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入試に出る時事トピック

働き方の英語 — リモートワーク・ギグワーク・週休3日を長文で読む

在宅勤務、配達アプリで働くギグワーカー、週休3日、つながらない権利。「働き方」は、数年後に社会に出る受験生にとって自分ごとの長文テーマです。100年前の労働時間の話から最新の法律まで、背景知識、必修の時事英語、論点、英作文の表現、オリジナル長文でまとめて攻略しましょう。

更新 2026/09/15

親がリビングでオンライン会議をしている。駅前を配達バッグを背負った自転車が走り抜ける。バイト先の求人に「週1日からOK・スキマ時間で」と書いてある。こうした光景はどれも、英語でいう the future of work(働き方の未来) というテーマの一部です。

働き方の長文は、「自由と安定のどちらをとるか」「テクノロジーは働く人を幸せにするか」という、答えが一つに決まらない問いを扱います。だからこそ筆者の主張が問われやすく、自由英作文のお題にもなりやすいのです。部活の練習時間を増やすか減らすか、で揉めた経験がある人は、もう論点の半分はわかっています。

3行でわかる「働き方の未来」

1. ネットと IT 機器で「いつ・どこで働くか」の自由が一気に広がった。 2. その一方で、仕事と休みの境目が消えたり、雇用の保障が弱くなったりする問題も出てきた。 3. 各国は労働時間の上限や「つながらない権利」などのルールで、そのバランスを取ろうとしている。

なぜ入試に出るのか:大学の先にある「社会」への入口だから

難関国公立・私大の長文では、経済や社会の変化を扱った評論が定番です。働き方はその中心にあるテーマで、テクノロジー、少子高齢化、ジェンダー、格差など、他の頻出テーマとも自然につながります。一つ読んでおくと、他のテーマの長文でも背景知識として効いてきます。

3分でわかる背景知識:「1日8時間・週5日」は当たり前じゃなかった

今では当然に思える「1日8時間」「土日休み」も、実は長い議論と運動の末に広まったものです。歴史の流れを知っておくと、「週休3日」や「在宅勤務」がどれくらい大きな変化なのかが見えてきます。

できごとここがポイント
1919国際労働機関(ILO)が設立され、最初の条約として工業の労働時間を1日8時間・週48時間とする条約を採択「8時間労働」が国際的な基準として掲げられた
1920チェコの作家カレル・チャペックが戯曲『R.U.R.』を発表し、robot という言葉が生まれる語源はチェコ語の robota(強制労働)
1926アメリカのフォード社が工場で週5日・40時間勤務を導入(週48時間から、給料を減らさずに)週休2日が広がるきっかけの一つとされる
2013オックスフォード大学の研究者が、アメリカの雇用の47%がコンピュータ化で置き換えられるリスクが高いとする論文を発表automation と雇用の議論を一気に広げた
2017フランスで「つながらない権利」を定めたルールが始まる勤務時間外のメール対応などについて、労使で話し合うことを求めた
2019日本で働き方改革関連法による残業の上限規制が大企業に適用(中小企業は2020年から)原則として月45時間・年360時間が上限
2022イギリスで61社・約2,900人が参加した週4日勤務の実験(6〜12月)終了後、56社が週4日勤務を続けると回答
20248月にオーストラリアで「つながらない権利」が施行。11月には日本でフリーランス新法が施行雇われていない働き手を守るルールづくりが進む
2025東京都が4月から、職員が週休3日を選べる制度を始める子育てとの両立などが目的

ギグワークって何? 「単発ライブ」から来た言葉

gig economy の gig は、もともとミュージシャンの「1回きりのライブの仕事」を指す口語です。アプリを通じて配達や送迎などの仕事を1件ずつ請け負う働き方を、ここから gig work と呼ぶようになりました。働く人は gig workers と呼ばれます。

employee と contractor の違いが論点のカギ

働き方の長文でよく出るのが、employee(雇われた従業員)independent contractor(独立した請負人)の区別です。どちらに分類されるかで、最低賃金や社会保険などの守られ方が変わります。この2語が出てきたら、筆者は「働く人の保護」の話をしようとしている合図です。

このテーマの必修時事英語:ニュースの「働き方」記事がスラスラ読める

働き方、雇用、労働時間、スキルに関する語を集めました。日本の制度を表す語(年功賃金、終身雇用など)も、日本について英語で説明する英作文でとても役立ちます。

働き方・雇用の必修時事英語30語

長文でよく出る論点:リモートワークは働く人を幸せにするか

働き方の評論で特によく扱われるのが、在宅勤務(リモートワーク)の是非です。通勤がなくなる自由を強調する筆者もいれば、職場で顔を合わせることの価値を強調する筆者もいます。両方の言い分を押さえておけば、どちらの立場の長文が出ても落ち着いて読めます。

