
英語の常識52本
赤ちゃんに英語のDVD、子どもは大人より速く覚える、LとRは無理。英語学習のよくある常識を、第二言語習得の研究で判定。
✕ウソ日本人はLとRを聞き分けられない
「生まれつき無理」ではありません。苦手なのは本当ですが、聞き分けは練習で伸びることが実験で示されています。
✕ウソL/Rの聞き分けを練習しても、発音はうまくならない
発音の練習を一度もしなくても、LとRの聞き分け訓練だけで発音がよくなった、という実験があります。
△半分ホント赤ちゃんは世界中の言語の音を聞き分けられる
生後半年ごろは外国語の音も聞き分けられます。でも1歳を前に、その力は母語に合わせて絞り込まれていきます。
✕ウソ赤ちゃんに英語のDVDを見せれば、英語の耳が育つ
生身の人からは外国語の音を学べた赤ちゃんが、同じ内容の映像や音声だけからは学べませんでした。
△半分ホント言語の習得には「臨界期」がある
文法を身につける力は、年齢とともに落ちていきます。ただ、その曲がり角は思われていたより遅い17歳ごろでした。
△半分ホント英語は早く始めれば始めるほど、学校英語でも有利
週数時間の授業だけなら、早く始めた効果は限られます。差が見えてくるのは、まとまった量の英語に触れてからでした。
✕ウソ子どもは大人よりも速く外国語を覚える
オランダに移り住んだ人たちの調査では、最初の数か月で速く上達したのは、幼い子より12〜15歳と大人でした。
◯ホント大人になってから学ぶと、訛りが残る
英語を学び始めた年齢が遅いほど、訛りは強く聞こえる傾向があります。子どものうちに始めた人でも、訛りが残ることは珍しくありません。
✕ウソ訛りがあると、英語は通じない
訛りの強さと、伝わりやすさは別のものです。強い訛りがあると評価された英語でも、多くはきちんと聞き取られていました。
?未決着大人でも努力すれば、完全にネイティブと同じになれる
ネイティブに聞こえる大人の学習者はいます。でも精密なテストで、母語話者と完全に一致した人は見つかりませんでした。
△半分ホント外国語訛りがあると、話の内容まで信用されにくくなる
訛りのある人が読んだ文は、同じ台本でも少し「本当らしくない」と判断されました。ただ、聞き手が意識したり慣れたりすれば減らせます。
?未決着バイリンガルは頭の切り替えが得意(バイリンガル優位)
有名な「バイリンガルは頭の切り替えが得意」説。大人を調べた152の研究をまとめると、偏りを補正したあとには有利さが残りませんでした。
◯ホントバイリンガルの「良い結果」は、論文になりやすい
学会で発表された研究のその後を追うと、バイリンガルの有利さを支持する研究ほど、論文として出版されていました。
?未決着バイリンガルは認知症になりにくい
インドの調査では、2つ以上の言葉を話す人の認知症の発症が約4.5年遅れていました。でも、元気なうちから追いかけた研究では差が見られません。
△半分ホント2つの言語で育てると、言葉の発達が遅れる
1つの言葉だけで比べると、少し遅れて見えます。でも2つの言葉の語彙を合わせると、差はありませんでした。
△半分ホント外国語で考えると、冷静な判断ができる
外国語で考えると、言い方に左右される判断のかたよりが小さくなった実験があります。ただ、いつも良い判断になるとは限りません。
?未決着話す言語によって、時間の捉え方が変わる
中国語を話す人は時間を「縦」に考える、という有名な研究は、何度も追試で再現されませんでした。それでも議論は続いています。
◯ホント多読(たくさん読むこと)は、英語力アップに効果がある
たくさんの研究をまとめた分析で、多読の効果は小〜中くらいと確かめられています。近道ではありませんが、確かに効く方法です。
✕ウソやさしい本を1冊読めば、新しい単語がたくさん身につく
1冊読んで3か月後に意味を覚えていたのは、25語のうち1語ほど。新しい単語を増やすには、読む量がまるで足りません。
△半分ホント単語は文脈で何回も出会えば、自然と覚えられる
出会う回数が増えるほど、単語の知識は伸びます。ただし10回出会っても、完全に知るには足りないかもしれません。
✕ウソ単語帳で暗記しても、使える単語にはならない
単語カードや単語リストでの学習には、はっきりした効果があります。忘れる分は、復習と、読む・聞くで補えば大丈夫です。
✕ウソ語呂合わせ(キーワード法)は邪道
音の似た言葉とイメージで結ぶ「キーワード法」は、実験で高い効果を示しました。ただし、覚えたあとの復習は欠かせません。
◯ホント単語の復習は、間隔を空けると効果的
外国語の学習でも、間隔をあけた練習には中から大の効果がありました。長く覚えておきたいなら、間隔は長めがよいようです。
◯ホント新しく覚えた単語は、寝ると定着する
新しい単語は、覚えた直後ではなく、ひと晩眠ったあとに「頭の中の辞書」へ組みこまれていくことが、実験で示されています。
△半分ホントシャドーイングはリスニング力を伸ばす
音の聞き取りには効果がありました。ただし、リスニング問題の点が伸びたのは、初級のグループだけでした。
✕ウソ英語の動画は、日本語字幕で見る方が英語の勉強になる
母語の字幕は、外国語の音に慣れる学習をじゃますることがあり、外国語の字幕はそれを助ける、という実験があります。
