次期学習指導要領とのつながり

審議まとめは、地域の人や施設との関わりを単発の体験で終わらせず、年間指導計画の中で同じ人・施設と何度も関わる関係(再訪・再交流)にすることを促しています。あわせて、ICTは直接体験の代わりではなく、画像を比べたり捉え直したりして言葉にすることで認識の質を高める手段と位置付けられ、AI要約を含む検索で事前に調べてから対象に関わる使い方も例に挙がっています。審議まとめが示す方向性をふまえると、写真で気付いた疑問を持ってもう一度会いに行く流れは、体験と表現を往還させながら関わりを深める単元づくりになります。この授業は、その再訪に向けた準備の1時間です。 P201P209P210
1回目の町探検の写真を見比べて気付いたことや不思議に思ったことを言葉にし、お店の人にもう一度聞きたいことや伝えたいことを決めて、再訪への思いや願いを高める。
準備するもの
- 1回目の町探検でグループごとに撮った写真(お店の外観・商品・働く様子。人の顔が写っていないもの)
- 質問カード(「聞きたいこと」「伝えたいこと」の2欄)
- 先生用:お店の人との共有シート(ねらい/活動内容/子供の実態/留意点)
- 大型提示装置
手順
- グループごとに、1回目に撮った写真を2枚並べて見比べます(例:朝のパン屋さんと昼のパン屋さん、八百屋さんの店先と奥の段ボール)。先生は「どこが違う?」「何をしているところかな?」と問い、気付いたことを付箋に書かせます。8分
- 付箋を出し合い、「どうして朝早くからパンが並んでいるの?」「段ボールの中には何が入っているの?」など、写真だけでは分からない「なぜ?」を学級で整理して板書します。10分
- 先生が検索して分かることを一緒に見ます。AI要約を含む検索結果を先生が見せる場合は、事前に先生が検索結果と参照元を確認し、教材として適切な画面だけを保存して提示します(その場で検索して映すことはしません)。そのうえで、「これは一般的なお店の話。あのお店でも同じかどうかは、お店の人に聞いて確かめよう」と伝え、確かめる相手は目の前の地域の人であることを押さえます。7分
- グループで、お店の人に聞きたいこと1つと、1回目のお礼や発見として伝えたいこと1つを質問カードに書きます。あいさつ、名乗り方、聞き終わったらお礼を言う流れをペアで練習します。12分
- グループで聞く順番と役割を決め、振り返りカードに「もう一度行ったら確かめたいこと」を書きます。先生は、出た質問を共有シートにまとめてお店の人に事前に渡すことを伝えます。8分
評価(見取り)のポイント
写真を見比べて気付いた違いや「なぜ?」を言葉にしているか、聞きたいこと・伝えたいことを自分の思いや願いとして書いているかを見取ります。再訪の場面とあわせて、「思いや願いをもった働きかけ」「他者との伝え合いや協働」の姿が続けて見られるかを単元を通して記録し、学期末にまとめて評価します。
AIを使うなら
子供が生成AIを直接操作するのではなく、先生がAI要約を含む検索結果を見せる程度にとどめます。見せる画面は事前に先生が参照元と照らして内容を確認し、適切なものだけを保存しておきます。必要なら要約ではなく、確認済みの公式・事業者の情報を見せます。要約は一般的な情報であり、そのお店の事実とは限らないことを必ず伝え、確かめる相手はお店の人であることを強調します。検索に子供やお店の個人が分かる情報は入れません。
うまくいくコツ・アレンジ
- お店の人には、共有シート(ねらい/活動内容/子供の実態/留意点)を使って短い電話やオンラインで打ち合わせると、負担をかけずに意図を伝えられます。
- 写真は先生があらかじめ人の顔が写っていないものに絞っておきます。
- 再訪のあとは、1回目と2回目の写真や気付きを並べて、自分たちの関わりの深まりを振り返る時間をとると効果的です。
アレンジ
- 公共施設(図書館・公民館)の利用でも、1回目の写真から疑問を出し、同じ職員さんに2回目に聞く流れにできます。
- 3回目は、教えてもらったことをお店の人に絵や劇で伝え返す「お礼の発表会」にすると、表現による外化の場になります。
ほかのアイデア
※ 次期学習指導要領は告示前です。審議まとめ(2026年10月5日)の方向性をふまえた原田英語.comのオリジナルのアイデアです。