締切間近 審議まとめへの意見募集(パブコメ)は 11月5日(木)23:59 まで(受付中) くわしく →
指導案(試案)・小学校第2学年

うごけ!わくわくおもちゃ ~もっと遠くへ、みんなでたのしく~

生活/全10時間(本時は第5時)/本時 45分

もくじ(7項目)
  1. この指導案の特色
  2. 1 単元名・単元の目標
  3. 2 単元の評価規準
  4. 3 単元の指導と評価の計画
  5. 4 本時の展開(45分)
  6. 5 板書計画・準備物
  7. 6 授業後のふり返り

この指導案の特色

うごけ!わくわくおもちゃ ~もっと遠くへ、みんなでたのしく~

中教審の審議まとめ(2026年10月5日)で示された、生活科の目標の柱書を「身体性を伴う体験と多様な表現活動」に改め、体験を通した内化と表現による外化の往還を明確にするという方向性を先取りした試案である。次期学習指導要領はまだ告示前であり、本案は審議まとめと資料編のイメージをふまえて作成した一つの例で、確定した内容ではない。現行の内容(6)「自然や物を使った遊び」で、ゴムや風で動くおもちゃを「もっと遠くまで動かしたい」という思いや願いを基に、試す・比べる・工夫する体験と、言葉・絵・動作・動画などで表す活動を繰り返す。算数の「長さ」や国語の「順序よく説明する」学習ともつなぎ、3年生の理科の先取りにはしないことに留意する。

次期の方向性この指導案での具体化
目標の柱書の「具体的な活動や体験」を「身体性を伴う体験と多様な表現活動」と改め、体験を通した内化と、言葉などの多様な表現活動による外化とが往還することを明確にする方向 P203資料(生①)P34本時を「試す(体験)→動きを言葉や動作で表して伝え合う(表現)→もう一度試す(体験)→工夫カードに絵と言葉で書く(表現)」の往還で組む。おもちゃの動きを体で表す(「びゅーん」「くねくね」など)ことも、表現として大切に扱う。
身体性を伴う体験活動を一層充実し、その際、体験できる時間や場を十分に確保すること、思いや願いをもって対象へ働きかけられるようにすること、体験と表現の往還によって気付きの質を高めること、試す・比べる・工夫するなどの学習活動を位置付けることなどに留意するとされる P208体育館(または広い廊下)に、1mごとにテープで線を引いた「ためしコース」を複数つくり、本時の半分以上を実際に動かす時間にあてる。「もっと遠くへ」という一人一人の願いを本時の始めに確かめ、友達のおもちゃと比べたり、ゴムの引き方や帆の大きさを変えて試したりする場を設ける。
生活科を結節点として、各教科等との関連をスタートカリキュラムや年間指導計画の中に明確に位置付け、1年間を見通して合科的・関連的な指導を計画的に行うよう促す方向。生活科の活動ごとに活用・発揮される各教科等の資質・能力(例:算数「数・量で捉える」、国語「順序立てて説明する」)を整理した単元設計が例示され、各教科等で身に付けた資質・能力を生活科の活動の中で活用することが重要とされる P206P207走った距離を「1mの線いくつ分と少し」で確かめ、算数の「長さ」の学習と関連付ける。単元後半では、おもちゃの作り方と遊び方を1年生に順序よく説明する活動を設け、国語の説明の学習と関連付ける。年間指導計画に、関連する算数・国語の単元を書き込んでおく。
中学年以降との接続について、社会科や理科の内容の単なる先取りではなく、身体性を伴う体験で得た気付きや実感が中学年以降の学びの基盤となることを意識し、多様な表現から言葉による認識への移行を意識した指導を充実するとされる P207「ゴムを長く引くと遠くまで走る」「帆が大きいとよく進む」などの気付きは、子供が自分で試して見付けたこととして価値付け、教師が「きまり」として教え込まない。気付いたことを「〜したら、〜になった」という言葉で表すことを促し、3年生の理科で風やゴムの働きを学ぶときの土台になるようにする。
生活科におけるICT活用は、直接体験を代替するものではないことを前提に、体験・認識・表現の質を高めるための補助・促進の手段と位置付ける。例えば、撮影・記録を何度も体験する、画像や動画で対象を比較したり捉え直したりして言語化する、などが示されている P209資料(生⑪)P46端末で自分のおもちゃが走る様子を動画で撮り、工夫する前と後の動画を見比べて、どこが変わったかを言葉にする。撮影は試したあとに短く撮るだけにし、動かして遊ぶ時間を削らないようにする。

1 単元名・単元の目標

単元名:うごけ!わくわくおもちゃ ~もっと遠くへ、みんなでたのしく~(全10時間(本時は第5時))