リモートワーク(在宅勤務)を広げるべきか

メリット

  • 通勤時間がなくなり、家族や趣味、睡眠に使える時間が増える。
  • 子育てや介護をしながら働き続けやすくなり、仕事を辞めずに済む人が増える。
  • 住む場所の自由が広がり、地方に住みながら都市の会社で働くこともできる。
  • 満員電車が減り、オフィスの賃料や交通の混雑も減らせる。
  • 集中しやすい環境を自分で選べるので、仕事によっては生産性が上がる。

課題

  • 仕事と休みの境目があいまいになり、夜遅くまでメールに返信するなど長時間労働につながりやすい。
  • 雑談や相談の機会が減り、新人がノウハウを学びにくくなる。
  • 孤独を感じたり、チームの一体感が薄れたりすることがある。
  • 医療・介護・販売・製造など、在宅ではできない仕事の人との間に不公平感が生まれる。
  • 自宅に仕事用の場所や通信環境がない人は、かえって働きにくい。

「ハイブリッド」という第3の答え

英作文では、完全出社か完全在宅かの二択にせず、hybrid work(出社と在宅の組み合わせ)を提案すると、現実的でバランスのよい答案になります。ただし「どういう条件で組み合わせるか」まで書くのが高得点のコツです。

自由英作文で使える表現:働き方を論じる12文

働き方のテーマで使いやすい英文を集めました。リモートワーク、副業、週休3日、AI と仕事など、お題が変わっても主語や目的語を入れ替えるだけで応用できます。

働き方の自由英作文で使える表現

  • Technology has changed not only how we work but also where and when we work.

    テクノロジーは、働き方だけでなく、働く場所や時間も変えた。

    not only A but also B に疑問詞を並べる。書き出しに最適

  • Working from home saves time that would otherwise be spent commuting.

    在宅勤務は、そうでなければ通勤に費やされるはずの時間を節約する。

    otherwise(そうでなければ)を使うと一段上の英文に

  • Flexible working hours make it easier for parents to balance work and childcare.

    柔軟な勤務時間は、親が仕事と子育てを両立しやすくする。

    make it easier for A to do は超便利な形

  • The line between work and private life can become blurred.

    仕事と私生活の境目があいまいになることがある。

    blurred は「ぼやけた」。境界の話で頻出

  • Face-to-face communication helps build trust among colleagues.

    対面のコミュニケーションは、同僚どうしの信頼を築くのに役立つ。

    help do(原形)で「〜するのに役立つ」

  • Gig workers often lack the protections that regular employees enjoy.

    ギグワーカーは、正社員が受けている保護を欠いていることが多い。

    lack は他動詞。lack of と混ぜないよう注意

  • A shorter working week could improve both well-being and productivity.

    労働時間が短い週は、ウェルビーイングと生産性の両方を高めうる。

    could で可能性として控えめに主張する

  • Workers need to keep learning new skills throughout their careers.

    働く人は、キャリアを通じて新しいスキルを学び続ける必要がある。

    keep doing と throughout で「生涯学習」の考えを表す

  • Employers should respect their employees' right to rest outside working hours.

    雇用主は、勤務時間外に休む従業員の権利を尊重すべきだ。

    つながらない権利を平易な英語で説明できる

  • Long working hours do not necessarily lead to better results.

    長時間働くことが、必ずしもよい結果につながるわけではない。

    not necessarily は部分否定。言い切りを避けつつ反論できる

  • It is up to each company to find the right balance for its workers.

    働く人にとって適切なバランスを見つけるのは、それぞれの会社しだいだ。

    It is up to A to do(〜するのは A しだいだ)

  • Laws must keep up with the rapid changes in how people work.

    法律は、働き方の急速な変化に追いつかなければならない。

    keep up with 〜(〜に遅れずについていく)で結論をまとめる

work は数えない、job は数える

「仕事を見つけた」は I found a job. でOKですが、I found a work. は×。work は基本的に不可算名詞です。「たくさんの仕事」は a lot of work、「いくつかの仕事(職)」は several jobs。英作文で本当によく見るミスです。

オリジナル長文:柔軟な働き方には「値札」がついている

このページのために書き下ろした評論文です。国公立二次・難関私大レベルを想定しています。「筆者は柔軟な働き方に賛成なのか、反対なのか」を意識しながら読んでみてください。答えは、たぶん最初の予想とちょっと違います。

Flexibility Has a Price Tag国公立二次・難関私大レベル(約270語)

For most of the twentieth century, work had a clear shape. People traveled to a workplace, stayed there for a fixed number of hours, and went home. Today that shape is breaking apart. Laptops and fast internet allow many office workers to do their jobs from home, while smartphone apps let others pick up short tasks, such as delivering food, whenever they choose.

