・化学・生物・地学の4分野に分ける方向です。今の4領域で育てていた中心の考え方は、別の形で表すとしています。指導方法の違いを否定するものではないとされています。 P183P186

教室では、たとえば:単元の初めに「これは物理の仲間で、中学校の電流につながる」と子供と確かめる。そんな見通しのもたせ方が考えられます。

「科学的な探究」を積み重ねる

小学校から科学的な探究の過程を経験し、中学・高校と積み重ねる方向です。今は校種によって探究の過程の用語が違うことが課題とされています。そこで探究の過程を教育課程全体に位置付け、具体的に示すとしています。学習場面から「特徴を見いだして表現する」ことも共通して示します。 P182P183P186

教室では、たとえば:予想→計画→実験→考察の流れを、毎単元同じ言葉で板書し、子供が自分で次の段階を言えるようにする。そんな工夫が一例です。

授業時間に「余白」を

理科は、実験の進み具合や再実験で時間を組み替える必要がある教科です。そのため、授業時間に余白を生むことが欠かせないとされています。不可欠でない内容はしぼり、学年間の重なりが大きい部分は整理する方向です。 P189

教室では、たとえば:結果がそろわなかった実験を、余白の時間で条件を変えてもう一度やってみる。そんな時間の使い方が考えられます。

この教科の指導案(試案):電気をつくって、ためて、上手に使おう

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生活目標を「身体性を伴う体験と多様な表現活動」に。動物は借りて飼うのも学校飼育と同等ポイントを開く閉じる

やさしく言うと生活科は、AIでは代わりができない「実感を伴う知」を育てる教科として、意味を整理し直す方向です。目標の言葉は「具体的な活動や体験」から「身体性を伴う体験と多様な表現活動」に改める案です。体で感じる体験と、言葉や絵で表す活動を行き来させます。他教科とのつながりを1年間の計画で示すことや、動物飼育の柔軟な扱いも示されています。

体験と表現を行き来する学びに

目標の柱書(目標の最初の文)を「身体性を伴う体験と多様な表現活動」に改める案です。体験で感じ取ること(内化)と、言葉などで表すこと(外化)を行き来させるねらいです。水やりの体験を言葉や絵で表すと、「成長には水が必要」と自覚できる、という例が示されています。 P202P203

教室では、たとえば:アサガオの世話のあとに、絵や動作で様子を表して友達と伝え合う。そんな時間をセットにした単元が考えられます。

他教科とのつながりを1年間で計画する

合科的・関連的な指導(教科を合わせたりつなげたりする指導)が、入学直後だけで終わりがちだと指摘されています。そこで、生活科を結び目にして、各教科とのつながりを年間指導計画などに書き込む方向です。スタートカリキュラムの期間は、学校の実態に合わせて柔軟に決めてよいと明確にする方向です。 P201P206

教室では、たとえば:町探検で見つけたことを、国語の「話す・聞く」や算数の「数で捉える」と結び付けます。その関係を年間計画に印で示す工夫が考えられます。

9つの内容は組み合わせて、2年間で見通す

内容(1)〜(9)を決まった形で同じだけ扱うのではなく、学校の実態に合わせて工夫することが重要とされています。複数の内容を組み合わせた単元や、2年間を見通した活動にする工夫が示されています。社会科や理科の先取りではなく、中学年以降につながる気付きを大切にする方向です。 P207

教室では、たとえば:秋の公園で木の実を集める活動と、その木の実を使ったおもちゃづくりを1つの流れにつなげる、といった単元が考えられます。

動物飼育は「借りて飼う」なども同じ扱いに

動物飼育は、AI時代にこそ大切な体験として引き続き重視されます。学校で飼うことを基本としつつ、ほかの持ち主から借りて飼うこと(ホスティング)も同等の扱いと明確にする方向です。世話の体制が難しい場合は、近くの動物施設の動物と続けて触れ合う方法も同等とされています。 P208

教室では、たとえば:休日の世話が難しい学校では、近くの動物施設に何度か通い、同じ動物の変化を観察カードに記録する、といった活動が考えられます。

この教科の指導案(試案):うごけ!わくわくおもちゃ

生活のページで小学校の変更点をすべて見る

現行と次期をマーカーで比べる・現行の解説PDF

芸術(音楽・図画工作・美術・書道等)音楽は「歌唱」と「器楽」を「歌唱・器楽」に統合。図工は発想から表すまでを思考・判断・表現にポイントを開く閉じる

やさしく言うと小学校の音楽と図画工作では、「思いをもつこと」と「体を使って表すこと」を一続きでとらえる方向です。音楽は、表現の区分を「歌唱・器楽」と「音楽づくり」の2つに整理する案です。図画工作は、発想から工夫して表すまでの全体を「思考・判断・表現」として示す方向です。評価は、題材ごとに全観点を記録しなくてよいことが示されています。