単元の目標:ゴムや風で動くおもちゃをつくり、もっと遠くまで動かしたり、みんなで遊び方を考えたりする活動を通して、ゴムの引き方や帆の形などを変えて試しながらおもちゃを工夫してつくることができ、動きの面白さや、ゴムや風の力の不思議さに気付くとともに、友達や1年生と楽しみながら遊びを創り出そうとする。

2 単元の評価規準

知識・技能思考・判断・表現主体的に学習に取り組む態度
【知識・技能】おもちゃの動きの面白さや、ゴムを引く長さ・帆の大きさなどによって動き方が変わる不思議さに気付いているとともに、遊びに使う物を工夫してつくっている。もっと遠くまで動かしたいという思いや願いを基に、比べたり試したりしながら、おもちゃの作り方や遊び方を工夫し、気付いたことを言葉・絵・動作などで表している。思いや願いをもっておもちゃに繰り返し関わり、友達や1年生と一緒に、楽しみながら遊びを創り出そうとしている。
次期で評価はどうなる?

評価規準は、現行の学習指導要領に基づく3観点(知識・技能、思考・判断・表現、主体的に学習に取り組む態度)で書いた。審議まとめでは、生活科も他教科等と同様に観点別評価を行い、単元ごとの評価は形成的評価を中心に行って、年度末・学期末等で総括的な評価を行うよう促すとされている。「学びに向かう力」は、学習過程全体を通じた一人一人のよさや変化・成長を見取る個人内評価とし、「見取る姿」を参考に見取って総合所見欄等に反映し、思考・判断・表現の過程で「継続的な発揮」を見取ることができた場合は「思考・判断・表現」に「○」を付す方向である。生活科の「見取る姿」は改訂後に具体を検討するが、「思いや願いをもった働きかけ」「他者との伝え合いや協働」「試行錯誤や自己調整」などを検討すべきとされている(本体P210、資料編P49(生⑭))。また、単元の目標がそのまま単元の評価規準となるようにする方向も示されている(本体P69)。そこで本試案では、本時はこの3つの姿を意識して子供のつぶやきや行動を短くメモし、指導に生かす評価とした。記録に残す評価は、1年生への説明の準備(第8時)と単元のふり返り(第10時)にしぼった。単元計画の◎は記録に残す評価、○は指導に生かす評価を表す。

3 単元の指導と評価の計画

時主な学習活動評価
1〜2先生が用意したおもちゃ(ゴムで走る車、風で走る車、ころがるおもちゃ)で遊び、「自分もつくりたい」という思いをもつ。身近な材料(牛乳パック、紙コップ、ペットボトルのふた、ストロー、輪ゴム など)を見て、つくりたいおもちゃを選び、家から材料を集める計画を立てる。○思:つくりたいおもちゃへの思いや願いをもっているか(行動観察・発言)
3〜4選んだおもちゃをつくる。動かしてみて、うまく動かないところを直す。○知:遊びに使う物を工夫してつくっているか(行動観察・作品)
5(本時)「ためしコース」で、もっと遠くまで動かすために試したり比べたりし、見付けた工夫を伝え合ってもう一度試す。工夫カードに絵と言葉で書く。○思:試したり比べたりしながら工夫し、気付いたことを表しているか(行動観察・工夫カード)
6本時の工夫カードを基に、おもちゃを改良する。遠くまで走らせるだけでなく、「まっすぐ走らせる」「的に当てる」など、新しい遊び方を考える。○思:遊び方を工夫しているか(行動観察)
7友達と遊びのルールを決め、グループごとにおもちゃのコーナー(例:きょりきょうそうコーナー、まとあてコーナー)をつくる。○態:友達と一緒に遊びを創り出そうとしているか(行動観察)
81年生に作り方と遊び方を説明する準備をする(順番を表すカードづくり、実演の練習)。◎思:おもちゃの作り方や遊び方を、順序よく伝わるように表しているか(説明カード・練習の様子)
9「わくわくおもちゃランド」に1年生を招待して一緒に遊ぶ。○態:1年生と一緒に楽しみながら遊ぼうとしているか(行動観察)
10単元をふり返り、工夫カードと動画を見ながら、できるようになったことや気付いたことを伝え合う。◎知・思:おもちゃの動きの面白さや不思議さ、自分の工夫について気付いたことを表しているか(ふり返りカード)/態(現行制度に基づき、単元を通した観察とふり返りで評価する。審議まとめで示された次期の方向では、「学びに向かう力」は個人内評価として学期を通して見取り、総合所見欄等に反映する)

4 本時の展開(45分)

本時の目標:自分のおもちゃをもっと遠くまで動かすために、ゴムの引き方や帆の大きさなどを変えて試したり、友達のおもちゃと比べたりしながら工夫し、気付いたことを言葉や絵、動作で表す。

