英語の常識No.E08
大人になってから学ぶと、訛りが残るって、ホント?

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判定:ホント
英語を学び始めた年齢が遅いほど、訛りは強く聞こえる傾向があります。子どものうちに始めた人でも、訛りが残ることは珍しくありません。
ホントとは… 複数の研究でおおむね支持されている常識です。
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日本語がとても上手な外国の人と話していて、「この人は日本で育ったわけではないな」と気づくことがあります。文法も語彙も完ぺきなのに、どこか音が違う。その違いに気づくまで、それほど時間はかからないのではないでしょうか。
英語でも同じことが起きます。では、何歳までに英語を始めれば、母語話者と同じように聞こえるのでしょうか。
平均32年カナダに住んだ240人
1995年、フレージ、マンロー、マッケイの3人は、カナダに住むイタリア語を母語とする240人の英語を調べました。全員がカナダで英語を学び始めた人たちで、始めた年齢は2歳から23歳までさまざまです。カナダに住んで平均32年。英語は毎日の暮らしの言葉になっています。
参加者が読み上げた英文を、英語を母語とする聞き手10人が聞き、どのくらい外国語の訛りがあるかを点数で評価しました。比べるために、英語を母語とする人たちの英文もまぜてあります。
結果は、タイトルのとおりでした。英語を学び始めた年齢が遅い人ほど、訛りが強いと評価される傾向がありました。15歳を過ぎてから学び始めた人で、母語話者と同じ範囲の評価を受けた人は、ごくわずかでした。
訛りは、思春期よりずっと前から
では、子どものうちに始めた人たちはどうだったのでしょうか。言葉を身につけるには思春期までが勝負、という考え方があります。ところが、思春期よりずっと前に英語を学び始めた人でも、訛りが聞き取られる人が多くいました。
研究者たちは、聞き手ごとに「何歳から始めた人で訛りが聞こえ始めるか」を推定しました。その年齢は聞き手によって3.1歳から11.6歳まで幅があり、平均は7.4歳でした。耳の鋭い聞き手にとっては、小学校に入る前に英語を始めた人の英語にも、かすかな訛りが聞こえていたことになります。平均的な聞き手で見ても、7歳ごろより後に英語を始めた人の英語には、訛りが聞き取られていました。
年齢だけでは決まらない
とはいえ、訛りの強さは年齢だけで決まるわけではありません。訛りの評価のばらつきのうち、学び始めた年齢で説明できたのは、平均して59%でした。ふだんどの言葉をどれくらい使っているかといった要因で、さらに15%が説明できました。性別も、訛りの強さに関係していました。
言いかえると、年齢がいちばん大きな要因ではあるものの、それ以外の要因も確かに関わっている、ということです。
ただし、この研究で調べたのは、カナダに住むイタリア語話者です。日本語を母語とする人が、日本で英語を学ぶ場合に、同じ数字がそのまま当てはまるとは限りません。それでも、大人になってから学ぶと訛りが残りやすい、という大きな傾向は、判定のとおり「ホント」と言ってよいでしょう。
訛りは、努力不足のしるしではない
カナダに30年以上住み、毎日英語を使っている人たちでさえ、多くは訛りが残っていました。日本で英語を学ぶ人に訛りがあるのは、ごく自然なことです。努力が足りないせいだと自分を責める必要はありません。
原田英語のおすすめは、目標を「訛りをなくすこと」から「相手にはっきり伝わること」に切り替えることです。訛りがあっても、聞き取りやすい英語を話すことはできます。単語の強く読むところを正しく強く読む、語尾を飲みこまずに言い切る、早口になりすぎない。こうした点を意識するほうが、訛りを消そうと苦労するより、会話ではずっと役に立ちます。
自分の英語がどこで伝わりにくいかを知るには、録音して、先生や友だちに聞いてもらうのが手軽です。聞き返された単語、別の単語にまちがえられた単語をメモしておきましょう。伝わらなかった単語こそ、発音を直す価値のある単語です。全部の音を母語話者に近づけようとするより、そこから手をつけるほうが、練習の時間をむだにしません。
訛りは、その人がどこから来て、どんな言葉と生きてきたかを伝える音でもあります。消すことより、伝えることを目指しましょう。
参考文献
Flege J., Munro M., MacKay I. (1995). Factors affecting strength of perceived foreign accent in a second language. The Journal of the Acoustical Society of America, 97, 3125-3134.
doi.org/10.1121/1.413041✓ 実在と内容を確認済み
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