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英語の先生へ

英語(外国語)はこう変わる

審議まとめ本体の外国語の章(P274〜285)と資料編「外①〜外㊽」を全部読み、小・中・高の英語の先生に関わる変更点を出典ページつきで整理しました。

更新:2026年11月4日変更点25項目
もくじ(9項目)
  1. 3行でいうと
  2. なぜ変わるの?(現状と課題)
  3. 主な変更点25
  4. 小学校・中学校・高校で何が変わる?
  5. CEFRでいうとどのレベル?
  6. AI(生成AI)の使い方はどうなる?
  7. 評価はどう変わる?
  8. 国が用意してくれるもの
  9. 英語の先生の次の一歩

3行でいうと

目標を3つの柱で整理し、語彙リスト・新科目名・AI活用で「発信力」を強める改訂(審議まとめ段階の方向性。告示前のため変わる可能性あり)

  1. 「言語活動」を「コミュニケーション活動」と「それを支える活動」に分け直し、英語の目標は「知・技」「思・判・表」「学びに向かう力」の3つの柱で示す方向。
  2. 国が基盤語彙リストを作り、中学校の文法は使用頻度の高いものに絞り、「社会的な話題」は「身近な社会的な話題」にするなど、難しくなりすぎた内容を適正化する方向。
  3. 高校の科目は「英語コミュニケーション(総合)」「同(発信)」(いずれも仮称)とする案。B2レベル相当以上などの要件を満たす場合の必履修科目の免除・振替や、AIの適切な活用の明記も提案された。

なぜ変わるの?(現状と課題)

AI時代に外国語を学ぶ意味を考え直す必要

AIで手軽に高精度の翻訳ができる時代になり、外国語を学ぶ本質的な意義を定義し直す必要があるとされた。英語が「好き」な児童生徒や将来英語を使いたい生徒の割合が減っているなど、学ぶ動機が弱まっているという指摘もある。 P277資料(外⑭)P14

現行改訂の成果:英語力のある生徒は増えた

英語教育実施状況調査で、中学校のCEFR A1レベル相当以上の生徒はH25の32.2%からR6の52.4%へ、高校のA2レベル相当以上はH25の31.0%からR6の51.6%へ増えた。CAN-DO形式の目標で「英語を使って何ができるようになるか」を意識した授業改善も進んだ。 P276

小学校:「書くこと」「読むこと」に課題

R4の学習指導要領実施状況調査では、一文を書き写す問題では、学校ごとの正答率が約30%から約90%までばらついていた。教師への質問調査でも、「読むこと」「書くこと」は児童が興味・関心をもちにくく理解しにくいという回答が多い。英語を学ぶ意欲は全学年で8割以上あるが、学年が上がるにつれ下がる傾向も出ている。 P276P277資料(外⑰)P17資料(外⑱)P18

中学校:スコア低下と教科書の難しさ

経年変化分析調査(R3→R6)のスコアが下がった(コロナ禍の影響も考えられる)。前回改訂で文法事項や語彙が増え、話題や活動も高度になって教科書が難しくなり、授業づくりが難しいという指摘がある。中1が英語を好きでない理由の上位は「文法が難しい」「単語のつづりや文字を覚えるのが難しい」「英語の文を書くのが難しい」。 P277資料(外⑱)P18

語彙:数の目安だけでリストがない

現行は語数の目安(小600~700語、中1,600~1,800語、高1,800~2,500語)しかなく、選ぶ基準や具体的なリストがないため、教科書ごとに扱う語彙にばらつきが出ている。中学校では難しい語彙が増え、小学校の語も読み書きできるようにすることが求められ、負担が上がっている。 P277資料(外⑮)P15資料(外㉙)P29

「言語活動」の受け止め方がばらばら

「言語活動」に必要な要素が学習指導要領に書かれていないため、解釈にばらつきがある。また「知・技」を育てるための活動の位置付けがはっきりせず、段階的な指導の方法が分かりにくいという指摘がある。 P277

