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入試に出る時事トピック

教育格差・オンライン学習の英語

同じ授業動画を見ても、静かな部屋で見る人と、兄弟と1台のスマホを取り合う人がいる。教育格差とオンライン学習は、受験生が当事者そのものの入試長文の定番テーマです。必修の時事英語、確認済みの事実、賛否の論点、オリジナル長文でまとめて攻略しましょう。

更新 2026/09/15

このページを読んでいるあなたは、たぶん「勉強の場所」と「ネット環境」と「調べる道具」を持っています。当たり前に見えるこの3つが、実は世界のあちこちで当たり前ではありません。

教育格差は、入試を受ける側の受験生にとって、いちばんリアルな時事テーマです。しかも大学側から見ると「教育とは何か」「公平とは何か」を問える、出題したくてたまらないテーマでもあります。

なぜ教育格差は入試に出るのか

1つ目の理由は、大学そのものが当事者だからです。誰にでも学ぶ機会が開かれているか、生まれた家庭で進路が決まってしまわないか。これは大学が社会に対して責任を持つ問題なので、入試の素材に選ばれやすいのです。

2つ目は、コロナ禍でオンライン学習が一気に広がり、賛否がはっきりしたこと。「どこでも学べる」と「家庭の環境で差がつく」が同時に見えたので、メリットと課題を比べる長文や、自由英作文の定番のお題になりました。

3つ目は、AIやデジタル教科書など、学び方の未来を論じられること。「テクノロジーは格差を縮めるのか、広げるのか」という問いは、どちらの立場でも書ける良問の形をしています。

先輩からのひと言

教育格差の長文でよく出る結論は「テクノロジーそのものは格差を解決も悪化もさせない。使い方と支援しだい」というものです。technology is not a magic solution のような表現が出てきたら、そこが主旨の近くです。

3分でわかる背景知識

世界の教室が一斉に閉まった日

ユネスコによると、休校が最も広がった2020年4月には、190を超える国で約16億人の学習者(大学生なども含む)が学校に通えなくなりました。これは世界の学習者の94%、世界人口の約5分の1にあたります。授業は一気に画面の中へ移り、家庭の環境の差がむき出しになりました。

60年前から言われていた「家庭の力」

1966年、アメリカで「教育機会の平等(Equality of Educational Opportunity)」という大規模な報告書、通称「コールマン・レポート」が発表されました。この報告書は、生徒の学業成績には、学校の設備や予算の違いよりも、家庭の背景や社会経済的な状況のほうが強く関係していると結論づけ、大きな議論を呼びました。

日本のGIGAスクール構想

日本では2019年に、小中学生に1人1台の端末と高速ネットワークを整備する「GIGAスクール構想」が始まりました。コロナ禍を受けて整備が前倒しされ、2021年3月までに全国の自治体などの約96%で端末の納品が終わりました。「端末を配る」段階はほぼ終わり、今は「どう使いこなすか」が課題になっています。

このテーマの必修時事英語

教育の語は「格差の原因(家庭・地域)」「支援の制度(奨学金・無償化)」「学び方(オンライン・AI)」の3グループで覚えましょう。受験生自身に関わる語も多いので、自分の経験と結びつけると忘れません。

教育格差・オンライン学習の必修語30語

長文でよく出る論点:オンライン学習は格差を縮めるか

英作文では、「オンライン授業に賛成か」「対面授業はなくすべきか」といった形で出されます。どちらの立場でも、「誰にとってのメリットか」を具体的に書くと説得力が増します。

オンライン学習のメリットと課題

メリット

  • 住んでいる場所に関係なく、質の高い授業や講座を受けられる
  • 録画された授業を、自分のペースで何度でも見直せる
  • 通学の時間や費用を減らせる
  • 病気や不登校などで学校に通えない生徒も学び続けやすい
  • 災害や感染症の流行のときにも、学びを止めずにすむ
  • 世界中の人と交流しながら学ぶ機会が広がる

