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各教科の変更点

算数・数学はこう変わる

小中高で目標・分野をそろえ、高校は数学ABCを統合し数学Ⅰに新内容を加える案

更新:2026年11月4日出典:審議まとめ P162〜P179
もくじ(13項目)
  1. ひとことで言うと
  2. 校種ごとに、やさしく解説
  3. 小・中・高で10秒
  4. 算数・数学の指導案(試案)
  5. 算数・数学の授業アイデア(次期を先取り)
  6. 主な変更点(審議まとめより)
  7. 今からできる準備
  8. 算数・数学とAI
  9. 現行⇔次期 新旧比較
  10. 高校の科目構成
  11. 授業時数・単位
  12. 校種ごとのページ・図解アニメ
  13. ほかの教科も見る

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ひとことで言うと

ひとことで言うと

小中高を6つの分野でつなぎ、証明と批判的思考を育てる

  1. 小・中・高で教科の目標と「見方・考え方」の言葉をそろえ、学習内容を共通の6つの「分野」で整理する方向です。批判的に考える力や、証明などの論理的な学習を重視するとしています。
  2. 中学校と高校に、数学の全体像や社会・仕事とのつながりを学ぶ「数学ガイダンス」を新しく設ける方向。高校では必履修の数学Ⅰに「社会を読み解く数学」を加え、数学A・B・Cを1つの新科目にまとめる案です。
  3. 割合・比・分数のつまずき対策、教科書内容の精選、学年をこえた学び直しなど、だれもが「わかる」「できる」と感じられるための工夫を進めるとしています。

校種ごとに、やさしく解説

小学校 算数はどう変わる?

やさしく言うと算数は、小・中・高で目標と見方・考え方をそろえる方向です。学習内容は共通の6つの「分野」で整理する案です。割合・比・分数など、つまずきやすい内容は、内容や順序の見直しを検討するとされています。中学校の証明につながる「論理的に説明する活動」も充実する方向です。算数の公式の英語表記は「Mathematics」に改めるとされています。

  1. 割合・比・分数の内容と順序を見直す

    割合・比・分数などは、理解が難しく、身に付いていない子が相当数いるとされています。そこで、確実に身に付くよう、学習内容や並べ方の改善を検討する方向です。帯分数のような「足掛かり」の事項も、本当に必要か点検するとしています。 P165P167P171

    教室では、たとえば:割合の単元の前に、かけ算・わり算の意味が分かっているかを短い問題で確かめてから入る。そんな確認が方向に沿う一例です。

  2. 「なぜそうなるか」を説明する活動

    中学校・高校の証明(論証)につながる、論理的に説明する活動を充実する方向です。速さや割合の「みはじ」「くもわ」のような覚え方だけでは、かえって理解を妨げかねないとしています。最後は意味の理解を伴うことが欠かせないとしています。 P164P171

    教室では、たとえば:速さの問題で、図や数直線を使って「なぜこの式になるか」をペアで説明し合う時間をとる。そんな授業が考えられます。

  3. 小中高で共通の6つの分野

    小学校の算数から高校の数学Ⅰまでを、共通する6つの「分野」で整理する案です。数と式、図形、変化と関係、データと確からしさ、論証、社会を読み解く数学の6つです。小中高の目線を合わせ、学びをつなぐことがねらいとされています。 P166P167

    教室では、たとえば:今の単元が6つの分野のどれに当たり、中学校のどの学習につながるかを、単元の初めに子供と確かめる。そんな工夫が一例です。

  4. 学び直しの時間をつくる

    学年の区分は残しつつ、学校の判断で指導時期を前倒し・後ろ倒しできる方向です。まとまった時間をつくり、定着に課題がある単元を学び直せるとしています。分散学習など、認知心理学の知見をふまえた指導も有効とされています。 P174P175

    教室では、たとえば:以前の単元の問題を、間をあけて朝の時間や授業の冒頭に少しずつ解き直す。そうした分散学習の取り入れ方が考えられます。

中学校 数学はどう変わる?