高校:話す・書くの発信が弱い

R6の学習指導要領実施状況調査などで「話すこと」「書くこと」に課題が見られる。特に「論理・表現」では、「英語コミュニケーション」と比べて活動を通して英語を使う機会が少なく、文法解説と問題演習が中心になっている場合がある。 P277資料(外㉓)P23

学校の授業時間だけでは足りないという現実

英語話者が日本語の一般的な専門能力を身に付けるのに必要な授業時間は2,200時間とされる一方、日本の小中高の外国語の授業時間は600~1,000時間程度。学校で学んだことを学校の外で使う機会もほとんどない。こうした社会全体の課題を踏まえ、学校でできる方策を示す必要があるとされた。 P278資料(外⑮)P15

学び方が分からず、卒業後に伸びない

高3の6割が「英語力を高める学習方法が分からない」と答え、大学生の英語運用能力の自己評価は1年生が一番高いというデータもある。自分で学び続ける力が課題になっている。 P281資料(外⑮)P15

AI活用の位置付けがなく、学校間で差が出るおそれ

外国語学習向けのAIや汎用型AIの発展が見込まれるのに、学習指導要領にAI活用が位置付けられていない。これが学校ごとの活用格差を生み、学習の量や質の差につながることが心配されている。 P277

小・中・高のつながりが弱い

教師が他の校種の指導内容・方法や、接続のために力を入れるべき点を十分に理解・意識していないことが課題。中学校教師への質問調査では、小学校での指導方法・内容を把握できていない教師が多数だった。 P277資料(外⑱)P18

目標と「内容」が重なり、評価も煩雑

現行の英語の目標は5つの領域別に書かれているため、「内容」の「思・判・表」と重なり、思考の深まりも見えにくい。評価は3観点で行うので、領域別の目標から評価規準を作る作業が煩雑になっていた。 P280P285

主な変更点25

全01

英語の目標を「3つの柱」で示す

現行の英語の目標(高校は科目目標)は「聞くこと」など5つの領域別に書かれていた。次期は外国語の目標と同じように「知識及び技能」「思考力、判断力、表現力等」「学びに向かう力、人間性等」の3つの柱で示す。領域ごとの細かい「できること」は「内容」の方へ移す。 P279P280資料(外⑯)P16

全02

「内容」を学年段階の目安つきの表で示す

領域別の目標の要素を「内容」に移し、話題や活動がだんだん高度になる様子を、「〇学年相当」という目安とともに表形式で示す。学年ではっきり区切るのではなく、柔軟性を残した目安とする。表は「知・技」と「思・判・表」を並べる「並行」パターン。 P280資料(外⑯)P16資料(外⑱)P18

小/中03

学年ごとの目標の一律の作成義務をなくす方向

学習指導要領自体が段階的な内容を示すようにするため、これまで各学校に求められていた「学年ごとの目標」の一律の作成義務はなくすべきとされた。必要な場合に学校が任意で作る位置付けになる見込み。 P280資料(外⑲)P19

全04

「言語活動」から「コミュニケーション活動」へ

学習の中心を「コミュニケーション活動」(主に思・判・表を育てる)と「コミュニケーション活動を支える活動」(主に知・技を育てる)に分けて整理し、目標の柱書に書く。単元はコミュニケーション活動を中心にしながら、2つの活動を行き来して力を一体的に育てる。 P279P284資料(外㉛)P31

全05

「言語の使用場面」「言語の働き」の名前と置き場所が変わる

現行で「内容」にある言語活動・言語の使用場面・言語の働きの例は、「指導計画の作成と内容の取扱い」に移し、「コミュニケーション活動」「コミュニケーションの場面」「コミュニケーションの意図(仮称)」と呼ぶ。「内容」は資質・能力だけに絞る。 P280資料(外⑯)P16資料(外㊲)P37

