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保護者の方へ

わが子の学びはどう変わる?

次の学習指導要領は、小学校で2030年度、中学校で2031年度、高校で2032年度の入学生から始まる見込みです。2026年10月の「審議まとめ」をもとに、お子さんの学年ごとに「いつ・何が変わり・家庭で何ができるか」を、まだ決まっていない点も含めてやさしくまとめました。

更新2026年11月4日チェックリスト30項目印刷PDF
もくじ(20項目)
  1. 3行でいうと
  2. わが子はいつから?学年をえらんでチェック
  3. お子さんの学年だと、これからどうなる?
  4. いまの不安に、ひとつずつ答えます
  5. 保護者は何をすればいい?(学年別チェックリスト)
  6. 何が変わる?家庭で何を勉強させればいい?
  7. 教科ごと:家で何を勉強させればいい?
  8. 親子で話すきっかけカード
  9. あわてなくて大丈夫なこと
  10. 学校で、こんな変化が見えてきます
  11. 全学年に共通すること
  12. AIとタブレット:わが子はどう使う?
  13. 受験(高校入試・大学入試)はどうなる?
  14. よくある誤解
  15. 面談で先生に聞いてみたいこと
  16. 出てくる言葉を、やさしく
  17. スケジュール早見表
  18. 保護者の方からよくある質問
  19. 家庭学習に使える無料サイト(原田英語)
  20. もっと知りたい方へ

3行でいうと

  1. 全面実施は小学校2030年度・中学校2031年度・高校2032年度入学生からの見込みで、2028年度ごろから一部を先に始める「先行実施」もあります(日程は今後変わる可能性があります)。
  2. 学ぶ内容を大きく増やすのではなく大事なことに絞り込み、知識をつなげて自分の言葉で説明できる「深い学び」と、情報・AIを正しく使いこなす力を、小・中・高を通して育てる方向です。
  3. 家庭では、学び方を自分で工夫する力、考えを話す・書く習慣、AIの答えをうのみにしない姿勢をそっと支えることが、審議まとめの方向性に沿った関わり方です。

わが子はいつから?学年をえらんでチェック

お子さんの学年だと、これからどうなる?

上の学年チェッカーでえらんだ学年の「道すじ」と「今年やっておくとよいこと」が出ます。

※ 年度は、審議まとめと文部科学省「改訂スケジュール(イメージ)」による見込みからの計算です。入試のあつかいは、まだ決まっていません。

いま小1のお子さん:これからの道すじ

小1・小2は今の学習指導要領、小3・小4(2028〜29年度)は一部を先に始める移行期間です。小5の2030年度から新しい学習指導要領になり、中学校・高校はすべて新しい学習指導要領で学ぶ見込みです。 P38P51P79P86P262日程:スケジュール(イメージ)

入試はどうなりそう?(見込み)

高校入試は2034年度末(中3)、大学入試は2037年度(高3)の見込みで、中学・高校とも新しい学習指導要領で学んだあとです。入試の方法がどう変わるかは決まっていません。

今年やっておくとよいこと(原田英語からの提案)
  • 学校の話を「何がおもしろかった?」と聞き、子どもの言葉で話してもらいましょう。
  • 読み聞かせや図書館通いを続け、本を楽しむ習慣をつくってみましょう。
  • おやつを分ける、時計を読むなど、生活の中で数にふれてみましょう。

いまの不安に、ひとつずつ答えます

気になる質問を押すと、答えが開きます。

うちの子は移行期間の学年です。古い内容と新しい内容のあいだで、習わない単元が出たりしませんか?

新しい教科・領域は、小学校は2028年度、中学校は2029年度から段階的に先に始める「経過措置」をとる方向です。具体的な中身は今後、文部科学省が決めるとされています。前回の改訂でも、全面実施前の2年間に外国語活動を先に始めた例があります。 P79P262

家庭では:学校だよりや説明会で、移行期間の進め方を確かめておきましょう。

上の子と下の子で習う内容がちがうと、家で教えてあげられなくなりそうで不安です。

審議まとめは、学習指導要領を保護者も含めて誰でも見やすいデジタル版にすることや、国が子供・保護者向けにポイントを伝える動画をつくることを求めています。学年ごとに何を学ぶのかを、家庭でも確かめやすくする方向です。 P21P88

家庭では:教え込むより、「今日は何を習ったの?」と子どもに説明してもらいましょう。

算数が苦手です。新しくなったら、もっとついていけなくなりませんか?

審議まとめは、算数・数学は1つのつまずきが雪だるま式に増えやすいとして、小・中・高の学びを着実に積み重ねることを重視しています。割合・比・分数は内容や教える順序を見直し、進級後に前の学年の定着を確かめることも大切だとしています。 P164P165P166

家庭では:分からないところは、前の学年にもどって一緒に確かめて大丈夫です。

親が英語を話せません。家で英語を手伝ってあげられるでしょうか?

審議まとめに、保護者が家で英語を教えることを前提にした記述はありません。家庭学習も含めて子どもが自分に合った学び方を使えるよう、国が参考になる動画や資料を出す方向です。よく使う語彙や文法を、いろいろな場面でくり返し使って身につける考え方も示されています。 P278P281

家庭では:上手さより、習った英語を家で使ってみる場面を一緒に楽しみましょう。

中学校の英文法がしぼられると聞きました。高校に入ってから困りませんか?

中学校では、よく使う文法などを具体的に示して指導の対象をしぼり、難しさを適正にする方向です。ねらいは、理解して実際に使えるようにすることです。高校では入学の初めに学習状況をつかみ、中学校で習ったことをくり返し使いながら身につけることも示されています。 P278P281P283

家庭では:習った文法で、自分のことを短く話す・書く練習を応援しましょう。

家にパソコンやネット環境が十分にありません。不利になりませんか?

次の学習指導要領は、学校の1人1台端末などの「デジタル学習基盤」を使うことを前提に考えられています。審議まとめは、家庭・地域の社会経済的な背景で使える学習環境に差があることへの留意も求め、家で学びにくい子のために校内に学習ブースをつくる例なども紹介しています。 P10P25P176

家庭では:端末の持ち帰りや家での使い方は、遠慮なく学校に相談しましょう。

生成AIを早く使いこなせないと、置いていかれませんか?

学校では、発達の段階に応じたAIの適切な活用を示す方向です。一方で、AIで学習の過程を省くと学習効果が下がるおそれや、一見高度でも力がついていない「偽の熟達」への注意も示されています。国の生成AIのガイドラインは、2026年度中に改定される予定です。 P140P262P278P330資料P72

家庭では:急いで使わせるより、自分で考えて説明する力を家で育てましょう。

字を書くのがとても苦手な子です。手書きを重視されると、つらくなりませんか?

小学校では手書きの書写を丁寧に指導する方向ですが、書くことに困難がある子には、デジタル学習基盤の活用や代わりの方法を積極的に用意し、一人一人の特性に合わせて指導することを明確にするとしています。評価でも、何を評価するのかを明確にするよう求めています。 P141

家庭では:困りごとは具体的な場面を添えて、早めに担任の先生に相談しましょう。

道徳の評価が、高校入試の内申に響くことはありますか?

