もくじ(7項目)
結論:何語?
小・中・高の合計は4,000〜5,000語(リストなし)です。審議まとめでは、国が基盤語彙リストを作り、指導すべき語彙数を精選も含めて見直す方向が示されました(告示前の案)。次期の語数はまだ決まっていません(文科省の資料でも「合計●語程度」)。P283資料(外㉙)P29
現行の語数の目安(くわしく)
| 校種・科目 | 語数 | 根拠 |
|---|---|---|
| 小 | 600~700語程度(3・4年の外国語活動で扱った語を含む) | 小学校学習指導要領(平成29年告示)外国語 2(1)ウ(現行抜粋P11)/資料編P15(外⑮) |
| 中 | 小学校で学習した語に1,600~1,800語程度の新語を加えた語(前回の1,200語程度から増加。1,600は新たに指導する語数の下限、1,800は目安で上限ではない) | 中学校学習指導要領(平成29年告示)外国語 2(1)ウ(現行抜粋P21)/中学校解説外国語編P13・P38 |
| 高(英コミュⅠ) | 小中で学習した語に400~600語程度の新語 | 高等学校学習指導要領(平成30年告示)英語コミュニケーションⅠ(現行抜粋P31)/資料編P29(外㉙) |
| 高(英コミュⅡ) | 英コミュⅠの語に700~950語程度の新語 | 現行抜粋P35/資料編P29(外㉙) |
| 高(英コミュⅢ) | 英コミュⅡの語に700~950語程度の新語 | 現行抜粋P38/資料編P29(外㉙) |
| 高(合計) | 1,800~2,500語 | 資料編P15(外⑮)・P29(外㉙) |
| 小中高合計 | 4,000~5,000語(リストなし) | 資料編P29(外㉙) |
※ 語数の数え方:綴りが同じ語は品詞に関係なく1語、規則的に変化する活用形・複数形・比較変化は原則として見出し語で1語(文科省 外国語WG資料 2026年1月21日)。中学校では小学校の語を読み書きできるようにすることも求められるため、実質2,200〜2,500語を指導する必要があるとされています。
次期の「基盤語彙リスト」とは?(審議まとめの方向性)
国が複数のコーパスを参照するなどして「基盤語彙リスト」を作り、教科書会社にリストの語を教科書で使うよう推奨する。語の難しさ(CEFRレベル等)や使用頻度にもとづく重要度(カタカナ語との対応なども含む)を考えて優先順位を付け、小・中・高への振り分けを検討する。その際、他のアジア諸国の状況も参考にする。指導すべき語彙数は、精選も含めて見直す(改善イメージでは合計「●語程度」とされ、数はまだ決まっていない)。ねらいは、教科書の語彙の難しさと選び方をならし、負担を適正にして、使用頻度の高い重要な語彙を様々な場面で繰り返し扱って身に付けさせること。高校は生徒の実態がさまざまなので教科書の多様性を守り、小中も難しくなりすぎないようにしながら多様な話題を扱えるよう配慮する。リストは必要に応じて更新できるよう継続的に調査研究する。入試や調査の作問に役立つよう、各教科書の新出語彙リストは電子データで提供されるべきとされた。 P283資料(外㉙)P29
- 国が作る方向(複数のコーパスを参照)
- 教科書会社に、リストの語を教科書で使うよう推奨する
- 難易度(CEFRレベル等)・使用頻度・重要度(カタカナ語との対応も)で優先順位を付け、小・中・高に振り分けを検討
- 高校は教科書の多様性を守る/小中も難しくなりすぎないようにしつつ多様な話題を扱える配慮
- リストは継続的に調査研究して更新できるようにする
- 各教科書の新出語彙リストは電子データで提供されるべき(入試や調査の作問に役立てるため)
文科省や教科書会社の単語リストはある?