音楽は「歌唱・器楽」を1つの区分に

小学校音楽の表現を「歌唱・器楽」と「音楽づくり」の2つで整理する案です。同じ曲を歌と楽器で扱うとき、ねらいを絞った指導や評価がしにくいという課題があったためです。「ハ長調・イ短調」のような具体的な記述は、内容の取扱いへ移すことが検討されています。 P215P216P219

教室では、たとえば:1つの曲を歌ったり、楽器で演奏したり、合奏したりしながら、ねらいを1つに絞って見取る、といった授業が考えられます。

図画工作は、表すまでの流れ全体を「思考・判断・表現」に

図画工作では、発想や構想と、工夫して表す段階を分けにくいという課題がありました。そこで、表すまでの流れ全体を「思考・判断・表現」として示す方向です。区分も、学びの向きが分かるよう「自分と材料や場所」「自分と表したいこと」などで整理する例が示されています。 P214P215P216

教室では、たとえば:作品の出来だけでなく、材料を試しながら考えを変える途中の姿を、写真やつぶやきで記録して見取る授業が考えられます。

鑑賞にも「技能」を示す

作品から特徴を見付けたり、情報を読み取ったりする「鑑賞の技能」を示す方向です。鑑賞で育てる力をはっきりさせ、効果的な指導につなげるねらいです。表現と鑑賞を行き来する学びも大切にされています。 P216P219

教室では、たとえば:友達の作品を「色」「形」「並べ方」などの手掛かりで見て特徴を見付け、自分の作品づくりに生かす、といった授業が考えられます。

評価は年間を見通してまとめてよい

短い題材でも全観点を記録しようとして、まとめの評価ばかりになる実態が指摘されました。そこで、年間計画をふまえ、複数の題材をまとめて総括的評価(まとめの評価)をしてもよいことを促す方向です。途中の形成的評価(指導に生かす評価)を重視し、一人一人のよさを肯定的に見ます。 P221

教室では、たとえば:年間計画を見て、どの題材でどの観点を記録するかを先に決めます。ほかの時間は声かけと助言に力を注ぐ、といった工夫が考えられます。

芸術(音楽・図画工作・美術・書道等)のページで小学校の変更点をすべて見る

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家庭領域を「家族・家庭と生涯発達」「食生活」など5つに再編。「住まいの主な働き」は高校へポイントを開く閉じる

やさしく言うと家庭科の領域は、小・中・高を通して5つに再編する方向です。「家族・家庭と生涯発達」「生活の経営と消費生活」「食生活」「衣生活」「住生活」(いずれも仮称)です。小学校の「住まいの主な働き」は高校へ移す方向です。小・中学校では、問題解決的な学習の課題を教師が決めてしまう現状が課題とされています。子供が自分で生活の課題を見つける学習を充実させる方向です。

領域を5つに再編

領域を「生活の基盤」と「生活を構成する要素」の2つの観点から整理し、5つにする方向です。基盤は「家族・家庭と生涯発達」「生活の経営と消費生活」、要素は「食生活」「衣生活」「住生活」です(いずれも仮称)。並びは、食育の重要性などから「食・衣・住」の順とされています。 P225P230

教室では、たとえば:今の年間計画を新しい5つの領域で色分けし、どの題材がどこに当たるかを確かめておく、といった準備が考えられます。

布を用いた製作は「基礎」として整理

小学校の「生活を豊かにするための布を用いた製作」は、新しいD領域で整理する例が示されています。名前は「布を用いた製作の基礎」です。布を用いた製作は、小・中・高のつながりをふまえ、知識と技能を段階的に身に付けて使う内容とする方向です。 P226P232

教室では、たとえば:袋づくりでミシン縫いの基礎を学んだあと、自分の生活で使う場面を考えて大きさや形を決める、といった題材が考えられます。

「住まいの主な働き」は高校へ

小学校の「住まいの主な働き」は、全体のつながりを見直す中で、最も効果的に理解できる高校に移す方向です。中学校の「家庭内事故の防ぎ方」も高校へ移す方向です。社会の変化に合わせて内容を充実させつつ、全体の量は増やさず、精選を図る考え方が示されています。 P225P227