審議まとめは、道徳科の評価について、数値ではなく文章で書くこと、ほかの子と比べず成長を認め励ます個人内評価とすること、調査書(いわゆる内申書)に記載せず入学者選抜の合否判定に使わないこと、という整理をあらためて示しています。 P308

家庭では:道徳の時間に考えたことを、家で聞いてみるだけで十分です。

共働きで、家で勉強を見てあげる時間があまりとれません。

審議まとめは、学校で学習の自己調整や学び方を指導したうえで、一律の宿題から抜け出し、家庭学習の内容を子ども自身が決められるよう段階的に指導する方向を示しています。算数・数学では、家庭での学習環境や保護者の理解に十分配慮する必要があるとも書かれています。 P10P164

家庭では:短い時間でも「今日は何をやる?」と聞き、本人に決めてもらいましょう。

好きなことばかりやっていて、苦手な教科を放っておいていいのか心配です。

審議まとめは「好き」を育み「得意」を伸ばし、それを原動力に学び全体への意欲を高めることを重視しています。同時に、好き・得意なことだけでなく苦手なことにも、学び方を自分で調整することが効果的だとし、全ての基盤になる基礎学力の意義にもふれています。 P9P10

家庭では:好きなことでうまくいったやり方を、苦手な教科でも試してみましょう。

スマホや動画の時間が長くて心配です。学校では何か教えてくれますか?

審議まとめは、SNSや動画視聴の時間が長いほど学力調査の正答率が低い傾向を懸念として挙げ、子どものスマホ使用時間が大きく増えたデータも紹介しています。小学校の新しい「情報の領域」では、長時間利用の影響を含む「適切な取扱い」も学ぶ方向です。 P5P74P324

家庭では:学校で学んだことをもとに、家の使い方を子どもと一緒に見直しましょう。

保護者は何をすればいい?(学年別チェックリスト)

「いま」「告示のあと」「移行期間」「全面実施のころ」に分けて、家庭でできることをまとめました。上の学年チェッカーで学年をえらぶと、お子さんの校種のタブに切りかわります。

チェックはこの端末のブラウザだけに保存されます。ここに書いた「すること」は、審議まとめの方向性をもとにした原田英語.comからの提案です。

何が変わる?家庭で何を勉強させればいい?

いつから?

小学校は2030年度(令和12年度)から全学年で新しい学習指導要領になり、新しい教科書も2030年度から使われる見込みです。その前の2028年度から、総合の「情報の領域」や、授業時数を学校が調整できる制度などを先に始められるようにする方向です。2026年度に小1・小2のお子さんは小学校の途中から、小3・小4のお子さんは中学校の途中から新しい学習指導要領で学ぶ計算です(日程は今後変わる可能性があります)。

小学生が学ぶこと、ここが変わる

総合の時間に「情報の領域」ができる

小学校の「総合的な学習の時間」は「総合的な探究の時間」という名前に変わり、新しく「情報の領域」が加わる方向です。3〜6年生で、タブレットなど情報技術の使い方、安全な扱い方、しくみを順を追って学びます。時間は3・4年で各学年最大30コマ程度、5・6年で最大35コマ程度と見込まれています(1コマ=授業1回分。正式な時数はこれから決まります)。 P74P78P79P323

英語は「音声で慣れてから読む・書く」を大切に

3・4年の「外国語活動」、5・6年の「外国語科」という今の形は続きます。音声で十分に慣れ親しむ段階から、読む・書くへとなめらかにつなぐよう段階的に示し、日本語と英語の語順の違いに気づかせて中学校の文法につなげます。習った表現を何度も繰り返し使うことの大切さも示されています。 P276P277P281

算数は割合・比・分数のつまずき対策

割合・比・分数は、理解が十分でない子が多いとして、内容や教える順序を見直す方向です。前に習ったことがどれくらい身についているかを確かめることの大切さも指摘されています。算数・数学全体で、筋道を立てて説明する学びを重視します。 P165P171

国語は手書きの書写を引き続き重視

タブレットでの文字入力が増えても、文字を正しく書く力はすべての学びの土台だとして、小学校では手書きの書写を丁寧に指導します。話す・聞く、書く、読むの学習は、話や文章が社会で果たす役割(「話や文章の機能」〔仮称〕)でつなげて学ぶ形に整理されます。 P131P141

生活科・理科は体験と日常のつながりを重視

1・2年の生活科は、体を使った体験と多様な表現(話す・描くなど)を行き来する学びを目標の中心にする方向です。理科は内容を物理・化学・生物・地学の4分野で整理し、分野をまたぐ身近な課題を考える「理科と日常生活」(仮称)が新しく設けられます。 P184P187P203

体育は1〜4年で「運動遊び」と「動き」を軸に

1〜4年の体育は「遊び」の要素を取り入れた学習として整理し、具体的な運動の名前ではなく、身につけたい「動き」を軸に示す方向です。やらされる運動ではなく、楽しみながら多様な動きを経験することがねらいです。 P270P272

評価は「学びに向かう力」の扱いが変わる

教科ごとに「主体的に学習に取り組む態度」をA・B・Cで評価するやり方をやめ、学校生活全体を通して一人一人のよさや成長を文章で見る評価(個人内評価)にする方向です。考える・判断する・表現する過程で、自分から動き出す姿などが続けて見られたときは、その観点に「◯」を付け加えます。小中学校向けの具体的な見方(「見取る姿」)は2028年度末までに示される予定です。 P63P64P65P67

1年間の授業時間の合計は今と同じ、時間割にゆとり

1年間の標準の授業時間の合計は今のまま維持し、情報の時間は3年生以上の教科から少しずつ(3〜4%程度)減らして生み出す考え方です。年間40週を標準として時間割をならし、週28コマ以下にしやすくする方向で、学校が教科の時間を調整できる「調整授業時数制度」も設けられます。 P31P37P56P79

家庭でできること・何を勉強させればいい?

