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指導案(試案)・小学校第3学年

お客さんが集まるひみつをさぐろう ~まちのスーパーマーケットの仕事~

社会/全10時間(本時は第7時)/本時 45分

もくじ(7項目)
  1. この指導案の特色
  2. 1 単元名・単元の目標
  3. 2 単元の評価規準
  4. 3 単元の指導と評価の計画
  5. 4 本時の展開(45分)
  6. 5 板書計画・準備物
  7. 6 授業後のふり返り

この指導案の特色

お客さんが集まるひみつをさぐろう ~まちのスーパーマーケットの仕事~

中教審の審議まとめ(2026年10月5日)で示された、社会科の「調べまとめる技能」に、集めた情報の信ぴょう性を確かめる「情報の妥当性の確認」に関する技能を位置付ける方向と、「見方・考え方」の対象を「社会的事象や言説」に広げる方向を先取りした試案である。次期学習指導要領はまだ告示前であり、本案は審議まとめと資料編のイメージをふまえて作成した一つの例で、確定した内容ではない。現行の第3学年「地域に見られる生産や販売の仕事」のうち販売の仕事を扱い、見学やアンケートで集めた情報を「自分で見た」「店長さんに聞いた」「チラシで読んだ」などの出どころで分けて確かめたうえで、「安いからお客さんが来る」という言葉が本当かを、複数の情報から多角的に考える。

次期の方向性この指導案での具体化
小・中学校では「確かな」情報に基づき「適切かつ」効果的に調べまとめる技能を身に付ける方向で目標を見直す。また、インターネット等で集めた情報の真偽や意図、背景を把握することが一層求められることから、集めた情報の信ぴょう性等を確かめる新たな技能(「情報の妥当性の確認」に関する技能)を位置付ける方向。情報の収集では図書や新聞等の活用も重要とされる P148P159資料(社⑫)P175見学メモ、店長さんの話、チラシ、家の人へのアンケートなどで集めた情報を1枚1項目の「はっけんカード」にし、「自分で見た」「店長さんに聞いた」「チラシで読んだ」「家の人や友達から聞いた」の出どころマークを付ける。本時はこのマークを手がかりに、確かめられた情報と、まだ確かめが必要な情報を分ける。紙のチラシも資料として使う。
「見方・考え方」の対象を「社会的事象や言説」とし、よりよい社会の形成に向けて課題を多面的・多角的に考え、確かな根拠に基づいて公正に判断することとして整理する方向。資料編の小学校社会の見直し案では、社会的事象やその言説を捉え、課題を多角的に考え、根拠に基づき公正に判断することとされている P149資料(社②-1)P146子供から出た「安いからみんな来るんだよ」という言葉(言説)を本時の問いにし、アンケートの結果(お店を選ぶ理由)、店長さんの話、見学で見た売り場の様子という複数の根拠と照らし合わせる。お客さんの立場とお店の人の立場の両方から考える。
「統合的な理解」は、個別の知識を統合して社会の様々な場面で活用できる概念として習得された状態を示し、個別の用語の暗記にとどまらない授業への改善を促すとされる。資料編の小学校社会のイメージでは、地域に見られる生産・販売の仕事は地域の人々の多様な願いをふまえて様々な工夫をして取り組まれ、地域の人々の生活を支えていることを理解し、仕事と人々の生活とを関連付けて多角的に考え、表現する姿が示されている P150資料(社④-1)P150本時のまとめを「安いから」という一つの理由にせず、「お客さんには、安く買いたい・新鮮な品物がほしい・近くで便利に買いたいなど、いろいろな願いがある。お店はそれに合わせていろいろな工夫をしている」という、願いと工夫を結び付けた言葉で表すようにする。
外部人材等の活用が形式的な連携にとどまる場合や、人事異動等で活用できる人材が引き継がれない状況が課題とされ、教師が目的・意義や教育的効果をふまえて指導計画全体を設計し、外部人材との綿密な事前打合せを行うことが重要とされる。学習で活用した地域の人材や施設を継続的に活用できるよう、学校内で情報を共有・引き継ぐ工夫が例示されている P146P160見学の前に、店長さんと「子供に気付いてほしいこと(お客さんの願いと店の工夫)」を共有し、お店の都合で話せないことにはふれない範囲で、話してもらう内容を打ち合わせる。本時で生まれた新しい疑問は手紙で店長さんに届けて答えてもらい、見学先の情報と打合せの内容は学年で記録して次年度に引き継ぐ。
ICT活用を「課題を追究したり解決したりする活動」で学習の質を高めるために必要な基盤と位置付け、課題把握では統計資料等の検索・活用、課題追究では適切な根拠資料の収集・分析やグループでの資料の共有、課題解決ではまとめの作成や発表・共有などを充実する方向 P159アンケートの集計結果を教師が簡単なグラフにして端末で共有し、見学で撮影した売り場の写真(人の顔が写っていないもの)を学級で共有して、本時の根拠資料にする。第9時のまとめでは、写真とカードを使って新聞にまとめる。