教室では、たとえば:住生活の題材計画を点検し、高校へ移る見込みの内容の時間を、ほかの実践にどう充てるか考えておく準備が考えられます。

課題を子供が見つける学習と、新しい評価

小・中学校の問題解決的な学習では、教師主体の課題設定になっている現状が指摘されています。課題を見つけて解決する力を一層育てる方向です。評価では「学びに向かう力」を個人内評価で見取り、「見取る姿」が続けて見られたら「思・判・表」に「○」を付ける方向です。 P223P233

教室では、たとえば:家での1週間の食事をふり返り、子供自身が「朝食に野菜を足したい」などの課題を立てて調理計画を作る授業が考えられます。

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現行と次期をマーカーで比べる・現行の解説PDF

情報・技術、情報教科は作らず総合に「情報の領域」を新設。3・4年は最大30、5・6年は最大35コマ程度ポイントを開く閉じる

やさしく言うと審議まとめでは、小学校に「情報」という独立した教科を作るのではなく、総合の時間(次期は「総合的な探究の時間」とする方向)に「情報の領域」(仮称)を加える案が示されています。総合は「探究の領域」と「情報の領域」の2つで構成する案です。必要な時数は、3・4年が各学年最大30コマ程度、5・6年が最大35コマ程度の見込みです。小学校では令和10年度から段階的に先行実施する方向です。

総合が「探究」と「情報」の2つの領域に

小学校の総合は「探究の領域」と「情報の領域」の2つで構成する案です。情報技術を学ぶこと自体が総合の目的だと誤解されないよう、情報の領域は探究や各教科の学びを支える土台と位置付けられています。小学校では「活用」を中心に、体験的な活動を重視する方向です。 P74P240P251

教室では、たとえば:1学期に情報の領域で調べ方やまとめ方を集中的に学び、その力を2学期の地域の探究に生かす、といった計画が考えられます。

「ミニ探究ユニット」と「情報ブロック」

情報の領域では、2種類の学びを組み合わせる方向です。短い探究の中で情報技術を使う「ミニ探究ユニット」と、基礎を学ぶ小さなまとまり「情報ブロック」です。ミニ探究の例として、マイルールづくり、ロボットを動かすプログラム、生成AIの特性をふまえた作品制作が示されています。 P240P251

教室では、たとえば:端末の便利さと困ることを調べてから「タブレットのマイルール」をクラスで作り、1か月後に見直す、といった授業が考えられます。

情報を見極める力を学年で積み上げる

偽・誤情報を見極めるメディアリテラシーを、学年を追って育てる例が示されています。3年は情報の特徴や偽・誤情報を知ります。4年はAIの出力も含め、情報をうのみにしない姿勢を育てます。5・6年はSNSの特性などもふまえ、多角的に判断する力へ発展させます。 P248P251

教室では、たとえば:同じ出来事を伝える2つの記事を比べ、どこが違うか、だれが発信したかを確かめる、といった授業が考えられます。

1・2年は各教科で基本操作、国が動画教材

1・2年では、各教科の学習の中で文字入力や写真の撮影などの基本的な操作に慣れる方向です。IDやパスワードの管理、許可なく人を撮らないことなども一緒に学びます。国は、授業でそのまま使える動画などの教材を開発し、少なくとも年1回程度更新するとしています。 P251P262

教室では、たとえば:生活科の観察で写真を撮るときに、「人を撮るときは許可をもらう」という約束を一緒に確かめる、といった指導が考えられます。

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体育1〜4年は「遊び」の要素を取り入れ、運動名でなく身に付けたい「動き」を軸に示すポイントを開く閉じる

やさしく言うと小学校1〜4年は、「遊び」の要素を取り入れた学習として整理し直す方向です。具体的な運動のやり方ではなく、身に付けたい「動き」を軸に示す方向です。公正や協力などの態度は、「運動との関わり方」として知識や技能を中心に教える方向です。保健は、身近な生活を中心とした健康・安全の基礎を実践的に学びます。体育は2年間のまとまりで計画することを基本とする方向です。

小1〜4は「運動遊び」で学ぶ

小1〜4は「各種の運動の基礎を培う時期」とされています。ここでは「遊び」の要素を取り入れた学習として整理し直す方向です。「運動遊び」は、やらされる活動ではなく、教師の意図をもちつつ、子供が「やってみたい」と取り組む活動を想定しています。 P270

教室では、たとえば:鬼遊びのルールを子供と工夫しながら、走る・かわす・止まるといった動きを繰り返し楽しむ、といった授業が考えられます。

「動き」を軸に、2年間のまとまりで計画

小4までは、具体的な運動のやり方を示すのをやめ、どんな「動き」を身に付けたいかを軸に示す方向です。体育は2年間のまとまりで計画的に学ぶことを基本とします。毎年同じ時期に同じ運動を置く計画を見直し、生まれた余白で学びの質を高めることが期待されています。 P272

