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入試に出る時事トピック

言語・異文化理解・世界の英語 — 入試に出る時事英語と背景知識

英語を話す人の多数派は、じつはネイティブではありません。消えていく少数言語、多文化共生、機械翻訳の時代に外国語を学ぶ意味。英語で英語について考える、入試長文の超定番テーマを背景知識から長文まで一気に攻略します。

更新 2026/09/15

英語の試験なのに「英語ってそもそも誰のもの?」と問いかけてくる長文。出会ったことはありませんか。言語と文化のテーマは、受験生が毎日向き合っている 英語そのもの が題材なので、じつは一番身近な時事トピックです。

このページでは、世界にいくつ言語があるのか、英語を話す人はどれくらいいるのか、といった数字から、長文でよく出る「ネイティブ信仰」「消えていく言語」「機械翻訳」の論点まで、順番にまとめました。

3行でわかるこのテーマ

1. 英語は世界共通語(lingua franca)になり、話し手の多数派は非ネイティブ。 2. その一方で、世界の言語の4割ほどが消滅の危機にある。 3. 大事なのは「完璧な発音」より「違う相手と通じ合う力」、という考え方が広がっている。

なぜ入試に言語・異文化理解が出るのか

1つめの理由は、英語を学ぶ意味を受験生自身に考えさせられる からです。「なぜ外国語を学ぶのか」「ネイティブのように話す必要はあるか」は、読解にも自由英作文にもそのまま使える問いです。

2つめは、身近な具体例が作りやすい こと。コンビニで働く外国出身の店員さん、観光地の多言語の案内板、翻訳アプリなど、高校生の生活とつながる話題が多く、筆者の主張を具体例で支える文章の形にぴったりです。

3つめは、グローバル化・移民・AI など他のテーマと結びつきやすいこと。言語の話から社会の話へ広がる文章は、難関国公立・私大の長文で定番の型の1つです。

3分でわかる背景知識:7000の言語と15億人の英語

世界の言語は7000以上、その4割が危機

世界の言語を調べている Ethnologue の2025年のデータでは、いま話されている言語は約7,100〜7,200あり、そのうち4割あまりが 消滅の危機にある言語(endangered language) に分類されています。

日本も無関係ではありません。ユネスコは2009年の「消滅の危機にある言語の地図」で、日本の8つの言語・方言を危機にあると示し、アイヌ語 はいちばん深刻な「極めて深刻」に分類されました。沖縄・奄美・八丈などのことばも含まれています。

国際的な取り組みもあります。ユネスコは1999年に2月21日を 国際母語デー と定め、国連総会は2022〜2032年を 先住民族の言語の国際の10年 としました。

英語を話す人の多数派は「非ネイティブ」

英語を母語または第二言語などとして使う人は、推計によって差はありますが約15億人とされ、そのうち母語話者は4分の1ほど。つまり、英語の会話の多くはネイティブ抜きで行われている のです。

言語学者カチュルは1985年に、英語の広がりを3つの円で説明しました。英語が母語の国(Inner Circle)、公用語などとして使う国(Outer Circle)、外国語として学ぶ国(Expanding Circle)の3つで、日本は3つめの円に入ります。インドやシンガポールの英語のように、地域ごとに育った英語を World Englishes(世界の英語たち) と呼ぶ考え方もあります。

項目内容年
世界で話されている言語の数約7,100〜7,200Ethnologue、2025年
そのうち危機にある言語の割合4割あまりEthnologue、2025年
アイヌ語の評価極めて深刻(ユネスコ)2009年
国際母語デーの制定2月21日(ユネスコ)1999年
日本の在留外国人数412万5,395人(初の400万人超え)2025年末
小学校5・6年で英語が正式な教科に外国語科として導入2020年度

日本の在留外国人は2025年末に初めて400万人を超えました。「英語=海外で使うもの」ではなく、地域で一緒に暮らす人と通じ合う道具 という見方も、長文でよく出る視点です。

このテーマの必修時事英語

言語・異文化理解の必修語30語

stereotype は「悪口」ではなく「決めつけ」

stereotype は「ある集団の人はみんな〜だ」という固定観念のこと。ほめ言葉でも stereotype になりえます(「日本人はみんな礼儀正しい」など)。長文では generalization(一般化) や oversimplification(単純化しすぎ) と言い換えられることが多いので、セットで覚えましょう。

長文でよく出る論点:英語が世界共通語になるのは良いこと?

英語の世界共通語化

メリット

  • 国や母語が違う人どうしが、共通の道具で直接話し合える。
  • 研究・ビジネス・国際協力で情報が早く共有される。
  • 英語ができれば、留学や海外の仕事など選択肢が広がる。
  • インターネット上の膨大な情報にアクセスしやすくなる。
  • 非ネイティブどうしの会話が増え、「ネイティブのように話す」必要性が下がる。

課題・批判

  • 少数言語の話し手が減り、言語とともに文化や知恵が失われる。
  • 英語が得意な人とそうでない人の間に、機会の格差が生まれる。
  • 英語圏の価値観や文化ばかりが広まり、文化の多様性が損なわれるおそれがある。
  • ネイティブの発音だけを「正しい」とする考えが、なまりへの偏見を生む。
  • 機械翻訳が進むと、外国語を学ぶ意欲そのものが下がるかもしれない。

自由英作文で使える表現

言語・異文化のテーマで使える英文

  • English has become a global lingua franca that connects people from different linguistic backgrounds.

    英語は、異なる言語的背景をもつ人々をつなぐ世界共通語になった。

    導入の一文。linguistic backgrounds は言語テーマの必須フレーズ

  • Most conversations in English today take place between non-native speakers.

