よくある質問
18の質問に、出典にもとづいて答えます。
次期学習指導要領はいつから始まりますか?
文部科学省の「改訂スケジュール(イメージ)」では、全面実施は幼稚園が2028年度(令和10年度)、小学校が2030年度(令和12年度)、中学校が2031年度(令和13年度)、高校は2032年度(令和14年度)の入学生から学年ごとに実施し、2034年度(令和16年度)に全学年の見込みです。資料には「今後変更の可能性がありうる」と書かれています。
答申はいつ出ますか?
告示(正式な学習指導要領の公表)はいつですか?
幼稚園・小学校・中学校は2026年度末(2027年3月ごろ)、高校は2027年度末(2028年3月ごろ)に改訂(告示)する予定です。告示の前には、学習指導要領の案について、もう一度パブリックコメント(冬ごろの予定)が行われます。
移行期間(先行実施)はいつからいつまでですか?
改訂スケジュールのイメージでは、先行実施は小学校2028〜2029年度、中学校2028〜2030年度、高校2029〜2031年度です。具体的な時期や内容は「随時検討」とされています。審議まとめ本文では、小学校の「情報の領域」は2028年度(令和10年度)から、中学校の「情報・技術科」は2029年度(令和11年度)から段階的に先行実施する経過措置が適当とされ、調整授業時数制度も2028年度から使えるようにする方向です。
新しい教科書はいつから使われますか?
改訂スケジュールのイメージでは、小学校は2028年度に検定・2030年度から使用、中学校は2029年度に検定・2031年度から使用、高校は2030年度から検定し、2032年度から学年ごとに使用です。今回の改訂ではデジタルな形態を含む新たな教科書の導入も示されています。
次期学習指導要領で一番大きく変わることは何ですか?
英語(外国語)は何が変わりますか?
現行の5領域別の目標の要素を「内容」(主に思考力・判断力・表現力等)に移し、英語の目標・高校の科目目標は資質・能力の3つの柱で示す方向です。「言語活動」は「コミュニケーション活動」と「それを支える活動」に整理されます。国が「基盤語彙リスト」を作り、中学校の文法事項と話題(「身近な社会的な話題」へ)の難しさを適正化します。高校の科目は「英語コミュニケーション(総合)」「英語コミュニケーション(発信)」(いずれも仮称)になり、AIの適切な活用が学習指導要領に書かれる方向です。
英単語は何語覚えればいいのですか?
現行の目安は小学校600〜700語、中学校1,600〜1,800語(小学校の語に加える新語)、高校1,800〜2,500語で、合計4,000〜5,000語です。次期は国が「基盤語彙リスト」を作り、指導すべき語彙数を精選も含めて見直します。次期の語数はまだ決まっていません(文科省の資料でも「合計●語程度」)。
文科省の英単語リスト(基盤語彙リスト)はもう公開されていますか?
まだ公開されていません(2026年11月1日時点)。審議まとめは「国で基盤語彙リストを作成し、教科書会社に、そのリストの語を教科書で使うことを推奨する」としています。現行の学習指導要領にも公式の単語リストはなく、語数の目安だけです。このサイトでは、文科省の会議資料でも教科書語彙の分析に使われたCEFR-J Wordlistをもとにした「準備用」のA1・A2リストを公開しています(公式リストではありません)。
高校の英語の科目名はどう変わりますか?
「英語コミュニケーション」は「英語コミュニケーション(総合)」に、「論理・表現」は「英語コミュニケーション(発信)」に変える方向です(いずれも仮称)。単位数(学習量)は現行と同じで、新しい「新単位」(1単位=17コマ)で書くと、必履修の(総合)Ⅰは6新単位となる見込みです。
英検などに合格すると高校の英語の授業が免除されるのですか?
外部試験を使って必履修科目の履修を免除・振替できる制度を、まず外国語と数学で始める方向です。英語で免除に必要な力はCEFRのB2レベル相当以上とするのが適切とされました。対象は「英語コミュニケーション(総合)Ⅰ(仮称)」で、免除した時間には、発展的な学習や英語以外の外国語を学べる学校設定科目の履修が考えられ、学校の条件と判断によっては上位科目や学校外学修も可能とされています。学校として実施できる場合の選択肢で、必ず免除しなければならないものではありません。対象となる試験の種類や級などは今後、解説等で定めます。
授業時数は減りますか?