「今日わかったこと」を自分の言葉で話してもらう

授業で何を学んだかを、お子さんの言葉で家族に説明してもらう時間をつくってみましょう。うまく説明できなくても大丈夫です。「どうしてそう思ったの?」と聞き役になるだけで、考えを整理するきっかけになります。

根拠:審議まとめは、書く・話すといった「外化」(頭の中の考えを外に出すこと)で自分なりの意味理解をつくることを重視しています(P28)。

家庭学習は「何を・どれだけ」を一緒に決めて振り返る

宿題や家庭学習の内容を、少しずつお子さん自身が選べるようにしていく方向が示されています。家庭でも、やることを一緒に決め、終わったら「どこが難しかった?次はどうする?」と短く振り返ると、自分で学び方を工夫する練習になります。

根拠:一律の宿題から脱却し、学習の自己調整や学習方略の指導を経て家庭学習の内容を子供が自律的に決められるよう段階的に指導するとしています(P10、P27〜28)。

外遊びや自然・生き物とふれあう体験を大切に

体を動かして遊ぶこと、草花や生き物にふれること、身近な場所に出かけることなど、五感を使う体験は学校の学びの土台になります。特別なことをする必要はなく、日常の中で無理のない範囲で楽しんでください。

根拠:「デジタルの力も使ってリアルな学びを支える」というバランスを示し、生活科では身体性を伴う体験を重視しています(P8、P203)。

調べたことは「どこに書いてあった?本当かな?」と一緒に確かめる

タブレットやインターネットで調べたときは、どこからの情報か、ほかの情報と比べてどうかを一緒に見てみましょう。検索結果の要約をそのまま写すのではなく、自分の言葉でまとめ直す習慣が身につくと安心です。

根拠:検索結果のAI要約を単純にコピーする実態への指導や、情報の信頼性を確かめる技能の向上が課題とされ、情報の領域では安全な扱い方も学びます(P26、P74)。

英語は「聞いて楽しむ」ことから

小学校の英語は、音声で十分に慣れ親しんでから読む・書くへ進む考え方です。家庭でも、つづりを正しく書けるかより、英語の歌や簡単なあいさつを聞いたり口にしたりして楽しむことを大切にしてみてください。

根拠:外国語活動(音声での慣れ親しみ)から外国語科(読む・書くを含む)へ円滑につなぐ指導を示しています(P281)。

お子さんの「好き」を話題にする

お子さんが夢中になっていることや知りたいことを、家族で話題にしてみましょう。「好き」から生まれた問いは、総合の探究など学校の学びにもつながります。

根拠:「好き」(興味・関心)を育み「得意」を伸ばすことを改訂の柱の一つとしています(P9〜10)。

教科ごと:家で何を勉強させればいい?

英語

AI翻訳がある時代でも、自分のことや考え、住んでいる地域のことを英語で伝え合う力を重視。よく使う語彙・文法をしぼり、くり返し使って身につける方向です。 P278P281P282P283

小学生

  • 英語の歌や絵本の音声を聞いて、まねして口ずさんでみましょう。
  • 習ったあいさつや表現を、家の中で合言葉のように使ってみましょう。
  • 日本語と英語で言葉の並ぶ順番がちがうことに気づいたら、一緒に面白がってみましょう。

中学生

  • 習った文法を使って、自分のことを3文で話す・書く練習をしてみましょう。
  • 住んでいる地域のおすすめを、英語で紹介する文を考えてみましょう。
  • 翻訳ツールを使うなら、先に自分で書いてから比べてみましょう(学校のルールも確認を)。

高校生

  • 社会の話題について、自分の意見と理由を英語で短くまとめてみましょう。
  • 単語の覚え方など、どの学び方が効いたかを本人が振り返る時間をつくりましょう。
  • 生成AIで作った例文は、そのまま覚えず、辞書や教科書で確かめてから使いましょう。
国語

自分の考えを言葉にして筋道立てて伝える力、情報の信頼性を見極める力、語彙と読書の習慣を重視。小学校では手書きの書写も引き続き大切にします。 P10P130P136P140P141

小学生

  • 読み聞かせや図書館通いで、本を楽しむきっかけをつくりましょう。
  • 手紙やカードなど、手で文字を書く機会を大切にしましょう。
  • 「楽しい」以外の言い方を一緒に探すなど、言葉遊びで語彙を増やしてみましょう。

中学生

  • ニュースの話題について、考えと理由を筋道立てて話してもらいましょう。
  • 似た言葉のちがいを辞書で調べるなど、言葉の感覚を磨く会話をしてみましょう。
  • 読んだ本を家族にすすめるつもりで、ひとこと紹介してもらいましょう。

高校生

  • 論説や社説を読み、筆者の主張と根拠を一緒に整理してみましょう。
  • 同じできごとを複数の報道で読み比べ、伝え方のちがいを話してみましょう。
  • 生成AIの文章をそのまま使わず、まず自分で考えて書く習慣を大切にしましょう。使ったときは内容を確かめ、学校のルールにしたがってAIを使ったことや出典を書きましょう。
算数・数学

公式の丸暗記ではなく、意味が分かって使える力を重視。つまずきが積み重ならないよう基礎を確実にし、日常や社会とのつながりを実感できる学びを目指します。 P163P164P165P166P167

小学生

  • 買い物の割引やおやつの分け方など、生活の中で割合や分数にふれてみましょう。
  • 答えが合ったら「どうやって考えたの?」と聞き、説明してもらいましょう。
  • つまずいた単元は、前の学年にもどって確かめても大丈夫です。

中学生

  • 間違えた問題は、どこでつまずいたかを本人に説明してもらいましょう。
  • スポーツの記録や気温など、身近なデータをグラフにして話してみましょう。
  • 証明や説明の問題は、家族に「なぜ?」を説明する練習にしてみましょう。

高校生

  • ニュースの確率や統計の数字を、どう読めばよいか一緒に考えてみましょう。
  • 生成AIで解いた答えは、自分で検算して正しいか確かめる習慣をつけましょう。
  • 数学がどんな仕事や学問で使われているか、一緒に調べてみましょう。
理科

身近な自然や日常の現象を、科学的に確かめて考える力を重視。小学校に「理科と日常生活」、中・高に「科学ガイダンス」を設けることが提案されています。 P183P184P185P187P192

小学生

  • 身近な「なぜ?」を見つけたら、予想してから確かめる遊びをしてみましょう。
  • 料理や天気、植物の育ち方など、日常の中の理科を話題にしてみましょう。
  • 図鑑や、無料で参加できる自然観察会・科学のイベントも探してみましょう。

中学生

  • 実験の結果について「予想とちがったのはなぜ?」と話してもらいましょう。
  • SNSで見た健康や科学の話は、根拠があるか一緒に確かめましょう。
  • 科学の仕事や研究者の話にふれ、理科と社会のつながりを感じてみましょう。

高校生

  • 科学のニュースについて、データや根拠をもとに考えを話し合ってみましょう。
  • 大学や研究機関の公開講座など、研究にふれる機会をのぞいてみましょう。
  • データをごまかさないなど、研究の進め方や研究倫理を話題にしてみましょう。
社会

情報の真偽や意図・背景を確かめ、根拠をもって自分の考えをつくる力を重視。身近な地域から世界へ視野を広げ、主権者として社会に関わる学びを充実させる方向です。 P146P147P151P158P159

小学生

  • 近所の公共施設やお店を一緒に歩き、まちで働く人を話題にしてみましょう。
  • 地図アプリや紙の地図で、出かけた場所を一緒に確かめてみましょう。
  • ニュースを見たら「どう思う?」と聞き、子どもの考えを受け止めましょう。

中学生

  • 同じ出来事について、ちがう立場の意見を一緒に探してみましょう。
  • 郷土資料館や博物館で、地域の歴史を実物で見てみましょう。
  • 選挙のときに、候補者や政党の主張を比べる会話をしてみましょう。

