英語の常識No.E25

シャドーイングはリスニング力を伸ばすって、ホント?

判定日 読了 約3分音声 3:35文献 1件

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先に予想してから答えを見ると、記憶に残りやすくなります(予想の効果の記事)。

判定:半分ホント

音の聞き取りには効果がありました。ただし、リスニング問題の点が伸びたのは、初級のグループだけでした。

半分ホントとは… 条件つきで正しい、または言い過ぎの部分がある常識です。

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イヤホンから流れる英語を、聞こえたそばから少し遅れて、そのまま口でなぞっていく。影(シャドー)のようについていくので、シャドーイングと呼ばれます。日本の英語の教室や参考書では、すっかりおなじみの練習法です。

2016年、ハマダは論文の題名で、この練習法を「ブームになっている」と書きました。そして、ブームの中で当たり前のように語られてきた話を、ひとつずつ確かめることにしました。

よく聞く2つの話

シャドーイングについて、日本でよく言われてきたことが2つあります。ひとつは、英語が苦手な人ほど効く、という話。もうひとつは、英語の音を聞き分ける力が上がり、そのおかげで話の内容もわかるようになる、という話です。

ハマダによると、1つめの話は研究が足りず、2つめの話はそれを裏づけるデータが足りていませんでした。どちらも、よく言われているわりに、確かめられていなかったのです。

43人、9回の授業

参加したのは、日本の国立大学で英語を学ぶ43人です。それまでの研究で示された手順にそって、英語の教科書を使ったシャドーイングの授業を9回行いました。

授業の前と後には、2つのテストを受けてもらいました。日本の英語の標準テストから取ったリスニング問題22問と、聞いた英語の空所を書き取る20問のテストです。最初のリスニングの成績で、参加者を初級と中級の2つのグループに分けました。

伸びたもの、伸びなかったもの

英語の音を聞き分ける力は、初級と中級のどちらのグループでも伸びていました。ここで言う音とは、英語の L と R のように、単語の意味を分ける一つひとつの音のことです。

ところが、高校レベルのリスニング問題の点が伸びたのは、初級のグループだけでした。中級のグループは、音を聞き分ける力は伸びたのに、問題の点は伸びなかったのです。

ハマダは、シャドーイングは、とくに音を一つひとつ正確にとらえて、単語や文を組み立てていく力を伸ばすのに役立つ、とまとめています。中級の人にとっては、点数の壁が、もう音ではなく、話の中身をつかむほうにあったのかもしれません。

ただし、参加者は43人で、期間も9回の授業だけです。もっと長く続けたら中級の人の点も伸びるのか、といった点は、この研究からはわかりません。

自分の段階で使い分ける

原田英語のおすすめは、まず自分がどこでつまずいているかを確かめることです。英文のスクリプトを見ると簡単なのに、音だけだと聞き取れない。そういう人には、シャドーイングがよく合います。

音はだいたい聞き取れるのに、話の内容が頭に残らないなら、練習を変えます。聞いたあとに内容を日本語や英語で短くまとめる、話の流れを予想しながら聞く、といった練習を組み合わせましょう。

影のようについていく練習は、音の土台を固めてくれます。土台ができたら、次は中身を聞く番です。

参考文献

  1. Hamada Y. (2016). Shadowing: Who benefits and how? Uncovering a booming EFL teaching technique for listening comprehension. Language Teaching Research, 20, 35-52.

文献はCrossrefで書誌を確認し、記事の内容は要旨などと照合しています(判定の方法)。

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