英語の常識No.E28
海外ドラマを見るだけで、単語が身につくって、ホント?

読む前に予想この常識、あなたはどう思う?
先に予想してから答えを見ると、記憶に残りやすくなります(予想の効果の記事)。
判定:半分ホント
テレビ番組を1本見るだけでも、単語は身につきます。ただし、何度も出てくる単語や、もともと語彙力のある人ほど有利でした。
半分ホントとは… 条件つきで正しい、または言い過ぎの部分がある常識です。
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英語の本を1冊読んだら、新しい単語がどれだけ身につくか。この問いは、たくさんの研究で調べられてきました。ところが、テレビ番組を1本まるごと見たらどうなるかを調べた研究は、2018年の時点でひとつもなかったといいます。
海外ドラマで英語を学ぼうとする人は多いのに、です。その空白を埋めたのが、ピーターズとウェッブの研究でした。
オランダの学習者が見た1本
2018年、ピーターズとウェッブは、オランダ語を話す英語学習者に、英語のテレビ番組を1本、最初から最後まで見てもらいました。何かの「ついで」に単語が身につくことを、研究では「偶発的な学習」と呼びます。
実験は2つ行われました。1つめでは、見たあとに、単語の形を見分けられるかと、意味を思い出して言えるかを調べました。2つめでは、選択肢の中から正しい意味を選べるかを調べました。
あわせて、どんな単語が身につきやすいのかも調べています。番組の中に何回出てきたか。オランダ語に似た単語かどうか。番組の内容にとって大事な単語かどうか。そして、見る人がもともとどれだけ英単語を知っていたか、です。
身につきやすい単語、身につきやすい人
テレビを見るだけで、単語の意味を思い出したり、選んだりできるレベルの学習が起きていました。1本の番組でも、単語は身につくのです。
ただし、どの単語も同じように身につくわけではありませんでした。結果を左右していたのは、3つです。番組の中に出てくる回数。見る人がもともと持っている語彙力。そして、その単語がオランダ語に似ているかどうか、でした。
出てくる回数が効くのは、本を読む場合と同じです。もともとの語彙力が効くのは、知っている単語が多い人ほど、話の流れがつかめて、知らない単語の意味も推測しやすいからだと考えられます。単語をたくさん知っている人ほど、ドラマからさらに単語を拾える、ということになります。
日本の学習者にとっての「似た単語」
オランダ語と英語には、つづりや音のよく似た単語がたくさんあります。日本語と英語では、そうした単語はほとんどありません。そのぶん、日本の学習者がドラマから単語を拾うのは、オランダの学習者より難しいかもしれません。
ただ、日本語にはカタカナ語があります。英語から入ったカタカナ語は、オランダ語の似た単語と同じように、手がかりになる可能性があります。これは、この研究で確かめられたことではなく、ひとつの見方です。
この研究で見たのは番組1本で、参加したのもオランダの学習者です。日本の学習者が何十本も見続けたらどうなるかは、これからの研究を待つ必要があります。
同じシリーズを見続ける
原田英語のおすすめは、気に入ったシリーズを決めて、続けて見ることです。同じシリーズなら、登場人物も場面も似ているので、同じ単語に何度も出会えます。見る前に基本の単語を固めておくことも、ドラマから拾える単語を増やす近道です。
ドラマを見るだけで単語が身につく、というのは半分だけ本当です。残りの半分は、見る前の語彙力と、同じ単語に何度も会える見方で決まります。
参考文献
Peters E., Webb S. (2018). INCIDENTAL VOCABULARY ACQUISITION THROUGH VIEWING L2 TELEVISION AND FACTORS THAT AFFECT LEARNING. Studies in Second Language Acquisition, 40, 551-577.
doi.org/10.1017/S0272263117000407✓ 実在と内容を確認済み
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