全06

「統合的な理解」と「総合的な発揮」

知・技のゴールの姿を「統合的な理解」(英語のきまりを組み合わせて使うと理解や表現の質が高まると分かっている姿)として示す。思・判・表は「総合的な発揮」として、CEFRの分類を参考に「理解する」「表現する」「伝え合う」の3つに分けて書く。5領域をバランスよく育てる授業づくりをうながすねらい。 P280資料(外⑧)P8資料(外⑨)P9

全07

外国語の「見方・考え方」を新しく

「外国語及び外国語によるコミュニケーションを、文化の違いや社会及び相手との関わりに着目して捉え、多様な他者の考えを受け止めるとともに、表現等を工夫して自分の考えを伝え、相互理解を図ること」と整理し直す(現行101字→91字)。AI時代に学ぶ意義と、人間ならではの非言語コミュニケーションも意識した表現。 P279資料(外⑦)P7

全08

「学びに向かう力」を4つの要素に

①コミュニケーションへの興味・関心と伝えたい考えの形成、②対話・協働で考えを広げ深める態度、③自己イメージを持ち振り返りながら学習を調整する態度、④主体的に他者との相互理解を深めようとする心情、の4つに整理する。目標の文もこれに合わせて書き換える。 P279資料(外④)P4資料(外⑤)P5資料(外⑥)P6

全09

「練習」という言葉を使わない

「練習」という言葉から思い浮かべるイメージが人によって違うことや、本文でこの語を使う教科がごく一部であることから、学習指導要領本文では「練習」を使わずに必要な活動を書く。 P284資料(外㉗)P27

中/高10

「授業は英語で行うことを基本とする」考え方を維持

現行は「授業は英語で行うことを基本とする。その際、生徒の理解の程度に応じた英語を用いる」と定めている。審議まとめでは「授業を生徒の理解に応じた英語で行うこと」を堅持するとされた。そのうえで、国がクラスルームイングリッシュなどの表現集や動画を用意し、教師の補助的な日本語使用や、AI活用も含めた児童生徒の母語使用についての考え方を解説で示す。 P284

全11

国が「基盤語彙リスト」を作る

複数のコーパスなどを参考に、国が語彙選定のための基盤語彙リストを作り、教科書会社にリストの語を使うよう推奨する。語の難しさや使用頻度などから、指導すべき語彙数も精選を含めて見直す。高校の教科書の多様性は守り、リストは研究を続けて更新する。 P283P61資料(外㉙)P29

中12

中学校の文法事項を絞り込む

中学校の文法事項のうち使用頻度の高いものなどを本文で具体的に示し、指導の対象を絞り、難しさを適正にする。教科書に難しい用法が含まれるなど内容が高度になりすぎたという指摘への対応。 P283P277P61

中13

「社会的な話題」→「身近な社会的な話題」

中学校の「社会的な話題」は、解説で難しいものが多く例示されているため、「身近な社会的な話題」とし、生徒が自分と関連付けて考えられるものを中心に例示する。話題は学年段階の目安を示し、身近なものから少しずつ抽象的なものへ進める。 P283資料(外⑳)P20資料(外㉚)P30

全14

自分のこと・地域・日本・自分の意見を伝える

話題や活動の例を見直し、自分のことや日本のことに加えて、自分の意見を言える活動を充実させ、住んでいる地域の話題も明確に位置付ける。AIや学校内外の交流も使い、自分が伝えたいことを伝える活動を強める。 P281P10資料(外㉕)P25

全15

CEFRに照らしてレベルを点検

現行では、各校種で想定したCEFRレベル(小~A1程度、中A1~A2程度、高A2~B1程度)より高い内容が書かれている場合がある。今後は「内容」や活動例をCEFRに照らして適切な文言にし、教師の足場かけが前提のものは解説で趣旨を示す。 P283