1 単元名・単元の目標

単元名:お客さんが集まるひみつをさぐろう ~まちのスーパーマーケットの仕事~(全10時間(本時は第7時))

単元の目標:①販売の仕事は、消費者の多様な願いをふまえ売り上げを高めるよう工夫して行われていることを理解するとともに、見学・調査したり地図などの資料で調べたりして、情報の出どころを確かめながらカードや白地図などにまとめることができる。②消費者の願い、販売の仕方、他地域や外国との関わりなどに着目して、販売に携わっている人々の仕事の様子を捉え、それらの仕事に見られる工夫を考え、表現することができる。③地域の販売の仕事について、学習問題を追究・解決しようとし、学んだことを自分たちの買い物に生かそうとする。

2 単元の評価規準

知識・技能思考・判断・表現主体的に学習に取り組む態度
【知識】販売の仕事は、消費者の多様な願いをふまえ売り上げを高めるよう、工夫して行われていることを理解している。【技能】見学・調査したり地図などの資料で調べたりして必要な情報を集め、出どころ(だれから・何から知ったか)を確かめながら、カードや白地図などにまとめている。消費者の願い、販売の仕方、他地域や外国との関わりなどに着目して問いを見いだし、販売に携わっている人々の仕事の様子について考え、表現している。また、比較したり関連付けたりして、販売の仕事に見られる工夫を考え、適切に表現している。地域の販売の仕事について、予想や学習計画を立てたり、学習をふり返ったりして、学習問題を追究し、解決しようとしている。
次期で評価はどうなる?

評価規準は、現行の学習指導要領に基づく3観点(知識・技能、思考・判断・表現、主体的に学習に取り組む態度)で書いた。審議まとめでは、社会科等の「学びに向かう力」は、「学びに向かう力の3要素」(初発の思考や行動・好奇心、学びの主体的な調整、対話や協働)を思考・判断・表現の過程で一体的に見取り、評価期間全体で「継続的な発揮」を見取ることができた場合に「思考・判断・表現」に「○」を付記する方向で、「見取る姿」は改訂後に検討するとされている(本体P161、本体P63〜P66)。また、「内容のまとまりごとの評価規準例」は国が示して各学校の作成は不要とし、単元の目標がそのまま単元の評価規準となるようにする方向(本体P69)、評定への総括は学年末のみに行うことが可能であることを明確にし、学期中は形成的評価を中心に行うことを促す方向(本体P70)も示されている。そこで本試案では、本時は情報を確かめて考える様子を形成的に見取り、記録に残す評価を、はっけんカード(第6時)、新聞(第9時)、単元のまとめ(第10時)にしぼった。単元計画の◎は記録に残す評価、○は指導に生かす評価を表す。