やさしく言うと中学校の数学は、「数学ガイダンス」を新しく設ける方向です。数学の全体の見取り図や、数学と社会・職業のつながりを学ぶ内容です。論理的・批判的に考える力(クリティカル・シンキング)のため、証明などの学習も充実する方向です。内容は小学校から高校の数学Ⅰまで、共通の6つの分野で整理する案です。学年をこえた学び直しもしやすくする方向です。

  1. 「数学ガイダンス」を新設

    数学の学習内容のつながりや、社会・職業との関係が十分理解されていないとされています。そこで中学校と高校に「数学ガイダンス」を新しく設ける方向です。中学校では、小学校とのつながりや、数学が日常生活や社会を支えることなどを扱うとされています。 P167P171

    教室では、たとえば:入学後の「数学開き」で、小学校で学んだことが中学校の3年間でどう広がるかを地図のように示す。そんな授業が考えられます。

  2. 証明(論証)の学習を充実

    推論や証明など、論理的に考えて説明する学習を苦手とする生徒が多い状況が続いているとされています。そこで、基本的な概念の理解や計算技能の習得を図りつつ、推論や証明に関わる学習を充実する方向です。「論証」は6つの分野の一つに位置付けられる案です。 P165P167P171

    教室では、たとえば:証明を書く前に、結論から逆にたどって「何が言えればよいか」を口頭で説明し合う。そんな段階を入れる授業が一例です。

  3. 読んで理解し、説明する学習

    全国調査では、家庭の経済的な背景の影響が見られたとされています。一方、「文字式や証明を読んで理解する」「説明活動をする」の両方に取り組んだ生徒は正答率が高い結果も示されました。こうした学習の大切さを解説で示すべきとしています。 P176P177

    教室では、たとえば:教科書の証明を読み、根拠になっている性質に線を引いて、隣の人に説明する。そんな短い活動を毎時間入れる工夫が考えられます。

  4. 帰納と演繹をバランスよく

    具体的な事象から問題を見つけさせる帰納的な指導があります。まず教師が原理を教える演繹的な指導もあります。実態に応じて使い分けることが必要とされています。「間違っても良い」と言える心理的安全性を確保することも有効とされています。 P174

    教室では、たとえば:新しい性質は教師が要点を示し、その後の問題では「なぜそう言えるか」を生徒が探る。そんな使い分けが考えられます。

高校 数学はどう変わる?

やさしく言うと高校の数学は、科目の組み立てが変わる案です。必履修の数学Ⅰに「数学ガイダンス」と「社会を読み解く数学」を新しく入れる方向です。そのため数学Ⅰは最大8新単位程度とし、数学Ⅱは6新単位に減らす案です。数学A・B・Cは一つの新しい選択科目にまとめる案です。新科目の名前は「数理活用」などが例としてあげられ、まだ決まっていません。

  1. 数学Ⅰに「社会を読み解く数学」

    数学Ⅰだけで卒業する生徒にも大切な内容として、「社会を読み解く数学」を新設する案です。実社会の場面をもとに、場合の数と確率、統計的な推測、行列、数列の基礎を学びます。数学ガイダンスも数学Ⅰに置き、単位数は最大8新単位程度とする案です。 P80P81P167P172

    教室では、たとえば:スマートフォンの料金プランやくじの期待値など、身近な場面を数理モデルで比べる授業。そんな学びが方向に沿う例として考えられます。

  2. 数学A・B・Cを一つの新科目に

    数学A・B・Cの区分をなくし、内容を選べる一つの新しい選択科目にまとめる案です(2〜12新単位)。内容は場合の数と確率、統計的な推測、行列、数列、幾何ベクトル、複素数と複素数平面に整理します。名前は「数理活用」などが例とされています。 P80P167P172

