昨日覚えたはずの単語が、今日の長文ではまったく思い出せない。単語帳を3周したのに、模試の長文では知らない顔をされる。これは記憶力が悪いからではなく、覚え方が「使う場面」とずれているからです。
特に時事英語は、ニュースや長文という「文章の中」で出会う単語です。だから覚えるときも、文章の中で出会ったときに気づける形で覚える必要があります。このページでは、そのための7つの方法と、1週間の実践プランを紹介します。
このページの7つの武器
1. フレーズで覚える 2. テーマでつなげる 3. 語源で分解する 4. 音で覚える 5. 間隔を空けて思い出す 6. 言い換えで覚える 7. 派生語をまとめる。全部やる必要はありません。自分に合いそうなものから2つ選んで始めましょう。
「1語1訳」が時事英語で通用しない理由
単語帳で issue=「問題」と覚えた人が、ニュースで The agency issued a warning. を見ると「問題が警告を……?」と固まります。ここでの issue は「発令する・出す」。時事英語では、中学レベルの基本語が、まったく別の顔で出てくるのが最大の落とし穴です。
| 基本語 | 単語帳でよく見る意味 | ニュースでの顔 | 例 |
|---|---|---|---|
| issue | 問題 | (警告などを)出す、発令する | issue a heavy rain warning |
| hit | 打つ | 打撃を与える、(数値が)達する | Prices hit a record high. |
| ease | 容易さ | (規制を)緩める、和らぐ | ease travel restrictions |
| weigh | 重さを量る | 検討する | weigh a tax cut |
| spark | 火花 | 引き起こす | spark protests |
| rally | 集会 | (株価などが)持ち直す | Stocks rallied on Friday. |
| figure | 図、人物 | 数字、統計値 | official figures |
| measure | 測る | 対策、措置 | new measures to curb inflation |
| address | 住所 | (問題に)取り組む、演説する | address climate change |
「知ってる単語なのに意味が通らない」は黄色信号
長文を読んでいて、全部知っている単語なのに文の意味がおかしいときは、基本語が別の意味で使われているサインです。そこで立ち止まって文脈から意味を考え直す習慣が、そのまま得点になります。
単語ではなくフレーズ(コロケーション)で覚える
コロケーションとは、「よくいっしょに使われる語の組み合わせ」のことです。日本語でも「風邪を引く」とは言いますが「風邪を取る」とは言いませんよね。英語も同じで、problem には solve や tackle、concern には raise や express がよく組み合わさります。
言葉は1語ずつではなく、ある程度の「かたまり」で記憶されている、という考え方は、英語教育の分野で1990年代から大きく注目されてきました。かたまりで覚えると、読むときは一瞬で意味がとれ、書くときはそのまま使えるので、一石二鳥です。
| 動詞 | よく組み合わさる名詞 | 意味 |
|---|---|---|
| tackle | the problem / climate change / poverty | (問題)に取り組む |
| curb | inflation / emissions / spending | 〜を抑制する |
| reduce | carbon emissions / food waste | 〜を減らす |
| impose | sanctions / a ban / a tax | (制裁・禁止・税)を課す |
| reach | an agreement / a record high | (合意)に達する/(最高値)に達する |
| raise | concerns / awareness / the minimum wage | (懸念)を示す/(意識)を高める/(最低賃金)を上げる |
| declare | a state of emergency | (緊急事態)を宣言する |
| narrow | the gender pay gap | (格差)を縮める |
コロケーションで覚える、時事フレーズの例文
Many countries are trying to reduce carbon emissions.
多くの国が二酸化炭素の排出を減らそうとしている。
reduce+carbon emissions はセットで覚える
The central bank raised interest rates to curb inflation.
中央銀行はインフレを抑えるために金利を引き上げた。
curb inflation は経済ニュースの常連
The two countries finally reached an agreement.
両国はついに合意に達した。
reach an agreement。make an agreement より「交渉の末に」の感じが出る
Some parents raised concerns about screen time.
スクリーンタイムについて懸念を示す保護者もいた。
raise concerns about 〜 は英作文でも便利
The city declared a state of emergency after the heavy rain.
大雨を受けて、市は緊急事態を宣言した。
declare+a state of emergency
Companies need to do more to narrow the gender pay gap.
