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外国人に聞かれてビックリ現代の暮らし

2026年10月5日(月)

「駅員さん、誰を指さしてるの?」

ひとりごとに見える、安全のための確認

日本の駅で、外国人がよく不思議がる光景があります。ホームの駅員さんや運転士さんが、誰もいない方向をビシッと指さし、何かを声に出しているのです。あれは誰かに合図しているのではありません。指と声を使って、自分で確認をしているのです。

「駅員さん、誰を指さしてるの?」 — ひとりごとに見える、安全のための確認

指さしているのは「もの」

答えから言うと、指の先にあるのは人ではなく、信号や時計、ホームの端、ドアなどです。鉄道ではこれを「指差喚呼(しさかんこ)」と呼びます。対象を指さして目で見て、「出発、進行」のように、その状態を声に出して確かめる動作です。

見て分かっているはずのことを、なぜわざわざ指さして口に出すのか。人は慣れた作業ほど、見たつもりで見落とします。手と口を動かすと、注意が目の前のものに向き直るので、確認の抜けが減るとされています。

実験では、誤りが約6分の1

効き目は数字でも示されています。厚生労働省の「職場のあんぜんサイト」によると、1994年に鉄道総合技術研究所が行った実験で、ボタンの押し間違いは、指さしも声出しもしない場合が2.38%でした。声だけでは1.0%、指さしだけでは0.75%、両方を行うと0.38%で、何もしない場合の約6分の1になりました。

ただし、同じサイトは、これだけで人の誤りがなくなるわけではないとも書いています。指差喚呼は、機械の安全装置やダブルチェックと組み合わせて使う「確認の習慣」の一つです。

鉄道から、工場や病院へ

始まりは鉄道です。蒸気機関車の時代に、機関士と機関助手が信号の状態を声に出して伝え合ったのが始まりとされ、指さしはあとから加わりました。国鉄が「信号の喚呼は指さして行う」と規程に書いたのは1970年とされます。

いまでは、工場や建設現場、病院でも「指差呼称(しさこしょう)」などの名前で行われています。海外でも、ニューヨークの地下鉄などが取り入れていると紹介されています。見慣れた日本人にも少し照れくさい動作ですが、慣れた作業ほど見落としが起きやすいからこそ、毎回くり返すことに意味があります。

英語で言うと

They're not pointing at anyone. They're pointing at signals, clocks, and the edge of the platform, and saying out loud what they see to double-check it. It's called pointing and calling, and it started on Japanese railways about a century ago. In a 1994 test by a railway research institute, people who pointed and called made about one-sixth as many mistakes as people who did neither. Today, factories and hospitals in Japan use it too.

誰かを指さしているわけではありません。信号や時計、ホームの端を指さして、見えているものを声に出し、確認しているのです。指差喚呼と呼ばれ、およそ100年前に日本の鉄道で始まりました。1994年に鉄道の研究所が行った実験では、指さして声に出した人の間違いは、どちらもしなかった人の約6分の1でした。いまでは日本の工場や病院でも使われています。

このコラムから、使えるフレーズ

  • He's not pointing at you. He's checking the signal.
    あなたを指さしてるんじゃないよ。信号を確認してるんだ。
  • It's called pointing and calling.
    指差喚呼っていうんです。
  • Saying it out loud helps you notice mistakes.
    声に出すと、間違いに気づきやすくなるんです。
  • Factory workers do it too, not just train staff.
    鉄道員だけじゃなく、工場の人もやります。
  • It looks a little funny, but it really works.
    ちょっと変に見えるけど、本当に効くんですよ。

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