数字でわかるNo.N15
最適な復習間隔は、テストまでの期間の約10〜20%って、ホント?

読む前に予想この常識、あなたはどう思う?
先に予想してから答えを見ると、記憶に残りやすくなります(予想の効果の記事)。
判定:半分ホント
1週間後のテストなら間隔は20〜40%、1年後なら5〜10%。テストが先になるほど、割合は小さくなります。「10〜20%」は、その間のおおまかな目安です。
半分ホントとは… 条件つきで正しい、または言い過ぎの部分がある常識です。
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ヨーロッパで、辛いメキシコ料理をいちばん多く食べる国はどこでしょう。
答えはノルウェー、だそうです。こんな、知っていても役に立ちそうにない雑学を32個、1300人以上に覚えてもらった実験があります。調べたかったのは、雑学そのものではありません。復習のタイミングです。
1354人に、32の雑学
この実験には、下準備がありました。研究チームは先に、実験室で150人を相手に、小さな実験をしています。覚えたのは「スノーゴルフを考えたのは作家のキップリング」のような雑学です。復習までの間隔を10分から6か月まで変え、半年後にテストをすると、1か月あけて復習した人の成績がいちばんよくなりました。
これを、もっと大きな規模で確かめたのが本番の実験です。
2008年、セペダ、ヴァル、ローラー、ウィクステッド、パシュラーの5人は、インターネットで参加者を集めて、大がかりな実験をしました。最後まで参加したのは1354人。平均年齢は34歳で、18歳から72歳までいました。
実験は3回に分かれています。1回目は、32の雑学を、全部1回ずつ正しく答えられるまで学びます。2回目は、決められた間隔をあけてから、もう一度復習します。そして、2回目からさらに決められた期間をあけて、最終テストを受けます。最終テストでは、答えを自分で思い出す問題と、5つの選択肢から選ぶ問題を解きました。
1回目と2回目の間隔は、0日から105日まで。2回目から最終テストまでは、7日、35日、70日、350日の4通りです。これを組み合わせて26の条件を作り、参加者を振り分けました。復習にかける時間は、どの条件でも同じにそろえてあります。
間隔が短すぎても、長すぎてもだめ
結果は、どのテスト時期でも同じ形になりました。復習までの間隔を広げると、最終テストの成績はまず上がり、ある点を過ぎるとゆっくり下がっていくのです。
いちばん成績がよくなる間隔は、テストが先になるほど長くなりました。答えを自分で思い出すテストで計算してみます。最終テストが7日後なら、最適な間隔は約3日。35日後なら約8日、70日後なら約12日、350日後なら約27日です。
効果の大きさも、無視できないものでした。比べる相手は、間隔0日、つまり続けてすぐ復習した場合です。いちばんよい間隔で復習すると、最終テストの成績は、70日後のテストで111%、350日後のテストで77%も上がりました。勉強した時間は同じなのに、です。
「10〜20%」は、どこから来たか
では、よく聞く「テストまでの期間の10〜20%」という目安は、正しいのでしょうか。
最適な間隔を、テストまでの期間に対する割合で見てみましょう。7日後のテストでは43%、35日後では23%、70日後では17%、350日後では8%でした。論文の要約では、1週間後のテストなら20〜40%、1年後なら5〜10%とまとめています。
つまり、割合は一定ではありません。テストが先になるほど、割合は小さくなっていきます。「10〜20%」は、1か月から数か月先のテストのあたりにだけ当てはまる、おおまかな数字だと考えるのがよさそうです。
研究チームは、これをもっと短く言っています。最適な学習の配分を知りたければ、まず、どれくらい長く覚えておきたいのかを決めなさい、と。
入試までの1年をどう使うか
研究チームは、数年にわたって覚えておきたいなら、数か月あけた復習が、時間に見合う大きな見返りをもたらしそうだとも書いています。反対に、短い期間につめこんだ勉強は、その場ではよくできたように見えても、長くは残らない、と警告しています。
原田英語のおすすめは、テストの日から逆算して復習の日を決めることです。1か月後の定期テストなら、1週間ほどあけて復習する。1年後の入試なら、1か月前後あけて、もう一度出会い直す。前の日にまとめて見直すより、ずっと実りのある時間の使い方です。
参考文献
Cepeda N., Vul E., Rohrer D., Wixted J., Pashler H. (2008). Spacing Effects in Learning. Psychological Science, 19, 1095-1102.
doi.org/10.1111/j.1467-9280.2008.02209.x✓ 実在と内容を確認済み
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