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授業アイデア・高校

AI翻訳で消える「気持ち」を探せ

日本語のあいまいさや気配りがAI翻訳でどう変わるかを比べ、自分で英文を書き直します。

高2・31単位時間(50分)読むこと・話すこと[やり取り]・書くこと
もくじ(8項目)
  1. 次期学習指導要領とのつながり
  2. 準備するもの
  3. 手順
  4. 評価(見取り)のポイント
  5. AIを使うなら
  6. うまくいくコツ・アレンジ
  7. ワークシート(印刷できます)
  8. ほかのアイデア

次期学習指導要領とのつながり

AI翻訳で消える「気持ち」を探せ
母語・自国の文化のメタ認知AIの出力を吟味する相手の文化的背景への配慮

審議まとめは、AIで手軽に高精度の翻訳ができる時代に外国語を学ぶ本質的意義を、言葉・文化・コミュニケーションへの深い理解を育むことなどの観点から整理し、母語や自国の文化のメタ認知を促すことを挙げています。資料編では、AIで翻訳・通訳が可能となる中でも出力の正確性・適切性を批判的に検討するには相応の英語力が必要だという視点や、母語の影響を受けた表現や思考の癖に気付いて修正につなげる姿が示されています。日本語でよく見られる、文脈に委ねた遠回しな断り方や主語の省略がAI翻訳でどう変わるかを比べると、日本語の特徴と、英語で伝えるときに必要な工夫の両方が見えてきます。 P277P278P282資料(外④)P4資料(外⑭)P14

ねらい

日本語のメッセージとAI翻訳の英文を比べ、相手との関係や場面に合っているかを判断し、意図が伝わるよう自分で英文を書き直すことができる。

準備するもの

  • 日本語の短いメッセージ3つ(先生が作成。例:留学生からの誘いを遠回しに断る「その日はちょっと…。また今度ぜひ!」、先輩への依頼「お手すきのときで大丈夫なので…」、お礼とおわびが混じる「わざわざすみません」)
  • 先生が事前に翻訳ツールで訳した英文(印刷)
  • 比較シート(ワークシート)

手順

  1. 「その日はちょっと…」という日本語を見せ、本当は何を言いたいのかを全員で確かめます。言葉にしていない部分(断り、相手への気配り、次への期待)に気付かせます。5分
    What does this message really mean? What isn't written, but is still understood in Japanese?このメッセージは本当は何を言いたいのかな。日本語では、書いていないのに伝わっていることは何だろう。
  2. 翻訳ツールの英文を読み、ペアで「伝わっていること」「伝わっていないこと・誤解されそうなこと」を比較シートに書きます。英語の話者がこの英文を受け取ったらどう感じるかを考えます。12分
  3. ALTがいる場合は、AI翻訳の英文を読んだ印象を聞きます(いない場合は、先生が英語の受け手の立場から説明します)。8分
    If I got this message, I might think you're still deciding. I wouldn't know if your answer is yes or no.このメッセージを受け取ったら、まだ迷っているのかなと思うかもしれません。答えがイエスかノーか分からないですね。
  4. 相手との関係や場面に合わせて、意図が伝わる英文を自分たちで書き直します(例:断ることははっきり伝えつつ、感謝と次への期待を添える)。班で書いた案を比べ、どれが相手にとって分かりやすく失礼でないかを話し合います。15分
  5. 「日本語で当たり前にしていること」と「英語で伝えるときに必要な工夫」を全体でまとめ、振り返りを書きます。10分

評価(見取り)のポイント

【思考・判断・表現】場面や相手との関係を踏まえてAI翻訳の適切さを判断し、意図が伝わるように英文を書き直しているかを、比較シートと書き直した英文で見取ります。【主体的に学習に取り組む態度】日本語と英語の伝え方の違いに気付き、自分の表現を見直そうとする姿を振り返りで見取ります。

AIを使うなら

翻訳ツールの出力は「批判的に読む素材」として、先生が事前に用意します。生徒が自分で試す場合は、学校・教育委員会が利用を認めたツールに限り、利用規約の年齢制限と保護者同意の要否を確かめておきます。個人情報や実在の人物の名前は入力しないことを確認します。「AI翻訳は使えない」と結論づけるのではなく、意図を補ったり出力を吟味して直したりする力があれば、ツールをより効果的に使えることを伝えます。

うまくいくコツ・アレンジ

  • 日本語の遠回しな表現を「悪い」と扱わず、どちらの言語にも相手への気配りの形があることを確かめます。
  • 英語にも遠回しな言い方や丁寧な言い方があることに触れ、「英語は何でもはっきり言う」という単純化を避けます。
  • メッセージは、部活動、アルバイト、留学生との交流など、生徒が実際に送りそうな場面から選びます。

アレンジ

  • 中3では、「よろしくお願いします」のような短いあいさつの翻訳を比べ、使う場面を英語で説明する活動にします。
  • 英語コミュニケーション(発信)(仮称)では、同じ依頼のメールを、相手(友達・先生・企業の担当者)に合わせて書き分ける活動に発展させます。

ワークシート(印刷できます)

ワークシート:What Gets Lost in Translation?

Compare the Japanese message and the AI translation, then rewrite it. / 日本語とAI翻訳を比べ、意図が伝わるように書き直しましょう。

  1. Japanese message(日本語): ________
  2. AI translation(AI翻訳): ________
  3. What is conveyed(伝わっていること): ________
  4. What is lost or may be misunderstood(伝わっていない・誤解されそうなこと): ________
  5. My version(自分の英文): ________
  6. 日本語の特徴として気付いたこと:________

Name: ______________________  Class: ______  No.: ______

ほかのアイデア

※ 次期学習指導要領は告示前です。審議まとめ(2026年10月5日)の方向性をふまえた原田英語.comのオリジナルのアイデアです。