◯ホント字幕付き動画は、リスニングにも単語学習にも効く
英語の音声に英語の字幕をつけた動画は、聞き取りにも単語の学習にも効果あり。複数のメタ分析で確かめられています。
△半分ホント海外ドラマを見るだけで、単語が身につく
テレビ番組を1本見るだけでも、単語は身につきます。ただし、何度も出てくる単語や、もともと語彙力のある人ほど有利でした。
△半分ホント音声を聞きながら読むと、単語の定着率が大きく上がる
読む、聞きながら読む、聞くだけ。どの方法でも単語は学べましたが、3か月後まで残ったのはごくわずかでした。
△半分ホント聞くより読む方が、単語を覚えやすい
同じ学術的な内容なら、講義を聞くより文章を読むほうが単語は伸びました。ただし、英語力が上がるほど、その差は縮まりました。
✕ウソ文法は教わらなくても、英語に触れていれば自然に身につく
メタ分析では、文法を的をしぼって教えると大きな効果があり、ルールをはっきり説明するほうが、気づかせるだけより効果的でした。
✕ウソ会話中の間違いは、訂正しない方がいい
教室での口頭の訂正には、確かで長続きする効果がありました。とくに、学習者に自分で言い直させる訂正がよく効きました。
✕ウソ作文の文法を添削しても、正確さは上がらない
「添削は効かない」という有名な主張もありましたが、その後のメタ分析では、添削で文法の正確さが上がりうることが示されました。
✕ウソ発音は教わっても上達しない
86の報告をまとめたメタ分析で、発音の指導には大きな効果がありました。長く続け、直してもらうほど効果は大きくなります。
✕ウソ英語への不安(苦手意識)は、成績とは関係ない
約2万人分のデータをまとめた分析で、英語への不安と成績には、中くらいのマイナスの関係がありました。
✕ウソ英文を読むとき、単語の注釈(グロス)は不要
注釈つきで読んだ人は、注釈なしの人より1.7倍ほど多く単語を覚えていました。42の研究をまとめた結果です。
✕ウソ速読を身につければ、理解度そのままで何倍も速く読める
理解を保ったまま2倍、3倍の速さで読むのは難しいとわかっています。速さを決めるのは、目よりも言葉の力です。
△半分ホント日本語は早口な言語
1秒に話す音の数は、たしかに多めです。でも1秒あたりに伝わる情報の量は、どの言語もほぼ同じくらいでした。
✕ウソ女性は男性よりずっとおしゃべり
録音機で数えると、1日に話す語数は男女とも約1万6000語でした。差は統計的に意味のないほどの小ささです。
✕ウソリスニングの練習は、同じ先生の声だけで十分
1人の声だけで練習した耳は、知らない人の声になるとつまずきました。いろいろな声で練習すると、新しい声にも通用します。
△半分ホント洋楽や歌を使うと、英語が覚えやすい
歌って覚えるとフレーズが残りやすく、歌を聞くだけでも単語は増えます。ただ、歌だけで話せるようになる証拠はありません。
◯ホントジェスチャーをつけると、単語を覚えやすい
意味に合った身ぶりを添えると、新しい単語が記憶に残りやすくなります。ただ手を動かすだけでは効きません。
△半分ホント留学すれば、英語はペラペラになる
留学すると語学力が伸びやすいのは確かです。でも、文法の土台がないまま行くと、現地で伸び悩むことがあります。
✕ウソ単語は5個ずつなど、少しずつ区切って覚えたほうがいい
何個ずつに区切るかは、成績をほとんど左右しませんでした。効いたのは、同じ単語に戻るまでの間隔です。
✕ウソ「目・鼻・耳」のような仲間の単語は、まとめて覚えると覚えやすい
意味の近い単語を一度に覚えると、頭の中で取り違えやすくなります。まとめると覚えやすい、という証拠はありません。
△半分ホント単語は絵と一緒に覚えると、日本語訳で覚えるより覚えやすい
絵は「覚えた気」にさせやすく、そのままでは訳で覚えるのと差が出ません。自分でテストを入れると、絵が上回りました。
✕ウソわからない単語は、辞書を引かずに意味を推測したほうが記憶に残る
推測してから覚えても、先に意味を教わって覚えても、残る量は同じくらい。推測するほうが、時間はかなり多くかかりました。
?未決着紙の辞書で引いた方が、電子辞書より単語が記憶に残る
紙が有利だというはっきりした証拠はありません。差がないという研究も、電子が有利という研究もあり、結論は割れています。
✕ウソ新しい単語の意味も、日本語を使わず英語だけで説明すべき
新しい単語の意味は、母語でひと言添えたほうが身につきやすい、という研究があります。英語だけにこだわる必要はありません。
◯ホント語学には、向き不向き(才能)がある
語学の才能(適性)は実際にあり、外国語の総合力をよく予想します。ただし単語の学習や英作文は、才能では予想しにくい分野でした。
◯ホント英語圏の子どもは、フォニックス(つづりと音のルール)を学ぶと読む力が伸びる
英語圏の子どもでは、つづりと音のルールを順序立てて教えると、読む力が伸びることが多くの実験で確かめられています。
?未決着語学アプリだけで、英語が身につく
アプリで力が伸びたという研究はあります。でも数が少なく規模も小さく、アプリだけで話せるようになるかはわかっていません。
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