2026年10月1日(木)
「なんで全員、今日から冬服なの?」
気温ではなく日付で服を替える、衣替えの話
10月1日の朝、前の日まで半袖の白いシャツで通学していた生徒たちが、上着のある冬服で現れる学校があります。まだ半袖で歩ける日もあるのに、なぜ全員そろって今日なのか。日本に来た人がよく不思議がる、衣替えの話です。
答えは「日付で決まっているから」
衣替えは、6月1日に夏服へ、10月1日に冬服へ替える習慣です。制服のある学校や職場の多くが、この2つの日付を区切りにしています。気温で決めているわけではないので、暑い日に冬服を着ることになる年もあります。
外国人が驚くのは、替える日が「全員いっせい」なことです。寒くなったら各自が長袖を出す、というのなら分かりやすいはずです。けれども、学校が日を決めて生徒全員が同じ日に替えるのは、制服のない国の人には想像しにくい光景です。
千年前の宮中から
衣替えのもとは、平安時代の宮中で、季節の変わり目に装束を改めた行事だとされます。その日付が、旧暦の4月1日と10月1日でした。
明治に入って暦が太陽暦に変わると、役人や軍人の洋服の制服を替える日として、6月1日と10月1日が決められたとされます。これが学校や会社に広がりました。実は、旧暦は今の暦より1か月ほど遅れて進むので、昔の10月1日は、年によって違いますが、今の暦の10月下旬から11月ごろにあたります。同じ「10月1日」でも、今の衣替えは昔より1か月ほど早い季節に来るのです。
日付があるから、迷わない
なぜ気温ではなく日付なのでしょうか。制服は、みんなが同じ格好であることに意味があります。一人ひとりに任せると、服装がそろわなくなります。日付を決めておけば、いつ替えるかで誰も迷いません。
家庭でも、この日付を目安にして、たんすの中の夏物と冬物を入れ替えます。衣替えは学校の決まりであると同時に、季節の家事の名前でもあります。
いまは「移行期間」の時代
ただ、秋になっても暑い日が続くようになり、事情は変わってきました。いまは、10月1日を過ぎても夏服でよい「移行期間」を数週間置く学校も多く、日付どおりに全員が一斉に替えるとは限らなくなっています。
職場でも、環境省は2021年度から、軽い服装で働くクールビズの期間を全国一律には決めず、地域や各自の判断に任せる形にしました。日付で季節を区切る習慣は残しながら、その日付に体を合わせるのはやめる方向に動いています。今の衣替えは、ちょうどその途中にあると言えます。
英語で言うと
Many schools in Japan switch uniforms on two fixed dates: June 1st for summer and October 1st for winter. The custom is said to go back to the imperial court about a thousand years ago, and in the late 1800s the same idea was applied to government uniforms, and then to schools. With hotter autumns, though, many schools now give students a few weeks to switch whenever they're ready.
日本の多くの学校は、決まった2つの日に制服を替えます。夏服は6月1日、冬服は10月1日です。この習慣は千年ほど前の宮中にさかのぼるとされ、1800年代の終わりに同じ考え方が役人の制服に、そして学校に当てはめられました。ただ、秋が暑くなった今では、準備ができたときに替えればよい期間を数週間設ける学校が多くなっています。
このコラムから、使えるフレーズ
- Today's the day we switch to winter uniforms.今日から冬服なんです。
- It's called koromogae, the seasonal change of clothes.衣替えといって、季節に合わせて服を替えることです。
- It's still hot, but on the calendar, it's time for winter clothes.まだ暑いけど、暦の上では冬服の時期なんです。
- Many schools give students a couple of weeks to make the switch.多くの学校では、替えるための期間を2週間くらい設けています。
- At home, we pack away the summer clothes and bring out the winter ones.家でも、夏物をしまって冬物を出します。