企業は男女の賃金格差を縮めるために、もっと努力する必要がある。
gap は narrow(縮める)/ widen(広げる)と組み合わせる
動詞から覚えると英作文で使える
名詞だけ覚えても、英作文で「その名詞に何をするか」が書けません。単語帳に語を保存するときは、語ページのコロケーション欄から「動詞+名詞」を1つ選んで、いっしょに覚えるのがおすすめです。
テーマ別ネットワークで覚える
脳は、バラバラの情報より、つながった情報のほうが思い出しやすいと言われています。時事英語はテーマごとに語が集まっているので、ネットワークで覚えるのにぴったりです。1語思い出せば、芋づる式に関連語が出てくる状態を目指しましょう。
以下は、入試長文の定番テーマごとに、辞書の語をまとめたものです。カードをタップすると意味と音声が確認でき、そのまま単語帳に保存できます。
環境:地球はなぜ、どうやって暑くなるのか
環境ネットワーク13語
- 環境初級 climate change 気候変動
- 環境初級 global warming 地球温暖化
- 環境中級 greenhouse gas 温室効果ガス
- 環境中級 carbon emissions 炭素排出、二酸化炭素排出量
- 環境初級 fossil fuels 化石燃料
- 環境初級 renewable energy 再生可能エネルギー
- 環境中級 carbon neutral カーボンニュートラルな、炭素中立の
- 環境中級 extreme weather events 異常気象、極端な気象現象
- 環境中級 sea level rise 海面上昇
- 環境中級 deforestation 森林破壊、森林伐採
- 環境上級 biodiversity loss 生物多様性の損失
- 環境初級 plastic pollution プラスチック汚染
- 環境中級 microplastics マイクロプラスチック
AI・テクノロジー:便利さと、その裏側
AI・テクノロジーネットワーク12語
- テクノロジー初級 artificial intelligence 人工知能、AI
- テクノロジー中級 generative AI 生成AI
- テクノロジー中級 machine learning 機械学習
- テクノロジー中級 algorithm アルゴリズム、計算手順
- テクノロジー中級 automation 自動化、オートメーション
- ビジネス上級 job displacement 雇用の喪失、職の置き換え
- テクノロジー中級 misinformation 誤情報、間違った情報
- ネット中級 echo chamber エコーチェンバー、同じ意見ばかりの閉じた空間
- ネット上級 filter bubble フィルターバブル
- テクノロジー中級 personal data 個人データ、個人情報
- テクノロジー上級 surveillance 監視、見張り
- テクノロジー中級 cybersecurity サイバーセキュリティ、情報セキュリティ
少子高齢化・社会:支える人と支えられる人
社会ネットワーク12語
- 社会中級 declining birthrate 少子化、出生率の低下
- 社会中級 aging society 高齢化社会
- ビジネス中級 labor shortage 人手不足、労働力不足
- 社会中級 pension 年金
- 医療中級 nursing care 介護、看護
- 社会中級 social isolation 社会的孤立
- 医療初級 loneliness 孤独、寂しさ
- 社会中級 income inequality 所得格差、所得の不平等
- 社会中級 child poverty 子どもの貧困
- ビジネス中級 gender pay gap 男女間の賃金格差
- ビジネス初級 work-life balance ワークライフバランス、仕事と生活の調和
- 社会初級 diversity 多様性
経済:値段とお金の流れ
経済ネットワーク12語
- 経済初級 inflation インフレ、物価上昇
- 経済中級 recession 景気後退、不況
- 経済中級 cost of living 生活費、物価
- 経済中級 real wages 実質賃金
- 経済初級 minimum wage 最低賃金
- 経済初級 exchange rate 為替レート、為替相場
- ビジネス中級 supply chain 供給網、サプライチェーン
- 経済中級 tariff 関税
- 経済中級 trade war 貿易戦争
- 経済中級 economic slowdown 景気減速、経済の減速
- 経済中級 consumer confidence 消費者心理、消費者信頼感
- 経済中級 subsidy 補助金、助成金
健康・医療:長く元気に生きるには
健康ネットワーク11語
- 医療中級 public health 公衆衛生
- 医療中級 pandemic パンデミック、世界的大流行
- 医療初級 vaccine ワクチン
- 医療上級 vaccine hesitancy ワクチン忌避、ワクチン接種へのためらい
- 医療初級 mental health 心の健康、メンタルヘルス