3 単元の指導と評価の計画

時主な学習活動評価
1家の人がどこで買い物をしているかを「買い物調べカード」(1週間の店の種類と回数。名前は書かない)で調べ、学級で集計して地図に表す。スーパーマーケットで買い物をする家が多いことに気付く。○知(技能):集めた情報を地図や表に表しているか(ワークシート)
2「どうして〇〇スーパーにはたくさんのお客さんが来るのだろう」という学習問題をつくり、予想を出し合う(安いから、近いから、品物が多いから など)。予想を確かめるための見学の計画(見ること・聞くこと・数えること)を立てる。家の人に「お店を選ぶわけ」を聞くアンケート(無記名)を配る。○思:予想を基に、調べることを考えているか(ノート)
3〜4スーパーマーケットを見学する。売り場の様子(品物の並べ方、値段の表示、産地の表示)を見て記録し、店長さんの話を聞く。売り場の裏側は、お店の許可がある範囲で見学する。○知(技能):見学の目的に沿って、必要な情報をメモしているか(見学メモ)
5アンケートの集計結果(お店を選ぶわけ)を、教師が作ったグラフで読み取る。チラシを読み、値段の工夫や特売の日を調べる。○知(技能):グラフやチラシから必要な情報を読み取っているか(ノート)
6見学やアンケートで分かったことを「はっけんカード」に1枚1項目で書き、出どころマーク(自分で見た・店長さんに聞いた・チラシで読んだ・家の人や友達から聞いた)を付けて、「お客さんの願い」「お店の工夫」に分ける。◎知(技能):集めた情報を、出どころを確かめながらカードにまとめているか(はっけんカード)
7(本時)「安いからお客さんが来る」という言葉が本当かを、出どころマークを手がかりに複数の情報で確かめ、お客さんの願いとお店の工夫を結び付けて考える。○思:複数の情報を比べたり結び付けたりして、お客さんの願いとお店の工夫の関係を考えているか(行動観察・ノート)
8品物の産地を調べて地図帳で場所を確かめ、ほかの地域や外国から品物が運ばれてきていることを白地図にまとめる。○知(技能):産地を地図帳で調べ、白地図にまとめているか(白地図)
9学習問題についてのまとめを、写真とカードを使って「スーパーマーケットひみつ新聞」に表す。◎思:お客さんの願いとお店の工夫を関連付けて、自分の言葉で表しているか(新聞)
10新聞を読み合い、店長さんへの手紙(追加の質問とお礼)を書く。単元をふり返り、自分たちの買い物で気を付けたいことを話し合う。◎知:販売の仕事は消費者の多様な願いをふまえて工夫して行われていることを理解しているか(新聞・ふり返り)/態(現行制度に基づき、ふり返りと単元を通した観察で評価する。審議まとめで示された次期の方向では、単元ごとの記録にこだわらず学期を通して見取る)

4 本時の展開(45分)

本時の目標:「安いからお客さんがたくさん来る」という言葉が本当かを、出どころの分かる複数の情報(アンケート・店長さんの話・見学の記録)で確かめ、お客さんの願いとお店の工夫を結び付けて考え、表現する。

