2026年10月7日(水)
「日本の住所、なんで通りの名前がないの?」
道ではなく「ブロック」に番号をふる国
日本に来た外国人が地図アプリを見ながら首をかしげるのが、住所です。「1-2-3」のような数字は並んでいるのに、通りの名前がどこにも出てこないからです。答えは簡単で、日本の住所の多くは、道ではなく区画に番号をつけているのです。
番号がつくのは「区画」
アメリカやヨーロッパの住所は、ふつう「通りの名前+番号」です。同じ通りに面した建物に、順に番号がついていきます。日本の街なかの住所は考え方が逆で、道路や線路、川などで囲まれた一つの区画(街区)に番号をつけ、その区画の中の建物にさらに番号をつけます。
たとえば「〇〇町1丁目2番3号」なら、1丁目の中の2番の区画の、3号の建物という意味です。道は区画と区画の「すき間」なので、名前がなくても住所は成り立ちます。名前のある通りは大通りなどの一部で、住宅街の細い道の多くには名前がありません。
1962年の法律が決めたこと
この仕組みには根拠があります。1962年(昭和37年)にできた「住居表示に関する法律」は、住所の示し方として、区画に番号をつける「街区方式」と、道の名前を使う「道路方式」の二つを定めました。どちらを選んでもよいのですが、大部分の市町村が街区方式を選んでいます。
札幌市の説明によると、それまで住所に使っていた土地の番号(地番)は、戦後に人が増えると分かりにくくなり、救急車の到着が遅れるといった問題が起きていました。新しい住所では、区画のまわりを一定の間隔で区切り、決まった角から時計回りに番号をふるやり方が広く取られています。札幌市は町の中心に近い角から10メートルごと、東京の世田谷区は南東の角から15メートルごとが原則で、細かい決まりは自治体によって違います。
それでも迷う理由
ただ、この新しい住所はすべての地域に入っているわけではありません。地番をそのまま住所に使っている地域では、土地を登記した順や分けた順に番号がついているため、隣の家が飛んだ番号ということも珍しくありません。日本人でも初めての家を訪ねるときは、住所だけでは迷います。
例外もあります。京都の中心部では、「烏丸通四条上ル」のように、通りの名前と「上ル(北へ)」「下ル(南へ)」「西入ル」「東入ル」を組み合わせる書き方が今も使われています。碁盤の目の町だからこそ、通りの名前で場所を言うほうが分かりやすいのです。
英語で言うと
In most Japanese cities, addresses don't use street names. Instead, each block gets a number, and each building on that block gets a number too, so 1-2-3 means district 1, block 2, building 3. A 1962 law let towns choose between street names and block numbers, and most of them chose blocks. Honestly, even Japanese people get lost, so we usually rely on a map app or a nearby landmark.
日本のほとんどの町の住所には、通りの名前を使いません。かわりに一つひとつの区画に番号がつき、その区画の建物にも番号がつきます。だから1-2-3は「1丁目の2番の区画の3号」という意味です。1962年の法律は、通りの名前と区画の番号のどちらを使うかを町に選ばせましたが、大部分の町が区画を選びました。正直に言うと日本人でも迷うので、ふだんは地図アプリか近くの目印を頼りにしています。
このコラムから、使えるフレーズ
- Japanese addresses number the blocks, not the streets.日本の住所は、通りじゃなくて区画に番号をつけるんです。
- Most small streets here don't have names.このあたりの細い道は、たいてい名前がありません。
- The numbers go clockwise around the block.番号は区画のまわりを時計回りに進みます。
- Even locals get lost, so let's use the map app.地元の人でも迷うから、地図アプリを使おう。
- If you can't find it, ask at a koban. That's a small police box.見つからなかったら交番で聞いて。小さな警察の詰め所のことだよ。