- 医療上級 sleep deprivation 睡眠不足、睡眠遮断
- 医療上級 sedentary lifestyle 座りがちな生活、運動不足の生活
- 医療中級 obesity 肥満
- 医療中級 life expectancy 平均寿命、平均余命
- 医療中級 healthy life expectancy 健康寿命
- テクノロジー初級 screen time スクリーンタイム、画面を見ている時間
国際・政治:国と国、人と社会
国際・政治ネットワーク12語
- 外交中級 sanctions 制裁、制裁措置
- 紛争中級 ceasefire 停戦
- 外交中級 humanitarian aid 人道支援、人道援助
- 紛争初級 refugee 難民、避難者
- 外交初級 summit 首脳会談、サミット、頂上
- 外交中級 bilateral talks 二国間協議、二国間会談
- 外交中級 multilateral 多国間の、多角的な
- 外交上級 sovereignty 主権、統治権、独立
- 政治上級 polarization 分断、二極化
- 政治上級 populism ポピュリズム、大衆迎合主義
- 政治上級 voter apathy 政治的無関心、有権者の無関心
- 政治中級 turnout 投票率、参加者数
ネットワーク図は「原因→結果」の矢印で
ノートにテーマ語を書くときは、ただ並べるのではなく矢印でつなぎましょう。たとえば fossil fuels → carbon emissions → global warming → extreme weather events。矢印を引くだけで、その語が長文のどんな流れで出てくるかまで一緒に記憶できます。
語源で覚える:接頭辞・接尾辞は単語の部品
長い時事英語の多くは、プラモデルのように部品を組み合わせてできています。deforestation は de-(取り除く)+forest(森)+-ation(名詞にする)で「森林破壊」。部品を知っていれば、初めて見る長い単語でも意味の見当がつきます。
| 接頭辞 | 基本イメージ | 時事英語の例 |
|---|---|---|
| inter- | 〜の間、相互に | international(国と国の間の)、international community |
| trans- | 越えて、向こう側へ | transition(移り変わり)、energy transition |
| de- | 下へ、離れて、取り除く | decline、deforestation、deflation |
| re- | 再び、元へ | renewable(再生可能な)、recycling、rebound |
| sub- | 下に | submarine(海の下)、subway(道の下) |
| pre- | 前に | prevention(前もって防ぐこと)、suicide prevention |
| anti- | 反対、対抗 | antiviral drug、anti-immigration sentiment |
| multi- | 多くの | multilateral(多国間の)、multicultural coexistence |
| bi- | 2つの | bilateral(二国間の)、bilingual education |
| over- | 超えて、過度に | overfishing(魚のとりすぎ)、overtourism |
| un- | 〜でない | unemployment(失業)、unemployment rate |
| dis- | 離す、逆にする | disarmament(軍備を取り除くこと=軍縮) |
| 接尾辞 | 働き | 時事英語の例 |
|---|---|---|
| -ize | 動詞を作る(〜化する) | normalize(正常化する)、normalize relations |
| -tion / -sion | 動詞から名詞を作る(〜すること) | pollution、inflation、legislation |
| -ity | 形容詞から名詞を作る(〜性) | diversity、sustainability、security |
| -ment | 動詞から名詞を作る(行為・結果) | government、unemployment、disarmament |
| -able / -ible | 〜できる | renewable、affordable(手の届く)、biodegradable |
| -ism | 主義、考え方 | populism、isolationism |
| -ist | 〜する人、〜主義の人 | activist、extremist |
| -al | 形容詞を作る(〜の) | political、bilateral、environmental |
語源は「推測の補助輪」
語源はとても便利ですが、万能ではありません。たとえば understand は、見た目の部品は under(下に)+stand(立つ)ですが、その意味を足しても「理解する」にはなりません。こうした語はたくさんあります。語源で見当をつけたら、必ず文脈と辞書で確認しましょう。