高校生

  • 社会の課題について、根拠となる資料を示して意見を言う練習をしてみましょう。
  • 交通や防災など、住んでいる地域の課題を家族で調べて話し合ってみましょう。
  • SNSで広まった話題は、元の情報までたどる習慣を応援しましょう。
情報・プログラミング

情報を上手に・安全に使う力と、しくみの理解を小・中・高で体系的に育てる方向。AIでプログラムが作れても、目的に合った指示と結果の検証が大事だとしています。 P72P74P242P249P250P251

小学生

  • 使う時間や場所など、端末の「自分ルール」を子ども自身に考えてもらいましょう。
  • 家電や信号など、身の回りのコンピュータを一緒に探してみましょう。
  • 生成AIは子どもだけで使わせず、使うなら大人と一緒に。利用規約の年齢も確認を。

中学生

  • 動画やSNSの「おすすめ」がなぜ表示されるのかを話題にしてみましょう。
  • 簡単なプログラミングで、作りたいものを形にする体験をしてみましょう。
  • 個人情報やパスワードの扱い方を、家族で確認しておきましょう。

高校生

  • AIが作った答えやプログラムには誤りもあり得ると知り、確かめる習慣をつけましょう。
  • データを集めて表計算ソフトでグラフにするなど、データ活用を試してみましょう。
  • 情報技術の便利さと危うさ(偽情報など)を、家族で話し合ってみましょう。
探究(自由研究)

共通テーマの「テーマ探究」と、自分の興味から始める「マイ探究」を組み合わせる方向。体験を土台に、研究・行動・創作など多様な探究を認め、考えた過程も大切にします。 P323P324P330

小学生

  • 自由研究は、子どもの「なぜ?」「やってみたい」から始めてみましょう。
  • 知らなかったテーマにも、親子で一度ふれてみましょう。
  • 調べた結果を家族に発表してもらい、質問してみましょう。

中学生

  • 「好き」を作品にする(動画・模型・物語など)創作の探究も応援しましょう。
  • 途中のメモや失敗も残し、考えの変化を振り返ってみましょう。
  • 地域の人に話を聞くなど、その場に行って確かめる体験を大切にしましょう。

高校生

  • 自分の進路や生き方につながる問いを、急がず一緒に考えてみましょう。
  • AIで得た情報は、だれがいつ発信したかなど元の情報までたどって確かめましょう。
  • 探究の成果を、その場で説明して質問に答える練習をしてみましょう。

家庭でできることは、審議まとめの方向性をもとにした原田英語からの提案です。

親子で話すきっかけカード

先生になって教えて

「今日習ったこと、おうちの人に先生みたいに教えてくれる?」

書く・話すで考えを外に出す「外化」で、自分なりの理解をつくることを重視しています。 P10P28

その話、だれが言ってる?

「この話、だれが言ってるんだろう?ほかのところでも同じこと言ってるかな?」

情報の真偽や意図・背景を確かめ、根拠をもって考える力が重視されています。 P147P159

AIの答えをチェック

「AIの答え、どこかおかしいところがないか一緒に探してみない?」

AIの出力の正しさを見極めるにも知識が必要で、うのみにしない姿勢が大切とされています。 P9P282

夢中になったこと

「最近、時間を忘れるくらい夢中になったことってある?」

「好き」を育み「得意」を伸ばすことが、次の学習指導要領の柱の一つです。 P9P10

むずかしかったところ

「むずかしかったところ、どうやったら分かりそう?作戦を立ててみる?」

学び方を自分で調整する力(自己調整)や学習方略の指導が重視されています。 P10P28

これ、いくら安くなる?

「「2割引き」って、これだと結局いくら安くなるのかな?」

割合は課題とされる単元で、日常の問題を数学で考える学びも重視されています。 P163P165

どうしてこうなる?

「どうしてこうなるんだと思う?本当か確かめるには、どうしたらいい?」

身近な現象を科学的に探究する力と、理科と日常生活のつながりが重視されています。 P185P187

まちを紹介するなら

「このまちのいいところを、外国から来た人に紹介するなら何にする?」

外国語では、自分のことや住んでいる地域のことを伝える活動を充実させる方向です。 P10P281

考えがちがうとき

「おうちの人とはちがう考えだね。どうしてそう思ったのか聞かせて?」

自分の意見をもち、ちがう考えの人と対話し合意できる力が改訂の両輪の一つです。 P9P10

似ている言葉

「「うれしい」と「楽しい」って、どうちがうと思う?」

AIの時代だからこそ、人間ならではの語感を磨き、語彙を豊かにする学習が重視されています。 P136

あわてなくて大丈夫なこと

「次期学習指導要領対応」をうたう教材を急いで探す

今は告示前の段階で、各教科の授業時数の実数や英語の基盤語彙リストなど、これから決まることが多く残っています。 P79P283

「みはじ」「くもわ」のような覚え方の丸暗記を急がせる

審議まとめは、こうした覚え方を暗記させるだけではかえって知識の習得を妨げかねず、意味の理解が欠かせないとしています。 P164

プログラミングのために、家で高価な機材をそろえる

新しい教科・領域の学びは学校で体系的に行う方向で、国が学習動画や教材を整え、3Dプリンター等の整備も進めるとしています。 P243P262

教科書のすみずみまで覚えさせる

教科書を網羅的に教える授業から抜け出せるよう、教科書は大事なことに精選し、ほかの教材や図書館と役割を分ける方向です。 P57P58P88P89

作文やノートの字の形まで、きれいさで叱る

審議まとめは、書写で評価する「文字を整えて書く力」と、考えを表す手段としての筆記を区別するよう求めています。 P141

今の中高生が、高校の新しい科目名や新単位を気にする

高校の新しい学習指導要領は2032年度入学生からの見込みで、科目名や単位数は告示前で、まだ確定していません。新しい科目は今の中高生には関係しない見込みですが、単位制の柔軟化は2029年度か2030年度に先行実施される方向で、くわしくはこれから決まります。 P51P80日程:スケジュール(イメージ)

学校で、こんな変化が見えてきます

通知表

いま教科ごとに「主体的に学習に取り組む態度」もABCで評価し、学期ごとに評定を確定させる学校が多く、通知表づくりの負担が大きいと指摘されています。
次期(方向・案)「態度」のABCをやめ、総合所見欄で一人一人のよさや成長を文章で見る個人内評価にし、考える・判断する・表現する過程で主体的な姿が特に見られたら「◯」を付け加える方向です。評定のまとめを学年末だけにしてもよいことも明確にする方向です。 P62P63P64P70

家庭では:通知表の様式は学校が決めます。文章の所見に書かれたよさを、お子さんとの会話のきっかけにしてみてください。

時間割(週のコマ数・1コマの長さ)

いま「年間35週以上」という決まりが「週29コマ必要」という受け止めにつながり、標準より多めに授業時数を組む学校も多くありました。
次期(方向・案)年間40週を標準として授業を平らにならし、週28コマ以下にしやすくする方向です。1コマの長さも各学校が適切に決められることを分かりやすく示します。 P39P56P57