小/中16

小中のつなぎ目を具体的に示す

各学校段階で身に付けさせること、前の校種からつなぐために重点を置くことを「指導計画の作成と内容の取扱い」で具体的に示す。例:小学校では日本語と英語の語順の違いに気付かせる、中1の初めは音声中心にし小学校の話題や表現を繰り返す、3年間を通じて発音と綴りを結び付ける。 P281資料(外⑱)P18資料(外⑲)P19

高17

高校の科目名を変更する案

「英語コミュニケーション」は「英語コミュニケーション(総合)」、「論理・表現」は「英語コミュニケーション(発信)」に変える案(いずれも仮称)。科目の趣旨は引き継ぎ、趣旨に合った指導が行われるよう内容を充実させる。標準単位数の位置付けは現行相当(新単位で表すため数字は約2倍)。 P281P80資料(外㉒)P22資料(外㉔)P24

高18

「英語コミュニケーション(発信)」の中身を充実

スピーチ、プレゼン、ディベート、ディスカッションに加えて「日常的な会話」を扱い、会話を続けたり発展させたりする力を育てる。「論理の構成や展開」の扱いを充実させ、書くことはプロセス重視の指導を強める。教材はコミュニケーション活動中心の単元構成に改める。 資料(外㉓)P23資料(外㊻)P46

高19

B2レベル相当以上などの要件で必履修科目の免除・振替を提案

外部試験を使った必履修科目の免除・振替の制度運用を始めることが適当とされた。英語では、必要な英語力をCEFRのB2レベル相当以上とするのが適切とされた。ただしB2だけで自動的に免除されるわけではなく、(1)社会的信頼性のある外部試験で知識・技能の習得が確かめられる、(2)振替科目で総合的に代わりになる、(3)振り替えた方が大きく上回る成果が期待できる、の3つの要件をすべて満たす必要がある。具体的な外部試験の種類や級は今後、解説等で定める。免除した時間には発展的な学習や英語以外の外国語を学ぶ学校設定科目などを履修する。学校として実施できる場合の選択肢で、必ず免除しなければならないものではない。 P284P48P49

全20

AIの適切な活用を学習指導要領に明記する方向

オンラインでの人との交流も含むデジタル学習基盤の活用を明記し、その一つとして発達の段階に応じたAIの適切な活用も書くべきとされた。目標はあくまで人間同士のコミュニケーションで、AIを使った会話練習などはそのための手段という原則をはっきりさせる。 P278P282P88

全21

科学的知見にもとづく学び方の指導

第二言語習得や認知心理学、学習科学の知見を踏まえ、児童生徒が家庭学習も含めて自分で学習方略を使えるようにする。国が教師の指導や学習者に役立つ動画や資料を、学校の負担にも配慮して作る。 P278P281資料(外⑮)P15

全22

文化理解と「多様な外国語」

多様性の包摂や多文化共生のための文化理解、母語や自国の文化を見つめ直すための言語の違いの理解を充実させる。帰国生徒や外国につながる生徒の外国語の力を生かす配慮を外国語の解説にも書く。英語以外の外国語については、開設状況の公表やオンライン講座などを検討する。 P282資料(外㉖)P26資料(外㉗)P27資料(外㉘)P28

全23

評価規準の作り方が楽になる

「内容のまとまりごとの評価規準例」は国が示し、学校での作成は不要とする方向。外国語の「内容のまとまり」は5つの領域とする方向。学校が作る単元の目標はそのまま評価規準となるようにし、「内容」を基に作る。 P285資料(外㊳)P38資料(外㊴)P39

小24

小学校の教材「Let's Try!」を見直す

外国語活動の国の教材Let's Try!を、より身近で楽しく活動できる内容にし、5・6年の外国語科につながるよう目的・場面・状況を意識した活動を段階的に扱う形に見直す。外国語活動でも文字に慣れ親しむ活動を大切にする。 資料(外⑰)P17

全25

教師を支える国の研修と資料

文部科学省が全国の教師向けに大規模なオンライン研修を行う。国が作る動画や資料は自治体の研修でそのまま使えるように作り、小学校向けは学級担任と専科教員それぞれのニーズに配慮する。ALTとの連携についての動画・資料も出す。 P285

小学校・中学校・高校で何が変わる?