教室では、たとえば:3・4年の2年間で「跳ぶ動き」を見通し、マット・跳び箱・なわとびを組み合わせた計画にする、といった工夫が考えられます。

態度は「運動との関わり方」として教える

公正、協力、責任などの態度は、今は「学びに向かう力」に位置付けています。次期は「運動との関わり方」として、なぜそうするのか(知識)と、実際の行い方(技能)を中心に教える方向です。形だけの指導や評価にならないようにするねらいです。 P267P268P269

教室では、たとえば:ゲームの前に「どうしたら皆が楽しめるか」を話し合い、作戦タイムでの声のかけ方を練習する授業が考えられます。

保健は「概念」と「原則」を軸に

保健は、健康や安全の「概念」と「それに関わる原則」を軸に整理する方向です。概念は何が関わって起きるか、原則はどうすればよい結果になるかを表します。小学校では、身近な生活を中心とした基礎的な内容を実践的に学びます。演習的な学習で理解を深める方向です。 P266P267P268P271

教室では、たとえば:1週間の睡眠時間を記録し、体調との関係を友達と比べて、よい生活のこつを見付ける、といった授業が考えられます。

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外国語(英語)外国語活動と外国語科の形は維持。読む・書くの段階を細かく示し、語順の違いに気付かせるポイントを開く閉じる

やさしく言うと3・4年の外国語活動と5・6年の外国語科という今の形は続く見込みです。そのうえで、つまずきの多い「読むこと」「書くこと」を、段階を追って丁寧に育てる方向です。学習は、考えを伝え合う「コミュニケーション活動」と、それを支える活動の2つで整理されます。中学校の文法につなげるため、日本語と英語の語順の違いに気付かせることも重視されます。

「読む・書く」は音声に慣れてから段階的に

一文を書き写す問題の正答率に学校間で差があるなど、「書くこと」に課題があるとされました。「読むこと」も、先生が指導の難しさを感じている領域です。そこで、外国語活動の音声での慣れ親しみから、読む・書くを含む外国語科へ、なめらかにつなぐ指導を示す方向です。 P277P281

教室では、たとえば:たとえば、歌やチャンツで十分に聞いた語句を、絵と文字で見比べてから書き写す、という順番で進めることが考えられます。

日本語と英語の「語順の違い」に気付かせる

中学校の文法指導につなげるため、外国語科では、日本語と英語の語順の違い(文の組み立て)に気付かせることを示す方向です。音と文字の関係に慣れ、簡単な語句や基本的な表現を読んだり書いたりできるようにすることも挙げられています。 P281資料(外⑲)P19

教室では、たとえば:たとえば「I like soccer.」と「わたしはサッカーが好き」を並べます。言葉の順番の違いを子供が見つける短い時間が考えられます。

「コミュニケーション活動」と「支える活動」

学習は、考えを伝え合う「コミュニケーション活動」と、語句や表現に慣れるなど「それを支える活動」の2つに整理されます。2つを行き来しながら、知識と、それを使う力を一緒に育てる考え方です。「練習」という言葉は本文では使わない方向です。 P279P284

教室では、たとえば:たとえば、好きな物を尋ね合う活動の前に、必要な表現を聞いて慣れる短い活動を入れ、また伝え合いに戻る流れが考えられます。

外国語活動の教材と、学年ごとの目標の扱い

国の外国語活動の教材には、伝え合う目的や場面を作りにくい単元があると指摘されています。より身近で楽しく、5・6年につながる形に見直す方向です。また、学年ごとの目標を各学校が必ず作るきまりはなくし、必要なときに任意で作る位置付けとされています。 P280資料(外⑰)P17資料(外⑲)P19

教室では、たとえば:たとえば学年会で、各単元に「だれに・何のために伝えるか」があるかを確かめます。足りない単元に相手や場面を加えることが考えられます。

この教科の指導案(試案):アルファベットたんていになろう/ようこそ、わたしたちの町へ

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道徳1つの教材を翌週などにまたいで複数時間で扱う。「深める教材」は高学年8・中学年4が目安ポイントを開く閉じる

やさしく言うと道徳科の目標は今の書き方を保ち、「考え、議論する道徳」を授業で実際に行えるようにする方向です。今は1時間に1つの読み物教材を扱い、登場人物の気持ちを読み取るだけで終わる授業が課題とされました。そこで1つの教材を複数時間で扱い、じっくり考える授業を進めます。小学校では発達の段階に合わせ、低学年ではとくに慎重に考える方向です。