家庭では:下校時刻や時間割が変わったら、学校だよりなどで理由を確認し、放課後の予定を無理なく組み直しましょう。

学校ごとの独自の時間(調整授業時数制度)

いま授業時数を柔軟にする特例校制度は、国の審査・指定が必要で使いにくいとの声がありました。
次期(方向・案)学習指導要領の内容をすべて扱うことを前提に、学校の判断で教科の時数を標準より少なく組み(上限は未決定で、最大限大きくとった場合に15%程度を想定)、生まれた時間を他の教科や学習支援などの時間、先生の研修に使えるようにする方向です。活用状況は学校のウェブサイトで公表します。 P31P37P40P58

家庭では:学校によって時間の使い方が違ってくる可能性があります。学校のウェブサイトや説明会で、ねらいを聞いてみましょう。

教科書

いま学習に必要な情報の大半や多くの用語が載っていて、「教科書を全部教える」授業から抜け出しにくいと指摘されています。
次期(方向・案)大事なこと(統合的な理解・総合的な発揮)をつかみやすいように内容を精選し、デジタルな形態を含む新しい教科書を導入する方向です。教科書で得た理解は、ほかの教材や学校図書館などで広げる役割分担を考えます。 P58P88P89

家庭では:教科書がすっきりしても、学ぶ中身が軽くなるという意味ではありません。図書館の本などで興味を広げる楽しみも応援しましょう。

タブレットとAI

いま2021年度から1人1台端末の本格的な利用が始まりました。一方で、検索結果の上に出るAIの要約をそのまま写してしまう子への指導が十分でない実態も指摘されています。
次期(方向・案)1人1台端末などの「デジタル学習基盤」が常に使えることを前提に学習指導要領を示す方向です。同時に、情報の信頼性を確かめる力を高め、AIに頼って自分で考えていない成果物が通用しない評価の工夫(口頭試問など)も示していきます。 P25P26P28

家庭では:家庭での端末やAIの使い方は、学校のルールとそろえて決めると、子どもが迷いにくくなります。

宿題・家庭学習

いま全員に同じ宿題を出す形が一般的です。
次期(方向・案)学校で学習の自己調整や効果的な学び方を教えたうえで、一律の宿題から抜け出し、家庭学習の内容を子ども自身が決められるよう段階的に指導する視点を重視する方向です。英語では、AI翻訳を出せば済むような課題の出し方をしないよう注意が示されています。 P10P281P282

家庭では:宿題の形が変わっても慌てずに、「今日は何をどれだけやる?」を本人が決める練習を見守りましょう。

総合の時間・探究

いま小・中学校は「総合的な学習の時間」、高校は「総合的な探究の時間」です。
次期(方向・案)小学校から高校まで「総合的な探究の時間」という名前にそろえる方向です。学級共通の「テーマ探究」と、一人一人の「マイ探究」を組み合わせ、研究系・行動系・創作系など多様な探究を認めます。小学校には「情報の領域」が加わります。 P11P77P78P323

家庭では:テーマがすぐに決まらなくても大丈夫です。日々の体験や会話の中から、お子さんの「おもしろい」を一緒に探してみましょう。

学校行事・児童会/生徒会

いま意義がはっきりしない校則や学級のルールなどもあいまって、集団の一体感が「同調圧力」に偏る面があるとの指摘があります。
次期(方向・案)児童会・生徒会が校則など学校のルールづくりに発達の段階に応じて関わる仕組みを明示し、学校行事は企画・運営を含めて子供が主体的に役割を担う方向です。 P10P11P351P355

家庭では:行事の形が変わったり、子どもが話し合いに関わったりする場面が増えるかもしれません。話し合いの様子を聞いてみましょう。

英語の授業

いま小3・4の「外国語活動」、小5・6の「外国語科」、中学校は授業を英語で行うことが基本です。教科書ごとに扱う単語にばらつきがあり、中学校では難しい単語が増えていると指摘されています。
次期(方向・案)小学校は、外国語活動(音声での慣れ親しみ)から外国語科、さらに中学校へと内容や難しさがなめらかにつながるよう段階的に示し、中学校の授業を生徒の理解に応じた英語で行う方針も維持する方向です。国が「基盤語彙リスト」を作り、指導する語彙の数も精選を含めて見直します。AIを使った会話練習などは、人間同士のコミュニケーションの充実につなげる手段と位置づけます。 P276P277P281P282P283P284

家庭では:単語の数を競うより、習った表現を何度も使って楽しむ経験を家庭でも大切にしましょう。

不登校の子の学び

いま下の学年の学び直しなどに一生懸命取り組んでも、在籍学年の基準で評価されるため「1」や「-」の記載になり、意欲や自己肯定感が下がるとの指摘があります。
次期(方向・案)校内・校外の教育支援センターなどで学ぶ小中学生のために、授業時数を少なくしたり学び直しを取り入れたりできる「特別の教育課程」をつくり、数値や段階によらない評価も選べるようにする方向です。2028年度からの実施を目指し、高校は当面対象外です。 P54P367P369P371P379P384

家庭では:対象になるかは学校・教育委員会が、本人・保護者の意向も聞いて判断します。気になるときは早めに相談しましょう。

障害のある子への支援(合理的配慮・通級)

いま通常の学級での支援の考え方が保護者などに十分理解されているとは言いがたく、通級による指導の中で教科を教えることは今の制度では難しいとされています。
次期(方向・案)本人・保護者の申し出を受け、建設的な対話による合意形成を通じて合理的配慮を行うことを総則に書く方向です。通級による指導の中で教科の指導を部分的に行えるようにし、端末のアクセシビリティ機能の活用や、配慮の内容を個別の教育支援計画に書いて学校間で引き継ぐことも重視します。 P53P116P117

家庭では:困りごとは「お願い」ではなく「一緒に考える相談」として、具体的な場面を伝えると話し合いが進みやすくなります。

部活動・地域クラブ

いま部活動の地域展開で「地域クラブ活動」が広がる見込みの一方、平日を中心に部活動が続く学校もあります。
次期(方向・案)学校が主体の「部活動」と、学校以外の団体などが主体の「地域クラブ活動」が当面並び立つ前提で、両方を学習指導要領に書く方向です。部活動では体罰・暴言・事故の防止などの記載を充実させます(高校は部活動のみ記載)。 P101

家庭では:地域クラブに移る活動は、運営する団体や費用、送迎などが学校と異なることがあります。お知らせをよく確認しましょう。

全学年に共通すること

通知表・評価:「態度」のABCがなくなる方向

教科ごとの「主体的に学習に取り組む態度」をA・B・Cで評価するやり方をやめ、学校生活全体を通して一人一人のよさや成長を文章で書く評価(総合所見欄での個人内評価)にする方向です。考える・判断する・表現する過程で、自分から動き出す、学びを調整する、対話・協働するといった姿が続けて見られたときは、その観点に「◯」が付きます。評定のまとめを学年末だけにしてもよいことも明確にする方向です。審議まとめは主に評価の考え方と指導要録(学校が保存する公式の記録)について示しており、通知表の様式は各学校が決めるものです。 P62P63P64P65P67P70