    教室では、たとえば:文系志望の生徒にも統計と行列を選ばせるなど、進路に合わせて内容を組み合わせた履修モデルを校内で試しに作る。そんな準備が考えられます。

  3. 数学Ⅱは減らして総量はそのまま

    数学Ⅰが増える分、数学全体の学習量が増えないよう調整する方向です。選択科目の内容を他の科目へ移したり、しぼったりします。数学Ⅱは6新単位(今の3単位分)に減らす案です。数学Ⅰ→Ⅱ→Ⅲの順序は今どおり維持するとされています。 P80P81P171P172

    教室では、たとえば:数学Ⅱの年間計画で、他科目へ移る可能性のある単元に印をつけ、時間配分を見直す準備をしておく。そんな対応が一例です。

  4. 外部試験で数学Ⅰの免除も

    信頼できる外部試験で、数学Ⅰより上の級(数学Ⅱ・B相当など)に合格した生徒が対象です。学校などの判断で数学Ⅰの履修を免除できる方向です。代わりに発展的な学校設定科目などを学びます。入試対策の早修に濫用するのは極めて不適切とされています。 P175P176

    教室では、たとえば:才能のある生徒のために、数学Ⅰの時間に発展的な課題研究を行う学校設定科目の案を考えておく。そんな検討が考えられます。

小・中・高で10秒

小学校割合・比・分数の内容と順序を見直し。証明につながる「論理的に説明する活動」を充実
中学校数学の全体像や社会とのつながりを学ぶ「数学ガイダンス(仮称)」を新設する案。証明も充実
高校数学Ⅰに「社会を読み解く数学」等を加え最大8新単位程度に。数A・B・Cは1科目に統合する案
高校の科目数A・B・Cを1科目に統合。数Ⅰ増・数Ⅱ減

算数・数学の指導案(試案)

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算数・数学の授業アイデア(次期を先取り)

主な変更点(審議まとめより)

高 高校の数学A・B・Cを1つの新科目に統合する案

これまで別々の科目(教科書も評価も別)だった数学A・B・Cを、1つの新しい選択科目にまとめる案です。中身は「場合の数と確率」「統計的な推測」「行列」「数列」「幾何ベクトル」「複素数と複素数平面」の6つに整理し、生徒が進路や興味に合わせて必要な内容を選びやすくなります。科目名は「数理活用」などの案が検討中で、表では「数理活用(仮称)」2〜12新単位とされています。学校単独で開設が難しい場合は、県内の複数校で遠隔授業を分担する工夫も例示されています。 P166P171P172P80P82

高 数学Ⅰに「社会を読み解く数学」を新設する案、単位数は数学Ⅰ増・数学Ⅱ減

全員が学ぶ数学Ⅰに、実社会の場面をもとに「場合の数と確率」「統計的な推測」「行列」「数列」の基礎を学ぶ「社会を読み解く数学」を新設する案です(例:数理モデル、等比数列と漸化式、確率と期待値など)。これと「数学ガイダンス」の追加で、数学Ⅰは現行3単位から最大8新単位程度に増える見込みです。数学全体の量が増えないよう、数学Ⅱ(現4単位)は6新単位(3単位)に減らし、内容の移行や精選を行う案です。新科目で4つの内容をすべて選んで学ぶなど条件を満たす場合は、数学Ⅰの相当分を減らせる案です。 P166P172P81P82

中高 中学校・高校に「数学ガイダンス」を新設する方向

学習内容どうしのつながりや、数学と社会・仕事の関係が見えにくいという課題から、数学全体の「見取り図」と社会・職業とのつながりを学ぶ「数学ガイダンス」を中学校と高校(数学Ⅰの中)に新しく設ける方向です。中学校では小学校からの接続や数学が日常生活・社会を支えること、高校では中学校からの接続や数学が職業生活を支えることなどを扱うとしています。総授業時数を増やさないことが前提で、入学時の「数学開き」の実践も参考にし、体験的な活動で楽しさや好奇心を引き出す内容を検討します。 P167P171

全校種 証明・論理的な説明の学習を小中高で強化(「論証」分野)

