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外国人に聞かれてビックリ仏教・お寺

2026年9月23日(水)

「これナチスのマーク?」

地図の卍、国が一度は変えかけた話

日本地図には、お寺を示す記号として卍(まんじ)が使われています。外国人の友人にそれを見せると、驚かれることがあります。ナチスのハーケンクロイツに似ているからです。実はこの記号、国が一度は変えようとして、やめた過去があります。今日は秋分の日で、お彼岸の中日。お墓参りでお寺へ向かう人が多い日なので、地図の卍に目がとまる外国人もいるかもしれません。

鳥居のある神社と山門のある寺を見比べる風景

似ているだけ

卍は仏教やヒンドゥー教で古くから使われてきた吉祥のしるしで、ナチスの記号よりも何千年も前からあります。日本の地図の卍は、腕の先が左向きに回り込み、正方形に近い形で置かれます。

ナチスのハーケンクロイツは45度傾けて置かれ、腕の向きも逆です。似ているのは偶然ではなく、ナチス側がもともとインドやヨーロッパにあった吉祥のしるしを借りて使ったからだとされています。

国が変えかけた

2016年1月、国土地理院は外国人向けの地図記号を新しく作る作業の中で、寺院を示す卍を三重塔のマークに変える案を発表しました。訪日客への調査で、卍を見てナチスドイツを連想すると答えた人が一定数いたためです。

背景には、2015年に訪日外国人数が初めて1,900万人を超えて過去最多を更新し、観光地の地図が外国人にもそのまま読めるものであってほしいという事情がありました。

結局、変えなかった

この案への意見募集(2016年1〜2月)には、「三重塔の絵では分かりにくい」「卍を尊重し、その由来を外国人に理解してもらうべきだ」といった反対の声が相次ぎました。国土地理院は2016年3月、卍をそのまま残すことに決めています。

同じ3月に決まった外国人向けの地図記号15種には、郵便局や交番、ホテルなどが入りましたが、寺院は入りませんでした。

説明のしかた

聞かれたときは、まず「ナチスとは関係ない、仏教の古い記号だ」と言い切ってから、腕の向きが逆であることを見せると、たいてい納得してもらえます。地図記号一つにも、こういう議論があったと話すと会話が続きます。国土地理院の地図はいまも変わらず、寺院の記号として卍を使い続けています。

英語で言うと

That symbol on Japanese maps is manji, not the Nazi swastika. It's an ancient Buddhist symbol for temples that's thousands of years older than Nazi Germany, and its arms turn the opposite way from the Nazi one. Japan's own mapping agency considered replacing it on foreign-visitor maps in 2016, but after public comments it dropped the idea that March.

日本地図のあの記号は、ハーケンクロイツではなく卍です。ナチスドイツより何千年も前からある仏教の記号で、腕の向きもナチスのものとは逆です。国土地理院は2016年、外国人向け地図でこの記号を変えることを検討しましたが、寄せられた意見を受けて、同じ年の3月にやめることにしました。

このコラムから、使えるフレーズ

  • That's not the Nazi symbol — it's manji, an old Buddhist sign.
    それはナチスのマークじゃなくて、卍という仏教の古い記号なんです。
  • It marks a Buddhist temple on Japanese maps.
    日本の地図でお寺を表す記号なんです。
  • It's actually much older than the Nazi symbol.
    実はナチスの記号よりずっと古いんですよ。
  • The government thought about changing it, but decided not to.
    国が一度は変えようとしましたが、結局やめたんです。
  • Notice the arms turn the opposite way from the Nazi swastika.
    ナチスのマークとは、腕の向きが逆なんです。

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