過程・時間学習活動指導上の留意点・支援評価
導入
5分
前時につくったおもちゃを持って集まり、「どこまで動いたか」を思い出す。本時の願い「もっと遠くまで動かしたい」を一人一人が確かめ、「ためしコース」の使い方を知る。
主な発問:「この前は、どこまで動いたかな。今日は、どうしたいかな。」
体育館の集合場所で始める。めあて「もっと遠くまで うごかそう ためして くらべて くふうしよう」を掲示する。順番待ちが長くならないよう、コースを複数用意し、使うコースを班ごとに決めておく。
展開
15分
ためしコース(1mごとにテープで線を引いたもの)で、おもちゃを何度も動かす。どこまで動いたかを線の数で確かめ、ゴムの引き方、帆の大きさ、車輪のつけ方などを変えて試す。友達のおもちゃと比べる。最初の動き方を、ペアで端末を使って短い動画に1本撮っておく。
主な発問:「何本目の線まで動いたかな。」「どこを変えたら、動き方がどう変わったかな。」
教師はコースを回り、「どうしてそうしたの?」「さっきとどこがちがう?」と声をかけ、子供のつぶやきを短くメモする。うまく動かない子供には、友達のおもちゃと並べて見比べるよう促す。輪ゴムを人に向けて飛ばさない、竹ぐしなどのとがった先は切ってあるかなど、安全を確かめる。○思:もっと遠くへという願いを基に、試したり比べたりしているか(行動観察・つぶやきのメモ)
展開
7分
一度集まり、何人かが自分の見付けた工夫を実演したり、おもちゃの動き方を体で表したりして紹介する。
主な発問:「どんな工夫をしたら、遠くまで動いたかな。やって見せてくれる?」「動き方を体で表すと、どんな感じかな。」
「ゴムを長く引いたら遠くまで行った」「帆を大きくしたら、びゅーんと進んだ」など、子供の言葉をそのまま書いて掲示する。教師がきまりとしてまとめず、「〇〇さんの見付けたこと」として名前を添えて残す。
展開
10分
友達の工夫を取り入れたり、自分の考えで改良したりして、もう一度試す。改良したあとの様子も、ペアで端末を使って動画に撮り、最初の動画と比べる。
主な発問:「友達の工夫で、やってみたいものはあったかな。」「前とくらべて、どう変わったかな。」
撮影は動かして試したあとに短く撮るだけにし、遊ぶ時間を減らさない。おもちゃを直したい子供のために、輪ゴム・テープなどの予備の材料を置いた「なおしコーナー」を用意する。○思:友達の工夫を取り入れたり、自分で考えたりして工夫しているか(行動観察)
まとめ
8分
撮った動画を見返しながら、工夫カードに、見付けたこと・工夫したことを絵と言葉で書く。何人かが発表する。
主な発問:「今日、見付けたことや、やってみてびっくりしたことは何かな。」
書くことが苦手な子供は、絵とひとことでよいこととし、教師が話を聞いて言葉を書き添える。友達の工夫が役に立ったことを書いている子供を紹介する。次時は工夫カードを基におもちゃを改良することを予告する。○知・思:動きの面白さや不思議さに気付き、それを絵や言葉で表しているか(工夫カード)

5 板書計画・準備物

板書
  • めあて:もっと遠くまで うごかそう ためして くらべて くふうしよう
  • ためしコースのつかい方:線の数で、どこまでうごいたかたしかめる
  • 見付けたこと(子供の言葉と名前):「ゴムを長くひいたら遠くまで行った」「ほを大きくしたら、びゅーんとすすんだ」など
  • やくそく:ゴムを人にむけない / じゅんばんをまもる
  • ふり返りの視点:見付けたこと・くふうしたこと・びっくりしたこと
教材・準備物
  • 子供がつくったおもちゃ(ゴムで走る車、風で走る車、ころがるおもちゃ など)
  • ためしコース用のビニールテープ(1mごとに線を引く。コースを複数)
  • うちわ(風で走る車用)
  • 予備の材料(輪ゴム、セロハンテープ、ストロー、ペットボトルのふた など)と「なおしコーナー」の机
  • 1人1台端末(動画の撮影・見返し用)
  • 工夫カード(絵と言葉で書くワークシート)

6 授業後のふり返り

工夫カードと教師のメモから、試したことを言葉にできている子供と、試しているが言葉にできていない子供を把握し、次時の改良の時間に、動画を見ながら一緒に言葉にする。本時で見付けた気付き(ゴムの引き方や帆の大きさと動き方の関係)は、教師が「きまり」としてまとめず、子供の見付けたこととして掲示に残す。思いや願いをもって繰り返し関わる姿、友達と伝え合う姿、うまくいかないときにやり方を変える姿は、この単元だけでなく学期を通して観察メモに書きため、総合所見などの記述に生かす。算数の「長さ」の学習と時期を合わせられるよう、年間指導計画を確認しておく。

※ この指導案は、次期学習指導要領の告示前に、審議まとめ(2026年10月5日)の方向性をふまえて原田英語.comが作成した試案です。評価規準は現行の3観点で書いています。