変化が激しい社会では、筋道立てて批判的に考える力(クリティカル・シンキング)が欠かせないとして、中学・高校で数学的推論や証明に関する学習を充実する方向です。小学校でも、中・高の証明につながる「論理的に説明する活動」を各単元で充実するとしています。資料編では、これまで「数と式」「図形」に散らばっていた内容を「論証」という1つの分野として独立させると説明されています。 P164P165P167P171

※「論証」分野の独立の理由は資料編m2 P216

小 割合・比・分数など、つまずきやすい単元の内容と順序を見直し(小学校)

割合・比・分数は理解が難しく、身についていない児童が相当数いるため、確実に定着するよう学習内容や並べ方(配列)の改善を検討します。帯分数のような「足がかり」として学ぶ事項は、本当に必要か改訂作業の中で点検します。また「みはじ」「くもわ」のような暗記だけの指導はかえって理解を妨げかねず、最後は意味の理解を伴わせることが欠かせないとされています。小学校では社会・職業との関係を独立した内容にはせず、各単元の指導で充実するとしています。 P164P165P167P171

全校種 目標・見方・考え方を小中高で統一し、学習内容を6つの「分野」で整理

小・中・高で教科の目標の言葉をそろえ、「見方・考え方」も統一する方向です。新しい見方・考え方は「事象や言説を数理の視点から捉え、論理的、統合的・発展的、批判的に考察すること」で、ニュースや意見などの「言説」と「批判的」(建設的な意味で)が加わる案です。小学校の算数から高校の数学Ⅰまでの内容を「数と式」「図形」「変化と関係」「データと確からしさ」「論証」「社会を読み解く数学」の6分野で整理し、各分野を1〜2の「区分」に分けて「統合的な理解・総合的な発揮」を示すとしています。教科名の統一は引き続き検討ですが、算数の英語表記は「Arithmetic」から「Mathematics」に改める案です。 P166P167P168P169P170

全校種 学年の区切りをこえた柔軟な指導と学び直し(調整授業時数の活用例も)

学年区分は示しつつ、学校の判断で指導時期を前倒し・後ろ倒しできるようにし、まとまった時間をつくって定着に課題のある単元の学び直しや、興味を引き出す探究的な学習に使えるようにする方向です。新しい調整授業時数の「裁量的な時間」では、下の学年の未習得事項を学び直すプログラムや、算数の単元構想の研究・研修などが例に挙がっています。ただし系統性が強い教科なので、安易な時数の調整で定着に影響が出ないよう注意が必要とされています。高校では科目の組み替えの仕組みで、いわゆる「理転」の壁を下げる効果も期待されています。 P174P175

全校種 定着を支える指導の工夫(認知心理学の知見・帰納と演繹のバランス・ICT)

基礎的な知識・技能を確実に身につけるため、分散学習・検索練習など認知心理学や学習科学の知見をふまえた指導や、学習前の「レディネス」(既習事項の習得状況)の確認が有効とされています。具体的な事象から考えさせる帰納的な指導と、先に教師が原理を教える演繹的な指導を、子どもの実態に合わせてバランスよく使い分けるとしています。「間違ってもよい」という心理的安全性も重視されます。1人1台端末やクラウドを前提とし、AIドリルは質や教師の指導などの条件のもとで計画的に使えば効果的とされています。 P164P174P177

全校種 内容の精選と、教科書で「必ず扱う内容」と「必要に応じて扱う内容」の区別

「統合的な理解・総合的な発揮」に欠かせない内容を中心に並べ、欠かせない内容でないものは精選するとしています。教科書を全部網羅して教える傾向があるとの指摘から、教科書の各内容が必ず扱うべきものか、必要に応じて扱うものかの区別(グラデーション)が分かるよう、教師用指導書での工夫を教科書会社に求めることも検討されています。資料編では、演習問題を基礎・習熟・発展に分ける、コラムなどには時数を配当しないといった例が挙がっています。 P173

※教科書の検討例は資料編m2 P215(算㉒)