1つの教材を「複数時間」で扱う

1つの教材を2コマ以上に分けて扱う授業を進める方向です。連続した2コマではなく、翌週に続けて扱うことが想定されています。2コマ目には、読み物ではない「深める教材」を使うことも考えられています。低学年では、複数時間の運用に慎重であるべきとの意見も出ています。 P309P312

教室では、たとえば:たとえば高学年で、1週目に教材を読んで問いを立て、翌週にその問いを話し合いや役割演技で深めることが考えられます。

「深める教材」の目安は高学年8・中学年4

教科書の読み物教材を精選し、「深める教材」を充実させる方向です。深める教材の数の目安は、小学校高学年で8、中学年で4、低学年で0とされています。読み物教材と合わせて35コマ分です。これは国が示す教科書のイメージとしての目安です。 P312P313

教室では、たとえば:たとえば中学年では、2時間扱いにする教材を学年で年に数回だけ選び、子供の様子を見ながら広げていくことが考えられます。

「深い学び」の2つの視点

道徳科の「深い学び」の手がかりとして、2つの視点を示す方向です。1つは「多面化・多角化」で、ものの見方が一つから多方面に広がることです。もう1つは「自我関与」で、自分との関わりで価値の理解が深まることです。 P308

教室では、たとえば:たとえば「主人公はどうすればよかったか」に加えて、「自分ならどうするか、なぜか」を問う発問を1つ入れることが考えられます。

端末で意見を共有するときの配慮

端末で意見を見える形にしたり共有したりする活用が示される一方、配慮も求められています。共有が「言いたくないことまで言わされる」圧力にならないようにすることです。家族愛では多様な家族の形、生命の尊さでは病気などへの配慮が必要とされています。 P316

教室では、たとえば:たとえば家族を扱う授業では、全体での共有はせず、自分のノートに書くだけでもよい選択肢を用意することが考えられます。

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総合的な学習の時間/総合的な探究の時間名称が「総合的な探究の時間」に。「探究の領域」と新しい「情報の領域」の2領域で構成ポイントを開く閉じる

やさしく言うと小学校の「総合的な学習の時間」は、小中高でそろえて「総合的な探究の時間」という名前に変える方向です。小学校では「探究の領域」に加えて、新しく「情報の領域」を設け、2つの領域で構成する案です。情報の領域は、情報を使う力を育て、探究を支える役割です。クラス共通の「テーマ探究」と一人一人の「マイ探究」を、発達の段階に応じて組み合わせることも示されています。

名前が「総合的な探究の時間」に

教育課程の基準上の名前を、「総合的な学習の時間」から「総合的な探究の時間」に変える方向です。小学校から高校まで一貫した名前にするためです。前回、高校で名前を変えたことが探究を進めるのに役立ったことも理由に挙げられています。 P343

教室では、たとえば:たとえば年度初めに、子供と「探究ってどんなこと?」を話し合います。課題を自分たちで決める場面を入れた計画が考えられます。

新しい「情報の領域」と2つの領域

小学校の総合に「情報の領域」を加え、「探究の領域」と合わせた2つの領域にする案です。情報の領域には、探究の流れの中で情報を使う力を学ぶ小単元「ミニ探究ユニット」を置きます。探究に入れにくい基礎は「情報ブロック」という小さなまとまりで学ぶ考え方です。 P328P329

教室では、たとえば:たとえば年度の初めに、写真の撮り方や調べた情報の整理の仕方を、身近な課題を解決しながら短く学ぶ単元が考えられます。

「テーマ探究」と「マイ探究」を組み合わせる

学級や学年で共通の課題を立てる「テーマ探究」と、一人一人の興味から課題を立てる「マイ探究」という整理が示されました。どちらも大切で、発達の段階や子供の実態に合わせて組み合わせることが必要とされています。時期を分けて1年に複数のテーマを扱う例もあります。 P322P323

教室では、たとえば:たとえば1学期は学年共通の地域テーマ、2学期はそこから一人一人が見つけた問いを追う、という組み合わせが考えられます。

探究の成果を「外化」する機会

テーマ探究でもマイ探究でも、成果を表現する「外化」の機会を設けることを、学習指導要領ではっきりさせる方向です。外化とは、書く・話す・作るなどで、考えたことを外に表すことです。表現することが、各教科の学びにもつながると考えられています。 P323