外国語活動・外国語科の枠組みは続く

3・4年で音声中心に慣れ親しむ「外国語活動」、5・6年で読む・書くを加える「外国語科」という現行の形は成果が出ているとされ、目標の柱書でも「素地」(活動)と「基礎」(外国語科)の違いは残る。学習は「コミュニケーション活動」と「それを支える活動」を通して進める。 P276資料(外①)P1

外国語活動の活動は「聞く・話す」で

外国語活動のコミュニケーション活動と支える活動は聞くこと・話すことについて行う。支える活動は、英語の音声や基本的な表現に慣れ親しみ、言語や文化の違いや共通点を体験的に理解する活動。導入した表現をすぐ話せることを求めず、聞いて慣れ親しむ段階から話す段階へつなぐ。 資料(外㉝)P33資料(外㊱)P36

外国語科では「音声で十分に慣れ親しんでから」読む・書く

小学校外国語では、導入した語彙や表現をすぐ話せる・書けることを求めず、聞く・読むで理解する段階から話す・書く段階へ発展させる。特に読む・書くは音声で十分に慣れ親しんだ上で指導する。支える活動はコミュニケーション活動と関連付けることが特に大事とされる。 資料(外㉜)P32資料(外㉟)P35

「読むこと」「書くこと」の段階を細かく示す

「書くこと」「読むこと」に課題があるため、文字を聞いて識別する→文字の形を認識し名称を発音する→音声と文字の関係に慣れ親しむ→語句を読んで意味を捉える、書き写す→語句を選んで書き写す→例を参考に書く、のように段階を示す。 P277資料(外㉑)P21資料(外㊸)P43

文字の扱いを丁寧に(外国語活動でも)

国語科のローマ字学習や、新しい「情報の領域(仮称)」のタイピングなどと関連を図りながら、外国語活動でも文字に慣れ親しむ活動を大切にする。外国語活動の「内容」に「文字」(読み方を聞いてどの文字か分かる等)を丁寧に示すイメージ。 資料(外⑰)P17資料(外㊷)P42

Let's Try!を見直す

伝え合う目的や必然性のある場面を設定しにくい単元があるという指摘を受け、より身近で楽しく活動できる内容にし、5・6年につながるよう目的・場面・状況を意識した活動を段階的に扱う形に見直す。 資料(外⑰)P17

語順の違いへの気付きで中学校へつなぐ

中学校の文法指導につなげるため、外国語科では日本語と英語の語順の違い(文構造)に気付かせる。音声と文字の関係に慣れ親しみ、簡単な語句や表現を読んだり書いたりできるようにする。文を書き写すときは語と語の区切りに注意させる。 P281資料(外⑲)P19資料(外㊸)P43

話題を学年相当で段階的に

外国語活動(3・4学年相当)は「相手のことや身の回りの物」「ごく身近な事柄」、外国語(5・6学年相当)は「自分のことや相手のこと」「身近な事柄」など、話題を段階的に示す。読む・書くの話題も段階的に示す。 資料(外⑳)P20資料(外㊷)P42資料(外㊸)P43

学年ごとの目標の作成義務をなくす方向

現行は「学年ごとの目標を適切に定め」2学年間を通じて目標の実現を図ることになっているが、審議まとめでは一律の作成義務をなくし、必要なら任意で作る方向が示された。 P280資料(外⑲)P19現行現行抜粋P6・P15

目標の言葉が変わる

外国語活動の思・判・表は「身近で簡単な事柄」から「ごく身近な事柄」へ。外国語の学びに向かう力は「自らの学習を調整して、他者との相互理解を図ろうとする態度」に。外国語の目標から「推測しながら」「語順を意識しながら」は外し、内容の取扱いで示す。 資料(外③)P3資料(外⑥)P6

