AIはらだくんの時事英語ナビ

入試に出る時事トピック

少子高齢化・人口減少の英語

同級生の数、親の世代より少ないと感じたことはありませんか。少子高齢化と人口減少は「日本が世界の最前線」にいるテーマで、だからこそ日本の入試で出ない年がありません。出生数、高齢化率、年金、介護、移民まで、必修の時事英語と背景知識、オリジナル長文でまとめて攻略しましょう。

更新 2026/09/15

地元の小学校が統合された、通学路のバスの本数が減った、近所の店がシャッターを下ろした。そうした変化の裏には、たいてい同じ一つの流れがあります。生まれる子どもが減り、高齢者の割合が増え、人口全体が縮んでいるという流れです。

日本はこの問題で世界の先頭を走っています。海外の英字ニュースでも日本の少子高齢化はよく取り上げられるので、英文の素材が豊富で、入試の長文にもなりやすいのです。

なぜ少子高齢化のテーマは入試に出まくるのか

1つ目の理由は、日本の話を英語で読める素材が豊富なこと。海外メディアは日本を「高齢化の実験室」のように報じるので、日本の受験生が背景を知っている話題を、英語の長文として出せます。出題者にとって、これほど扱いやすい素材はありません。

2つ目は、数字とグラフの宝庫であること。出生数、合計特殊出生率、高齢化率、人口ピラミッド。共通テストの資料問題から国公立二次の要約問題まで、図表と組み合わせやすいテーマです。

3つ目は、解決策に賛否があること。子育て支援を増やすのか、移民を受け入れるのか、定年を延ばすのか、AIとロボットで補うのか。「あなたならどうするか」を問う自由英作文のお題として、これほど書きやすいものはありません。

先輩からのひと言

少子高齢化の長文は「問題の深刻さ→原因→対策と限界」の三段構えが王道です。とくに「対策は打っているのに効果が薄い」という指摘が定番なので、despite(~にもかかわらず)や although が出てきたら、そこが設問の的になると思って読みましょう。

3分でわかる背景知識

生まれる子どもは、ついに70万人を割った

厚生労働省の統計によると、2024年に日本で生まれた日本人の子どもは686,173人(確定数)で、初めて70万人を下回り、9年連続で過去最少を更新しました。1人の女性が生涯に産む子どもの数の目安であるtotal fertility rate(合計特殊出生率)は1.15で、これも過去最低。東京都は0.96と、2年続けて1を割り込みました。

人口を長期的に保つには出生率が2.07程度必要とされますが、日本はその半分近くまで下がっています。declining birthrate(少子化)という語が長文に出たら、この「2を大きく下回っている」という背景を思い出しましょう。

高齢者は「10人に3人」の時代へ

人口減少は「静かな緊急事態」

総務省の住民基本台帳に基づく統計では、2024年の1年間に日本人の人口は908,574人減少し、約1億2,065万人になりました。減少幅は1968年の調査開始以来で最大です。一方、外国人の住民は2025年1月1日時点で約367万人と過去最多。population decline(人口減少)とimmigration policy(移民政策)がセットで語られる理由がここにあります。

政府は児童手当の拡充や育児休業の取りやすさの改善など、さまざまな少子化対策を打ってきましたが、出生数の減少は止まっていません。「対策と結果の差」は、英作文で「では何が足りないのか」を書くときの出発点になります。

このテーマの必修時事英語

語カードをタップすると、意味・例文・音声が見られます。「少子化」「高齢化」「人口減少と対策」の3グループに分けて覚えると、長文の流れに沿って思い出せます。

少子高齢化・人口減少の必修語32語

長文でよく出る論点:人口減少にどう向き合うか

このテーマの英作文は「少子化は問題か」ではなく「どう対応するか」で意見が分かれます。下の論点は「移民の受け入れを増やすべきか」「人口減少を前提に社会を作り替えるべきか」という2つの軸をまとめたものです。

人口減少への対応をめぐる論点

外から働き手を迎え、成長を保つ

  • 介護・建設・農業などの人手不足は深刻で、外国人労働者なしでは現場が回らない
  • 若い働き手が増えれば、年金や医療を支える側の人数が増える
  • 多様な文化や視点が入ることで、新しい産業や発想が生まれる
  • 少子化対策の効果が出るまでには何十年もかかるため、当面は移民が現実的な選択肢だ
  • 子育て支援を手厚くし、出生率の回復と移民の受け入れを同時に進めることもできる