AIと端末:「使う」と「うのみにしない」の両方

1人1台端末などの「デジタル学習基盤」を常に使える前提で学習指導要領をつくり、発達の段階に応じたAIの適切な活用も示す方向です。一方で、AIの出力をそのまま使って考える過程を省いてしまうことへの注意も強く示され、書く・話すことで自分の理解をつくる学びを重視します。AI時代でも知識の価値は下がっておらず、つながった「確かな知識」がより大切だと整理されています。 P8P9P26P28P282

不登校の子のための「特別の教育課程」

校内・校外の教育支援センターなどで学ぶ不登校の小中学生のために、その子に合わせた特別の教育課程をつくれる制度が新しく設けられる方向です。授業時数を標準より少なく設定でき、下の学年の内容の学び直しや、数字を付けずに文章で評価する方法も選べるようにします。時数などは本人・保護者の意向も聞いて決め、2028年度からの先行実施を目指します(高校は当面対象外)。 P97P98P367P371P374P378P379P384

障害のある子・特異な才能のある子への支援

合理的配慮(障害のある子が学べるよう個別に行う調整)について、本人・保護者の申し出を受けて話し合い、合意をつくって行うことを総則に書く方向です。通級による指導の中で教科の指導もできるようにします。特定分野に特異な才能のある小中学生には、一部の教科に代えて高度な学びに取り組める特別の教育課程を設けますが、才能を「診断」するものではなく、入試対策を助長しない運用が前提とされています。 P96P117P118P386P388P390

授業時数と「余白」

1年間の標準の授業時間の合計は今と同じに保ちます。そのうえで、内容をすべて扱うことを前提に、学校の判断で対象教科等の時数を標準より下回って組める「調整授業時数制度」を設け(上限は未決定で、最大限大きくとった場合に15%程度を想定。年間35コマ以下の教科等は対象外)、生まれた時間を他の教科や学校独自の学び、先生の研修などに使えるようにする方向です。年間40週を標準として週28コマ以下にしやすくし、子供と先生に深い学びのための時間的ゆとり(「余白」)を生みます。学校は活用状況をウェブサイトで公表します。 P31P36P37P38P40P56P79

教科書はしぼり込み、デジタルな形も

今の教科書は情報を詰め込みすぎて、全部教えなければという意識につながっていると指摘されました。次期は大事なことをつかみやすい形に精選し、デジタルな形態を含む新しい教科書が導入される方向です。新しい教科書は小学校2030年度、中学校2031年度、高校2032年度から使われる見込みです。 P57P58P59P89

学習指導要領が「表」と「デジタル版」に

学習指導要領を文章の羅列から表の形にし、検索やリンクができるウェブ版「デジタル学習指導要領」をつくる方向です。学年別の目標はやめ、学年は「◯学年相当」と示して柔軟に指導できるようにします。保護者も含め誰でもアクセスしやすくすることで、子供自身が身につけるべき力を意識するきっかけになるとされています。 P17P19P21

まだ決まっていないこと

審議まとめは告示前の方向性です。たとえば、各教科の具体的な授業時数(情報の時間を生むための3〜4%程度の削減の実数)、調整授業時数制度で標準を下回れる上限(15%程度を想定)、英語の基盤語彙リストと語数、評価の「見取る姿」の中身、高校の新科目名(多くは仮称)、外部試験による免除の対象試験などは、これから決まります。日程も「今後変更の可能性がある」とされています。 P65P79P283P284

AIとタブレット:わが子はどう使う?

次期学習指導要領では、学習指導要領に「AIの適切な活用」が書かれる方向です。AIを使う場面と使わない場面を先生が目的に合わせて決め、AIの答えをうのみにせず確かめる力を育てることが大切にされています。

タブレットとAI

1人1台端末などの「デジタル学習基盤」が常に使えることを前提に学習指導要領を示す方向です。同時に、情報の信頼性を確かめる力を高め、AIに頼って自分で考えていない成果物が通用しない評価の工夫(口頭試問など)も示していきます。 P25P26P28

家庭では:家庭での端末やAIの使い方は、学校のルールとそろえて決めると、子どもが迷いにくくなります。

受験(高校入試・大学入試)はどうなる?

【高校入試】審議まとめは第1部第8章(4)「高等学校入学者選抜の在り方」で、改善の方向を示しています(P86)。課題として、個別の知識を単純に問う出題が今も残っていること、入試を背景にした保護者の懸念などが「教科書を全部教える」意識につながっているとの指摘を挙げています。そのうえで、①知識の記憶を単純に問うのではなく、主要な概念の本質的な理解や思考力・判断力・表現力を問う出題を充実させるよう国が支援する、②都道府県教育委員会などが出題方針の公表や作問の解説、分析結果の共有を進める、③採点などでAIを含むデジタル技術を活用し負担を軽くする、④各高校の特色に応じた多様な選抜方法を整理する、⑤不登校の特別の教育課程で受けた評定の扱いや、障害のある生徒の受検上の合理的配慮を整理する、⑥学力検査を行わない選抜や調査書を用いない選抜も必要に応じてできるよう、法令(学校教育法施行規則第90条)の在り方を検討する、としています。入試の方法は実施者である教育委員会等が決めることが前提で、都道府県教育委員会と意見交換しながら検討するとされ、いつから変わるかは示されていません。不登校の特別の教育課程での評価は、調査書への記載や一定の加点、学力検査・面接の重視などの検討を促すとしています(P381)。 【大学入試】審議まとめは、大学入試の制度(科目や方式など)をどう変えるかは扱っておらず、未定です。触れているのは、高校の単位制を柔軟にしても大学入試対策に過度に傾いた運用は防ぐこと(P44、P52)、数学の学びの成果が大学入学者選抜で適切に評価されるよう高校・大学の関係者と対話を進める必要があること(P179)などにとどまります。 P44P52P55P86P179P381

