英語の常識No.E23
単語の復習は、間隔を空けると効果的って、ホント?

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先に予想してから答えを見ると、記憶に残りやすくなります(予想の効果の記事)。
判定:ホント
外国語の学習でも、間隔をあけた練習には中から大の効果がありました。長く覚えておきたいなら、間隔は長めがよいようです。
ホントとは… 複数の研究でおおむね支持されている常識です。
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ちょうど1週間後に、英単語の小テストがあるとします。今日20個覚えて、もう1回だけ復習できるとしたら、いつにしますか。今夜でしょうか、明日でしょうか、それともテストの前の晩でしょうか。
多くの人は、テストの直前に詰めこみます。直前にやれば、覚えたばかりの状態でテストを受けられるからです。けれども研究は、少し違う答えを出しています。
48の実験をまとめると
2022年、キムとウェッブは、外国語の学習で「間隔をあけた練習」を調べた48の実験、のべ3,411人分をまとめて分析しました。
比べたのは3つの点です。間隔をあけるか、一気にやるか。間隔は長いほうがいいか、短いほうがいいか。間隔を毎回同じにするか、だんだん広げていくか。
結果、間隔をあけた練習には、中から大の効果がありました。短い間隔は、すぐあとのテストでは長い間隔と同じくらいよい成績でした。ところが、時間をおいたテストでは、長い間隔に負けていました。間隔を同じにするか広げていくかは、統計的に差がありませんでした。
すぐ先のテストだけを見ると、短い間隔でも長い間隔でも同じに見えます。差が出るのは、時間がたってからです。
日本の大学生128人の実験
日本の学習者で、この問題を確かめた実験もあります。2015年、ナカタは、日本の大学生128人に、英語と日本語の単語のペアを20組覚えてもらいました。
変えたのは2つです。ひとつは、復習の間隔を毎回同じにするか、だんだん広げるか。もうひとつは、間隔の長さで、一気にやる、短い、中くらい、長いの4段階でした。
だんだん広げるやり方には、小さいけれど統計的にはっきりした利点がありました。外国語の単語でこの差が見つかったのは、これが初めてだったといいます。ただ、それ以上に大きかったのは、間隔の長さの効果でした。ナカタは、間隔の広げ方より、そもそも間隔をあけることのほうが大きく効くのかもしれない、とまとめています。
本番までの日数で、間隔を決める
では、どのくらいあければいいのでしょうか。2008年、セペダらは、1,350人以上に、あまり知られていない事実を覚えてもらいました。そのあと、最大3か月半の間をおいて復習し、さらに最大1年後に最終テストをしました。
復習までの間隔を長くしていくと、成績は最初は上がり、そこからゆるやかに下がりました。いちばんよい間隔は、最終テストが先になるほど長くなりました。目安は、1週間後のテストなら、その2割から4割の日数。1年後のテストなら、5%から10%の日数です。
計算すると、1週間後のテストなら、復習は1日半から3日弱後。1年後の試験なら、18日から36日後くらいになります。単語ではなく事実の記憶を調べた研究ですが、長い間隔ほどあとで効くという点は、キムとウェッブの結果と同じ向きです。研究者たちは、この結果からすると、多くの教育のやり方はとても効率が悪いことになる、と書いています。
忘れかけたころに、もう一回
原田英語のおすすめは、覚えた翌日に1回、数日後に1回、そのあと1週間ほどあけてもう1回、という復習です。入試のように何か月も先の本番に向けて覚えるなら、そのあとも数週間おきに見直します。間隔を毎回きっちり広げなくても、あけること自体に意味があります。
冒頭の小テストなら、今日覚えて、復習は2日後あたりに。直前にもう一回より、忘れかけたころにもう一回です。
参考文献
Kim S., Webb S. (2022). The Effects of Spaced Practice on Second Language Learning: A Meta‐Analysis. Language Learning, 72, 269-319.
doi.org/10.1111/lang.12479✓ 実在と内容を確認済み
Nakata T. (2015). EFFECTS OF EXPANDING AND EQUAL SPACING ON SECOND LANGUAGE VOCABULARY LEARNING. Studies in Second Language Acquisition, 37, 677-711.
doi.org/10.1017/s0272263114000825✓ 実在と内容を確認済み
Cepeda N. J., Vul E., Rohrer D., Wixted J. T., Pashler H. (2008). Spacing effects in learning: A temporal ridgeline of optimal retention. Psychological Science, 19(11), 1095-1102.
doi.org/10.1111/j.1467-9280.2008.02209.x✓ 実在と内容を確認済み
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