縮小を前提に社会を作り替える

  • 言葉や文化の壁があり、受け入れの準備(教育・住宅・医療)が整っていないと摩擦が生じる
  • 外国人労働者に頼りすぎると、賃金が上がらず日本人の働き手が減り続ける
  • 人口が減ること自体は悪ではなく、一人あたりの豊かさを保つ工夫のほうが大切だ
  • AI・ロボット・自動化で人手不足を補い、定年の延長や女性の就業で働き手を確保できる
  • 都市に機能を集めるコンパクトなまちづくりで、少ない人口でも暮らしを守れる

自由英作文で使える表現

少子高齢化のお題では、「the number of ~ is decreasing」だけで終わらせず、「原因(because)」「影響(lead to)」「対策(should)」の3つを1文ずつ入れると、構成のしっかりした答案になります。音声で3回まねして読みましょう。

少子高齢化・人口減少の英作文フレーズ

  • Japan has one of the fastest-aging populations in the world.

    日本は世界で最も高齢化の速い国の一つだ。

    one of the +最上級+複数名詞。導入の1文に最適。

  • The number of births has been falling for years, while the number of elderly people keeps rising.

    出生数は何年も減り続けている一方で、高齢者の数は増え続けている。

    while で対比。keep -ing(~し続ける)も使える。

  • Many young people put off marriage and children because of the high cost of raising a family.

    多くの若者は、家庭を持つ費用の高さのために結婚や出産を先延ばしにしている。

    put off(先延ばしにする)。原因を書く定番。

  • A shrinking workforce makes it harder to support the pension and healthcare systems.

    働き手の減少は、年金や医療の制度を支えることを難しくしている。

    make it +形容詞+to ~ の型。shrinking(縮小する)は時事英語の頻出語。

  • The government should make childcare more affordable so that parents can balance work and family.

    親が仕事と家庭を両立できるように、政府は子育てをもっと手頃な費用にすべきだ。

    affordable(手が届く値段の)と balance A and B を1文で。

  • Accepting more foreign workers could help fill the gap, but it also requires support for their integration.

    外国人労働者をもっと受け入れれば不足を埋める助けになるが、彼らが社会に溶け込むための支援も必要だ。

    but で条件を添えると、移民の論点をバランスよく書ける。

  • Technology such as robots and AI can reduce the burden on caregivers in an aging society.

    ロボットやAIなどの技術は、高齢社会において介護する人の負担を減らせる。

    reduce the burden on(~の負担を減らす)。対策の1文。

  • Rather than trying to stop population decline, we should adapt our cities and services to a smaller population.

    人口減少を止めようとするより、都市やサービスをより少ない人口に合わせて作り替えるべきだ。

    Rather than -ing で「逆張り」の主張。adapt A to B(AをBに適応させる)。

  • Older people are not just a burden but a valuable source of experience and skills.

    高齢者は単なる負担ではなく、経験と技能の貴重な源である。

    not just A but B。高齢者を肯定的に描く型。

  • In my opinion, the key is to create a society where people feel confident about raising children.

    私の意見では、鍵は、人々が安心して子どもを育てられると感じられる社会を作ることだ。

    a society where ~ の関係副詞で締める。

オリジナル長文にチャレンジ

共通テスト〜国公立二次レベルの書き下ろし長文です。まず訳を隠して1回読み、「筆者は人口減少をどう受け止めているか」を一言でメモしてからクイズに進んでください。

A Country Growing Older共通テスト〜国公立二次

In a small town in rural Japan, the elementary school closed a few years ago because there were no longer enough children to fill a single classroom. The building is now a community center where elderly residents gather for tea. Scenes like this are becoming common across the country, and they tell a story that numbers alone cannot.

The numbers, however, are striking. In 2024, the number of Japanese babies born in the country fell below 700,000 for the first time since records began, and the average number of children a woman is expected to have fell to 1.15. Meanwhile, people aged 65 and over now make up more than 29 percent of the population. Fewer workers must support more retirees, which puts pressure on pensions, hospitals, and the care system.