課題

  • 端末や通信環境、静かな学習場所の有無で差がつきやすい
  • 自分で計画を立てて続ける力が必要で、途中でやめてしまう人も多い
  • 友だちや先生と直接話し合う機会が減り、孤立しやすい
  • 実験や実技、部活動のような体験型の学びは代わりにくい
  • 家庭で勉強を手伝える大人がいるかどうかで、理解度に差が出る
  • 長時間の画面利用が、目や睡眠、集中力に影響するおそれがある

自由英作文で使える表現

教育の英作文は、自分の学校生活の具体例がそのまま使える数少ないテーマです。「休校中にどう勉強したか」「タブレットの授業で何が便利だったか」を思い出しながら読んでください。

教育格差・オンライン学習の英作文フレーズ

  • Online learning allows students to study at their own pace.

    オンライン学習によって、生徒は自分のペースで勉強することができる。

    at one's own pace(自分のペースで)はメリットの定番表現。

  • Students in rural areas can take the same classes as those in big cities.

    地方の生徒も、大都市の生徒と同じ授業を受けることができる。

    the same A as B と those(=students)の使い方に注意。

  • Not all students have access to a reliable internet connection at home.

    すべての生徒が、家庭で安定したインターネット接続を利用できるわけではない。

    Not all ~ は部分否定。have access to は格差を論じる必須表現。

  • A child's educational opportunities should not depend on their family's income.

    子どもの教育の機会は、家庭の収入によって左右されるべきではない。

    depend on(~しだいである)で公平性を主張する。

  • Face-to-face classes give students the chance to learn from each other through discussion.

    対面授業は、話し合いを通して生徒どうしが学び合う機会を与える。

    learn from each other(互いに学び合う)は対面派の決め手。

  • Without enough support, online learning may widen the gap between students.

    十分な支援がなければ、オンライン学習は生徒間の差を広げるかもしれない。

    widen the gap(差を広げる)と close the gap(差を縮める)はセットで覚える。

  • Providing devices is not enough; teachers also need proper training to use them effectively.

    端末を配るだけでは不十分で、教員もそれを効果的に使うための適切な研修を必要としている。

    セミコロン(;)で2つの文をつなぐと、書き慣れた印象になる。

  • Scholarships can help talented students continue their education regardless of their financial situation.

    奨学金は、才能ある生徒が経済状況に関係なく学び続ける助けになる。

    regardless of と help 人 ~(原形)の組み合わせ。

  • The best approach may be to combine online tools with traditional classroom teaching.

    最良の方法は、オンラインの道具と従来の教室での授業を組み合わせることかもしれない。

    combine A with B で折衷案の結論を書ける。

  • Education is one of the most effective ways to break the cycle of poverty.

    教育は、貧困の連鎖を断ち切る最も効果的な方法のひとつだ。

    break the cycle of poverty(貧困の連鎖を断つ)は内容点を上げる表現。

  • Schools should make sure that no student is left behind in the shift to digital learning.

    学校は、デジタルの学びへの移行で、どの生徒も取り残されないようにすべきだ。

    make sure that ~ と leave behind(取り残す)の受け身。

オリジナル長文にチャレンジ

共通テスト〜国公立二次レベルの書き下ろし長文です。第2段落と第3段落が「新しい問題に見えて、実は昔からある問題だ」という関係になっていることに注目して読んでください。

When the Classroom Moved Home共通テスト〜国公立二次

In April 2020, school closures linked to the COVID-19 pandemic affected nearly 1.6 billion students in more than 190 countries, according to UNESCO. Almost overnight, lessons moved to computer screens. For some students, the change was surprisingly positive: they could replay recorded lectures, study at their own pace, and avoid long commutes.

For many others, however, online learning exposed differences that had always existed. A student who shares one smartphone with three siblings cannot attend a video class in the same way as a student with a laptop and a quiet room. Reliable internet access, a desk, and a parent who can help with difficult assignments all became part of a child's education. Researchers use the term learning loss to describe the setbacks that followed in many places.

