もくじ(4項目)
ポイント
総則は全体を読みやすくスリムにし、長すぎる文や重なった記述を整理して、小見出しを付ける方針です。そのうえで、現行は「教育課程の編成における共通的事項」の中にある授業時数の扱いを、次期は「授業時数に関する共通的事項」として独立させ、ここに調整授業時数制度などの運用の具体を含め、授業時数全体を書く必要があるとされました。この制度は、多様な子供たちを包み込む柔軟な教育課程を作るための主な手立てと位置付けられています。 P94
現行は、学習の自己調整(自分で学び方を見直して整えること)に関する記述が「教育課程の実施と学習評価」の中に散らばり、「児童の発達の支援」の個に応じた指導とも分かれていて、まとめて理解しにくいとされました。次期は、子供が自分から考えや行動を起こし、他の人との関わりや自分を振り返る力で修正していく学びの流れを大切にし、それを支える共通の記載を一つの項目にまとめる(項目立てが必要とされた)方向です。 P94
現行は「特別な配慮を必要とする児童への指導」が教育課程の編成・実施とは別の項目にあり、「一部の子供への特別サポート」と受け止められやすいとされました。次期は、学校共通の教育課程(1階部分)と、配慮が必要な子のための特別の教育課程(2階部分)を合わせて、多様な子供を包み込む教育課程と考えるため、内容を「第2(教育課程の編成)」に移して項目を設ける方向です。 P94
合理的配慮(障害のある子が学べるよう個別に行う調整)は「過重な負担」のない範囲で行うことを前提に、学校と本人・保護者が話し合って合意できるよう、考える観点や「過重な負担」の基本的な考え方を分かりやすく示すとしています。また、あらかじめ全員向けの環境(基礎的環境整備)を整えて、個別の配慮が必ずしも要らない工夫も国が示すとしています。全ての子について、教師の過度な負担に気を付けつつ、学級全体の指導方法や環境の工夫で学びやすさを確保する実践を広げることが適当とされました。 P96
学級経営は、信頼関係や人間関係づくりの先に目指す姿を分かりやすく示すべきとされました。全ての子が安心して過ごせるという生活の面に加え、教育課程が柔軟になる中で多様な子の主体的な学習を支えるという学びの面も大切にする方向です。学級担任だけでなく、チーム学年経営のように組織で関わることも効果的とされています。生徒指導は、改訂された生徒指導提要の「発達支持的生徒指導」(全ての子の成長を日ごろから支える指導)の考え方を踏まえて示す方向です。 P95
総則のキャリア教育の記載は現行を基本的に引き継ぎますが、各教科等が果たす役割をより分かりやすく示す方向です。特別活動が「要」となり、各教科等は社会や職業とのつながりを意識した学びで実践の場になるという整理です。「キャリア・パスポート」は、特定のやり方に限らず学校の工夫を生かす形にし、例示資料を廃止する見直しの方向が示されました。記録の蓄積や引継ぎはクラウドなどで個人管理を基本とし、学校間の引継ぎは求めないこととする方向です。 P95
社会的なできごとを扱うときは、子供の考えが深まるよう様々な見解を示し、意見が分かれる事柄やまだ確定していない事柄は、適切な教材にもとづいて指導するよう求めています。特定のことを強調し過ぎたり、一面的な見方を配慮なく取り上げたりして、子供が多面的に考え、公正に判断するのを妨げないよう留意するとしています。現行は社会科の内容の取扱いや通知(平成27年)に同じ趣旨がありますが、次期はどの教科等でも大切な視点として、総則に共通事項として示すべきとされました。 P101
日本語指導が必要な子が急増していることから、有識者会議が令和8年6月に報告書をまとめました。課題として、語彙や文法などの「できないこと」に指導が偏りがちなことや、担任や教科担当でもできる日本語指導の方法が十分示されていないことなどが挙げられています。総則には、単に日本語能力を補うのではなく、教育課程全体を通して学習や協働に必要な資質・能力を育てるという基本的な考え方を書く必要があるとされました。AIやオンラインの活用を含む指導のガイドラインは令和8年度中に作る予定です。 P97
現行の総則には、不登校の子について一般的な支援と「学びの多様化学校」での配慮しか書かれていません。次期は、校内外の教育支援センターなどを利用する不登校の子のための特別の教育課程を作る場合の基本的な事項を新しく書き加える方向です。その際、教師の指導だけを前提とせず、子供自身が目標を決め、振り返り、フィードバックを受けて「学びのサイクル」を実感できる視点を大切にするとしています。特定分野に特異な才能のある子についても特別の教育課程の基本事項を追記し、まず通常の教育課程での工夫で対応し、そのうえで特別の教育課程を検討するという段階的な支援の考え方を示すとしています。 P97P98
幼児教育と小学校だけでなく、学校段階の間で連携し学びの連続性を保つことは極めて重要とされ、小中一貫教育の知見も踏まえて記載を続ける方向です。スタートカリキュラムを含む「架け橋期のカリキュラム」の書き方は、学校の負担にも配慮しながら見直す方向です。現行の総則は「家庭や地域の人々の協力」を得て体制を整えると書いていますが、次期は探究学習や特別の教育課程(2階部分)の充実のため、大学・研究機関・企業・NPOなどとの協働も位置付けるべきとされました。 P99
現行の総則では、道徳教育の全体計画や、道徳教育推進教師を中心に全教師が協力して道徳教育を進めることなどが書かれています。次期は「考え、議論する道徳」の「実装」の段階へ進むとし、総則の記載は現行を維持するのが基本です。高校では、現行は「人間としての在り方生き方に関する中核的な指導の場面」を公民科(公共、倫理)と特別活動としていますが、次期は総合的な探究の時間も加える方向です。これは、そのために別に時間を取る必要があるという意味ではないと注意書きがあります。 P100
先生向けワーク・授業アイデア
今からできる準備
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出典:中央教育審議会 初等中等教育分科会 教育課程部会「次期学習指導要領等に向けた審議まとめ」(2026年10月5日)。P○ は本体PDFのページ、資料P○ は資料編のページ(クリックで該当ページが開きます)。