2026年9月14日(月)
「日本人、歩きながら食べないの?」
禁止されてはいない。でも、まずやらない
屋台でたこ焼きを買った外国人が歩き出そうとして、日本人が全員その場で立ち止まって食べているのに気づく。これ、けっこうな確率で起きる場面です。
買った場所から3歩以内で食べきる国
祭りの屋台でも、駅の売店でも、日本人は買ったその場、あるいは店の横で食べきってから歩き出します。歩きながら食べている人は、見かけないわけではありませんが、多数派ではない。
海外では、コーヒー片手に歩くのも、サンドイッチをかじりながら通勤するのも普通です。だから日本の光景は「なぜ、わざわざ止まるのか」という疑問になります。
最大の理由は、ごみ箱がないこと
日本の路上には、ごみ箱がほとんどありません。歩きながら食べ始めると、串や容器を持ったまま数十分歩くことになります。それが分かっているから、その場で食べきる。
駅からごみ箱が激減したのは、1995年の地下鉄サリン事件以降のことです。安全対策として撤去が進み、そのまま戻らなかった。今の「街にごみ箱がない日本」は、そこまで古い伝統ではありません。
行儀の問題でもある
日本語には「歩き食い」という言葉があり、はっきり行儀が悪いものとして扱われます。「ながら食べ」を嫌う感覚は、食事を軽く扱わない、という考え方ともつながっています。いただきます、と言ってから食べる文化と地続きです。
とはいえ、これも絶対ではありません。ソフトクリームを食べながら観光地を歩く人はいくらでもいます。
しかも今、少し揺れている
近年は「食べ歩きグルメ」が観光の目玉として推されています。一方で、混雑する観光地では汚れやトラブルが問題になり、鎌倉市のように条例で食べ歩きの自粛を求めた自治体もあります。
だから外国人に説明するなら、「禁止ではないが、ごみを持ち歩くことになるし、場所によっては嫌がられる」が正確なところです。そして必ずこう足してください。「ごみは持ち帰ってくださいね」と。
英語で言うと
Eating while you walk isn't banned here, and nobody is going to stop you. The practical problem is that Japan has almost no public bins, so you'll end up carrying a greasy skewer around for the next hour. There's also an old feeling that eating on the move looks careless — though plenty of us do it at festivals anyway.
歩きながら食べるのは禁止ではありませんし、誰も止めません。困るのは現実的なほうで、日本には公共のごみ箱がほとんどないので、脂のついた串を一時間も持ち歩くことになります。それに、歩きながら食べるのは行儀が悪いという古い感覚もあります。とはいえ、祭りでは私たちもふつうにやっているのですが。
このコラムから、使えるフレーズ
- Most people finish it right where they bought it.たいてい、買ったその場で食べきります。
- There are almost no bins on the street here.日本の路上には、ごみ箱がほとんどありません。
- You'll end up carrying the rubbish for an hour.ごみを1時間持ち歩くことになりますよ。
- It's not banned — it's just considered bad manners.禁止ではなく、行儀が悪いとされているだけです。
- Please take your rubbish with you.ごみは持ち帰ってくださいね。