英語の常識No.E25
シャドーイングはリスニング力を伸ばすって、ホント?

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判定:半分ホント
音の聞き取りには効果がありました。ただし、リスニング問題の点が伸びたのは、初級のグループだけでした。
半分ホントとは… 条件つきで正しい、または言い過ぎの部分がある常識です。
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イヤホンから流れる英語を、聞こえたそばから少し遅れて、そのまま口でなぞっていく。影(シャドー)のようについていくので、シャドーイングと呼ばれます。日本の英語の教室や参考書では、すっかりおなじみの練習法です。
2016年、ハマダは論文の題名で、この練習法を「ブームになっている」と書きました。そして、ブームの中で当たり前のように語られてきた話を、ひとつずつ確かめることにしました。
よく聞く2つの話
シャドーイングについて、日本でよく言われてきたことが2つあります。ひとつは、英語が苦手な人ほど効く、という話。もうひとつは、英語の音を聞き分ける力が上がり、そのおかげで話の内容もわかるようになる、という話です。
ハマダによると、1つめの話は研究が足りず、2つめの話はそれを裏づけるデータが足りていませんでした。どちらも、よく言われているわりに、確かめられていなかったのです。
43人、9回の授業
参加したのは、日本の国立大学で英語を学ぶ43人です。それまでの研究で示された手順にそって、英語の教科書を使ったシャドーイングの授業を9回行いました。
授業の前と後には、2つのテストを受けてもらいました。日本の英語の標準テストから取ったリスニング問題22問と、聞いた英語の空所を書き取る20問のテストです。最初のリスニングの成績で、参加者を初級と中級の2つのグループに分けました。
伸びたもの、伸びなかったもの
英語の音を聞き分ける力は、初級と中級のどちらのグループでも伸びていました。ここで言う音とは、英語の L と R のように、単語の意味を分ける一つひとつの音のことです。
ところが、高校レベルのリスニング問題の点が伸びたのは、初級のグループだけでした。中級のグループは、音を聞き分ける力は伸びたのに、問題の点は伸びなかったのです。
ハマダは、シャドーイングは、とくに音を一つひとつ正確にとらえて、単語や文を組み立てていく力を伸ばすのに役立つ、とまとめています。中級の人にとっては、点数の壁が、もう音ではなく、話の中身をつかむほうにあったのかもしれません。
ただし、参加者は43人で、期間も9回の授業だけです。もっと長く続けたら中級の人の点も伸びるのか、といった点は、この研究からはわかりません。
自分の段階で使い分ける
原田英語のおすすめは、まず自分がどこでつまずいているかを確かめることです。英文のスクリプトを見ると簡単なのに、音だけだと聞き取れない。そういう人には、シャドーイングがよく合います。
音はだいたい聞き取れるのに、話の内容が頭に残らないなら、練習を変えます。聞いたあとに内容を日本語や英語で短くまとめる、話の流れを予想しながら聞く、といった練習を組み合わせましょう。
影のようについていく練習は、音の土台を固めてくれます。土台ができたら、次は中身を聞く番です。
参考文献
Hamada Y. (2016). Shadowing: Who benefits and how? Uncovering a booming EFL teaching technique for listening comprehension. Language Teaching Research, 20, 35-52.
doi.org/10.1177/1362168815597504✓ 実在と内容を確認済み
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