次期学習指導要領とのつながり

歌唱・器楽の一体的な指導身体の使い方思いや意図と技能の一体化
審議まとめが示す方向性をふまえると、小学校音楽の表現は「歌唱」と「器楽」が「歌唱・器楽」の区分にまとまり、同じ曲を歌と楽器で扱うときもねらいを焦点化した指導や評価がしやすくなります。資料編の改善イメージでは、歌い方や演奏の仕方による全体の響きの違いや変化を、知識と身体の使い方の技能を一体にして示す形が例示されています。また、習得した技能を生かして工夫して表現する過程全体を「思考・判断・表現」として捉え、評価も完成した演奏だけでなく学習の過程の姿で見取る方向です。この授業は、1つの曲で歌と楽器を行き来しながら、響きの違いを体で確かめて表現を工夫する時間です。 P214P215P216P219P221資料P74
ねらい
同じ旋律を歌と楽器で組み合わせて演奏し、組み合わせ方や歌い方・吹き方による全体の響きの違いを聴き取り、どんな響きにしたいかの思いや意図をもって、息や口の使い方を工夫して表現する。
準備するもの
- 学級で歌い慣れていて、リコーダーでも旋律を演奏できる曲(教科書の曲や共通教材から先生が選ぶ)
- リコーダー
- グループに1台の端末(録音用)
- 「響きメモ」(編成A・B・Cごとに「感じたこと」「その理由(音色・強弱・重なり)」を書く表)
手順
- 体ほぐしと呼吸の準備をします。両手を胸の前で合わせて息をゆっくり長く吐く、ストローをくわえたつもりで細く吐く、など息の量と速さを変える活動を全員で行います。5分
- 全員で旋律を歌い、続けて同じ旋律をリコーダーで演奏します。先生は「歌と笛で、どんなところが違って聞こえた?」と問い、「笛の方がまっすぐ」「歌の方がやわらかい」などの言葉を板書します。8分
- 4人グループで、A全員で歌う、B歌2人とリコーダー2人、C全員リコーダー、の3通りで演奏し、それぞれ端末で録音します。演奏する人と録音する人を交代しながら進めます。12分
- 録音を聴き比べ、響きメモに感じたことと理由を書きます。先生は「音色」「強さ」「音の重なり方」に目を向けるよう声をかけます。最後に「〇〇な感じにしたいから、△△の組み合わせにする」とグループの思いや意図を決めます。10分
- 決めた編成で演奏し、思い通りの響きになるよう、歌う人は口の開け方や息の支え、リコーダーの人は息の強さやタンギングを調整します。もう一度録音し、最初の録音と比べます。7分
- 「響きを変えるために、体の使い方で工夫したこと」を響きメモに一文で書いて終わります。3分
評価(見取り)のポイント
思考・判断・表現は、完成した演奏だけでなく、響きメモの記述と、編成を選び体の使い方を調整している演奏の過程で見取ります(録音を記録として残します)。知識・技能は、全体の響きの違いを音色・強弱・重なりと結び付けて書けているか、息や口の使い方を変えて演奏できているかを見ます。この題材だけで3観点すべてを記録に残す必要はなく、年間指導計画に沿って他の題材とまとめて総括することもできます。
うまくいくコツ・アレンジ
- ねらいは「全体の響き」1つに絞り、音程やリズムの正確さの指導はこの時間では深追いしません。
- 録音は1回30秒程度にすると、聴き比べの時間を確保できます。
- 合唱奏に発展させるときも、子供が選んだ編成の理由を最初に言葉で共有すると、表現の工夫がぶれにくくなります。
アレンジ
- 小3・4では、打楽器と歌の組み合わせで「にぎやか」「しずか」な響きをつくる活動にできます。
- 鍵盤ハーモニカや木琴を加え、楽器の音色の違いと歌の重なり方を比べる題材に広げられます。
ほかのアイデア
※ 次期学習指導要領は告示前です。審議まとめ(2026年10月5日)の方向性をふまえた原田英語.comのオリジナルのアイデアです。