音で覚える:音声ボタンの使い倒し方
目で見ただけの単語は、リスニングで聞いても気づけません。しかも、発音があいまいな単語は、頭の中で「読めない単語」として後回しにされがちです。語ページの音声(アメリカ英語・イギリス英語・ゆっくり)を使って、耳と口でも覚えましょう。
- 1まず「ゆっくり」で1回聞く
つづりを見ながら、どこを強く読んでいるか(アクセントの位置)に注意して聞きます。
- 2普通の速さで聞いて、すぐまねる
聞いた直後に同じリズムで声に出します。小声でもOK。口を動かすことが大事です。
- 3例文ごと音読する
単語だけでなく例文の音声も聞き、フレーズのかたまりで2〜3回音読します。コロケーションも同時に入ります。
- 4英音と米音を聞き比べる
余裕があれば、アメリカ英語とイギリス英語を聞き比べてみましょう。リスニング試験で違う発音に出会っても慌てなくなります。
- 5クイズのリスニング形式で確認
クイズのリスニング形式で、音だけで意味がわかるか確かめます。
| 単語 | カタカナで覚えがちな読み | 英語での注意点 |
|---|---|---|
| vaccine | ワクチン | 「ヴァクスィーン」に近い音で、「ワクチン」とはかなり違って聞こえる |
| virus | ウイルス | 「ヴァイラス」に近い。聞いても気づかない人が多い語 |
| allergy | アレルギー | 「アラジー」に近く、最初を強く読む |
| energy | エネルギー | 「エナジー」に近く、最初を強く読む |
| career | キャリア | 「カリア」に近く、2つ目の音節を強く読む |
| percent | パーセント | 2つ目の音節を強く読む |
忘却曲線と分散学習:忘れるのは脳の仕様
ドイツの心理学者エビングハウスは、1885年に記憶の研究を発表しました。自分自身を実験台にして、意味のないつづりを覚えては、時間がたってからどれだけ覚え直しが楽になるかを測ったのです。そこから描かれたのが有名な「忘却曲線」で、覚えた直後に急に忘れ、その後は忘れ方がゆるやかになるという形をしています。
ただし、ネットでよく見かける「何時間後に何%忘れる」という数字は、意味のないつづりを使った特殊な実験の結果です。意味やイメージのある単語にそのまま当てはまるわけではありません。大事なのは数字ではなく、「放っておくと早いうちにかなり忘れる」という傾向のほうです。
では、どうすればいいか。記憶研究でくり返し確認されてきたのが分散学習(間隔を空けた復習)の効果です。同じ回数復習するなら、一気に詰め込むより、日を空けて何回かに分けたほうが長く覚えていられる傾向があります。2008年にCepedaらが1,300人以上を対象に行った研究では、覚えておきたい期間が長いほど、ちょうどよい復習の間隔も長くなるという結果が出ています。
もう一つのカギが、思い出す練習(テスト効果)です。2006年のRoedigerとKarpickeによる研究などで、同じ回数だけ取り組むなら、読み直すより「テストで思い出す」ほうが、数日〜1週間後の記憶によく残ることが示されています。クイズは実力チェックであると同時に、それ自体が強力な暗記法なのです。
| タイミング(目安) | やること | サイトの機能 |
|---|---|---|
| 覚えた当日 | 例文を音読し、クイズで1回思い出す | 語ページの音声、クイズ |
| 翌日 | 意味を見ずに思い出せるかチェック | 単語帳でクイズ |
| 3日後ごろ | 間違えた語だけもう一度 | 復習どきのクイズ |
| 1週間後ごろ | 日→英や穴埋めで、使える形になっているか確認 | クイズの日→英・例文穴埋め |
| 2〜3週間後 | 英作文で使ってみる | 自分の英文を1つ作る |
完璧なスケジュールより「思い出す回数」
ちょうどよい復習の間隔は、人や覚える内容、試験までの期間によって変わります。表はあくまで目安です。日付をきっちり守ることより、「見て確認する」ではなく「隠して思い出す」回数を増やすことを優先しましょう。単語帳の「復習どき」機能は、そのタイミングの目安を教えてくれます。
言い換え(パラフレーズ)で覚える
入試の内容一致問題では、正解の選択肢が本文の表現を別の言葉で言い換えていることがよくあります。本文に soar とあれば、選択肢には rise sharply。つまり、難しい時事語とやさしい言い換えをペアで覚えておくと、読解問題に直接効きます。英作文では、難しい語に自信がないとき、やさしい言い換えで安全に書けるという利点もあります。
| 時事英語 | やさしい言い換え | 意味 |
|---|---|---|
| tackle | deal with / address | 取り組む |
| curb | limit / control | 抑える |
| soar | rise sharply | 急上昇する |
| plunge | fall sharply | 急落する |
| step down | resign / leave one's position | 辞任する |
| call off | cancel | 中止する |
| carry out | conduct / do | 実行する、行う |
