原田英語の日本文化ナビ EN
外国人に聞かれてビックリ温泉・お風呂

2026年11月4日(水)

「旅館の値段、なんで1人いくらなの?」

部屋ではなく、夕食と朝食まで売る宿の話

旅館の予約サイトを外国の人に見せると、よくこう聞き返されます。「この値段は部屋の値段? それとも1人の値段?」。答えは「1人の値段」で、2人で泊まれば、ほぼ倍になります。

「旅館の値段、なんで1人いくらなの?」 — 部屋ではなく、夕食と朝食まで売る宿の話

値段に夕食と朝食が入っている

先に答えを言うと、旅館の値段の多くは「1泊2食付き」だからです。海外のホテルの多くは部屋を売るので、1人でも2人でも1部屋いくらで値段が決まります。旅館は部屋に加えて、夕食と翌朝の朝食を1人ずつ用意します。食べる人が1人増えれば、料理も1人分増えます。だから「1人1泊いくら」と書くほうが、売る側には自然なのです。

夕食が会席料理のような本格的なものなら、値段の中で食事の分はかなり大きくなります。外国の人に「高い」と言われたら、「ディナーと朝食込みの値段です」と先に言うと、受け止め方が変わります。

法律では、旅館とホテルの区別がない

意外かもしれませんが、いまの法律には「旅館」と「ホテル」の区別がありません。旅館業法の改正で、2018年6月15日から「ホテル営業」と「旅館営業」が「旅館・ホテル営業」の一つにまとめられました。

ですから、和室に布団で1泊2食付きなら旅館、洋室にベッドで素泊まりならホテル、というのは法律の線引きではなく、宿の売り方の違いです。最近は、洋室があって食事を選べる旅館も、和室と大浴場のあるホテルも珍しくありません。

1人で泊まると割高に

この仕組みには不便な点もあります。2人用の和室を1人で使うと、1部屋あたりの売り上げが減るので、1人の料金を高めにしたり、1人では予約を受けなかったりする宿があります。夕食の時間が決まっていて、外で食べ歩きたい人には窮屈なこともあります。

そこで、食事の付かない「素泊まり」や、朝食だけのプランを用意する旅館も増えてきました。税金も1人ずつにかかります。温泉に入れば入湯税(標準は1人1日150円)がかかり、自治体によっては宿泊税も加わります。予約の画面では、何が値段に入っているかを確かめるのがいちばんです。

英語で言うと

The price is usually per person, not per room, because it includes dinner and breakfast. A ryokan, or traditional Japanese inn, is selling you two meals as well as a place to sleep, so two guests pay about twice as much. If you'd rather eat out, look for a room-only plan called sudomari. Just remember that a solo traveler may pay more per person, and some inns don't take one-person bookings.

値段はふつう、部屋ごとではなく1人ごとです。夕食と朝食が入っているからです。旅館は寝る場所だけでなく、2食を売っているので、2人で泊まればほぼ倍になります。外で食べたいなら、「素泊まり」という食事なしのプランを探してください。ただ、1人で泊まると1人あたりの値段が高くなることがあり、1人の予約を受けない宿もあります。

このコラムから、使えるフレーズ

  • This price is per person, and it includes dinner and breakfast.
    この値段は1人分で、夕食と朝食が付いています。
  • For two people, it'll be about twice that.
    2人だと、だいたいその倍になります。
  • If you want to eat out, you can book a room-only plan.
    外で食べたいなら、素泊まりのプランも予約できます。
  • Dinner is usually served at a set time, around six or seven.
    夕食はたいてい6時か7時ごろの決まった時間に出ます。
  • A small hot spring tax will be added to your bill.
    料金に、少しだけ入湯税が加わります。

この話に出てきた日本文化

ほかのコラム

すべて見る