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総則・特別の教育課程

幼児教育のポイント

遊びの深まりで資質・能力を育て、0歳から小学校へ学びをつなぐ

ポイント

「資質・能力」「ねらい及び内容」「育ってほしい姿」の関係をはっきりさせる

幼稚園教育要領・保育所保育指針・幼保連携型認定こども園教育・保育要領(3要領・指針)では、「幼児期の終わりまでに育ってほしい姿」が小学校との連携に役立ってきました。一方で、育みたい資質・能力や5つの領域のねらい及び内容との関係が整理されておらず、「育ってほしい姿」の活用に重点が置かれ過ぎる実践も多いと指摘されました。次期は3つの関係を明確にして整合性をとり、「育ってほしい姿」は5歳児後半に遊びが深まり資質・能力が総合的に発揮されている姿と位置付ける方向です。 P103P104P106

目指すのは「遊びの深まり」

乳幼児にとっては自発的な遊びが学習であり、遊びの中で心と体全体を使い、ものや人と直接関わることで力が育ちます。この遊びの流れが資質・能力の育成に深く結び付く「遊びの深まり」を実現することが、幼児教育の質の向上に欠かせないとされました。先生(幼稚園教諭・保育士・保育教諭)は、子供の理解とねらいにもとづいて環境を作り直したり援助したりし、遊びが広がりつながっていくよう園全体で取り組みます。 P106

ねらい・内容を表形式で示し、資質・能力の示し方を整える

小・中・高校との連続性を示すため、「ねらい」と「内容」は学習指導要領と同じように表形式で示すのが適当とされました。資質・能力は引き続き3つの柱で示し、幼児教育では「知識及び技能の基礎」「思考力、判断力、表現力等の基礎」とします。表では3つの柱を分けずに一体的に示す方向です。現行で「幼児期の教育における見方・考え方」とされている記述は、「見方・考え方」としての位置付けを変え、乳児も含めて幼児教育が大切にする遊びの過程として引き続き重視します。 P108

0歳からの学びのつながりを整理する

0歳から18歳までの育ちと学びを見通し、「0歳児」「1〜2歳児」「3歳以上児」のねらい及び内容のつながりを整理し、必要な見直しを行う方向です。ただし、乳幼児期は発達の個人差が大きいので、指導計画を作るときはこの区分を参考にしつつ、子供の実態に合わせて柔軟に対応することが大切とされています。保育所では、ねらい及び内容が重なっている「養護」の記載も分かりやすく整理する方向です(こども家庭審議会で審議)。 P108P109P111

遊びの中で多様な動きを経験し、体の感覚を育てる

戸外で遊ぶ機会が減り、室内遊びに偏る子も少なくないこと、一方的な指示で体を動かす活動になっている場合があることが課題とされました。次期は、決まったプログラムや一方向の指導ではなく、自発的な遊びの中で多様な動きを経験し、身体感覚を養う指導を0歳児から充実する方向です。小学校体育科でも4年生までを「遊び」の要素を取り入れた学習として整理する方向で検討されており、つながりが期待されています。 P104P107P109

他者と関わり協同する力を育てる

人との交流が似た者どうしの集団に偏る傾向への心配が指摘されています。次期は、仲の良い友達だけでなく自分とは違う相手とも関わり、一緒に目的を作り、それに向かって協同する力を育てる指導を充実する方向です。思いを伝え合い、ぶつかり合いやつまずきも経験しながら、幼児なりのルールを作ったり全員が納得する解決策を見つけたりする中で、社会に参加する意識の芽生えを育てます。これが小学校以降の「協働的な学び」の土台になると期待されています。 P104P107P109

言葉を用いて考える力の基礎を育てる

0歳児から、声や表情、喃語(赤ちゃんの声)などをゆったり受け止め、やり取りを楽しみ、豊かな言葉掛けで言葉の理解を促します。そのうえで、問い掛ける・言葉を添える・代弁するなどの援助を受けながら、さらに考えようとして言葉を使う指導を充実する方向です。考えたり言葉で表したりする技能を伸ばすことより、考えがまとまる喜びや満足感を味わうことに重点を置き、考えることを楽しむ姿を目指します。 P107P109

全ての園で「乳幼児理解に基づく評価」を行い、記録と振り返りを充実

現行は幼稚園教育要領と認定こども園の要領で乳幼児理解に基づく評価を行うこととされていますが、次期は施設の種類に関わらず全ての幼稚園・保育所・認定こども園で行うと規定し、国が評価の参考資料を作るべきとされました。先生は子供の姿を日ごろから記録し、同僚と共有して振り返ります。写真や動画、ICTでの共有も効果的です。記録や振り返りでは、遊びの中の「学び」を見取る視点をもつことを重視します。 P104P110

ICTは直接体験を豊かにする道具として使う

ICTの活用が子供の発達や活動のねらいに合っていない課題があり、家庭での低年齢児のインターネット利用の増加も心配されています。次期は、乳幼児期は直接的・具体的な体験が大切であることを踏まえ、ICTはその体験を充実させる道具として使うとしています。スクリーン利用が心身に長期的な影響を与える可能性も指摘されており、科学的・医学的な知見をふまえた留意点を示す方向です。障害など様々な特性のある子には、適切な管理のもとで効果的に使うことが求められます。 P104P110

幼小接続:「架け橋期のカリキュラム」と「対話のための資料」

5歳児から小学1年生までの2年間(架け橋期)の取組は成果を上げていますが、全国的にはまだ十分でないとされました。次期は「架け橋期のカリキュラム」を、園の5歳児のカリキュラムと小学校1年生のカリキュラム(スタートカリキュラム)の総称と位置付けるなど、概念を整理する方向です。合同の会議・研修や保育・授業の相互参観で互いの教育を理解し合い、園は遊びの中の「学び」を小学校と共有する「対話のための資料」を作って活用することが重要とされています。過度な負担にならないよう、国は手引きを改定し多様なモデルを示すとしています。 P105P112

障害のある子・外国人の子への指導や支援

障害のある乳幼児については、基礎的環境整備(全員向けの環境づくり)の充実を促し、合理的配慮の提供が確実に行われるよう規定すべきとされました。個別の支援計画に合理的配慮の内容を書き、園内での共通理解と小学校への確実な引継ぎを図ります。外国人乳幼児等には、母語での声掛けや母文化の遊びを取り入れるなど安心できる環境のもと、「日本語の力を育む視点」をもった関わりを重視し、小学校への引継ぎも図ります。 P105P112

家庭・地域との連携と、園を支える地域の体制づくり

保護者と園は共に子供の育ちを支える関係とし、子育ての相談や情報提供を充実します。例えば子育てでのICT使用の悩みにも、心身への影響などをふまえて応じることが有効とされています。地域ではこども家庭センターなどとの連携を強めます。設置者や施設の種類に関わらず各園を支えるため、指導主事や保育指導職の育成・配置を進め、幼児教育センターは全都道府県での設置を目指すべきとされました。 P113

関連

現行の幼稚園教育要領と解説の原文(公式PDF)は資料室にあります。

出典:中央教育審議会 初等中等教育分科会 教育課程部会「次期学習指導要領等に向けた審議まとめ」(2026年10月5日)。P○ は本体PDFのページ、資料P○ は資料編のページ(クリックで該当ページが開きます)。