2026年11月6日(金)
「明日から冬? まだこんなに暖かいのに」
暦の冬は、気温ではなく日の短さで決まる
11月の初め、天気予報で「明日は立冬、暦の上では冬の始まりです」と聞いた外国の人に、よく驚かれます。紅葉もまだこれからなのに、なぜもう冬なのか。答えは、昔の暦が気温ではなく、太陽を基準に季節を分けているからです。
冬至が冬の真ん中
2026年の立冬は11月7日です。立冬は、一年を24に分けた「二十四節気」の一つで、太陽の位置をもとに決まります。この暦では、一年でいちばん昼が短い冬至(2026年は12月22日)が、冬のちょうど真ん中に置かれています。立冬から立春までの約3か月が冬で、その中心が冬至です。
つまり、暦の冬は「寒い3か月」ではなく、「日がいちばん短い3か月」です。そう考えると、11月の初めに冬が始まるのは理屈に合っています。東京で日の入りが午後4時台の後半になり、夕方があっという間に暗くなるのも、ちょうどこのころです。
気温は1か月ほど遅れてくる
それなら、なぜ寒さが追いつかないのか。地面や海は、夏のあいだにためた熱をゆっくり手放すので、気温は日の長さより遅れて下がります。いちばん寒いのは冬至のころではなく、1月の終わりから2月の初めです。寒さが最も厳しいとされる「大寒」が1月20日ごろ、春が始まるはずの立春が2月4日ごろなのは、このずれのためです。
気象庁の決まりでは、冬は12月から2月までです。ニュースや天気予報で「暦の上では」と断るのは、暦の冬と体で感じる冬が違うことを、日本人も分かっているからです。2026年は東京都心で10月21日に真夏日になったほどで、立冬の暖かさに驚くのは外国の人だけではありません。
アメリカでは冬至が始まり
おもしろいのは、英語圏との違いです。アメリカでは、冬至の日を「冬の初日」と呼ぶことがよくあります。日本の暦では冬の真ん中にあたる日が、向こうでは冬の始まりなのです。同じ太陽を見ていても、どこで区切るかが違います。
二十四節気は古代の中国で生まれ、日本に伝わったものです。そのため、日本の土地によっては名前と天気が合わない節気もあります。たとえば「大雪」は12月7日ごろですが、東京など太平洋側の平地では、そのころに雪が積もることはまずありません。それでも手紙の季節のあいさつや、和菓子、俳句の季語などには、いまもこの暦の区切りが生きています。
英語で言うと
In the traditional calendar, winter starts around November 7th, even if it still feels like fall. The calendar follows the sun, not the temperature, so winter means the three months with the shortest days, and the winter solstice sits right in the middle. The coldest weather comes about a month after the solstice, in late January. That's why we say it's winter only "on the calendar."
昔の暦では、まだ秋のように感じても、冬は11月7日ごろに始まります。この暦は気温ではなく太陽に従うので、冬とは一年でいちばん昼が短い3か月のことで、冬至がちょうどその真ん中にあります。いちばん寒くなるのは冬至の1か月ほどあと、1月の終わりです。だから日本では「暦の上では冬」と言うのです。
このコラムから、使えるフレーズ
- Tomorrow is the first day of winter on the old calendar.明日は、昔の暦では冬の初日です。
- It's winter on the calendar, but it doesn't feel like it yet.暦の上では冬ですが、まだそんな感じはしません。
- The old calendar is based on the sun, not the temperature.昔の暦は、気温ではなく太陽をもとにしています。
- The coldest time of year is late January.一年でいちばん寒いのは、1月の終わりです。
- In Japan, the winter solstice is the middle of winter, not the start.日本では、冬至は冬の始まりではなく真ん中です。