2026年10月26日(月)
エルニーニョ現象、1949年以降でいちばんの強さに
遠い南米沖の海が、日本の冬を暖かくする仕組み
2026年の春から続いているエルニーニョ現象が、気象庁が比べられる1949年以降の記録の中で、いちばんの強さになりました。気象庁が2026年10月9日に発表した監視速報によると、9月の監視海域の海面水温は基準の値より4.0℃高く、1949年以降でもっとも高かった1997年12月の3.6℃を上回りました。気象庁は、この冬の日本は平年より暖かくなる可能性が高いと予報しています。
南米沖の海が暖かくなる
エルニーニョ現象とは、太平洋の赤道付近の中部から東部、南米の沖のほうにかけての海面水温が、ふだんより高い状態が続くことです。気象庁は、この海域の水温と基準の値との差を毎月計っています。その差を5か月ならした値が0.5℃以上の状態が6か月以上続いたとき、エルニーニョ現象が起きたとみなします。
気象庁は2026年6月に、春からエルニーニョ現象が起きているとみられると発表しました。10月9日の速報では、9月の差が4.0℃に達して過去最大の強さになったとし、冬にかけてもこの強さが続く見込みだとしています。
なぜ日本の冬が暖かくなるのか
気象庁の解説によると、エルニーニョ現象が起きると、太平洋の西側の熱帯の海では水温が低くなり、フィリピンのあたりで雲のできる勢いが弱まります。すると日本の上空を流れる偏西風(ジェット気流)の流れが変わり、冬に大陸から吹いてくる冷たい季節風が弱まりやすくなります。日本の冬の寒さはこの季節風が運んでくるので、風が弱まれば、寒さもやわらぎやすくなります。
気象庁が過去の記録をまとめたところでは、エルニーニョ現象の冬は、西日本で気温が平年並か高くなりやすく、冬の前半は北日本と沖縄・奄美でも高くなりやすいとされています。また、東日本の太平洋側では、雨や雪の量が多くなりやすい傾向があります。
「高い確率60%」の読み方
気象庁が2026年10月20日に出した3か月予報(11月〜翌年1月)では、平均気温が「高い」確率は、北日本で50%、東日本・西日本・沖縄・奄美で60%でした。9月18日に出した冬(12月〜2月)の予報でも、東日本と西日本で60%、沖縄・奄美で70%となっています。
この数字には読み方があります。気象庁は1991年から2020年までの30年分の記録を3つに分け、「低い」「平年並」「高い」がそれぞれ33%ずつになるようにしています。何も手がかりがなければ、どれも33%です。60%は「暖かい冬になりやすい」という意味で、「必ず暖冬になる」という意味ではありません。暖冬と予想された年でも、強い寒波が来て大雪になることはあるので、雪国では冬の備えがいつもどおり欠かせません。
英語で言うと
This year's El Niño is the strongest on record. In September, the ocean along the equator in the eastern Pacific was 4.0°C warmer than usual. That matters here because El Niño tends to weaken the cold winter winds from Siberia, so Japan's weather agency says this winter will probably be warmer than usual. But a warm winter is a likely outcome, not a promise. Big snowstorms can still happen, so people in snowy areas are getting ready as usual.
今年のエルニーニョ現象は、記録のある中でいちばんの強さです。9月には、太平洋の赤道に近い東側の海が、ふだんより4.0℃暖かくなりました。日本に関係があるのは、エルニーニョ現象には、シベリアから吹いてくる冬の冷たい風を弱めやすい性質があるからです。そのため気象庁は、この冬は平年より暖かくなる可能性が高いと言っています。ただ、暖冬は「なりやすい」というだけで、約束ではありません。大雪になることもあるので、雪の多い地域の人たちはいつもどおり冬の準備をしています。
このコラムから、使えるフレーズ
- They say this winter will probably be warmer than usual.この冬は、平年より暖かくなりそうだと言われています。
- El Niño tends to weaken the cold winds from Siberia.エルニーニョ現象は、シベリアからの冷たい風を弱めやすいんです。
- A 60 percent chance doesn't mean it will definitely be warm.確率60%というのは、必ず暖かくなるという意味ではありません。
- Even in a warm winter, we can still get heavy snow.暖冬の年でも、大雪になることはあります。
- The forecast compares this winter with the last 30 years.この予報は、この冬を過去30年と比べたものです。
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