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算数・数学の授業アイデア・中学校

その“法則”本当? 反例さがしから証明へ

ネットで見かけた“数の法則”を確かめ、反例を見つけ、正しい形に直して文字で証明します。

中21単位時間(50分)論証・数と式(文字式の利用)
もくじ(7項目)
  1. 次期学習指導要領とのつながり
  2. 準備するもの
  3. 手順
  4. 評価(見取り)のポイント
  5. AIを使うなら
  6. うまくいくコツ・アレンジ
  7. ほかのアイデア

次期学習指導要領とのつながり

その“法則”本当? 反例さがしから証明へ
論証(証明)の学習の充実事象や言説を数理の視点から批判的に考察クリティカル・シンキング

審議まとめは、変化が激しく不確実性が高まる社会では論理的、批判的に考え判断する力(クリティカル・シンキング)が欠かせないとして、数学的推論や論証(証明)に関する学習を中・高で充実する方向を示しています(P167・P171)。中学校では、論理的に考察し説明する学習内容を多くの生徒が不得意としている状況が改善していないことも課題にあげています(P165)。新しい見方・考え方は「事象や言説を数理の視点から捉え、論理的、統合的・発展的、批判的に考察すること」とする方向で、「批判的」は建設的な目的での意味だと解説で示すとしています(P169)。この授業は、もっともらしい“法則”を具体例で確かめ、反例を見つけ、成り立つ形に直して文字式で証明する時間です。 P165P166P167P169P171

ねらい

整数の性質についての主張を具体例で確かめ、成り立たない場合は反例を示し、成り立つ形に直したうえで、文字式を用いて筋道立てて説明できる。

準備するもの

  • “法則”カード(先生作成):「連続する3つの整数の和は3の倍数」「連続する4つの整数の和は4の倍数」(後者は成り立たない)
  • 「確かめメモ」ワークシート(具体例/反例/文字での説明)
  • 説明の手順カード(①文字で表す ②式を計算する ③式の形から言えることを書く)

手順

  1. 「ネットで見かけた“数の法則”」として2枚のカードを見せ、「どちらも本当?」と予想させます。5分
  2. 一人で、いくつかの具体例で確かめます。3つの和は1+2+3=6、4+5+6=15など。4つの和は1+2+3+4=10で4の倍数にならないことに気付いた生徒の考えを取り上げます。8分
  3. 全体で、「1つでも成り立たない例(反例)があれば、いつでも成り立つとは言えない」ことを確かめます。一方で「例をたくさん確かめても、すべての整数で成り立つとは言えない」ことも問いかけます。5分
  4. 「連続する3つの整数の和は3の倍数」を文字式で説明します。n、n+1、n+2と置くと和は3n+3=3(n+1)となり、n+1は整数なので3の倍数と言えることを書きます。ペアで、説明の手順カードに沿って読み合います。12分
  5. 「連続する4つの整数の和」について、正しく言えることを班で考えます。n+(n+1)+(n+2)+(n+3)=4n+6=2(2n+3)=4(n+1)+2 から、「偶数である」「4の倍数より2大きい」などを見つけ、そのうち1つを文字式で説明します。15分
  6. 振り返りとして、「主張が本当かを確かめるときの手順」を、今日の言葉(具体例・反例・文字での説明)を使って書きます。5分

評価(見取り)のポイント

【知識・技能】連続する整数を文字で表し、式を変形して性質を説明しているかを見取ります。【思考・判断・表現】具体例で確かめることと文字で説明することのちがいを理解し、反例を示したり主張を直したりして筋道立てて説明しているかを、確かめメモと振り返りで見ます。

AIを使うなら

発展として、先生が生成AIに同じ問いを説明させた文章を印刷して見せ、その説明が筋道立っているか、言い過ぎがないかを生徒が文字式で確かめる活動も考えられます。審議まとめは、生成AIで数学的な処理をした結果の妥当性を確かめるためにも数学的な素養が欠かせないとしています(P166)。生徒が自分で証明を書く前には見せないこと、出力は先生が事前に確かめておくことに注意します。

うまくいくコツ・アレンジ

  • 反例は生徒から出させます。先生が先に示すと、確かめる必要感が生まれません。
  • 「たくさん確かめたから正しい」という考えを否定するだけでなく、「だから文字を使う」という文字式のよさにつなげます。
  • 説明の手順カードは、図形の証明の単元でも同じ形で使い、論証の学習をつなげます。

アレンジ

  • 中1では文字式の前段階として、具体例と反例の区別にしぼって“法則”を判定するクイズにします。
  • 高校数学Ⅰの「集合と命題」で、反例・逆・対偶の学習の導入として同じカードを使います。

ほかのアイデア

※ 次期学習指導要領は告示前です。審議まとめ(2026年10月5日)の方向性をふまえた原田英語.comのオリジナルのアイデアです。