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入試に出る時事トピック

ジェンダー平等・多様性の英語

「女子だから」「男子なのに」と言われて、もやっとした経験はありませんか。ジェンダー平等と多様性は、そのもやもやを英語で言葉にする力が試されるテーマです。男女の賃金格差、育休、ガラスの天井、選択的夫婦別姓、多様な性のあり方まで、必修の時事英語と背景知識、オリジナル長文でまとめて攻略しましょう。

更新 2026/09/15

学級委員は男子、書記は女子。理系は男子が多くて、文系は女子が多い。なぜそうなっているのか、誰も決めていないのに何となくそうなっている。この「何となく」の正体を言葉にするのが、ジェンダーというテーマです。

日本は、世界の中でこの分野の課題が大きい国と見られています。だからこそ英字ニュースにも頻繁に登場し、入試の長文や英作文の素材として使われ続けています。ここで一気に固めておきましょう。

なぜジェンダー平等のテーマは入試に出まくるのか

1つ目の理由は、受験生自身が当事者であること。学校生活、進路選択、将来の働き方。すべてにジェンダーの話が関わっているので、「自分の意見」を持って英作文が書けます。出題者もそれを狙っています。

2つ目は、日本と世界の比較がしやすいこと。国際的なランキングや他国の制度と比べる長文は、「筆者は日本をどう評価しているか」「何が原因だと述べているか」を問う設問を作りやすいのです。

3つ目は、「平等」の意味そのものが論点になること。機会の平等か、結果の平等か。数値目標(クオータ制)は公平か不公平か。抽象的な概念を具体例で説明する文章は、要約問題や下線部説明の素材として重宝されます。

先輩からのひと言

ジェンダーの長文は「制度は変わったが、意識や慣習が追いついていない」という指摘が定番です。law(法律)と norm(規範・慣習)、あるいは on paper(建前では)と in practice(実際には)のような対比が出てきたら、そこが筆者の言いたいことです。

3分でわかる背景知識

「118位」の正体

世界経済フォーラム(WEF)が毎年発表するgender gap index(ジェンダー・ギャップ指数)は、経済・教育・健康・政治の4分野で男女の差を測るものです。2025年の報告書で日本は148か国中118位、G7では最下位でした。教育と健康の差はほぼないのに、政治と経済の分野での差が大きいのが日本の特徴です。

1位はアイスランドで、16年連続の首位。スコアは92.6%で、男女の差を9割以上埋めた唯一の国とされています。長文で「北欧の国と日本」が比べられるとき、この差が背景にあります。

変わり始めた数字、変わりにくい数字

議論が続くテーマ

日本では、結婚した夫婦が別々の姓を名乗れるようにするseparate surnames for married couples(選択的夫婦別姓)や、same-sex marriage(同性婚)をめぐる議論が続いています。またLGBTQの人々への理解や、性別にとらわれないgender-neutral uniforms(ジェンダーレス制服)を取り入れる学校も増えています。

多様性を英語で語るときのキーワードがdiversity(多様性)とinclusion(包摂)。「いろいろな人がいる」だけでなく、「いろいろな人が力を発揮できる」状態まで含めて論じるのが、最近の長文の傾向です。

このテーマの必修時事英語

語カードをタップすると、意味・例文・音声が見られます。「格差を表す語」「制度・働き方の語」「多様性の語」の3グループに分けて覚えると、長文の流れに沿って思い出せます。

ジェンダー平等・多様性の必修語30語

長文でよく出る論点:クオータ制は公平か

ジェンダーの英作文は「平等は大切か」では全員が賛成してしまうので、実際のお題は「女性役員や女性議員の数値目標(クオータ制)を導入すべきか」「育休を義務化すべきか」のような制度の是非になります。下の論点を持ち札にしておきましょう。

数値目標(クオータ制)などの積極的な対策をめぐる論点

導入すべき

  • 自然に任せていては何十年たっても差が縮まらず、目標を決めて初めて変化が起きる
  • 意思決定の場に多様な視点が入ることで、組織の判断の質が上がる
  • ロールモデルとなる女性が増えれば、次の世代の選択肢が広がる
  • 採用や昇進には無意識の偏りがあり、それを補正するには制度が必要だ
  • 北欧など先に導入した国では、格差の縮小と経済の成長が両立している

