次期学習指導要領とのつながり

審議まとめが示す方向性をふまえると、小学校の総合的な探究の時間に「情報の領域」が加わり、基礎を学ぶ「情報ブロック」と探究の中で使う「ミニ探究ユニット」を組み合わせて学びます。適切な取扱いの「受け取る情報の特徴」は、4年生で情報を発信・再構成する体験を通して、AIの出力を含め情報をうのみにしない姿勢を育てると示されています。資料編の4年生の学習イメージにも、同じ写真の全体や一部を切り出して伝える体験で受け手の印象が変わることを確かめ、偽・誤情報の例から立ち止まって考える活動が挙がっています。メディアリテラシーを情報活用能力の中核として体系的に育てる方向に沿った、情報ブロックの1時間です。 P240P248P250P251資料P160
同じ写真でも切り取り方や言葉の付け方で受け手の印象が変わることを体験を通して理解し、AIの出力も含めて情報を受け取るときに立ち止まって確かめる大切さを考える。
準備するもの
- 先生が撮った学校の写真3〜4枚(校庭、花壇、昇降口など。人の顔が写っていないもの)を学習用フォルダに入れておく
- 導入用の写真2枚(一部を切り取ったものと元の写真)
- 先生が事前に生成AIで作り、誤りを1か所含めた「学校紹介文」(学校名など実在の個人情報は入れない)
- 「立ち止まりポイント」をまとめる学級掲示用の紙
手順
- 先生が校庭の隅だけを切り取った写真を見せ、「この学校の校庭、どう思う?」とたずねます。意見を聞いたあと元の写真を見せ、印象の違いを話し合います。5分
- ペアで学校の写真を1枚選び、端末のトリミング機能で「楽しそうに見える1枚」と「さみしそうに見える1枚」を作ります。どこを残し、どこを切ったかをメモします。12分
- 別のペアに切り取った1枚だけを見せて印象を当ててもらい、そのあと元の写真を見せます。続けて、同じ1枚に「休み時間の人気スポット」「だれも来ない場所」など違う言葉を付けると、印象がさらに変わることも試します。10分
- 先生が「AIに書いてもらった学校紹介文」を映し、学校の様子と合っているところ、合っていないところを探します。誤りを見付けたら、「生成AIは多くのデータから学んだパターンをもとに文章を作るので、もっともらしくても誤りが含まれることがある」ことを押さえます。10分
- 今日の体験から「情報を受け取るときの立ち止まりポイント」を3つ(例:全体はどうなっているか、だれが何のために出した情報か、ほかでも確かめたか)学級でまとめて掲示し、振り返りを書きます。8分
評価(見取り)のポイント
切り取り方や言葉の付け方と受け手の印象の関係を、自分たちの作った写真をもとに説明できているかをメモと発言で見取ります。振り返りで、AIの出力を含む情報を受け取るときに確かめる理由を自分の言葉で書けているかも見ます。この時間は形成的に見取り、ミニ探究ユニットで立ち止まりポイントを使えているかとあわせて評価します。
AIを使うなら
子供が生成AIを直接操作せず、先生が事前に作った文章を教材として使います。生成AIの利用は学校のガイドラインと各サービスの利用条件(年齢など)に従います。教材の文章を作るときも、学校名や個人が分かる情報は入力しません。
うまくいくコツ・アレンジ
- 写真は人の顔が写っていないものを先生が用意し、子供には「人の写真は許可なく撮ったり加工したりしない」ことも確認します。
- 「切り取るのは悪いこと」ではなく、伝えたいことに合わせて情報は必ず切り取られる、という両面を押さえます。
- まとめた立ち止まりポイントは、ほかの教科で調べ学習をするときにも掲示を指して振り返ります。
アレンジ
- 小3では、文章と写真を組み合わせて伝わり方を比べる活動にすると、資料編の3年生のイメージに近い入門になります。
- 小5・6では、同じ出来事を伝える複数の報道やSNS風の投稿を比べ、発信者の目的や偏りを考える活動に発展できます。
ほかのアイデア
※ 次期学習指導要領は告示前です。審議まとめ(2026年10月5日)の方向性をふまえた原田英語.comのオリジナルのアイデアです。