英語の常識No.E50
語学には、向き不向き(才能)があるって、ホント?

読む前に予想この常識、あなたはどう思う?
先に予想してから答えを見ると、記憶に残りやすくなります(予想の効果の記事)。
判定:ホント
語学の才能(適性)は実際にあり、外国語の総合力をよく予想します。ただし単語の学習や英作文は、才能では予想しにくい分野でした。
ホントとは… 複数の研究でおおむね支持されている常識です。
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最初に、少しがっかりするかもしれない話をします。語学の才能は、あります。
同じ授業を受け、同じくらい勉強しているのに、すいすい伸びていく人がいる。そう感じたことがある人の感覚は、まちがっていません。ただし、話には続きがあります。
50年分、1万3000人
外国語を学ぶ素質のことを、研究者のあいだでは「言語適性」と呼びます。言語適性を測るテストは、何十年も前から作られてきました。けれども、そのテストが測っているものは本当に意味のある力なのか、ほかの力とどう違うのかは、はっきりしない点が残っていました。
2016年、リーはこの問いに、過去50年分の研究をまとめて答えようとしました。集めたのは66の研究、109のグループ、合わせて1万3035人の外国語学習者のデータです。
まず、本格的な長さの適性テストの点数は、外国語の総合的な力を強く予想していました。適性が高い人ほど、外国語がよくできる傾向がはっきりあったのです。
やる気とも、頭のよさとも違う力
では、適性は「やる気」や「頭のよさ」の言いかえにすぎないのでしょうか。分析の答えは、違うというものでした。
適性は、やる気とは別の力でした。知能とは一部が重なるものの、区別できる力でした。また、適性が高い人ほど、外国語への不安が低い傾向がありました。
記憶の力との関係も調べられています。聞いた音をそのまま短く覚えておく力よりも、頭の中に情報を置いたまま、同時に処理する力のほうが、適性と強く結びついていました。
才能が効きにくい分野
ここからが、話の続きです。適性テストの点数は、外国語の総合力はよく予想しました。ところが、単語の学習と英作文については、予想する力が低かったのです。
さらに、適性のどの部分が効くかは、学ぶ内容によって違っていました。適性は1つのかたまりではなく、いくつかの力の組み合わせで、どの力がものをいうかは分野ごとに変わる、ということです。
単語を何個覚えたか、英語でどれだけ書けるようになったか。こうした力は、生まれ持った素質よりも、どれだけ時間をかけて取り組んだかの影響を受けやすいのかもしれません。少なくとも、適性テストの点数だけでは、ほとんど決まらない分野だということです。
センスの差を、どこで埋めるか
才能の差は、たしかにあります。でもそれは、外国語のすべてを決めるわけではありません。
原田英語のおすすめは、「センスがない」と感じている人ほど、単語から積み上げることです。単語は、才能の影響が比較的小さい分野でした。毎日少しずつ覚え、間をあけて復習する。才能の差が出にくい場所で、地道に力をためていくやり方です。才能の話は、あきらめる理由ではなく、どこから始めるかを決める手がかりになります。
参考文献
Li S. (2016). The construct validity of language aptitude. Studies in Second Language Acquisition, 38, 801-842.
doi.org/10.1017/s027226311500042x✓ 実在と内容を確認済み
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