慎重であるべき

  • 数だけを合わせると、能力ではなく性別で選ばれたという見方をされ、本人にも不利になりうる
  • 本当の原因は育児や家事の偏りにあり、そこを直さなければ数値目標は形だけになる
  • 機会の平等こそが大切で、結果を制度で決めるのは別の不平等を生む
  • 小さな企業や地方では候補となる人が少なく、一律の目標は現実に合わない
  • 制度を強制するより、働き方や意識を変える教育のほうが長い目で見て効果がある

自由英作文で使える表現

ジェンダーのお題では、「women should ~」と一方だけを主語にするより、「both men and women」「regardless of gender」と両方を視野に入れた表現を使うと、公平で成熟した答案に見えます。音声で3回まねして読みましょう。

ジェンダー平等・多様性の英作文フレーズ

  • Everyone should have the same opportunities regardless of their gender.

    誰もが性別に関係なく同じ機会を持つべきだ。

    regardless of(~に関係なく)は平等の話の万能パーツ。

  • Although women make up nearly half of the workforce, they hold only a small share of leadership positions.

    女性は働く人のほぼ半数を占めているのに、指導的な地位のごく一部しか占めていない。

    Although で「数は多いのに地位は少ない」という対比が作れる。

  • Housework and childcare still fall mainly on women, which limits their career choices.

    家事と育児はいまだに主に女性に偏っており、それが女性の職業の選択を狭めている。

    , which で前の文全体を受けて「結果」を続ける。

  • When fathers take parental leave, it benefits not only mothers but also children and the fathers themselves.

    父親が育児休業を取ると、母親だけでなく子どもと父親自身にも利益がある。

    not only A but also B。benefit は動詞(~に利益を与える)。

  • Gender stereotypes are learned early, often before children enter elementary school.

    性別の固定観念は早いうちに、多くの場合、子どもが小学校に入る前に身につく。

    受け身+often before ~ で「教育の重要性」につなげられる。

  • Setting numerical targets is one way to speed up change that would otherwise take decades.

    数値目標を設けることは、放っておけば何十年もかかる変化を加速させる一つの方法だ。

    otherwise(さもなければ)で「対策なしの未来」を1語で示す。

  • Some people argue that quotas are unfair because they judge people by gender rather than by ability.

    クオータ制は能力ではなく性別で人を判断するので不公平だ、と主張する人もいる。

    反対意見を紹介する型。rather than で対比。

  • A diverse workplace brings different perspectives, which leads to better decisions.

    多様な職場はさまざまな視点をもたらし、それがより良い判断につながる。

    perspective(視点)は多様性の話の必須語。

  • Changing the law is only the first step; changing people's attitudes takes much longer.

    法律を変えることは最初の一歩にすぎず、人々の意識を変えるにははるかに長い時間がかかる。

    セミコロンで対比を作る。attitude(意識・態度)も頻出。

  • In my view, gender equality is not a women's issue but a question of what kind of society we all want to live in.

    私の考えでは、ジェンダー平等は女性だけの問題ではなく、私たち全員がどんな社会に生きたいかという問いだ。

    not A but B の締め。読み手を巻き込む we all が効く。

オリジナル長文にチャレンジ

共通テスト〜国公立二次レベルの書き下ろし長文です。まず訳を隠して1回読み、「筆者が一番問題だと考えている分野はどこか」を一言でメモしてからクイズに進んでください。

The Gap Between Paper and Practice共通テスト〜国公立二次

On paper, Japanese women have never had more opportunities. More women attend university than ever before, and the law forbids paying women less simply because of their gender. Yet when the World Economic Forum ranked 148 countries by the size of their gender gap in 2025, Japan came in at 118th, the lowest in the Group of Seven (G7).

How can both of these things be true? The answer lies in what happens after graduation. In education and health, the gap between Japanese men and women is almost zero. In the economy and in politics, however, it remains wide. Women are far less likely to reach senior positions in companies, and they hold only a small minority of seats in parliament. The problem is not a lack of ability or education, but what happens in the years when careers are built and children are born.