| rule out | say something is not possible | (可能性を)排除する |
| in the wake of | after / as a result of | 〜を受けて、〜の後に |
| declining birthrate | fewer children being born | 少子化 |
言い換えとセットで覚えたい語10語
派生語セットで、1語の努力を3倍にする
1つの語を覚えたら、その「家族」もまとめて確認しましょう。動詞・名詞・形容詞をセットにすると、読解では品詞がわかって文構造がとりやすくなり、英作文では文の形に合わせて語を使い分けられます。
| 動詞 | 名詞 | 形容詞 | 注意点 |
|---|---|---|---|
| sustain(維持する) | sustainability(持続可能性) | sustainable(持続可能な) | SDGs の S は sustainable |
| innovate(革新する) | innovation(革新) | innovative(革新的な) | innovation はテック・経済の長文の常連 |
| migrate(移住する) | migration(移住)、migrant(移住者) | migratory(渡りの) | 人を表す名詞 migrant もセットで |
| regulate(規制する) | regulation(規制) | regulatory(規制の) | AIや SNS の規制の話でよく出る |
| diversify(多様化させる) | diversity(多様性) | diverse(多様な) | diversity は社会テーマの必須語 |
| discriminate(差別する) | discrimination(差別) | discriminatory(差別的な) | discriminate against ~ の形で使う |
| ― | economy(経済)、economics(経済学) | economic(経済の)、economical(節約になる) | economic と economical の意味の違いは入試の定番 |
| ― | politics(政治)、politician(政治家) | political(政治の) | politician は人。politics と混同しない |
アクセントの移動に注意
派生語になるとアクセントの位置が変わる語があります。economy は2つ目の音節(con)、economic は3つ目の音節(nom)が強くなります。同じように democracy(moc を強く)→ democratic(crat を強く)、politics(pol を強く)→ political(lit を強く)。音声ボタンで聞き比べると一発で覚えられます。
覚えた語を英作文で使う
読んでわかる語(受容語彙)と、自分で使える語(発信語彙)の間には大きな壁があります。その壁を越える一番の方法は、実際に使ってみることです。うまく書けなくてもかまいません。使おうとした瞬間に、語法や組み合わせを確認する必要が出てくるので、記憶がぐっと深くなります。
- 1自分ごとの文を作る
教科書的な文ではなく、自分の学校・部活・地元のことを書きます。例:My town is facing depopulation.(私の町は人口減少に直面している)
- 2理由を1文足す
Many young people move to big cities after high school. のように、because や for example で1文つなげます。
- 3時事フレーズで意見を言う
The town should take measures to attract young families. と、覚えたコロケーションで締めます。
時事語を差し込んで使える英作文テンプレート
One serious problem in Japan today is the labor shortage.
今日の日本の深刻な問題の一つは人手不足だ。
labor shortage を aging society や food waste などに差し替えられる
This problem has become more serious in recent years.
この問題は近年より深刻になっている。
背景を述べる万能の1文
To tackle this issue, schools and companies should work together.
この問題に取り組むために、学校と企業が協力すべきだ。
tackle this issue で具体策へつなぐ
As a result, more people would be able to maintain a good work-life balance.
その結果、より多くの人が良いワークライフバランスを保てるだろう。
対策の効果を述べる。would で仮定のニュアンス
Some people may worry that this will increase the burden on young people.
