次期学習指導要領の用語集
審議まとめに出てくる新しい言葉・言いかえられた言葉を50語、やさしく説明します。
統合的な理解総合的な発揮構造化方向目標表形式化並列パターン/並行パターン◯学年相当デジタル学習指導要領参考イメージ見方・考え方学びに向かう力の再整理初発の思考や行動を起こす力見取る姿「◯」の付記学習の基盤となる資質・能力デジタル学習基盤個に応じた学習過程の充実確かな知識記号接地外化・内化認知的オフロード余白調整授業時数制度調整授業時数裁量的な時間学習枠研究・研修等枠サキドリ研究校1階部分・2階部分単位制の柔軟化新単位組替え後科目履修免除・振替情報の領域情報・技術科情報活用能力の3要素アドバンスト・エッセンシャルワーカー探究/探究的な学びテーマ探究/マイ探究カリマネの3ステップ教育課程柔軟化アドバイザー数理活用コミュニケーション活動コミュニケーション活動を支える活動コミュニケーションの意図基盤語彙リストCEFR英語コミュニケーション英語コミュニケーション外化
- 統合的な理解(知識及び技能に関する統合的な理解)とうごうてきなりかい
- ばらばらの知識や技能がつながり合い、一般化されて使える状態のこと。内容のまとまりごとに学習指導要領に示す。新しい内容を足すものではなく、今の内容から本質を取り出したもの。 P13P14P15
- 総合的な発揮(思考力、判断力、表現力等の総合的な発揮)そうごうてきなはっき
- 複雑な課題を解くために、いくつもの思考・判断・表現の力を組み合わせたり選んだりして使えている状態のこと。統合的な理解と合わせて、内容のまとまりごとに示す。 P13P14
- 構造化こうぞうか
- 学習指導要領の目標・内容を、「統合的な理解・総合的な発揮」とそれにぶら下がる個別の資質・能力の関係で整理し直すこと。資質・能力の「深まり」と「一体的育成」を見えるようにする。 P13P14
- 方向目標ほうこうもくひょう
- 到達の水準を示すのではなく、学びが向かう方向を示す目標。統合的な理解・総合的な発揮はこの性質を持ち、それだけを取り出して達成を評価することは求めない。 P14P68
- 表形式化ひょうけいしきか
- 学習指導要領の内容を表の形で示すこと。統合的な理解・総合的な発揮と個別の資質・能力の関係を一目で見渡せるようにする。見やすさだけが目的ではなく、授業づくりにつなげるため。 P17P18
- 並列パターン/並行パターンへいれつぱたーん/へいこうぱたーん
- 表形式の2つの型。並列は知・技のまとまりに対応する思・判・表を横に並べる型(社会、算数・数学、理科など)。並行は思・判・表の深まりを知・技が全体として支える型(国語、外国語、芸術)。 P17P19P20
- ◯学年相当まるがくねんそうとう
- 学習指導要領で指導を想定する学年を示すときの書き方。その学年に必ずしばられず、子供の実態に応じて柔軟に教育課程を組めることを示す。 P18P39
- デジタル学習指導要領でじたるがくしゅうしどうようりょう
- ウェブサイトで提供する新しい形の学習指導要領。キーワード検索、指導書からのリンク、データの出力、生成AIでの活用、学習指導要領コードによる教材探しなどができるようにする。 P21P68
- 参考イメージさんこういめーじ
- 構造化された学習指導要領を単元・授業づくりのどの場面でどう使うかを、国が教科等ごとに示す例。経験の浅い先生への指導に役立てるもので、現場を縛るものではない。 P22P68
- 見方・考え方(再整理)みかた・かんがえかた
- 次期では「各教科等を学ぶ本質的な意義」に絞って示すもの。学習指導要領本体の目標のすぐ下に別の欄で書く。先生が「教科の本質を外していないか」を確かめる「灯台」の役割が期待される。 P23