    今日、英語の会話の大半は非ネイティブどうしで行われている。

    take place で「行われる」。事実の紹介に

  • Being understood is more important than sounding like a native speaker.

    ネイティブのように聞こえることよりも、理解してもらうことのほうが大切だ。

    動名詞の主語で主張をすっきり言える

  • When a language dies, a unique way of seeing the world disappears with it.

    ある言語が消えるとき、世界の独自の見方もそれと一緒に消えてしまう。

    消滅危機言語の話題の決め台詞に

  • Learning a foreign language helps us see our own culture from a new perspective.

    外国語を学ぶことは、自分の文化を新しい視点から見る助けになる。

    from a new perspective は異文化理解の定番

  • Machine translation is useful, but it cannot fully replace human communication.

    機械翻訳は便利だが、人間どうしのコミュニケーションに完全に取って代わることはできない。

    譲歩 A, but B の型。fully で全否定を避ける

  • We should avoid judging people based on stereotypes about their nationality.

    国籍に関する固定観念にもとづいて人を判断することは避けるべきだ。

    based on で「〜にもとづいて」

  • Communities can protect their own languages while also learning a global one.

    地域社会は、世界的な言語を学びながら自分たちの言語を守ることもできる。

    while also doing で「〜しつつ同時に」。両立の主張に

  • Living with people from diverse cultures requires patience and mutual respect.

    多様な文化をもつ人々と暮らすには、忍耐と相互の尊重が必要だ。

    mutual respect は多文化共生のキーワード

  • For these reasons, I believe that studying a foreign language is still worthwhile in the age of AI.

    これらの理由から、AIの時代でも外国語を学ぶことにはなお価値があると私は考える。

    結論の一文。worthwhile は「やりがいのある、価値のある」

オリジナル長文で力試し

Whose English Is It?共通テスト〜国公立二次レベル(約250語)

[1]When people imagine a conversation in English, they often picture a native speaker from London or New York. In reality, many of the English conversations taking place right now involve no native speakers at all. A Brazilian engineer negotiating with a Thai supplier, or a Japanese student chatting online with a friend in Finland, is likely to use English as a shared tool rather than as a cultural identity.

[2]This shift has changed how some teachers think about accents. If the main purpose of English is to be understood by people from many backgrounds, then sounding exactly like a native speaker may matter less than speaking clearly and adjusting to your listener. An accent, in this view, is not a mistake to be corrected but a trace of the other languages a person knows.

[3]At the same time, the global spread of one language raises uncomfortable questions. As young people move to cities and use a major language at school and online, smaller languages can lose speakers within a few generations. When a language disappears, it may take with it songs, place names and ways of describing the natural world that exist nowhere else.

[4]The choice, however, is not between English and everything else. Many communities are finding ways to keep their own languages alive while also learning a global one. Perhaps the most valuable skill in a multilingual world is not perfect grammar, but the willingness to listen carefully to people who speak differently from ourselves.

注

  • picture動詞で「思い浮かべる、想像する」。名詞の「絵・写真」と区別
  • involve no native speakers at allネイティブスピーカーがまったく関わらない。no ... at all は強い否定
  • A rather than BBではなくむしろA。筆者が強調したいのは A(a shared tool)
  • matter less than〜ほど重要ではない。matter は動詞で「重要である」
  • adjust to〜に合わせる、適応する
  • not A but BAではなくB。なまりの評価をひっくり返す、第2段落の核
  • a trace of〜の痕跡、名残
  • take with itそれと一緒に持ち去る。目的語 songs, place names ... が後ろに回った語順
  • The choice is not between A and BAかBかの二択ではない。二項対立を否定して結論へ向かう合図
  • the willingness to do〜しようとする意志・姿勢

Whose English Is It? の確認問題

Q1【内容一致】第1段落の内容に合うものはどれですか。

Q2【語彙の言い換え】第2段落の a trace of に最も近い意味はどれですか。

Q3【内容一致】第3段落によると、小さな言語が話し手を失う理由として挙げられているのはどれですか。

Q4【主旨】本文の主旨として最も適切なものはどれですか。

ここで差がつく:言語テーマの読み方

よく出る言い換えと誤読ポイント

1. first language / mother tongue / native language はすべて「母語」。 2. second language は「第二言語(生活で使う言語)」、foreign language は「外国語(授業などで学ぶ言語)」で、厳密には区別されます。 3. bilingual は2言語、multilingual は多言語。 4. accent は「アクセント(強勢)」より「なまり・話し方の特徴」の意味で出ることが多いです。 5. culture は「文化」ですが、company culture なら「社風」。訳語は文脈で決めましょう。

ツッコミどころ・意外な雑学

よくある質問

「機械翻訳があるのに英語を学ぶ必要はあるか」という英作文には、どう答えればいいですか?

「必要がある」の立場なら、①翻訳を確認・修正するにも語学力がいる、②言語を学ぶと相手の文化や考え方への理解が深まる、の2点が理由として書きやすいです。譲歩として Machine translation is useful, but ... と便利さを認めてから反論すると、説得力が上がります。

World Englishes とは何ですか?

インド、シンガポール、ナイジェリアなど、各地域で独自に発達した英語をまとめて呼ぶ言葉です。「英語はイギリスやアメリカだけのものではなく、使う人みんなのもの」という考え方にもとづいています。入試の長文では、なまりや発音への偏見を見直す文脈でよく出ます。

言語の長文は難しい専門用語が多いですか?

専門用語はそれほど多くありません。むしろ native speaker、second language、accent、identity などの基本的な語が、文脈によって少しずつ違う意味で使われるのが難しさです。このページの必修語と言い換えのポイントを押さえておけば十分に対応できます。

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