これは若い世代の負担を増やすと心配する人もいるかもしれない。
譲歩の1文。burden はどのテーマでも使える
1週間プラン:テーマ1つを完全に自分のものにする
ここまでの方法を、1週間のプランにまとめました。1日15〜20分が目安です。1週目は「環境」、2週目は「AI」のように、毎週テーマを1つ選んでくり返しましょう。
- 1月曜:テーマを決めて10語保存
上のテーマ別ネットワークから1テーマ選び、知らない語・あいまいな語を10語、単語帳に保存します。語ページの豆知識で背景もざっと読みます。
- 2火曜:例文を音読
10語の例文を、音声をまねして音読します。コロケーションを1語につき1つメモ。
- 3水曜:クイズで思い出す(英→日)
単語帳の範囲でクイズ。間違えた語は例文をもう一度音読します。
- 4木曜:言い換えと派生語
10語のうち5語について、やさしい言い換えか派生語を確認し、1行ずつメモします。
- 5金曜:クイズで思い出す(日→英・穴埋め)
今度は日本語から英語を思い出す形式や、例文穴埋めで。書ける形になっているか確かめます。
- 6土曜:英作文で3語使う
そのテーマについて、覚えた語を3つ使って3〜5文の英文を書きます。上のテンプレートを使ってOK。
- 7日曜:リスニングと全体の復習
クイズのリスニング形式で音だけで意味がわかるか確認し、矢印つきのネットワーク図を1枚作って1週間を締めます。
単語帳・クイズの使い方
単語帳には、語ページの保存ボタンで語を入れられます。クイズで間違えた語も自動で入るので、「自分の苦手だけが集まる単語帳」が勝手にできあがっていきます。英文を貼るとその中の時事英語をハイライトする記事モードを使えば、模試や過去問の長文に出てきた語をまとめて保存することもできます。
- クイズは1回10問・約1分。すきま時間の「思い出す練習」に最適です
- 形式は英→日・日→英・例文穴埋め・リスニングの4種類。覚えたての語は英→日、慣れてきたら日→英や穴埋めへ
- 出題範囲で「復習どき」を選ぶと、復習のタイミングが来た語から出題されます
- 「入試頻出」を選ぶと、入試によく出るテーマの語だけでクイズができます
- 間違えた語は、クイズの後に語ページの例文を1回音読してから次へ
あわせて使いたいページ
ミニクイズ:覚え方の覚え方チェック
6問で確認
Q1The agency issued a warning. の issued の意味として最も適切なものは?
ニュースの issue は「(警告などを)出す、発令する」。基本語の別の顔に注意しましょう。
Q2measures to curb inflation の curb の言い換えとして最も近いのは?
curb は「抑制する」。limit や control が近い言い換えです。
Q3deforestation の de- が表す基本イメージは?
de-(取り除く)+forest(森)+-ation(名詞)で「森林破壊」。deflation、decline の de- も「下へ」のイメージです。
Q4economical の意味として正しいものは?
economic は「経済の」、economical は「節約になる」。economic growth、an economical car のように使い分けます。
Q5記憶研究で確認されてきた「分散学習」の考え方として正しいものは?
間隔を空けた復習は、詰め込むより長く記憶に残りやすい傾向があります。ちょうどよい間隔は、覚えておきたい期間などによって変わります。
Q6テスト効果(思い出す練習)についての説明として最も適切なものは?
2006年のRoedigerとKarpickeの研究などで、数日〜1週間後の記憶には、読み直しよりテストで思い出す練習のほうが効果的だと示されています。
よくある質問
時事英語の単語は、1日に何語覚えればいいですか?
新しく覚える語は1日5〜10語で十分です。それより大事なのは、前に覚えた語を思い出す復習の時間をきちんと確保すること。新しい語を増やしすぎると、復習が追いつかなくなります。
市販の単語帳を終えてから時事英語に進むべきですか?
並行してかまいません。単語帳の基本語がニュースでどう使われているかを知ると、単語帳の語の定着も良くなります。ただし高1〜高2の前半は、基本単語と文法を優先しましょう。
語源の勉強は受験に役立ちますか?
長い語の意味を推測したり、関連語をまとめて覚えたりするのに役立ちます。ただし、語源だけで意味を決めつけるのは危険です。見当をつける道具として使い、最後は文脈と辞書で確認してください。
発音まで覚える必要はありますか?
あります。リスニング試験で聞き取るためだけでなく、発音があいまいな語は記憶にも残りにくいからです。語ページの音声で、アクセントの位置だけでも確認しておきましょう。
覚えたはずの単語をすぐ忘れてしまいます。
忘れること自体は自然なことです。忘れかけたころに思い出す練習をすると、記憶は長持ちしやすくなります。クイズで間違えた語が単語帳に入る仕組みを使って、「忘れた語こそ宝物」と考えて復習しましょう。
スマホで単語を覚えるのと、紙に書くのとではどちらがいいですか?
どちらでも、思い出す練習と間隔を空けた復習ができていれば大丈夫です。スマホは音声やクイズがすぐ使え、紙は英作文やネットワーク図に向いています。場面によって使い分けるのがおすすめです。
単語は「覚える」ものではなく、「何度も出会って、使って、なじませる」ものです。今日保存した1語が、数か月後の入試本番で「あ、これ知ってる」に変わる。その瞬間を楽しみに、まずはテーマを1つ選んで10語から始めましょう。