2026年10月27日(火)
「日本の本、なんで後ろから開くの?」
縦書きと「右開き」、本の向きの話
日本の小説や漫画を手に取った外国人が、よく首をかしげます。表紙だと思って開いた側が、最後のページだったからです。「なんで後ろから読むの?」と聞かれたら、答えは一言、縦書きだからです。
行が右から左へ進む
縦書きでは、1行を上から下へ読み、次の行はその左に続きます。文章が右から左へ進むので、本は右側で綴じられ、読み進めるほど左のページへと進んでいきます。英語の本とは、綴じる側も開く向きも逆です。
出版の世界では、これを「右開き」や「右綴じ」と呼びます。横書きの本は英語と同じ「左開き」なので、日本の本屋には、開く向きが逆の本が同じ棚に並んでいます。外国人が「後ろから開く」と感じるのは、英語の本の感覚で見ているからです。
いまも縦書きは多い
日本語は縦にも横にも書ける言葉で、いまは両方が使われています。メールやウェブサイト、仕事の書類の多くは横書きですが、新聞や小説、国語の教科書の多くは縦書きです。数学や理科の教科書は横書きなので、子どもは教科によって向きを変えて読んでいます。
文化庁が2026年10月に公表した「国語に関する世論調査」では、日常生活で縦書きの文字を読んだり書いたりする機会が「よくある」「時々ある」と答えた人が、合わせて67.3%でした。16〜19歳では8割近くと、ほかの年代より高くなっています。縦書きにふれる場として最も多く挙がったのは、紙の本と辞書でした。
漫画も右から左へ
日本の漫画も右開きです。ページの中のコマは右上から左下へ進み、吹き出しのセリフも縦書きです。初めて日本の漫画を読む人は、どのコマから読めばいいのか迷うことがあります。
英語に訳した漫画は、かつては絵を左右反転させ、英語の本と同じ左開きにして出すことがよくありました。しかし反転させると、登場人物の利き手が逆になるなど、絵が元と変わってしまいます。いまは日本と同じ右開きのまま出す形が一般的で、左側から開いた読者に向けて、読む向きを知らせるページを入れた本もあります。
英語で説明するときは
英語で説明するときは、「後ろから読む」と言わないほうが誤解を生みません。日本の本にとっては、そちらが前だからです。「綴じてあるのが右側」「行が右から左へ進む」と言えば、仕組みとして伝わります。
英語で言うと
Japanese books aren't read from the back — they just open from the other side. When Japanese is written vertically, each line goes from top to bottom and the lines move from right to left, so the book is bound on the right. Japanese is also written horizontally, and people switch between the two every day, but novels, newspapers and manga are still mostly vertical.
日本の本は後ろから読むのではなく、開く側が逆なだけです。日本語を縦に書くと、1行は上から下へ、行は右から左へ進むので、本は右側で綴じられます。日本語は横にも書き、毎日両方を使い分けていますが、小説や新聞、漫画はいまも多くが縦書きです。
このコラムから、使えるフレーズ
- This book opens from the right.この本は右側から開きます。
- Start at the top right and read down.右上から始めて、下へ読んでください。
- Japanese can be written vertically or horizontally.日本語は縦にも横にも書けるんです。
- In manga, the panels go from right to left.漫画では、コマは右から左へ進みます。
- It's not the back. In Japan, this is the front cover.裏じゃないんです。日本ではこっちが表紙なんです。