次期学習指導要領とのつながり

審議まとめは、カリキュラム・マネジメントが「教科等横断」と受け取られて単元配列表づくりが目的化している例があると指摘し、「ねらいの明確化」→「教育課程の編成・実施・調整と環境整備」→「評価・改善」の3ステップで示すとしています。中心は、調整授業時数制度なども使って、自校の課題解決のためにどの教科等をどの時数・日課で行うかを決めることで、形骸化した取組の見直しも重視されています。調整授業時数制度は、各教科等の内容を全て扱うことを前提に標準授業時数を下回って編成し、生み出した時間を他の教科等への上乗せ、新教科、裁量的な時間(学習枠・研究・研修等枠)に充てられる仕組みで、令和10年度からの先行実施期間でも使えるようにする方向です。この研修は、制度の利用そのものを目的にせず、自校のねらいから時間の使い方を考えるワークです。 P31P32P33P34P37P38P40P57P83P84P85
自校の子供の実態から「ねらい」を共有し、その実現のために時数・日課をどう使うか、何をやめるかの案を教職員で考える。
準備するもの
- 自校の子供の実態が分かる資料(学校評価のアンケート、各種調査の結果など)
- 今年度の教育課程(各教科等の時数、週当たりのコマ数、行事一覧)
- 3ステップシート(Ⅰねらい/Ⅱ時数・日課の使い方と環境整備/Ⅲ達成状況を何で確かめるか)
- 調整授業時数制度の仕組みを1枚にまとめた資料(研修担当が作成)
手順
- ステップⅠ:資料から子供の実態で気になることを各自が付箋に書き、グループで「1年後にこうなっていてほしい」というねらいを1つにしぼります。10分
- 研修担当が調整授業時数制度の方向性を説明します(各教科等の内容は全て扱う前提、標準が35コマ以下の教科等は減らせない、生み出した時間の使い道、研究・研修等枠は週1コマ程度・裁量的な時間全体は週2コマ程度が上限の想定、具体の数字はこれから決まること)。10分
- ステップⅡ:ねらいの実現のための時間の使い方の案を出します(例:学習枠で学び直しやマイ探究の深掘り、研究・研修等枠で単元構想の研究、特定の教科等への上乗せ)。どの教科等から時間を生み出せそうか、そのために授業の進め方をどう変えるかも考えます。15分
- 「やめる・減らす取組」を出し合います。目的が見えなくなっている作成物や会議、標準を大きく上回る予備時数などを候補にします。10分
- ステップⅢ:ねらいの達成状況を何で確かめるかを決めます(学習評価の状況、子供へのアンケートなど。カリマネのためだけの手続は作りません)。10分
- 各グループの案を共有し、管理職が次の検討の進め方を伝えます。5分
評価(見取り)のポイント
この研修で出た案は、すぐに実施を決めるものではなく、先行実施期間に向けた検討材料として記録します。次年度の教育課程編成の会議で、ねらいと時間の使い方が結び付いているかを確かめます。
AIを使うなら
時数の試算や時間割案づくりに、校務の表計算ツールやAIを補助的に使うことは考えられます(審議まとめも、年度途中の時間割や時数計算の負担軽減にAI等の活用を挙げています)。ただし、ねらいの決定や取組の取捨選択は教職員の対話で行います。
うまくいくコツ・アレンジ
- 制度を使うこと自体が目的にならないよう、必ずステップⅠのねらいから始めます。
- やめる取組の候補はその場で結論を出さず、理由とともに記録しておきます。
- 調整授業時数制度を使う学校には、ウェブサイトでの公表や教育課程編成届への記載が求められる方向なので、検討の記録を残しておくと後で役立ちます。
アレンジ
- 高校では、告示前の将来案として、1単位17コマや科目の柔軟な組替えを仮定した試算に置き換えて、同じ3ステップで検討することもできます(現行の教育課程編成には適用できません)。
- 学校運営協議会の委員にもステップⅠに参加してもらい、地域とねらいを共有することも考えられます。
ほかのアイデア
※ 次期学習指導要領は告示前です。審議まとめ(2026年10月5日)の方向性をふまえた原田英語.comのオリジナルのアイデアです。