よくある誤解

英語の単語がすごく増えるから、今のうちに塾で単語を詰め込まないと間に合わない?
次の学習指導要領で学ぶ単語の数は、まだ決まっていません。審議まとめは、今の学習指導要領で語彙数が大きく増えた一方、教科書ごとに単語のばらつきがあり中学校で難しい単語が増えたことを課題とし、国が「基盤語彙リスト」を作って、指導する語彙数を精選も含めて見直す方向を示しています。大事な単語を様々な場面で繰り返し使えるようにするねらいで、家庭での先取りを求める記述はありません。 P61P277P283
「余白」ができるなら、学校の勉強はゆるくなる?
「余白」は「多様な子供たちの深い学びを実現するための時間的余裕」という意味です。1年間の標準の授業時数の合計は今と同じに保ち、調整授業時数制度も学習指導要領の内容をすべて扱うことが前提です。内容を減らして楽にするのではなく、大事なことを深く学ぶための時間をつくる考え方です。 P8P31P79
「主体的に学習に取り組む態度」のABCがなくなるなら、やる気や態度は評価されなくなる?
評価をやめるのではなく、評価のしかたを変える方向です。総合所見欄で一人一人のよさや成長を見る個人内評価と、考える・判断する・表現する過程での「◯」の付記を組み合わせます。審議まとめ自身が、「しなくてもよくなる」「軽視してよい」という誤った理解にならないよう趣旨を周知すべきだとしています。 P63P64
「◯」をもらうには、授業でたくさん手を挙げればいい?
「◯」は、考える・判断する・表現する過程で、自分から考え動き出す、学びを自分で調整する、対話・協働するといった姿が特に見られたときに付け加えるものとされています。「初発の思考・行動」は、与えられた課題に積極的に取り組むかといった入り口の自主性だけにとどまらないよう検討するとされ、単元ごとに「◯」を付ける運用も求めない方向です。 P64P65
AIが何でも答えてくれるから、もう知識を覚える必要はない?
審議まとめは、AI時代に人間が知識を持つ意義をあらためて整理しています。AIに出す問いや指示をつくるにも、AIの答えが正しいかを見極めるにも、責任をもって判断するにも、一定の知識が必要だとしています。そのうえで、知識が関連づいてほかの場面でも使える「確かな知識」として身につけることを重視し、AIの出力をそのまま使って考える過程を省いてしまうことへの注意も示しています。 P9P28
これからは全部タブレットになって、紙のノートや手書きはなくなる?
1人1台端末などのデジタル学習基盤は常に使えることを前提にする方向ですが、「デジタルかリアルか」の二項対立に陥らないことが重要だとされています。国語では、文字を書く力はすべての学びの土台だとして、とくに小学校で手書きによる書写を丁寧に指導する方向です。教科書も「デジタルな形態を含む」新しい教科書とされ、紙がなくなるとは書かれていません。 P26P88P141
特異な才能のある子の「特別の教育課程」は、受験に有利な飛び級コース?
本来の学年に在籍したまま、一部の教科に代えて高度な学びに取り組む仕組みで、飛び級・飛び入学のような「完全早修」ではありません(一部で先の内容を学ぶ「部分早修」を取り入れることはあります)。入試対策や単なる早修を助長しないよう、指導要録本体には特別の教育課程を編成したことを書かない、という考え方も示されています。 P98P381P387
全面実施は2030年度以降だから、いまの小学校高学年や中学生には関係ない?
全面実施の前から、調整授業時数制度(小・中とも2028年度〜)、小学校の「情報の領域」(2028年度〜段階的)、中学校の「情報・技術科」(2029年度〜段階的)、不登校の子の特別の教育課程(2028年度〜)などを先に始められるようにする方向が示されています。実際にどう取り組むかは学校や地域によって異なります。 P38P79P262P384

面談で先生に聞いてみたいこと

責めるためではなく、一緒に考えるための質問です。

出てくる言葉を、やさしく

学習指導要領

学校で何を目標に、どんな内容を教えるかを国が定めた大もとの基準です。教科書や時間割もこれをもとにつくられます。

審議まとめ

中央教育審議会(中教審)の教育課程部会が、2026年10月5日にまとめた「次の学習指導要領の方向性」の報告です。まだ正式決定ではなく、これをもとに答申・告示へ進みます。 P1

答申

中教審が、文部科学大臣からの相談(諮問)に答えて正式にまとめる意見です。スケジュール(イメージ)では2026年度の冬ごろの見込みです。

告示

文部科学大臣が新しい学習指導要領を正式に決めて公に示すことです。スケジュール(イメージ)では幼稚園・小学校・中学校が2027年3月ごろ、高校は2027年度末の見込みです。 P51

先行実施(移行期間)

全部が切りかわる前に、一部を先に始められる期間のことです。調整授業時数制度は小・中とも2028年度から、新しい教科・領域は小学校が2028年度・中学校が2029年度から段階的に、高校の単位のしくみの柔軟化は2029年度か2030年度に先に始める方向です。 P38P51P79P262

全面実施

新しい学習指導要領で全学年が学ぶようになることです。小学校は2030年度、中学校は2031年度、高校は2032年度の入学生から学年ごとに始まる見込みです。 P38P79

調整授業時数制度

教える内容はすべて扱ったうえで、学校の判断で教科の授業時間を標準より少し少なく組み、生まれた時間を別の教科や学習支援、先生の研修などに使えるようにする新しいしくみです。どこまで減らせるかの上限はまだ決まっていません。 P31P37P40P58

余白

多様な子どもたちが深く学べるようにするための「時間的なゆとり」のことです。内容の精選や時間割の見直しなどで、子どもと先生の両方に生み出すことを目指しています。 P8

統合的な理解・総合的な発揮

「統合的な理解」は、ばらばらに覚えた知識や技能がつながり、一般化されて分かった状態のことです。「総合的な発揮」は、むずかしい課題を解くために、考える力などを組み合わせて使えている状態のことです。次の学習指導要領はこの2つを軸に内容を整理する方向です。 P13

情報活用能力

情報や情報技術を、目的に合わせて上手に、安全に使う力です。小学校の「情報の領域」では、情報を集めて整理し表現する「活用」、リスクを理解しルールを守る「適切な取扱い」、しくみを理解する「特性の理解」の3つで整理されています。 P72P250

デジタル学習基盤

1人1台端末やクラウド、通信ネットワーク、デジタル教科書・教材などをまとめた、学びのための土台のことです。次の学習指導要領は、これが常に使えることを前提に示す方向です。 P26

個人内評価と「◯」の付記

ほかの子や基準と比べるのではなく、その子自身のよさや伸びを見て文章で伝える評価が「個人内評価」です。あわせて、考える・判断する・表現する場面で主体的な姿が特に見られたときに、その観点に「◯」を付け加える方向です。 P63P64P65

合理的配慮

障害のある子がほかの子と同じように学べるよう、その子に合わせて行う調整や工夫のことです。本人・保護者の申し出を受け、学校と話し合って合意をつくり、過重な負担のない範囲で行います。 P117

テーマ探究・マイ探究

「テーマ探究」は先生が設定した学年や学級共通のテーマで取り組む探究、「マイ探究」は一人一人が自分の興味・関心からテーマを決めて取り組む探究です。この2つをバランスよく組み合わせる方向です。 P77P323

基盤語彙リスト

国が作る予定の英単語のリストで、教科書の単語の選び方や難しさをそろえるためのものです。教科書会社にはこのリストの語を使うことがすすめられる方向で、指導する語彙数も精選を含めて見直されます。まだ公開されていません。 P61P283

スケジュール早見表

年度2026令和8年度2027令和9年度2028令和10年度2029令和11年度2030令和12年度2031令和13年度2032令和14年度2033令和15年度2034令和16年度
幼稚園等審議・答申周知全面実施
小学校審議・答申・告示周知先行実施先行実施全面実施
小学校の教科書著作・編集検定採択・供給使用開始
中学校審議・答申・告示周知先行実施先行実施先行実施全面実施
中学校の教科書著作・編集検定採択・供給使用開始
高等学校審議・答申告示(年度末)周知先行実施先行実施先行実施入学生から2年生まで全学年
高校の教科書著作・編集検定採択・供給使用開始(学年ごと)
現行(審議中)周知・準備移行期間(先行実施)全面実施今年度