At first glance, this looks like pure progress. Workers who no longer commute gain time for their families and hobbies, and parents can more easily combine childcare with a career. Gig workers can decide when to log on and when to stop. For many people, flexibility is not a luxury but the very thing that makes working possible at all.

Yet flexibility has a price tag that is easy to overlook. When the kitchen table becomes the office, the boundary between work and rest can disappear, and some employees find themselves answering messages late at night. Gig workers, meanwhile, are often treated as independent contractors rather than employees, which may leave them without paid holidays or support if they are injured. The freedom to choose your hours can quietly turn into pressure to be available all the time.

The real question, then, is not whether flexible work is good or bad, but who carries its risks. Laws such as the right to disconnect and new rules protecting freelancers are attempts to share those risks more fairly. Technology has changed where and when we work; it is up to societies to decide what a fair job should look like in this new landscape.

語句

  • break apartばらばらになる、崩れる
  • pick upここでは「(仕事を)引き受ける、手に入れる」
  • at first glance一見すると。後ろに Yet や But が来る予告になりやすい
  • combine A with BA と B を両立させる、組み合わせる
  • the very thingまさにそのもの。very は名詞を強調する形容詞
  • price tag値札。ここでは「代償、隠れたコスト」の比喩
  • find oneself doing気づくと〜している
  • independent contractor独立した請負人、個人事業主。employee(従業員)と対になる語
  • not whether A or B, but CA か B かではなく C。筆者の論点のすり替え=主張の核
  • it is up to A to do〜するのは A しだいだ、A の責任だ

「柔軟さの値札」の長文で力試し

Q1【内容一致】本文の内容に合うものはどれですか。

Q2【語彙の言い換え】第3段落の overlook に最も近い意味はどれですか。

Q3【下線部の意味】The freedom to choose your hours can quietly turn into pressure to be available all the time. が表す内容として最も適切なものはどれですか。

Q4【主旨】筆者の主張として最も適切なものはどれですか。

ここで差がつく:働き方の長文で狙われる言い換えとワナ

労働・経済の長文には、日本語に訳すと同じになってしまう語がたくさん出てきます。選択肢での言い換えのパターンを知っておくと、内容一致問題で迷う時間が大きく減ります。

本文の表現選択肢での言い換え意味
work from homework remotely / telework在宅で働く
commutetravel to work通勤する
employercompany / firm雇用主(employee は従業員)
lay off workerscut jobs / dismiss staff人員を削減する
productivityefficiency / output per worker生産性
job securitystable employment雇用の安定
be replaced by machinesbe automated機械に置き換えられる
work overtimework beyond regular hours残業する

employer と employee、-er と -ee の取り違え

employer は「雇う人(会社)」、employee は「雇われる人」。-ee は「〜される人」を表します(trainer / trainee、interviewer / interviewee)。選択肢でこの1文字違いを入れ替えてくるワナは定番です。

「週4日勤務」=「給料2割減」とは限らない

イギリスの実験などで話題の週4日勤務は、多くの場合「給料は同じまま、労働時間を減らし、生産性は保つ」という考え方です。長文で a four-day week with no loss of pay のような表現が出たら、この前提を読み落とさないようにしましょう。

ツッコミどころ満載:働き方の意外な雑学

robot の語源は「強制労働」。 robot という言葉は、1920年にチェコの作家カレル・チャペックが発表した戯曲『R.U.R.』から広まりました。もとになったチェコ語の robota は「強制労働、つらい労働」という意味です。AI やロボットが仕事を奪うかどうかを議論する今、名前の由来が「働かされる存在」だったというのは、なかなか皮肉が効いています。

「週休2日」を広めたのは自動車会社? 1926年、アメリカのフォード社は工場の勤務を週6日・48時間から週5日・40時間に減らしました。しかも給料は減らさずに。休みを増やしても生産は落ちない、という考え方にもとづく決定でした。「休みは生産性を下げる」という常識に挑んだ、100年前の実験です。

よくある質問

「AIと仕事」のテーマとは何が違いますか?

AI と仕事のテーマは「技術が仕事を置き換えるか」に焦点を当てます。このページの働き方のテーマは、在宅勤務、ギグワーク、労働時間、休む権利など、「働く人の暮らしと仕事の関係」が中心です。重なる部分も多いので、AIと仕事のページとあわせて読むのがおすすめです。

英作文で日本の働き方を説明するとき、便利な語は?

lifetime employment(終身雇用)、seniority-based pay(年功賃金)、work style reform(働き方改革)、karoshi(過労死)などが使えます。日本特有の制度は、英語で短く説明を添えると親切です。

remote work と telework はどう違いますか?

ほぼ同じ意味で使われます。remote work はオフィス以外の場所で働くこと全般、telework は通信技術を使って離れた場所で働くことを強調する語です。日本の「テレワーク」は英語の telework から来ていますが、英語のニュースでは remote work や working from home のほうがよく見られます。

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