教室では、たとえば:たとえば学期末に、探究の成果をレポートやポスター、作品にまとめ、家の人や地域の人に伝える場をつくることが考えられます。

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特別活動クラブ活動は学年(主に4年以上)の縛りや実施時期を柔軟に。児童会は学校運営に意見をポイントを開く閉じる

やさしく言うと特別活動は、子供が学級や学校という身近な社会をよりよく創る活動として見直す方向です。三つの視点のうち「社会参画」は「社会創造」に整理し直す案です。学級活動は、人間関係や安心して話せる雰囲気をつくる「学級経営の要」と明確にします。クラブ活動は「好き」を追う場として柔軟にする案です。評価は「学びに向かう力」の個人内評価にする方向です。

学級活動は「学級経営の要」

学び方が多様になるほど、学級経営が欠かせなくなるとされています。そこで学級活動を、よい人間関係や心理的安全性(安心して発言できる状態)をつくる「学級経営の要」と明確にする方向です。学校の教育活動全体を下から支える役割です。 P349

教室では、たとえば:たとえば朝の会や学級会で、困っていることを安心して出し合える約束を、子供と一緒に決めることが考えられます。

クラブ活動を「好き」を追う場に

クラブ活動の意義として、「好き(興味・関心)」を追って個性を伸ばすことを重視する方向です。異学年で行う原則は保ちつつ、学年の縛り(主に4年生以上)を柔軟にできるようにします。特定の期間に集中して行うことや、地域の活動とつなげることも明確にする案です。 P355P356

教室では、たとえば:たとえば3年生も体験として参加できる期間を設けたり、クラブに関わる地域の教室を掲示して紹介したりすることが考えられます。

児童会が学校運営に意見を出す

児童会活動は、校則など学校のルールづくりをはじめ、学校運営に子供が関わる仕組みだと明示する方向です。学校のきまりなどについて子供が提案し、先生との話し合いを通して関わる、といった「意見表明」の記載を設ける案です。 P355

教室では、たとえば:たとえば児童会が全校アンケートで休み時間のきまりの困りごとを集め、改善案を先生たちに提案する活動が考えられます。

評価は「学びに向かう力」の個人内評価に

資質・能力の3つの柱に分けた、目標に準拠した評価は行わない方向です。話し合いなどの中で表れる「学びに向かう力」を、一人一人の伸びとして見る個人内評価にする案です。過度な評価材料集めを抑え、子供のよさや成長を自然に見取ることがねらいです。 P361

教室では、たとえば:たとえば学級会では、よい姿をその場で言葉にして認めます。記録集めより、子供自身の振り返りを大切にすることが考えられます。

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全教科×小・中・高の早見表へ

小学校の英語(外国語)

目標を3つの柱で整理し、語彙リスト・新科目名・AI活用で「発信力」を強める改訂(審議まとめ段階の方向性。告示前のため変わる可能性あり)

外国語活動・外国語科の枠組みは続く

3・4年で音声中心に慣れ親しむ「外国語活動」、5・6年で読む・書くを加える「外国語科」という現行の形は成果が出ているとされ、目標の柱書でも「素地」(活動)と「基礎」(外国語科)の違いは残る。学習は「コミュニケーション活動」と「それを支える活動」を通して進める。 P276資料(外①)P1

外国語活動の活動は「聞く・話す」で

外国語活動のコミュニケーション活動と支える活動は聞くこと・話すことについて行う。支える活動は、英語の音声や基本的な表現に慣れ親しみ、言語や文化の違いや共通点を体験的に理解する活動。導入した表現をすぐ話せることを求めず、聞いて慣れ親しむ段階から話す段階へつなぐ。 資料(外㉝)P33資料(外㊱)P36

外国語科では「音声で十分に慣れ親しんでから」読む・書く

小学校外国語では、導入した語彙や表現をすぐ話せる・書けることを求めず、聞く・読むで理解する段階から話す・書く段階へ発展させる。特に読む・書くは音声で十分に慣れ親しんだ上で指導する。支える活動はコミュニケーション活動と関連付けることが特に大事とされる。 資料(外㉜)P32資料(外㉟)P35

「読むこと」「書くこと」の段階を細かく示す

「書くこと」「読むこと」に課題があるため、文字を聞いて識別する→文字の形を認識し名称を発音する→音声と文字の関係に慣れ親しむ→語句を読んで意味を捉える、書き写す→語句を選んで書き写す→例を参考に書く、のように段階を示す。 P277資料(外㉑)P21資料(外㊸)P43

文字の扱いを丁寧に(外国語活動でも)

