2026年9月25日(金)
ビールも第三のビールも、税金が同じに
麦芽の量で税が決まっていた国の、ビール風飲料の話
2026年10月1日から、ビール・発泡酒・「第三のビール」と呼ばれてきた新ジャンルにかかる酒税が、同じ額になります。財務省によると、350ミリリットル缶1本あたり54.25円です。2020年から3段階で進めてきた改正の最後の段階で、日本のスーパーのお酒売り場の景色を長く形づくってきたビール風の飲み物の税の差が、ここでなくなります。
2026年10月の数字
350ミリリットルあたりの酒税は、ビールが2020年9月までの77円から、70円、63.35円と下がり、2026年10月に54.25円になります。反対に、新ジャンルは28円から37.8円、46.99円と上がり、同じく54.25円にそろいます。麦芽の割合が25%未満の発泡酒は46.99円から54.25円に上がります。
ビールは税が下がり、発泡酒と新ジャンルは税が上がる、という組み合わせです。財務省は、全体として税収が増えも減りもしない「税収中立」の考え方で改正を行うと説明しています。
なぜ3種類もあったのか
日本の酒税法は、原料や麦芽をどれだけ使ったかなどで酒を分け、分類ごとに税率を決めています。ビールの税率が高かったため、メーカーは麦芽を減らして「発泡酒」の区分に入る商品を作り、さらに麦芽以外の原料を使うなどして、より税の低い区分に入る「新ジャンル」を作りました。見た目も味もビールに近い飲み物が、税の区分の違いで安く売られてきたわけです。
財務省はこの状態を、似た酒どうしの税率の差が商品開発や販売数量に影響を与えている、と説明し、税負担の公平さを取り戻すために税率をそろえることにしました。税の区分に合わせて商品を作り、それに合わせてまた税が変わる、という追いかけっこに、いったん区切りがつく形です。
「ビール」の定義も変わった
税率と並んで、ビールの定義も見直されています。2018年4月からは、ビールと名乗れる麦芽の割合が、それまでの3分の2以上から50%以上に下がり、麦芽の重さの5%までなら、果実やコリアンダーなどの香味料も副原料として使えるようになりました。
そのため、海外ではビールとして売られている、果実を使ったクラフトビールなども、日本の税法上のビールに入りやすくなりました。日本で缶に「発泡酒」と書いてあっても、品質が低いという意味ではなく、税法上の分類を示しているだけの場合があります。
ビール以外も変わる
見直しはビール類だけではありません。日本酒とワインなどの醸造酒は、2023年10月に1キロリットルあたり10万円で税率がそろいました。缶チューハイなどの「その他の発泡性酒類」は、2026年10月に350ミリリットルあたり28円から35円に上がります。
ただし、税がそろっても、店頭の値段まで同じになるわけではありません。値段は原料や製造の費用、各社の価格の決め方でも変わります。外国人に説明するときは、「日本のビールは種類が多い」のではなく、「税の区分の違いで、似た飲み物が何種類も生まれた」と言うと正確です。
英語で言うと
From October 2026, beer and the cheaper beer-like drinks in Japan will be taxed the same, about 54 yen for a 350-milliliter can. For years, the tax depended mainly on how much malt a drink used, so brewers made drinks with less malt or other ingredients to put them in lower tax brackets. The tax gap is now gone, but store prices will still differ because costs and pricing vary.
2026年10月から、日本ではビールと、それより安いビール風の飲み物にかかる税金が同じになり、350ミリリットル缶1本あたり約54円になります。長年、税の額は主に麦芽をどれだけ使うかで決まっていたので、メーカーは麦芽を減らしたり別の原料を使ったりして、税の低い区分に入る飲み物を作ってきました。税の差はなくなりましたが、費用や値段の付け方が違うので、店頭の値段にはこれからも差があります。
このコラムから、使えるフレーズ
- In Japan, the tax on beer-like drinks depended mainly on how much malt they contained.日本では、ビール類の税金は主に麦芽の量で決まっていました。
- "Third beer" is a beer-like drink made to fall into a lower tax category.「第三のビール」は、税の低い区分に入るように作られたビール風の飲み物です。
- From October 2026, they are all taxed at the same rate.2026年10月から、すべて同じ税率になります。
- Happoshu on the label is a tax category, not a sign of low quality.ラベルの「発泡酒」は税の区分で、質が低いという意味ではありません。
- The tax on canned chuhai is going up a little, too.缶チューハイの税金も少し上がります。
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