出典:文部科学省「学習指導要領等の改訂に関するスケジュール(イメージ)」(令和8年10月5日 第136回教育課程部会 参考資料7。「今後変更の可能性がありうる」と注記)をもとに作成。先行実施の具体的な時期や内容は「随時検討」とされています。

保護者の方からよくある質問

うちの子はいつから新しい内容で学ぶのですか?
文部科学省のスケジュール(イメージ)では、全面実施は小学校2030年度、中学校2031年度、高校は2032年度の入学生からです。2026年度の学年で計算すると、小1・小2のお子さんは小学校の途中から、小3・小4のお子さんは中学校の途中から新しい学習指導要領になり、小4以下のお子さんは高校も新しい学習指導要領で学びます。小5以上のお子さんは全面実施の前に中学校を卒業しますが、2028年度ごろからの先行実施で一部に出会う可能性があります。いずれも「今後変更の可能性がある」とされています。
英語の単語はたくさん覚えることになるのですか?
今の学習指導要領の目安は、小学校600〜700語、中学校1,600〜1,800語、高校1,800〜2,500語です。審議まとめは、国が「基盤語彙リスト」を作り、語の難しさや使う頻度から重要度を考えて、指導する語彙数を精選も含めて見直すとしています。教科書の単語の難しさをならし、大事な単語を繰り返し使って身につけるねらいです。次期の語数はまだ決まっていません。
家でAIを使わせてもいいですか?
審議まとめは家庭でのAI利用のルールを決めるものではありません。学校では発達の段階に応じたAIの適切な活用を示す一方、AIの出力をうのみにしないこと、AIに頼って考える過程を省かないことを重視しています。英語では、家庭学習の課題をAI翻訳で済ませられるような出し方をしないよう注意も示されました。家庭でも、学校のルールに加え、利用するサービスの年齢制限や保護者の同意などの利用規約を確認し、氏名・顔写真・学校名など本人や他人の個人情報を入力しないようにしたうえで、使ったら自分の言葉で説明できるかを一緒に確かめるとよいでしょう。
通知表はどう変わりますか?
通知表の様式は各学校が決めるものですが、評価の考え方は変わる方向です。教科ごとの「主体的に学習に取り組む態度」のA・B・C評価をやめ、学校生活全体を通じた文章での評価にし、考える・判断する・表現する観点に、主体的な姿が続けて見られた場合の「◯」を付け加えるしくみが示されました。評定のまとめを学年末だけにしてもよいことも明確にする方向です。具体的な運用は今後示されます。
授業時間は減るのですか?
1年間の標準の授業時間の合計は今と同じに保つ方針です。ただし、学校が対象教科等の時数を標準より下回って組める「調整授業時数制度」をつくり(上限は未決定で、最大限大きくとった場合に15%程度を想定。年間35コマ以下の教科等は対象外)、生まれた時間を別の教科や学校独自の学びなどに使えるようになる方向です。年間40週を標準として週28コマ以下にしやすくするため、1週間あたりのコマ数が減る学校はあり得ます。具体的な数字はこれから決まります。
タブレット(1人1台端末)はどうなりますか?
1人1台端末などのデジタル学習基盤は、これからも常に使えることを前提にする方向です。障害のある子などの学びやすさを支える土台(基礎的環境整備)としても位置づけられます。一方で「デジタルかリアルか」の二者択一ではなく、デジタルの力も使ってリアルな学びを支えるバランスや、負の側面への注意も示されています。
不登校でも学べる仕組みはありますか?
校内・校外の教育支援センターなどで学ぶ不登校の小中学生のために、授業時数を標準より少なくしたり、学び直しをしたりできる「特別の教育課程」を新しくつくる方向です。評価も、数字を付けず文章で頑張りや成長を書く方法などを選べるようにし、高校入試の調査書での扱いも検討を促すとしています。2028年度からの先行実施を目指しています。対象かどうかは学校や教育委員会が判断し、本人・保護者の意向も聞いて決めます。
英検などを持っていると、高校の英語の授業が免除されるのですか?
社会的に信頼できる外部試験でCEFRのB2レベル相当以上の力が確認でき、振り替え先で英語の力を発展的に伸ばせるなど3つの要件をすべて満たす場合に、「英語コミュニケーション(総合)Ⅰ」(仮称)の履修を免除し、上位の英語科目や外国語に関する学校設定科目、学校外学修などに振り替えられるようにする方向です(芸術など関係の薄い科目への振り替えは認めない考え方です)。ただし学校として実施できる場合の選択肢で、必ず免除されるものではありません。どの試験の何級が対象になるか、いつから始まるかは、まだ決まっていません。
教科書は変わりますか?
変わる見込みです。新しい教科書は小学校2030年度、中学校2031年度、高校2032年度から使われる予定です。大事なことをつかみやすいよう内容を精選し、デジタルな形態を含む新しい教科書が導入される方向です。
塾や家庭で先取り学習をしておくべきですか?
審議まとめには、家庭での先取り学習をすすめる記述も、必要とする記述もありません。改訂は内容を大きく増やすのではなく、大事なことにしぼって深く理解することを目指しており、才能を伸ばす特別の教育課程や外部試験による免除も、入試対策や単なる早修を助長しない運用が前提とされています。家庭では、先に進むことよりも、習ったことを自分の言葉で説明できるかを大切にするのが、改訂の方向性に沿った関わり方といえます。
高校入試や大学入試は変わりますか?
高校入試については、知識を単純に問う出題を減らし、概念の理解や思考力を問う出題を充実させることや、多様な選抜方法の整理などを国が支援・検討する方向が示されています。ただし入試の方法は各教育委員会等が決めるもので、いつから変わるかは示されていません。大学入試の制度をどう変えるかは、審議まとめでは扱っておらず未定です。
保護者も意見を伝えられますか?
はい。審議まとめへの意見募集(パブリックコメント)は誰でも出せ、締切は2026年11月5日23時59分です(e-Govの案件ページから提出)。告示の前には、学習指導要領の案についての意見募集も冬ごろに予定されています。また、学校運営協議会を置く学校では、調整授業時数制度の活用方針をその協議会が承認するしくみも示されています。

家庭学習に使える無料サイト(原田英語)

もっと知りたい方へ

出典:中央教育審議会 初等中等教育分科会 教育課程部会「次期学習指導要領等に向けた審議まとめ」(2026年10月5日)。P○ は本体PDFのページ、資料P○ は資料編のページ(クリックで該当ページが開きます)。

※ 次期学習指導要領はまだ告示前で、内容は今後の答申・告示で変わることがあります。「家庭でできること」「すること」は、審議まとめの方向性をもとにした原田英語.comからの提案です。