高 外部試験の上位級合格で数学Ⅰの履修免除を可能にする方向

高校の単位制の柔軟化の一つとして、まず外国語と数学の必履修科目を対象に、信頼性のある外部試験で内容を十分身につけていると判断できる生徒は、一定の要件のもとで履修を免除できるようにする方向です。数学では、対象の級は数学Ⅰ相当より上(数学II・B相当など)とする案で、対象試験は解説で示します。免除した時間には、数学の発展的な学習を行う学校設定科目などを履修することが考えられます。大学入試のための早修に使うのは「極めて不適切」とされています。 P175P176

今からできる準備

算数・数学とAI

生成AIの時代にこそ数学を学ぶ意味がある

数学の問題解決に生成AIが使われる場面が増え、数学を学ぶ意義を問い直す声もあります。しかし、生成AIで処理した結果が妥当かを確かめるにも、生成AIの仕組みを理解するにも、数学の素養は欠かせません。生成AIに振り回されない批判的思考力のためにも数学的な思考力が必要とされています。 P166

高校:AIを支える数学(行列・微積・確率・統計)を重視

AI技術やデータサイエンスの仕組みを理解し適切に使えるよう、その土台である線型代数学・解析学・確率論・統計学の基礎(行列、微分・積分、確率、統計)を重視するとされています。数学Ⅰに、行列・統計の基礎など、AIやデータサイエンスが進む社会で求められる素養を学ぶ「社会を読み解く数学」を新設する方向です。 P80P167P171資料P221

クリティカル・シンキングの強化

AI技術やデータサイエンスが急速に進む変化の激しい社会では、論理的・批判的に考え判断する力(クリティカル・シンキング)が一層重要なので、数学的推論や証明などの学習を中・高で充実させます。 P167P171

AIドリルの使い方の条件

AIドリルは、①教材として一定の質がある、②教師の適切な指導助言がある、③子供が自分で学びを調整しながら使える、の3つが前提です。そのうえで計画的に使えば、知識を効率よく身に付けられるとされています。家庭学習が難しい子供にAIドリルを配る自治体の例もあります。 P176P177

ICT活用の例と、AIの扱いの機動的な見直し

効果的なICT活用例として、AIによる自動採点やデジタル教材・AIドリルの活用などが挙がり、国が改訂を待たず広く知らせることが重要とされています。学習科学をふまえたAI学習アプリなど新しい動きにも注目し、算数・数学でのAIの扱いは技術の発展に合わせて機動的に見直すとされています。 P177

授業でのヒント
  • AIドリルは「質の確かな教材」「教師の助言」「子供の自己調整」の3条件をそろえて計画的に使う(根拠P177)
  • 生成AIで出した計算や処理の結果を、数学の知識で妥当か確かめる場面をつくる(根拠P166)
  • 高校では行列やベクトルなどを、AI・データサイエンスで使われている基礎として扱う(根拠P80、P167、資料編m2 P221)

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現行⇔次期 新旧比較

黄色のマーカー=次期で新しく入る・強調される言葉赤の取り消し線=現行から消える・変わる言葉

高校数学の選択科目

現行
数学A(図形の性質、場合の数と確率、数学と人間の活動)、数学B(数列、統計的な推測、数学と社会生活)、数学C(ベクトル、平面上の曲線と複素数平面、数学的な表現の工夫)の3科目(各2単位)。
次期(審議まとめの案・告示前)
3科目を1つの新科目に統合する案で、内容を「場合の数と確率」「統計的な推測」「行列」「数列」「幾何ベクトル」「複素数と複素数平面」の6つに整理。名称は「数理活用(仮称)」などの案があり、2〜12新単位。
P171P172P80P82 ※現行の科目内容・単位は資料編m2 P218・P220。現行の履修率は数学A 87%、数学B 45%、数学C 34%(資料編m2 P219)。「数学と人間の活動」「数学と社会生活」などは数学Ⅰ「数学ガイダンス」「社会を読み解く数学」や理数科の解説の事例へ移す案(資料編m2 P213)