審議まとめでは、標準の総授業時数は現行を維持すべきとされています。そのうえで、新しい「調整授業時数制度」で、学校の判断で調整対象の教科等の標準授業時数を下回って時間割を組めるようにする方向です(内容は全部扱うことが前提)。下回れる上限は最大限大きくとった場合で15%程度が想定され、具体の数字は今後決めます。標準授業時数が年間35コマ以下の教科等は減らせず、調整後に35コマ未満にすることもできない案です。また、新教科・領域(情報)の時間を確保するため、小学校3年以上の各教科等(35コマ以下のものを除く)から一律3〜4%程度を減らす考え方が示されています。
授業で生成AIを使ってもいいのですか?
審議まとめは、学習指導要領に初めて「デジタル学習基盤の活用」と「発達の段階に応じたAIの適切な活用」を明記する方向を示しました。英語では、例文の生成や会話練習などが有効としつつ、子供がAIの出力をうのみにしないよう吟味させること、AIはあくまで人間同士のコミュニケーションのための手段であること、家庭学習でAI翻訳を出せば済むような課題を出さないことなどの注意点も示しています。
「統合的な理解」「総合的な発揮」とは何ですか?
「統合的な理解」は、ばらばらの知識や技能がつながり、一般化されて使える状態。「総合的な発揮」は、思考力・判断力・表現力等を組み合わせて使えている状態です。次期の学習指導要領は、内容のまとまりごとにこの2つを示して構造化します。新しい内容を足すものではなく、今の内容から本質を取り出したものとされています。英語では「総合的な発揮」をCEFRを参照して「理解する」「表現する」「伝え合う」に分けて示します。
評価(通知表・指導要録)はどう変わりますか?
教科ごとの「主体的に学習に取り組む態度」のABC評価をやめ、教育課程全体を通じた個人内評価(総合所見欄)にする方向です。そのうえで、思考・判断・表現の過程で主体的な学びの姿が続けて見られた場合に「思・判・表」の評価に「◯」を付け加えるしくみが示されました。各学校が「内容のまとまりごとの評価規準」を作る作業は不要とし、国が例を示すことが適当とされました。
パブリックコメント(意見募集)は誰でも出せますか?
はい、誰でも出せます。「審議まとめ」への意見募集は2026年11月5日(木)23時59分までで、e-Govの案件ページから文科省のWebフォームで提出します(電話・郵送は不可)。「意見の分類」の選択が必須で、外国語は㉓、情報・技術/情報は㉑です。1回で10件まで、1件が1000字を超える場合は要旨を書きます。
中学校の「情報・技術科」とは何ですか?
中学校の技術・家庭科を分け、技術分野を新しい教科「情報・技術科」に、家庭分野を独立した「家庭科」にする方向です。授業時数は中1・中2で各学年最大70コマ程度、中3で最大35コマ程度(現行の技術分野の内容を含む)が必要と示されています。小学校では総合的な探究の時間に「情報の領域」を加え、小3・4で各学年最大30コマ程度、小5・6で最大35コマ程度とされています。
いま先生は何を準備すればいいですか?
告示前の今は、①審議まとめの要点(構造化・評価・時数・AI)をつかむ、②自分の単元を「どんな資質・能力をつけたいか」から見直す、③英語なら「コミュニケーション活動」と「それを支える活動」の往還、重要語彙の繰り返し、地域・自分の意見を伝える活動、AIの使い方のルールづくりを試す、④パブコメで現場の声を届ける、がおすすめです。校種別のチェックリストを用意しました。
出典:中央教育審議会 初等中等教育分科会 教育課程部会「次期学習指導要領等に向けた審議まとめ」(2026年10月5日)。P○ は本体PDFのページ、資料P○ は資料編のページ(クリックで該当ページが開きます)。