- 学びに向かう力の再整理(4要素)まなびにむかうちからのさいせいり
- 「学びに向かう力、人間性等」を、初発の思考や行動を起こす力・好奇心、学びの主体的な調整、他者との対話や協働、学びを方向付ける人間性の4つの要素で整理し直したもの。前の3つは学習中に表れやすい。 P16
- 初発の思考や行動を起こす力しょはつのしこうやこうどうをおこすちから
- 身に付けた知識や思考力を土台に、自分から最初の一歩となる考えや行動を起こす力。好奇心や創造性と関係する。学ぶ入口での単なる積極性にとどまらないよう検討するとされた。 P16P65
- 見取る姿みとるすがた
- 思考・判断・表現の過程で「学びに向かう力」の3要素が表れているかを先生が見るための、具体的な子供の姿の例。国が教科等ごとに示し、学校はそのまま使える。 P65
- 「◯」の付記まるのふき
- 学びに向かう力の3要素が、ある期間を通じて継続的に表れたとき、「思・判・表」の観点別評価に◯を付け加えること。規準の達成ではなく継続的な発揮を見るもので、思・判・表を通じて評定に影響し得る。 P63P64P66P67
- 学習の基盤となる資質・能力がくしゅうのきばんとなるししつ・のうりょく
- すべての教科の学習を下支えする力。次期では言語能力と情報活用能力の2つに絞る。問題発見・解決能力は、総合や各教科の問い・評価課題を通じて教育課程全体で育てる。 P24P25
- デジタル学習基盤でじたるがくしゅうきばん
- 1人1台端末やクラウド環境などで構成される学習の基盤。端末、ネットワーク、デジタル教科書・教材、CBT(MEXCBT)、教育データ活用、情報セキュリティなどを含む。次期はこれが常に使えることを前提にする。 P25P26
- 個に応じた学習過程の充実こにおうじたがくしゅうかていのじゅうじつ
- 総則の「個に応じた指導の充実」を発展させた新しい項目。先生が一人一人に合わせて工夫する視点と、子供が自分で学習を調整する視点の両方を含む。 P27P28
- 確かな知識たしかなちしき
- 意味が分かり、ほかの知識とつながって頭の中で整理され、別の学習や生活の場面でも使える知識。AI時代にこそ必要とされる。 P9P76
- 記号接地(身体化)きごうせっち
- 言葉や記号としての知識が、自分の経験や認知的な努力を通じて実感を伴う意味と結びつくこと。審議まとめは「確かな知識」をこうして身体化された知識とも言いかえている。 P9P16
- 外化・内化がいか・ないか
- 外化は書く・話す・作るなどで理解や考えを外に表すこと、内化は読む・聞くなどで取り込むこと。次期は外化を重視し、内化との往還の質を高める。 P28
- 認知的オフロードにんちてきおふろーど
- 考える作業を道具やAIに任せること。これが行き過ぎると学習過程が省略され、意図的な認知的努力がなされなくなると注意している。 P28P72
- 余白よはく
- 多様な子供たちの深い学びを実現するための時間的余裕のこと。単なるひまではなく、学校や先生にとっての職務上の余白で、子供の資質・能力の育成につなげるためのもの。 P8P55
- 調整授業時数制度ちょうせいじゅぎょうじすうせいど
- 小・中学校で、各教科等の内容をすべて扱うことを前提に、標準授業時数を下回って教育課程を組めるようにする制度。審議まとめで導入が提案されている(告示前のため未確定)。国への申請はいらず学校の判断で使える方向。 P31P32
- 調整授業時数ちょうせいじゅぎょうじすう
- 調整授業時数制度で標準を下回って生み出した時間。他教科への上乗せ、学校独自の新教科、裁量的な時間に充てられる。 P31
- 裁量的な時間さいりょうてきなじかん