During those years, responsibility for housework and childcare still falls mostly on women. A woman who takes several years off to raise children often finds it difficult to return to the same career path. Recent changes suggest that this is beginning to shift: in fiscal 2025, more than half of eligible fathers took childcare leave for the first time. Still, many of them stayed home for less than a month.

This is why many researchers argue that gender equality cannot be achieved by laws alone. Rules can open doors, but habits decide who walks through them. When it becomes normal for fathers to leave the office early, for employers to expect it, and for children to see both parents cooking dinner, the numbers will follow. The gap that remains is less about paper than about practice.

語句

  • on paper建前では、書類のうえでは(in practice との対比)
  • forbid ~ing~することを禁じる
  • come in at 118th118位に入る
  • lie in(答え・原因が)~にある
  • senior positions上級の地位、幹部のポスト
  • a small minority ofごく少数の~
  • take ~ off(期間)仕事を休む
  • eligible資格のある、対象となる
  • open doors機会を開く、道をひらく
  • the numbers will follow数字はあとからついてくる

長文の理解度チェック

Q1第1段落で on paper という表現はどういう意味で使われていますか。

Q2第2段落によると、日本の男女格差が大きい分野はどれですか。

Q3第3段落の内容と一致するものはどれですか。

Q4最終段落の Rules can open doors, but habits decide who walks through them. が言いたいことは何ですか。

ここで差がつく:言い換えと誤読ポイント

本文の表現設問・選択肢での言い換え注意点
genderwhether someone is male or female (as a social role)sex は生物学的な性、gender は社会的な性として区別されることが多い
glass ceilingan invisible barrier that stops women from being promotedガラスなので「見えないが確かにある」壁
stereotypea fixed and oversimplified idea about a group「固定観念」。type だが「型」ではない
biasan unfair preference / prejudiceunconscious bias は本人も気づかない偏り
parityequality in number or statusgender parity は「男女の数の均等」
quotaa fixed number or share that must be reached「割り当て」。輸入の quota も同じ語

「女性の問題」と決めつけない

長文では「男性も固定観念に縛られている」という指摘がよく出ます。長時間労働を求められる、育休を取りにくい、弱音を吐きにくい。ジェンダーのテーマは both men and women の話として読み、書くと、視野の広い答案になります。

数字は「分野別」で読む

「118位」という総合順位だけを覚えると、「教育でも遅れている」と誤読しがちです。日本は教育と健康の差はほぼなく、政治と経済で差が大きい。長文でも「分野ごとに違う」という指摘が設問になるので、順位の内訳まで意識して読みましょう。

ツッコミどころ・意外な雑学

ちなみにこのページの数字は、すべて確認できたものだけを載せています。平等の話で数字をごまかしたら、それこそ最大の不公平ですからね。

よくある質問

自由英作文で「女性の管理職を増やすために数値目標を設けるべきか」と聞かれたら、どちらが書きやすいですか?

賛成なら「自然に任せても変わらない」「多様な視点が判断を良くする」、反対なら「能力で選ぶべき」「原因は育児の偏りにある」が書きやすい理由です。どちらの立場でも、最後に「育児と仕事の両立を支える制度が土台」と添えると、深い答案になります。

gender と sex はどう使い分けますか?

sex は生物学的な性別、gender は社会や文化の中で作られる性の役割やアイデンティティを指す、と区別されることが多いです。時事英語や英作文では gender equality、gender gap のように gender を使うのが基本です。

このテーマとセットで出やすい分野はありますか?

少子高齢化(育児と仕事の両立)、働き方の未来(長時間労働、育休)、教育(進路の男女差)、そしてSDGsの目標5「ジェンダー平等を実現しよう」です。関連トピックのページもあわせて読んでおくと、1本の長文の中で話題が移っても慌てません。

今日このページを読んだあと、「男子だから」「女子だから」という言葉を耳にしたら、一度だけ英語で考えてみてください。Is that a fact, or a stereotype? と頭に浮かんだら、もう立派な時事英語の使い手です。

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