文化理解に「多様性の包摂」「多文化共生」

外国語の教材の留意事項に、多様性の包摂や他者との相互理解、多文化共生への理解をうながす観点を加えるイメージ。外国語活動の「内容」には文化に関する事項(日本と外国の生活・習慣・行事の違いなど)を置く。 資料(外㉖)P26

小学校向け研修は担任と専科の両方に配慮

国が作る研修用の動画や資料は、学級担任と専科教員それぞれのニーズに合うよう十分に配慮するとされた。 P285

全面実施は令和12年度から(想定)

小学校の全面実施は令和12年度~が想定されている。評価の「見取る姿」などは小中について令和10年度末までに周知するとされている。 P38P65

CEFRでいうとどのレベル?

校種レベル・データ出典
小~A1程度(改訂前の議論で想定されていた各校種のCEFRレベル)P283
中A1~A2程度(同上)。R6調査でA1レベル相当以上の生徒は52.4%(H25は32.2%)P283P276
高A2~B1程度(同上)。現行の高校の科目はおおむねA2~B1レベル相当の習得を念頭に設定し、今回も大きく変えない。R6調査でA2レベル相当以上は51.6%(H25は31.0%)P283P284P49P276
高(履修免除)必履修科目の免除に必要な英語力はB2レベル相当以上とするのが適切とされた(ほかの要件もすべて満たす必要があり、B2だけで免除されるわけではない)P49P284
全現行では想定レベルより高いものが規定・例示されている場合があるため、今後は「内容」や活動例をCEFRに照らして適切な文言にする。総合的な発揮はCEFRの分類(Reception・Production・Interaction)を参照して「理解する」「表現する」「伝え合う」に分ける。コミュニケーション活動の例示はCEFRの言語コミュニケーション活動のマクロ機能も参照P283P280資料(外⑧)P8資料(外㊲)P37
全今後の全国学力・学習状況調査は、CEFRレベルを考えながら個別の資質・能力にもとづいて作問する。MEXCBTにCEFRを参照した問題を充実させるP283P285

AI(生成AI)の使い方はどうなる?

AI活用を学習指導要領に明記

オンラインでの人との交流などを含むデジタル学習基盤の活用を外国語の学習指導要領等に明記し、その一つとして発達の段階に応じたAIの適切な活用も書く。指導の参考となる考え方や実践事例も具体的に示す。 P278P282P88

原則:目標は人間同士のコミュニケーション

最終目標は外国語による人間同士のコミュニケーションを図る資質・能力で、AIを使った会話練習などはそのための手段。児童生徒の学びを深め、人間同士のコミュニケーションの充実につなげるという原則をはっきりさせる。 P282

AIの出力を鵜呑みにさせない

自分の興味・関心に応じた例文をAIで作るなどは有効と考えられる。ただし、児童生徒がAIの生成物を鵜呑みにせず、出力を吟味しながら自分の学習に生かせるよう教師が支援することが重要。 P282

家庭学習の出し方に注意

単純な英作文など、単にAI翻訳を提出すれば済むような家庭学習の課題を出さないなどの注意が必要とされた。 P282

国が留意点・動画・資料を示し更新する

諸外国の例も参考に、授業内外でのAIの効果的な使い方について、適切でない使い方を含む留意点や動画・資料を国が具体的に示し、技術の発展に合わせて更新する。 P282