- 調整授業時数を、教科等に当たらない取組に充てる時間。子供向けの「学習枠」と、先生の組織的な研究・研修のための「研究・研修等枠」の2つの類型がある。全体で週2コマ(最大70コマ)程度が上限の想定。 P31P32P37
- 学習枠がくしゅうわく
- 裁量的な時間のうち、子供の個性や実態に応じた学習支援など、資質・能力の育成に特に役立つ教育プログラムを行う枠。マイ探究の深掘り、学び直し、学習方略の指導、いじめ防止の学習などが例。 P32P33
- 研究・研修等枠けんきゅう・けんしゅうとうわく
- 裁量的な時間のうち、授業や指導の改善に直結する学校の組織的な研究・研修等に充てる枠。週1コマ(最大35コマ)程度が上限の想定で、各学校・学年で同じ時間帯に行うのが基本。 P34P36
- サキドリ研究校さきどりけんきゅうこう
- 調整授業時数制度の導入に向けて、先行して実践事例をつくる学校。現在全国332校で、令和9年度に大幅に増やす方針。高校版は令和10年度から指定する。 P38P51
- 1階部分・2階部分いっかいぶぶん・にかいぶぶん
- 1階は学校全体で共通に組む教育課程の柔軟化(調整授業時数制度、高校の単位制の柔軟化)。2階は不登校や特異な才能のある子など一人一人に着目した特別の教育課程。両者は往還する互恵的な関係とされる。 P30P53
- 単位制の柔軟化たんいせいのじゅうなんか
- 高校で、科目の組替え、1単位の計算方法の変更(17コマ)、減単範囲の拡大、履修免除、週30コマ標準の廃止、学校設定教科・科目の上限引上げなどを行い、学校ごとの柔軟な教育課程を可能にしようとする審議まとめの提案。 P41P42
- 新単位しんたんい
- 50分の授業17コマを1単位の標準とする、新しい単位の数え方の案。1コマの長さは学校が柔軟に設定でき(例:45分授業でも細かく単位認定しやすくなる)。現行の1単位はおおむね2新単位に当たり、卒業に必要な単位は148新単位とすることが適当とされた。 P46
- 組替え後科目くみかえごかもく
- 高校で既存の教科・科目の内容を移行・統合して作った科目。既存科目の内容だけでできている場合は学校設定教科・科目と区別し、単位数の上限を設けない方向。 P45
- 履修免除・振替りしゅうめんじょ・ふりかえ
- 社会的に信頼された外部試験などで必履修科目の力を十分上回ると判断できる生徒について、その科目の履修を免除し、上位科目などで同じ単位数を修得させる仕組みの案。まず外国語と数学から始める方向。英語はCEFR B2相当以上とすることが考えられるとされ、対象試験や水準は今後解説等で定める。 P48P49
- 情報の領域じょうほうのりょういき
- 小学校の総合的な探究の時間に新しく加えることが「適切」とされた領域。総合は「探究の領域」と「情報の領域」の2つで構成し、それぞれ標準授業時数を設定する方向。第1部本文では「(仮称)」は付いていないが、告示前のため名称・内容とも未確定。 P74P77P78
- 情報・技術科じょうほう・ぎじゅつか
- 中学校の技術・家庭科を分け、技術分野を「情報・技術科」とすることが「適当」とされた新しい教科の案。家庭科も独立した教科とする方向。第1部本文では「(仮称)」は付いていないが、告示前のため名称・内容とも未確定。 P74P78
- 情報活用能力の3要素じょうほうかつようのうりょくのさんようそ
- 情報技術の「活用」(中核)、「適切な取扱い」(リスク判断やルール・マナー)、「特性の理解」(科学的な仕組みの理解)の3つ。どの学校種でもバランスよく育てる。 P73P74
- アドバンスト・エッセンシャルワーカーあどばんすと・えっせんしゃるわーかー
- デジタル技術なども使い、今より高い賃金で専門的・技術的な仕事に就く人材。こうした人材の育成が重要とされ、高校の数学や情報の充実の理由にもなっている。 P72P81
