英語の常識No.E35
英語への不安(苦手意識)は、成績とは関係ないって、ホント?

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先に予想してから答えを見ると、記憶に残りやすくなります(予想の効果の記事)。
判定:ウソ
約2万人分のデータをまとめた分析で、英語への不安と成績には、中くらいのマイナスの関係がありました。
ウソとは… 研究の結果、この常識は支持されません。逆効果のこともあります。
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英語の授業中、先生の目がこちらに向く。当てられそうな気配がする。心臓がどきどきして、頭の中が白くなり、わかっていたはずの単語が出てこない。そんな場面に覚えがある人もいるでしょう。
こうした不安は、ただの気の持ちようなのでしょうか。それとも、英語の成績にまで関わってくるのでしょうか。
外国語の教室の不安に、名前がついた
1986年、ホーウィッツらは、外国語の教室で感じる不安を、ひとつの独立したものとしてとらえる考えを示しました。特定の場面で起きる不安についてのそれまでの研究とつなげながら、外国語の学習に特有の不安として位置づけたのです。そして、この不安が学習にどう影響するのか、教える側はどうすればよいのかを論じました。
その後、外国語の不安と成績の関係を調べる研究は、世界のあちこちで行われてきました。
23か国、約2万人のデータ
2019年、テイムーリ、ゲッツェ、プロンスキーの3人は、そうした研究を集めて、まとめて分析しました。集まったのは97の報告で、23か国、のべ19,933人分のデータです。
結果、外国語の不安と成績のあいだには、平均してマイナス0.36の相関がありました。相関とは、2つのものが一緒に動く度合いで、マイナスは「一方が高いほど、もう一方が低い」ことを表します。つまり、不安が強い人ほど、成績が低い傾向がありました。0.36は、中くらいの強さです。
この関係の強さは、いくつかの条件で変わっていました。成績をどんな方法で測ったか、学校の段階、学んでいる言語、そして不安の種類です。研究者たちは、この結果を、外国語の不安が学習にマイナスに働くことを示すしっかりした証拠だ、と述べています。
相関だけでは、原因はわからない
ただし、相関は「どちらが原因か」までは教えてくれません。不安が強いから成績が下がるのかもしれません。成績が悪いから不安になるのかもしれません。その両方が、ぐるぐると回っているのかもしれません。
また、相関が0.36だとすると、成績のばらつきのうち、不安と重なっている部分は1割あまりと計算できます。不安と成績には確かな関係がありますが、成績を決めるのは不安だけではありません。
「英語への不安は、成績とは関係ない」という考えは、この分析とは合いません。かといって、不安さえなくせば成績が上がる、とまでは言えないのです。
不安を小さくする工夫
原田英語のおすすめは、不安を「気持ちの問題」として片づけないことです。発表の前には、言う内容を書き出して、声に出して何度か練習しておく。最初は、少人数や、仲のいい相手と話す練習から始める。うまく言えた経験を、少しずつ積み重ねていきます。
教える側にできることもあります。間違えても笑われない、間違えるのが当たり前だという雰囲気をつくることです。
どきどきするのは、英語の才能がないからとは限りません。不安と成績は、たがいに影響し合っている可能性があります。小さな成功で不安を減らせば、その循環を、よい向きに回せるかもしれません。
参考文献
Teimouri Y., Goetze J., Plonsky L. (2019). SECOND LANGUAGE ANXIETY AND ACHIEVEMENT. Studies in Second Language Acquisition, 41, 363-387.
doi.org/10.1017/S0272263118000311✓ 実在と内容を確認済み
Horwitz E. K., Horwitz M. B., Cope J. (1986). Foreign Language Classroom Anxiety. The Modern Language Journal, 70(2), 125-132.
doi.org/10.1111/j.1540-4781.1986.tb05256.x✓ 実在と内容を確認済み
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