2026年9月8日(火)
誰も住んでいない家が900万戸
30年で倍になった空き家のこと
日本の地方を歩くと、雨戸の閉まった家、庭が草で埋まった家、屋根が落ちかけた家が並んでいます。外国から来た人は「なぜ売らないのか」と聞きます。答えは単純ではありません。売れないのです。
13.8%という数字
総務省の住宅・土地統計調査によると、2023年10月1日時点の空き家は900万戸で、過去最多でした。総住宅数6502万戸に対して13.8%にあたり、こちらも過去最高です。
1993年は448万戸でしたから、30年で倍になった計算になります。
このうち、賃貸用・売却用や別荘などを除いた、いわゆる使い道の決まっていない空き家は385万戸。総住宅数の5.9%です。
なぜ空いたまま置かれるのか
まず、買い手がいません。人が減っている地域では、家が余っています。ただで譲ると言っても引き取り手がつかないことがあります。
次に、壊すのにお金がかかります。木造の一戸建てでも解体には百万円単位が必要です。さらに、家が建っている土地は固定資産税が軽くなる仕組みがあるため、更地にすると税金が上がってしまう場合があります。放っておくほうが安いという状態が生まれていました。
相続の問題もあります。持ち主が亡くなったあと、相続人が何人もいて、全員の合意がないと売れない。連絡がつかない人がいると、手が出せなくなります。
動きも出ています
危険な状態の空き家に対しては、自治体が指導や勧告を行い、税の優遇を外したり、最終的には強制的に撤去したりできる仕組みが整えられてきました。
一方で、安い空き家を買って直して住む人も増えています。外国人が地方の古家を買って改装する例も報じられるようになりました。
ただし、地方の空き家は安く見えても、水回りの改修、断熱、耐震で費用がかさみます。「100万円で家が買える」という話だけを見て判断するのは危険です。
英語で言うと
Japan had nine million empty houses as of 2023, about fourteen percent of all homes. It isn't that nobody wants to sell — it's that nobody wants to buy, and in some places you can't give one away. Pulling it down can raise the owner's property tax, so the cheapest thing to do is leave it standing. That is how a house ends up empty for twenty years.
2023年の時点で、日本の空き家は九百万戸、住宅全体のおよそ十四パーセントでした。売りたくないのではありません。買い手がいないのです。地域によっては、ただで譲ると言っても引き取り手がつきません。壊すと土地の税が上がることがあるので、いちばん安上がりなのは建てたままにしておくことです。こうして家は二十年空いたままになります。
このコラムから、使えるフレーズ
- There are about nine million empty houses here — 13.8 percent of all homes.空き家は約900万戸で、住宅全体の13.8%です。
- It doubled in thirty years, mostly outside the big cities.30年で倍になりました。ほとんどは大都市の外です。
- Demolition costs a lot, and an empty lot is taxed higher than one with a house on it.解体費が高いうえ、更地にすると税金が上がることがあるんです。
- Often the owner has died and the heirs can't all agree, so nothing happens.持ち主が亡くなって相続人の合意が取れず、動かせないことも多いです。
- Cheap old houses look tempting, but plumbing, insulation and earthquake work add up fast.安い古家は魅力的に見えますが、水回りと断熱と耐震ですぐに費用がかさみます。
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