英語の常識No.E52
語学アプリだけで、英語が身につくって、ホント?

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先に予想してから答えを見ると、記憶に残りやすくなります(予想の効果の記事)。
判定:まだ決着していない
アプリで力が伸びたという研究はあります。でも数が少なく規模も小さく、アプリだけで話せるようになるかはわかっていません。
まだ決着していないとは… 研究結果が割れていて、まだ結論が出ていない常識です。
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朝の電車で、スマートフォンの語学アプリを開いて5分。正解すると軽い効果音が鳴り、連続で学習した日数が1日増える。こうした習慣を続けている人は、少なくないでしょう。手軽で、楽しくて、毎日続けやすい。では、これだけで英語は身につくのでしょうか。
9人の1学期
アプリの効果を調べた研究は、意外なほど多くありません。2019年、アメリカのローウェンらは、そのことを論文の冒頭で指摘しています。アプリ会社が依頼した研究では良い結果が出ていました。一方で、会社と関係のない研究は限られていて、続けにくさや、やる気、効果に疑問を投げかけるものもありました。
ローウェンらが追いかけたのは、Duolingo でトルコ語を学んだ9人です。期間は大学の1学期分でした。
学期の終わりには、9人の言語テストの成績が伸びていました。アプリに使った時間が長い人ほど、伸びも大きい傾向がありました。
参加者の感想も集めています。いつでもどこでも学べる手軽さや、ゲームのような楽しさは好評でした。その一方で、やる気には波があり、教材に不満を感じたという声も出ました。
2つのアプリを比べたら
2025年、ケスラーとローウェンらは、規模を広げました。大人59人に、8週間トルコ語を学んでもらったのです。27人は Babbel、32人は Duolingo を使いました。2つのアプリを直接比べた研究は、それまでなかったといいます。
8週間後、読む、書く、話す、聞く、単語、文法の力をテストしました。どちらのグループも伸びていましたが、2つのアプリの間に、伸びの大きさのはっきりした差はありませんでした。
違いが見えたのは、別のところです。Babbel のグループでは、学習時間とテストの点数の結びつきが、より強く出ました。Babbel を使った人は、文法、話すことと発音、文化を学ぶ点で、自分のアプリのほうが役立つと感じていました。
まだわかっていないこと
2つの研究から、アプリでも力は伸びる、とは言えそうです。けれども、わからないことのほうが多いのが現状です。
どちらの研究も、学んだのは英語ではなくトルコ語でした。人数は9人と59人で、期間も1学期と8週間です。そして、アプリを使わずに学んだ人との比較はありません。アプリで伸びたぶんが、ほかの方法より多いのか少ないのかは、この2つの研究からはわからないのです。アプリだけで話せるようになるかどうかは、まだ決着していません。
アプリにまかせる部分、まかせない部分
アプリが得意なのは、毎日少しずつ続ける仕組みを作ることです。ローウェンらの研究でも、使った時間が長い人ほど伸びていました。まずは毎日続けることが、出発点になります。
原田英語のおすすめは、アプリを毎日の習慣づくりに使い、それとは別に、話す時間と書く時間をとることです。アプリで覚えた表現を、自分のことに置きかえて声に出す。短い日記を英語で書いてみる。アプリの外で使ってはじめて、覚えた言葉が自分のものになっていきます。
参考文献
Loewen S., Crowther D., Isbell D., Kim K., Maloney J., Miller Z., Rawal H. (2019). Mobile-assisted language learning: A Duolingo case study. ReCALL, 31, 293-311.
doi.org/10.1017/s0958344019000065✓ 実在と内容を確認済み
Kessler M., Loewen S., Gönülal T. (2025). Mobile-assisted language learning with Babbel and Duolingo: comparing L2 learning gains and user experience. Computer Assisted Language Learning, 38, 690-714.
doi.org/10.1080/09588221.2023.2215294✓ 実在と内容を確認済み
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