過程・時間学習活動指導上の留意点・支援評価
導入
5分
学習問題「どうして〇〇スーパーにはたくさんのお客さんが来るのだろう」と、前時に分けたはっけんカードを確かめる。前時のふり返りに多く書かれていた「やっぱり安いからみんな来るんだよ」という考えを紹介し、本時の問いをつくる。
主な発問:「『安いからみんな来る』は、本当かな。どうやったら確かめられるかな。」
特定の児童の発言としてではなく、「こんな考えが出ていたね」と学級全体の考えとして紹介する。めあて「『安いから』はほんとうか、いくつかの情報でたしかめよう」を板書する。
展開
10分
はっけんカードの出どころマーク(自分で見た・店長さんに聞いた・チラシで読んだ・家の人や友達から聞いた)を見直し、「安い」に関係するカードを集める。どのカードが確かめられた情報で、どのカードがまだ確かめていない情報かを、グループで分ける。
主な発問:「このカードは、だれが、どこで知った情報かな。」「『家の人や友達から聞いた』カードは、どうしたら確かめられるかな。」
「〇〇スーパーは日本一安いらしい」のような出どころがはっきりしないカードがあれば取り上げ、チラシや見学の記録で確かめられるかを考えさせる。確かめられない情報は「?」マークを付けて残し、捨てさせない。出どころが分かることと、内容が正しいと確かめられたことは別であることにもふれる。○知(技能):情報の出どころを確かめ、確かめられた情報とそうでない情報を分けているか(行動観察・カード)
展開
15分
全体で、①アンケートの結果(お店を選ぶわけのグラフ)、②店長さんの話、③見学で撮った売り場の写真を順に見て、「安いから」以外の理由もあるかを確かめる。お客さんの立場(願い)とお店の立場(工夫)に分けて、板書で整理する。
主な発問:「グラフを見ると、『安いから』を選んだ人は何人かな。ほかにはどんなわけがあるかな。」「店長さんは、お客さんのためにどんなことをしていると言っていたかな。」「写真の売り場のどこに、その工夫が見えるかな。」
グラフは数の多い順に並べ、「安いから」も大切な理由の一つであることを認めたうえで、「近いから」「品物が多いから」「品物が新鮮だから」「車をとめやすいから」などの理由にも目を向けさせる。願いと工夫を線で結ぶ板書にする(例:新鮮な品物がほしい―朝早くから品物を並べる、こまめに補充する/産地を確かめて選びたい―産地を表示する)。○思:複数の情報を比べたり結び付けたりして、お客さんの願いとお店の工夫の関係を考えているか(発言・ノート)
まとめ
8分
「安いからお客さんが来る」という言葉に戻り、学習問題に対する今の考えを、自分の言葉でノートに書く。何人かが発表する。
主な発問:「『安いからみんな来る』に、今ならどんなことを付け足すかな。」
「お客さんには〜という願いがあって、お店は〜という工夫をしているから」の形を示し、書けない児童には板書の線を指さしながら一緒に言葉にする。○思:お客さんの願いとお店の工夫を結び付けて書いているか(ノート)
まとめ
7分
ふり返りに、「情報を確かめてよかったこと」と、店長さんにもう一度聞いてみたいことを書く。
主な発問:「出どころを確かめたら、考えがどう変わったかな。」「店長さんに、もう一度聞いてみたいことはあるかな。」
聞いてみたいことは、単元の終わりに手紙にまとめて店長さんに届けることを伝える。次時は、品物がどこから来ているかを地図帳で調べることを予告する。

5 板書計画・準備物

板書
  • 学習問題:どうして〇〇スーパーにはたくさんのお客さんが来るのだろう
  • めあて:「安いから」はほんとうか、いくつかの情報でたしかめよう
  • 出どころマーク:自分で見た・店長さんに聞いた・チラシで読んだ・家の人や友達から聞いた(?はまだたしかめていない)
  • アンケートのグラフ(お店をえらぶわけ)
  • 店長さんの話のメモ・売り場の写真
  • お客さんの願い ⇔ お店の工夫(線で結ぶ)
  • まとめ:お客さんにはいろいろな願いがあり、お店はそれに合わせていろいろな工夫をしている(子供の言葉で)
教材・準備物
  • はっけんカード(前時までに作成。出どころマーク付き)
  • アンケート集計のグラフ(家の人へのアンケートを無記名で集計し、教師が作成)
  • 見学で撮影した売り場の写真(お店の許可を得て撮影し、人の顔など個人が分かるものが写っていないもの)
  • 店長さんの話のメモ(教師が要点を記録したもの)
  • お店のチラシ(紙)
  • 1人1台端末(写真・グラフの共有用)
  • ノート

6 授業後のふり返り

ノートのまとめから、「安いから」の一つの理由にとどまっている児童と、願いと工夫を結び付けて書けている児童を把握し、第9時の新聞づくりで、願いと工夫を線で結ぶワークシートを用意する。「?」マークの残った情報は、店長さんへの手紙で確かめる。見学先との打合せの内容、協力してもらえたこと、子供の疑問と答えを学年の記録に残し、次年度の3年生の担任に引き継ぐ。アンケートは無記名で集め、個々の家庭が特定される形で扱わない。

※ この指導案は、次期学習指導要領の告示前に、審議まとめ(2026年10月5日)の方向性をふまえて原田英語.comが作成した試案です。評価規準は現行の3観点で書いています。