国語科のローマ字学習や、新しい「情報の領域(仮称)」のタイピングなどと関連を図りながら、外国語活動でも文字に慣れ親しむ活動を大切にする。外国語活動の「内容」に「文字」(読み方を聞いてどの文字か分かる等)を丁寧に示すイメージ。 資料(外⑰)P17資料(外㊷)P42

Let's Try!を見直す

伝え合う目的や必然性のある場面を設定しにくい単元があるという指摘を受け、より身近で楽しく活動できる内容にし、5・6年につながるよう目的・場面・状況を意識した活動を段階的に扱う形に見直す。 資料(外⑰)P17

小学校のAI活用

次期学習指導要領では、生成AIを「使う/使わない」を目的に合わせて先生が決め、AIの答えをうのみにせず確かめる力を育てる方向です。小学校の授業での具体例を見てみましょう。

小学校の指導案(試案)

小国語5年

図書室をもっと楽しい場所に

本時のねらい 読み手(図書委員会・学校司書の先生)が納得できる提案にするために、集めた材料が根拠として確かなものかを3つの観点で確かめ、主張を…

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小算数4年

どちらが「大きくふえた」?

本時のねらい 図書委員会のお知らせ「いちばん大きくふえたのは2組!」が本当にそう言えるかを、差と倍の二つの見方で確かめ、もとの数がちがうときの…

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小理科6年

電気をつくって、ためて、上手に使おう

本時のねらい 同じ量の電気で豆電球と発光ダイオードが光る時間を、条件をそろえて比べ、実験の結果を基に電気の利用について考えをまとめ、「LED電…

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小社会3年

お客さんが集まるひみつをさぐろう

本時のねらい 「安いからお客さんがたくさん来る」という言葉が本当かを、出どころの分かる複数の情報(アンケート・店長さんの話・見学の記録)で確か…

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小生活2年

うごけ!わくわくおもちゃ

本時のねらい 自分のおもちゃをもっと遠くまで動かすために、ゴムの引き方や帆の大きさなどを変えて試したり、友達のおもちゃと比べたりしながら工夫し…

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小外国語活動3年

アルファベットたんていになろう

本時のねらい 自分の名前の頭文字を集めるために、文字の名称を聞いてどの文字かを判断し、'Do you have ~?' を使って友達と尋ねたり…

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小外国語6年

ようこそ、わたしたちの町へ

本時のねらい 海外の交流校の児童に町のよさが伝わるように、おすすめの場所とそこでできることを選び、語順や語と語の区切りに気を付けて、例を参考に…

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小学校の授業アイデア

小小51単位時間(45分)

読む・書く・話すをつなぐ「主張と根拠」

同じ主張を3つの形で読み比べると、領域をこえて使える「骨組み」が見えてきます。

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小小51単位時間(45分)

その情報、だれが言ってる? 出どころ探偵

同じ話題の3枚の情報カードを比べ、出どころと根拠を確かめる手順を身に付けます。

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小小51単位時間(45分)

500円引きと450円引き、得なのはどっち?

「くもわ」に頼らず、数直線で「もとにする量」を見つけて、理由を説明し合います。

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小小61単位時間(45分)

既習を総動員!教室の電気を減らす作戦会議

電気・燃焼・生物と環境の学習をつないで、分野をまたぐ身近な課題を考えます。

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小小11単位時間(45分)

アサガオになってみよう!体で感じて言葉にする

さわる・かぐ・動いてみる。体験と表現を行き来して「水が大事」に自分で気付きます。

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小小11単位時間(45分)

学校たんけん2回目は「数・ことば・形」の目で

3つの「たんけんめがね」で同じ場所が別の顔に。国語・算数・図工の力とつながる探検です。

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小小21単位時間(45分)

写真で見比べて「もう一度会いたい」町たんけん

1回きりで終わらせない。写真で気付いた「なぜ?」を持って、同じお店の人にまた会いに行きます。

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小小51単位時間(45分)

歌う?吹く?混ぜる?1曲で響きくらべ

同じ旋律を歌と楽器で組み合わせ、録音して聴き比べ。ねらいは「全体の響き」1つに絞ります。

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小小51単位時間(45分)

手元を撮って比べよう!なみ縫いのコツ発見

10秒の手元動画をペアで見比べ、縫い目がそろう「手の動き」を自分たちで見付けます。

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小小41単位時間(45分)

切り取り方で変わる?写真のトリミング実験

同じ写真が「楽しそう」にも「さみしそう」にも。情報は切り取られていることを体験で実感します。

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小小21単位時間(45分)

思わず投げたくなる!ねらって当てる的あてランド

段ボールの的やフープで「当てたい!」を引き出し、遊びの中で「投げる動き」を磨きます。

手順を見る
小小学4年1単位時間(45分)