- 探究/探究的な学びたんきゅう/たんきゅうてきなまなび
- 「探究」は課題・プロセス・成果のすべてを学習者が自分で決められるもの、「探究的な学び」は課題以外のどれかに学習者の裁量があるもの。前者は主に総合、後者は主に各教科等で取り組む。 P76P77
- テーマ探究/マイ探究てーまたんきゅう/まいたんきゅう
- テーマ探究は先生を起点に共通テーマを決めて学級などで取り組む探究、マイ探究は子供個人を起点に自分の「好き」「得意」から課題を立てる探究。両方をバランスよく組み合わせる。 P11P77
- カリマネの3ステップかりまねのさんすてっぷ
- カリキュラム・マネジメントを「ねらいの明確化」「教育課程の編成・実施・調整と環境整備」「評価・改善」の3段階の循環として示し直したもの。数年単位で回すことも考えられる。 P84P85
- 教育課程柔軟化アドバイザー(仮称)きょういくかていじゅうなんかあどばいざー
- 調整授業時数制度などについて、教育委員会や学校に指導・助言をする人材。国が育成し支援する。 P88P90
- 数理活用(仮称)すうりかつよう
- 高校数学の数学A・B・Cを一つにまとめる新しい選択科目の名称案(2〜12新単位)。名称は現在検討中とされている。 P80P82
- コミュニケーション活動こみゅにけーしょんかつどう
- 英語(外国語)で、主に「思考力、判断力、表現力等」を育てる活動。目的・場面・状況に応じて、聞いたり読んだり話したり書いたりする。現行の「言語活動」を、育てる力によって2つに分けたうちの1つ。 P284
- コミュニケーション活動を支える活動こみゅにけーしょんかつどうをささえるかつどう
- 主に「知識及び技能」を育てる活動。語彙や文法などを理解し使えるようにする活動を、はっきり位置付けた。「練習」という言葉は使わずに、必要な活動として書く方向。 P284
- コミュニケーションの意図(仮称)こみゅにけーしょんのいと
- 現行の「言語の働き」の例を言いかえたもの。「言語の使用場面」は「コミュニケーションの場面」に。どちらも「内容」から「指導計画の作成と内容の取扱い」に移す方向。 P280
- 基盤語彙リストきばんごいりすと
- 国が複数のコーパスなどを参照して作る、語彙選定の土台となるリスト。教科書会社に、リストの語を教科書で使うよう推奨する。指導すべき語彙数も精選を含めて見直す。2026年11月時点で未公開。 P283
- CEFR(セファール)せふぁーる
- 欧州評議会が示す、外国語の学習・教授・評価のためのヨーロッパ共通参照枠。A1〜C2の6段階。審議まとめでは、小学校〜A1程度、中学校A1〜A2程度、高校A2〜B1程度が想定されている。 P276P283
- 英語コミュニケーション(総合)(仮称)えいごこみゅにけーしょん(そうごう)
- 高校の「英語コミュニケーション」の新しい名前(案)。5領域を総合的に扱う趣旨をはっきりさせる。 P281
- 英語コミュニケーション(発信)(仮称)えいごこみゅにけーしょん(はっしん)
- 高校の「論理・表現」の新しい名前(案)。Production(表現)とInteraction(やり取り)による発信力を一層強化する趣旨。 P281
- 外化がいか
- 書く・話すなどの活動を通して、知識の理解や頭の中で考えたことを表に出して表現すること。AIの出力をそのまま使って学習過程を省くことを避ける意味でも重視されている。 P281P9
出典:中央教育審議会 初等中等教育分科会 教育課程部会「次期学習指導要領等に向けた審議まとめ」(2026年10月5日)。P○ は本体PDFのページ、資料P○ は資料編のページ(クリックで該当ページが開きます)。