話す量を増やす道具として

AIの活用で、恥ずかしがらずに話すことなどの練習量を大幅に増やす。家庭学習と連携して発話時間を確保する。 資料(外⑮)P15

言いたいことを英語にする活動

AIで自分が言いたいこと(母語)を英語にする活動を強化することが、英語で伝えたい内容を整理・発信する活動の充実策の一つとして挙げられている。 資料(外⑮)P15

交流の機会をつくる

児童生徒が英語で伝えたいことのイメージを持てるよう、AIや学校内外での交流機会を使いながら、自分が伝えたいことを伝える活動を強める。 P281

母語使用の考え方にAIも含めて示す

教師の補助的な日本語使用や、発達の段階に応じたAIの活用も含めた児童生徒の母語使用について、参考となる考え方を解説で示す。 P284

発信科目のフィードバックにAI

英コミュ(発信)(仮称)では、個別のフィードバックが物理的に難しいという課題に対し、AIを含むデジタル学習基盤の活用も含めたフィードバックの工夫を解説等で示す。 資料(外㉓)P23

AIを使ったパフォーマンステストの検討

AIを活用したパフォーマンステストツールの可能性を検討すべきとされた。 P285

AI時代でも相応の英語力は必要

AIで手軽に翻訳・通訳できる中でも、出力の正確さ・適切さを批判的に検討したり、ツールも使いながらリアルなコミュニケーションをしたりするには相応の英語力が必要という視点、AIを効果的に使う力が必要という視点が示されている。 資料(外⑭)P14

AI時代の教師の役割

授業デザイン、児童生徒の学ぶ意欲の向上、自律的な学習者を育てる学び方の指導などがより重要になる。人間同士のリアルなコミュニケーションが大切になることも踏まえる。 P285

家庭学習の出し方に注意

単純な英作文など、AI翻訳を出せば済んでしまう課題の出し方をしないよう留意する、と審議まとめに明記されています。 P282

評価はどう変わる?

評価規準例は国が示し、学校での作成は不要にする方向

現行は各学校が①内容のまとまりごとの評価規準、②単元の目標、③単元の評価規準を作っている。審議まとめでは「内容のまとまりごとの評価規準例」を国が示し、学校の作成は不要にする方向が示された。 P285

外国語の「内容のまとまり」は5つの領域

外国語の特質から引き続き5つの領域(聞く・読む・話す[やり取り]・話す[発表]・書く)で評価することが重要とされ、国の評価規準例の「内容のまとまり」は「内容」に示す5つの領域とする方向で検討する。 P285資料(外㊴)P39

単元の目標=評価規準

学校が作る単元の目標はそのまま評価規準となるようにする。作るときは外国語の目標・英語の目標(高校は科目目標)を踏まえつつ「内容」を基にする。 P285資料(外㊳)P38

評価が煩雑だった理由が解消される

現行は領域別の目標が3つの柱で整理されておらず、「内容」も領域別でないため評価の手順が煩雑だったが、今回の構造化で改善されると考えられている。多くの教科と同じように「内容」から評価規準を作れるようになる。 P280P285

「統合的な理解」「総合的な発揮」は当面直接評価しない

当面は「統合的な理解」「総合的な発揮」の育成状況そのものを一律に直接評価することは求めず、単元構想を含む指導・評価の計画の質を支える役割とする。 資料(外㊵)P40

知・技と思・判・表を同じテストで評価できる

知・技と思・判・表を同じパフォーマンステストなどで評価することも引き続き可能(具体は評価参考資料の作成時に検討)。単元例でも同一のパフォーマンステストで評価する例が示されている。 資料(外⑬)P13資料(外㊵)P40

総括は頻度を抑え、形成的評価を充実

学習成果の観点別評価・評定への総括は、学年末に絞るなど頻度を抑え、学習途中で差分を見取ってフィードバックする形成的評価を充実する(全教科共通の再整理案)。 資料(外㊳)P38

学びに向かう力は「見取る姿」で長い期間に

学びに向かう力の「見取る姿」は単元ごとではなく、学年・学期などの長い期間を通じて見取る。「見取る姿」や運用方法は小中について令和10年度末までに周知するとされている。 資料(外⑬)P13P65

MEXCBTとAIパフォーマンステスト

各学校の定期テストやパフォーマンステストに使えるよう、MEXCBTにCEFRを参照した問題を充実させ、AIを使ったパフォーマンステストツールの可能性を検討する。 P285