This pattern was not entirely new. As early as 1966, a large study in the United States known as the Coleman Report concluded that students' family backgrounds were more closely linked to their academic results than differences in school resources were. The pandemic simply made this link easier to see, because the home had suddenly become the classroom.

Technology itself is neither the cause of inequality nor its cure. Japan's GIGA School program, which aimed to give every elementary and junior high school student a digital device, shows that access can be expanded quickly when governments act. But a device is only a tool. Without well-trained teachers, support for families, and chances for students to learn from one another, technology may widen the education gap instead of closing it.

語句

  • linked to~に関連した、~と結びついた
  • almost overnightほとんど一夜にして、あっという間に
  • commute通学、通勤(名詞・動詞の両方)
  • expose(隠れていたもの)をあらわにする、さらけ出す
  • siblingきょうだい(兄弟姉妹)
  • setback後退、つまずき
  • as early as早くも~に
  • academic results学業成績
  • neither A nor BAでもBでもない
  • instead of closing itそれ(格差)を縮めるのではなく

長文の理解度チェック

Q1第1段落によると、オンライン学習を好ましく感じた生徒がいたのはなぜですか。

Q2第2段落の online learning exposed differences that had always existed に最も意味が近いものはどれですか。

Q3第3段落のコールマン・レポートについて、本文の内容と一致するものはどれですか。

Q4この文章の主旨として最も適切なものはどれですか。

ここで差がつく:言い換えと誤読ポイント

本文の表現設問・選択肢での言い換え注意点
education gapeducational inequality / unequal access to educationgap は「すき間」ではなく「格差」
have access tobe able to use / be available toaccess は「接続」だけでなく「利用する機会・権利」
learning lossfalling behind in learning / lost learning timeloss は「損失」。お金の話ではない
low-income familiesdisadvantaged / less well-off householdspoor を直接使わない言い換えが多い
face-to-face classesin-person lessons / classroom teachingin-person(対面の)も頻出
drop outleave school without finishingdropout rate(中退率)は名詞形

equality と equity の違い

equality は「全員に同じものを配る」平等、equity は「一人ひとりの事情に応じて必要な支援をする」公平です。たとえば全員に同じ端末を配るのは equality、ネット環境のない家庭に通信機器も貸すのは equity。難関大の長文では、この2語の対比がよく使われます。

「オンライン学習は悪い」と決めつけない

教育格差の長文は、オンライン学習を全面否定するものより、「うまく使えば格差を縮められるが、支援がなければ広げる」という条件つきの論調が多いです。if や without、unless のような条件を表す語を見落とさないことが、内容一致で正解するコツです。

ツッコミどころ・意外な雑学

よくある質問

自由英作文で「オンライン授業と対面授業、どちらが良いか」と聞かれたら、どう書けばいいですか?

どちらを選んでも構いませんが、「両方を組み合わせるのが最善」という折衷案は、お題が二択を求めているときは避けたほうが安全です。オンライン派なら「自分のペース」「場所を選ばない」、対面派なら「話し合いによる学び」「集中しやすい環境」が書きやすい理由です。

教育格差の英作文で、日本の例は何を使えばいいですか?

1人1台端末(GIGAスクール構想)、塾に通えるかどうかの差、地方と都市の進学の機会の差、奨学金などが使いやすい例です。数字を使う場合は、年まで正確に書ける場合だけにしましょう。

digital divide と education gap はどう使い分けますか?

digital divide はデジタル機器やインターネットを使えるかどうかの格差、education gap は教育の機会や成果全体の格差です。digital divide は education gap を生む原因のひとつ、と位置づけると論理的な文章が書けます。

あなたが今、このページを読めていること自体が、ひとつの「機会」です。その機会を点数に変え、いつか誰かの機会を広げる側に回る。教育格差の長文は、そんな未来の自分に向けて書かれた文章だと思って読んでみてください。

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