数学Ⅰ(必履修)の内容と単位数

現行
数と式、図形と計量、二次関数、データの分析。3単位。
次期(審議まとめの案・告示前)
これに「数学ガイダンス」と「社会を読み解く数学」を加える案。単位数は最大8新単位程度(現行の1単位分ほど増)。
P171P172P81P82 ※現行の内容は資料編m2 P220。1新単位=17コマ(現行1単位=35コマ)

数学Ⅱの単位数

現行
4単位(数学科で唯一の4単位科目)。
次期(審議まとめの案・告示前)
内容の他科目への移行や精選を行い、6新単位(3単位)に減らす案。

学習内容の区分の仕方

現行
小学校算数・中学校数学は「領域」、高校数学は「項目」という名前で区分。
次期(審議まとめの案・告示前)
小学校算数〜高校数学Ⅰまでを、共通の6つの「分野」(数と式、図形、変化と関係、データと確からしさ、論証、社会を読み解く数学)で整理し、さらに「区分」に分ける方向。

見方・考え方

現行
事象を「数量や図形及びそれらの関係などに着目して捉え」、「論理的、統合的・発展的に考える」こと。
次期(審議まとめの案・告示前)
「事象や言説を数理の視点から捉え、論理的、統合的・発展的、批判的に考察すること」。小・中・高で文言を統一する案。
P169 ※現行・改訂案の並記は資料編m2 P183(算③)。「批判的」は建設的な目的の意味と解説で示す

中学・高校の「数学ガイダンス」

現行
新設の内容のため現行の対応する記述なし(本文では入学時の「数学開き」の実践を参考にするとある)
次期(審議まとめの案・告示前)
数学全体の見取り図と、数学と社会・職業との関係を学ぶ内容を中学校と高校(数学Ⅰ)に新設する方向。総授業時数は増やさないことが前提。

数学的活動の位置付け

現行
これまでの学習指導要領で、算数科・数学科の学習過程として位置付けられてきた。
次期(審議まとめの案・告示前)
「数学的活動」を個々の学習内容として規定するのではなく、教科全体を通じて充実に取り組む旨を規定すべきとされた。

評価規準づくり

現行
各学校が、内容のまとまりごとの評価規準、単元の目標、単元の評価規準を作成。
次期(審議まとめの案・告示前)
「内容のまとまりごとの評価規準例」は国が示し、学校での作成は不要にする方向。算数・数学の「内容のまとまり」は「区分」ごと・学年ごとの「内容」とする方向。単元の目標がそのまま単元の評価規準になる考え方。

現行の学習指導要領・解説の原文(公式PDF)は資料室にまとめています。

高校の科目構成

必履修の数学Ⅰ(「数学ガイダンス」「社会を読み解く数学」を新設する案)、数学Ⅱ・数学Ⅲ(数学Ⅰ→Ⅱ→Ⅲの履修順序は維持)に加え、現行の数学A・B・Cを統合した1つの新選択科目を設ける案(名称は「数理活用(仮称)」などの案。内容は場合の数と確率、統計的な推測、行列、数列、幾何ベクトル、複素数と複素数平面)。(P171-172、P80、P82)

授業時数・単位

高校:数学Ⅰは現行3単位→最大8新単位程度、数学Ⅱは現行4単位→6新単位(3単位)、数学Ⅲは6新単位、新選択科目は2〜12新単位(現行は数学A・B・C各2単位)。1新単位は17コマ。「社会を読み解く数学」相当を新科目で学ぶ場合は数学Ⅰから減単可能(P81、P82)。小・中学校の算数・数学の具体的な時数は算数・数学の節には書かれていない(総論では、35コマを超える教科等から一律3-4%程度を「広く薄く」減じる考え方を示し、実数は今後示すとしている:P79)。

校種ごとのページ・図解アニメ

ほかの教科も見る

出典:中央教育審議会 初等中等教育分科会 教育課程部会「次期学習指導要領等に向けた審議まとめ」(2026年10月5日)。P○ は本体PDFのページ、資料P○ は資料編のページ(クリックで該当ページが開きます)。