全国学力・学習状況調査の作問

今後の全国学力・学習状況調査は、CEFRレベルを勘案しつつ、個別の資質・能力に基づいて作問する。 P283

デジタル学習指導要領で評価規準例を一括確認

資料編の単元づくりのイメージでは、デジタル学習指導要領で解説の記述や評価規準例、小学校を含む前後の学習内容も確認できる姿が描かれている。 資料(外⑫)P12

国が用意してくれるもの

学習方略の動画・資料

第二言語習得・認知心理学・学習科学の知見を踏まえ、教師の指導や学習者の参考になる動画・資料を国が提供する。学校の負担軽減に留意し、教師の指導や自治体の研修でも使えるように作る。 P281

AI活用の留意点・動画・資料

適切でない使い方も含めた留意点、動画・資料を国が具体的に示し、技術の発展に応じて更新する。外国語でのAI活用の考え方や実践事例も示す。 P282P88

クラスルームイングリッシュ等の表現集・動画

生徒の理解に応じた英語で指導する際に使える表現集(クラスルームイングリッシュ等)や動画を提供する。 P284

全国の教師向け大規模オンライン研修

改訂で重視する点を伝え、英語力・指導力の向上と継続的な授業改善を図るため、文部科学省が大規模なオンライン研修を行う。 P285

研修にそのまま使える動画・資料

国が作る動画・資料は自治体の教員研修でそのまま使えるようにし、教職課程でも使われることを念頭に作る。小学校向けは学級担任と専科教員それぞれのニーズに配慮する。 P285

ALT等との連携の動画・資料

ALT等との効果的な連携のあり方について参考となる動画や資料を提供する。 P285

英語資格・検定試験の特別受験制度の周知

検定団体が教師や教職課程の学生向けに受験料を減額するなどの特別受験制度について、学生の活用が進むよう一層周知する。 P285

教員養成のコアカリキュラム改善

教員免許制度の見直しを踏まえた外国語(英語)コアカリキュラムの改善で、科学的知見や学習方略の指導方法を学べるようにする。 P285

MEXCBTの問題充実

定期テストやパフォーマンステストに使えるよう、MEXCBTにCEFRを参照した問題を充実させる。 P285

国の評価規準例

「内容のまとまりごとの評価規準例」を国が評価の参考資料で示す。 P285

基盤語彙リストと新出語彙リストの電子データ

国が基盤語彙リストを作る。各教科書の新出語彙リストは入試や調査の作問に役立つよう電子データで提供されるべきとされた。 P283資料(外㉙)P29

Let's Try!の見直し

国が作成・配布している外国語活動教材Let's Try!を、身近で楽しい内容、5・6年につながる段階的な活動に見直す。 資料(外⑰)P17

教育課程特例校の実践事例の提供

教育課程特例校1,915校(令和7年4月時点)のうち1,483校が外国語に関する内容。制度が調整授業時数制度に統合されることを踏まえ、参照できる実践事例を教育委員会等に積極的に提供する。 P284P36

多様な外国語の学びの支援

各校の開設状況の公表と共有、教師の指導力向上・学習者同士の交流・オンライン講座の開設などの可能性の検討、大学が公表している教材などの資料の収集・公表を行う。 P282

外国語を使う機会の充実

英語キャンプ、英語での探究、海外校との交流、海外留学、ALT等の配置拡充など、先行事例の成果を共有し各地方の取組を推進する。 P285資料(外⑮)P15

デジタル学習指導要領

資料編のイメージでは、デジタル学習指導要領で解説や評価規準例、他教科や小学校を含む前後の学習内容を確認できる。 資料(外⑫)P12

英語の先生の次の一歩

出典:中央教育審議会 初等中等教育分科会 教育課程部会「次期学習指導要領等に向けた審議まとめ」(2026年10月5日)。P○ は本体PDFのページ、資料P○ は資料編のページ(クリックで該当ページが開きます)。