| リスト | いまの状況(2026年11月1日) |
|---|---|
| 文科省の基盤語彙リスト(次期) | まだ公開されていません。審議まとめで作成の方針が示された段階です。公開されたらこのサイトで速報します。 |
| 現行の学習指導要領の単語リスト | ありません。語数の目安だけが示されています(指導すべき語彙の選定基準や具体的なリストが示されていないことが、課題として挙げられています)。P277 |
| 教科書会社の単語リスト | 各教科書の巻末に語彙リスト(Word List)があります。ただし教科書ごとに語の選び方がバラバラで、文科省の資料では、中学校の6種類の教科書すべてに載っている語は約3〜4割(令和7年度版で40.7%)とされています。著作物なので、このサイトには転載しません。 |
| 教科書をまたいだ語彙調査 | 公益財団法人 中央教育研究所『中学校英語教科書における語彙調査』(令和7年度版、研究報告 No.106、2025年7月)。文科省のワーキンググループ資料もこの調査を使っています。冊子の報告書です。 |
| 文科省の分析に使われた物差し | 文科省のWG資料は、教科書の新出語彙のレベルを CEFR-J Wordlist(東京外国語大学 投野由紀夫研究室)で分析しています。中学3年の教科書では、新出語彙の半数以上がCEFR B1・B2レベルとされました。 |
出典:文部科学省 教育課程部会 外国語ワーキンググループ(第7回)資料1「『語彙の取扱い等の在り方』について」(2026年1月21日)P2〜P8、審議まとめ 本体P277・P283。
データで見る英単語
| 項目 | データ | 出典 |
|---|---|---|
| 最も頻度の高い3,000語のカバー率 | 一般的なテキストの約95%を占めると言われる | 資料(外⑮)P15 |
| 20,000語を学んだ場合のカバー率 | 約99% | 資料(外⑮)P15 |
| 「3,000語」の数え方 | ワード・ファミリー単位(活用形・派生形を含めて1語。例:includeにincludes, included, including, inclusive, inclusionを含む)。出典は中田達也(2023) | 資料(外⑮)P15 |
| 日常会話に必要な語彙 | 721語というデータ(The New General Service List – Spoken) | 資料(外⑮)P15 |
| 現行の各校種の語数目安 | 小600~700、中1,600~1,800、高1,800~2,500 | 資料(外⑮)P15資料(外㉙)P29 |
| 高校の科目別新語数 | 英コミュⅠ400~600、Ⅱ700~950、Ⅲ700~950 | 資料(外㉙)P29 |
| 現行の小中高合計 | 4,000~5,000語(リストなし) | 資料(外㉙)P29 |
| 大学受験への対応 | 大学受験等のために5,000語以上を学習する場合もある | 資料(外㉙)P29 |
| 次期の合計語数 | 「合計●語程度」(未定) | 資料(外㉙)P29 |
| 現行の課題 | 中学校で難しい語彙が登場、各教科書の語彙選定にばらつき、過度な負担で重要な語彙の学習が不十分 | P277資料(外㉙)P29 |
| 語彙の扱い(中学校の知・技イメージ) | 語・連語・慣用表現の意味や使い方を理解し聞く・読むで活用、頻度の高いものは話す・書くでも活用 | 資料(外㊴)P39資料(外㊹)P44 |
| 授業時間の比較 | 英語話者が日本語の一般的な専門能力に必要な授業時間2,200時間/日本の小中高の外国語の授業時間600~1,000時間程度 | 資料(外⑮)P15 |
| 中学校の教科書6種すべてに載っている語の割合 | H28版 45.2% → R3版 31.8% → R7版 40.7%(それぞれ語彙数1,600・2,300・2,500とした場合) | WG資料P7 |
| 中学3年の教科書の新出語彙のレベル | 半数以上がCEFR B1・B2レベル | WG資料P2 |
| 前回改訂での中学校の語数の変化 | 1,200語程度 → 1,600〜1,800語程度(高校は1,800語程度 → 1,800〜2,500語程度、小学校は600〜700語程度を新設) | WG資料P2 |
文法はどうなる?
現行
現行(平成29年告示)の中学校では、表現をより適切で豊かにするなどの目的で、次の事項が新たに指導事項に加わった(中学校学習指導要領解説外国語編による):感嘆文のうち基本的なもの(How interesting! など)/主語+動詞+間接目的語+thatで始まる節・whatなどで始まる節/主語+動詞+目的語+原形不定詞(Let me try! など)/主語+be動詞+形容詞+thatで始まる節(I'm glad that ~)/現在完了進行形/仮定法のうち基本的なもの。文法事項は「意味のある文脈でのコミュニケーションの中で繰り返し触れることを通して活用すること」とされている。審議まとめは、これらで中学校の文法事項が増え、教科書に難しい用法も含まれて内容が過度に高度化したとの指摘を挙げている。
次期
生徒が文法を理解し、それを使って英語を理解し伝えたいことを伝えられるよう、中学校の文法事項のうち使用頻度の高いものなどを本文で具体的に明示し、指導対象を焦点化し難易度を適正化する。知・技の内容は「文、文構造及び文法事項の意味や使い方を理解し、聞く・読む・話す・書く際に活用できる」という形で示すイメージ。「単に単語の意味や文法を覚える」のではなく、組み合わせて使うことで理解や表現の質が高まると実感できる授業をうながす。小学校では語順の違いへの気付き、中1初期は語順を意識して書く丁寧な指導で文法指導への接続を図る。高校では文法事項の指導が用語や用法の区別中心にならないよう配慮し、語順や修飾関係などの日本語との違いに留意する(現行の記述を基にしたイメージ)。 P277P283P61P281資料(外⑧)P8資料(外⑲)P19資料(外㉗)P27資料(外㊹)P44現行中学校解説外国語編P13・P現行中学校学習指導要領P148-
準備用:CEFR-J A1・A2 単語リスト
公式の基盤語彙リストが出るまでの準備用として、文科省の分析でも使われた CEFR-J Wordlist のうち、A1(1,068語)とA2(1,352語)を、意味・例文・音声つきで検索・印刷できるようにしました。審議まとめが想定する「小学校〜A1程度、中学校A1〜A2程度」の目安にあたります。
国の「基盤語彙リスト」とは別物です。基盤語彙リストは複数のコーパスや難易度・頻度・カタカナ語との対応などを考えて作られるため、語の選び方や学校段階への振り分けは異なる可能性があります。公開されたら差し替え・比較します。