「わかっているのに、言えない」を考える

正直に言えない心の弱さに目を向け、役割演技で言い出し方を試します

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小小学5年1単位時間(45分)

素朴な問いを「探究の課題」にみがく

「好き」や「気になる」から出た問いを、自分と社会にとっての意味から磨きます

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小小学4年1単位時間(45分)

学級会で「納得解」をつくる

すぐに多数決に頼らず、意見を出し合い組み合わせて、みんなが受け入れられる案をつくります

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小小5・615分

日本語と英語、どこが入れかわる?語順パズル

カードを並べかえるだけで、英語の語順のきまりに子供が自分で気付きます。

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小小5(外国語活動から外国語科へのつなぎ)10分

最初の音はどの文字?サウンド・ハンター

単語の最初の音を聞き取り、文字と結び付ける10分間の帯活動です。

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小小61単位時間(45分)

ようこそ、わたしの町へ!おすすめスポット紹介

自分の町のおすすめを、ALTや海外の友達に伝えたくなる単元のゴール活動です。

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小小3・415分

ことばだけじゃない!ジェスチャー探偵

表情や身振りで「伝わる」体験から、相手を意識したやり取りへつなげます。

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小小51単位時間(45分)

新しいALTに届けよう!ウェルカムカード

「選んで書き写す」書くことの段階を、相手意識のあるカードづくりで踏みます。

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小小5・61単位時間(45分)

給食やそうじ当番は世界でも「ふつう」?

当たり前の学校生活を外の目で見直し、日本のことを英語で伝えます。

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小小615分(帯活動)

2回目はもっと伝わる!リトライ・トーク

話す→言えなかったことを全体で解決→もう一度話す。往還を15分で回します。

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小小620分

AIの英文、ほんとかな?日本紹介を確かめよう

先生が用意したAIの英文を、みんなで「本当?」と確かめてから自分の言葉で伝えます。

手順を見る

小学校の先生の準備チェックリスト

全教科の先生

チェックはこの端末のブラウザだけに保存されます。

英語の先生

チェックはこの端末のブラウザだけに保存されます。

時期別ロードマップ・全体の準備チェックへ

小学校の先生のよくある疑問

「情報の領域」が入ると、ほかの教科の時間は減りますか?
1年間の授業時間の合計は増やさない前提です。そのため、情報の時間は3年生以上の各教科から少しずつ減らして生み出す考え方です。減らす割合は一律3〜4%程度とされ、35コマ以下の教科からは減らしません。具体の時数は、これから示されます。 P78P79
プログラミングが苦手でも教えられますか?
国が、授業でそのまま使える授業動画を含む教材を作る方向です。少なくとも1年に1度は新しくするとされています。小学校の先生向けの研修コンテンツは、2027年度末(令和9年度末)までに国が作って提供するとされています。 P75P261
調整授業時数制度は、いつから使えますか?
全面実施(2030年度)を待たず、2028年度(令和10年度)からの先行実施期間に使えるようにする方向です。それまでに、先に試す「サキドリ研究校」を増やして事例を集めます。使う学校は、活用の様子を学校のウェブサイトで公表することが求められる方向です。 P38P40
通知表の作業は軽くなりますか?
評定をまとめるのは学年末だけでもよい、と明確にする方向です。その場合、学期中は途中で声をかけて伸ばす評価(形成的評価)を中心にします。学校が作ってきた「内容のまとまりごとの評価規準」も、不要にする方向です。単元の目標を、そのまま評価規準として使う考え方です。 P69P70
「◯」は全部の教科で付けないといけませんか?
単元ごとに◯を付けることは求めない方向です。国が教科ごとに「見取る姿」を示し、できるだけ長い期間で見ていきます。全部の教科で◯を取ること自体が目的になる使い方は想定していないとされています。小学校には2028年度末までに周知する方針です。 P65P66
不登校の子への対応は変わりますか?
教育支援センター等に通う不登校の子のために、特別な教育課程を組める仕組みを新しく作る方向です。下の学年の内容で学び直しても、在籍学年の基準で評価され「1」などが付きやすい、という課題を改めるねらいです。2028年度からの先行実施期間に取り組めるようにする方向です。 P38P54

図解アニメで見る

小学校の授業に使える原田英語のサイト

ほかの校種・全校種共通も見る

出典:中央教育審議会 初等中等教育分科会 教育課程部会「次期学習指導要領等に向けた審議まとめ」(2026年10月5日)。P○ は本体PDFのページ、資料P○ は資料編のページ(クリックで該当ページが開きます)。