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2026年10月28日(水)

「駅で、発車のたびに音楽が鳴るの?」

ベルの代わりに生まれた、短い合図の曲

東京の駅のホームで、ドアが閉まる直前に短い曲が流れると、スマートフォンで録音する旅行者もいます。日本人には聞き慣れた「発車メロディー」ですが、駅で毎回音楽が鳴ること自体が、海外では珍しいようです。ベルで済むはずの合図を、なぜわざわざ曲にしたのでしょうか。

「駅で、発車のたびに音楽が鳴るの?」 — ベルの代わりに生まれた、短い合図の曲

「もうすぐ出ます」の合図

発車メロディーは、ホームにいる人に「この電車はもうすぐ出発します」と知らせる合図です。駅員や車掌の操作で流れ、曲が終わるころにドアが閉まります。長さは駅によって違いますが、都市部の駅では10秒ほどまでの短い曲が多く使われています。

山手線のような路線では、電車が数分おきに来ます。ホームには次々と人が入ってくるので、「いまの電車に乗るか、次を待つか」をすぐに決められる合図が欠かせないのです。

広まるきっかけは1989年

発車の合図は、もともと「ジリリリ」と鳴るベルでした。1912年に上野駅で使われ始めたとされます。ところが、大きな駅でベルが鳴り続けると耳ざわりなうえ、急かされた人がドアに駆け込むもとにもなると言われていました。

そこで1989年、JR山手線の新宿駅と渋谷駅で、ベルの代わりに柔らかい音色の曲が使われ始めました。国鉄の民営化から2年後のことです。それ以前にも曲を流す駅はありましたが、これをきっかけに全国の駅に広がり、いまではホームごとに違う曲を流す駅もあります。

曲が駅の名刺になる

地元にゆかりのある曲を流す駅もあります。山手線の高田馬場駅では、2003年から『鉄腕アトム』の主題歌が流れています。作品の中でアトムが生まれた場所が高田馬場とされ、手塚治虫の作品を手がける手塚プロダクションもこの町にあるためです。恵比寿駅では、ビールのCMで知られた映画『第三の男』の曲が流れます。

旅行者にとっては、どの駅にいるかを耳で覚える手がかりにもなります。曲を録音して集める愛好家もいて、駅のメロディーが変わると話題になることもあります。

それでも走る人はいる

ただ、曲にしたからといって、駆け込み乗車がなくなったわけではありません。メロディーが聞こえると階段を駆け上がる人はいまもいて、駅では「駆け込み乗車はおやめください」という放送がくり返されています。

発車メロディーは「急いで」の合図ではなく、「もうすぐ閉まります」のお知らせです。鳴り始めていたら、次の電車を待つのがいちばん安全です。数分待てば、次が来ます。

英語で言うと

That short tune means the doors are about to close. Stations in Japan used to ring a loud bell, but in 1989 Shinjuku and Shibuya on the Yamanote Line switched to soft melodies, and the idea spread across the country. Some stations even play a local song, like the Astro Boy theme at Takadanobaba. Still, the music isn't telling you to run. If it's already playing, just wait for the next train.

あの短い曲は、もうすぐドアが閉まるという合図です。日本の駅では以前は大きな音のベルが鳴っていましたが、1989年に山手線の新宿駅と渋谷駅が柔らかいメロディーに切り替え、それが全国に広がりました。高田馬場駅の『鉄腕アトム』のように、地元にゆかりのある曲を流す駅もあります。ただし、曲は「走れ」という意味ではありません。もう鳴っていたら、次の電車を待ちましょう。

このコラムから、使えるフレーズ

  • The doors usually close right after the music ends.
    たいてい、曲が終わるとすぐにドアが閉まります。
  • Each platform may play a different tune.
    ホームごとに曲が違うこともあります。
  • This station plays the theme song from Astro Boy.
    この駅では『鉄腕アトム』の主題歌が流れるんです。
  • It used to be a loud bell.
    昔は大きな音のベルでした。
  • Don't rush. Another train will come in a few minutes.
    急がなくて大丈夫。数分で次の電車が来ますよ。

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