Why do young people have fewer children? The reasons are not mysterious. Housing and education are expensive, working hours are long, and many young adults feel that they cannot afford to start a family. Women, in particular, often face a choice between a career and children, because childcare responsibilities still fall mainly on them. Government programs such as child allowances have been expanded, but they have not reversed the trend.

Some experts argue that Japan should stop asking how to grow and start asking how to shrink well. That means designing towns where services are within walking distance, welcoming foreign workers and helping them settle, and using technology to support caregivers. A smaller Japan does not have to be a poorer one. But it will have to be a different one, and the generation now in high school will be the one that decides what it looks like.

語句

  • no longerもはや~ない
  • striking衝撃的な、目を引く
  • make up~を占める、構成する
  • retiree退職者、引退した人
  • put pressure on~に圧力をかける、負担をかける
  • cannot afford to ~~する余裕がない
  • fall on(責任などが)~にのしかかる
  • reverse the trend流れを逆転させる
  • within walking distance歩いて行ける範囲に
  • settle定住する、落ち着く

長文の理解度チェック

Q1第1段落で、閉校した小学校の話が出された目的は何ですか。

Q2第2段落の内容と一致するものはどれですか。

Q3第3段落によると、女性がとくに直面している問題は何ですか。

Q4最終段落で、筆者が最も言いたいことは何ですか。

ここで差がつく:言い換えと誤読ポイント

本文の表現設問・選択肢での言い換え注意点
aginggetting older / having more elderly peopleaging society は「高齢化しつつある社会」。aged は「すでに高齢化した」
birthrate / fertility ratethe number of babies born per woman or per 1,000 peoplefertility は「出生」。「肥料」の fertilizer と区別
the elderlyolder people / senior citizensthe +形容詞で「~な人々」。最近は older adults も多い
workforceworking population / labor force「働く人全体」。work force と2語でも同じ
shrinkdecrease in size / get smaller「縮む」。shrinking population は「減っている人口」
dependency ratiothe number of non-working people supported by each worker「従属人口指数」。グラフ問題で出やすい

「率」と「数」を混ぜない

出生数(number of births)は「人数」、出生率(birthrate / fertility rate)は「割合」です。出生数が減っても出生率が上がることは理屈のうえではありえます。グラフ問題では、縦軸が「人」なのか「%」なのか「人あたりの数」なのかを必ず確認してから選択肢を読みましょう。

高齢者を「お荷物」と書かない

英作文で高齢者を burden(負担)とだけ書くと、視野の狭い答案に見えます。長文でも「高齢者は経験と技能を持つ資源」という筆者の反論がよく出ます。not just a burden but ~ の形で、両面を書けるようにしておきましょう。

ツッコミどころ・意外な雑学

ちなみにこのページの数字は、すべて確認できたものだけを載せています。人口の話で人数を盛ったら、それこそ統計の水増しですからね。

よくある質問

自由英作文で「少子化を止めるには何が必要か」と聞かれたら、何を書けばいいですか?

「子育ての費用を下げる」と「働き方を変えて仕事と家庭を両立しやすくする」の2本立てが書きやすいです。可能なら「女性に育児の負担が偏っている」という視点を加えると、ジェンダー平等のテーマともつながり、深い答案になります。

aging society と aged society はどちらを使えばいいですか?

英作文では aging society(高齢化が進む社会)が最も無難で、どの段階にも使えます。super-aged society は「65歳以上が21%超」の段階を強調したいときに。elderly の代わりに older people や older adults を使うと、より現代的で丁寧な表現になります。

このテーマとセットで出やすい分野はありますか?

ジェンダー平等(育児と仕事の両立)、移民と多文化共生、働き方の未来(定年延長、AIによる省人化)、そして地方の衰退と持続可能なまちづくりです。関連トピックのページもあわせて読んでおくと、1本の長文で話題が移っても慌てません。

今日このページを読んだあと、地元の駅前を歩いたら、一度だけ英語で考えてみてください。What will this town look like in 2050? と頭に浮かんだら、もう立派な時事英語の使い手です。

ほかの頻出トピック