The Exchange Student, Episode 5: The Typhoon(交換留学生 第5話:台風)の挿絵

📕 交換留学生 全8話の 5番目 目次 ↓

The Exchange Student, Episode 5: The Typhoon

交換留学生 第5話:台風

  • 📖 487 words
  • ⏱ 約6分
  • YL 1.0–1.4
  • 英検3級目安
  • 📝 全訳つき

あらすじ【連載第5話】ついに大きな台風が町にやって来ました。停電した真っ暗な夜、いつも明るいエマがおびえて黙りこみます。そのとき、内気なミオがとった行動とは……。

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キーワード(9語)本文の点線の語はタップで意味が出ます
  • harbor港
  • dangerous危険な
  • bending曲がっている・しなっている
  • candlesろうそく
  • howling(風が)うなっている
  • dragon god竜神
  • brave勇気のある
  • illustratorイラストレーター
  • seaweed海藻

🔊 音声は準備中です。もうしばらくお待ちください。

On Sunday morning, the sky was a strange yellow color. The wind was getting stronger, and the sea was gray and angry. Mio's father went to the harbor early to tie up his boat. Mio and Emma helped her mother. They put tape on the windows and brought the flower pots inside.

日曜の朝、空は不気味な黄色をしていた。風はどんどん強くなり、海は灰色に荒れていた。父は朝早く港へ行き、舟をしっかりつないだ。ミオとエマは母を手伝って、窓にテープを貼り、植木鉢を家の中に運び込んだ。

"In Vancouver, we have rain and snow," Emma said. "But we don't have typhoons. Is it really dangerous?"

「バンクーバーには雨も雪もあるけど」とエマが言った。「台風はないの。本当に危ないの?」

"If we stay inside, we'll be fine," said Mio. "We have typhoons every year. Don't worry."

「家の中にいれば大丈夫」とミオは言った。「台風は毎年来るから。心配しないで」

Emma tried to smile, but her hands were shaking.

エマは笑おうとしたが、手が震えていた。

By the afternoon, the rain was hitting the house like small stones. The trees in the garden were bending in the wind. Mio's father came home wet from head to toe. "The boat is safe," he said. Then, at seven o'clock, all the lights went out.

午後になると、雨が小石のように家にたたきつけてきた。庭の木々が風にしなっていた。父が頭からつま先までずぶぬれで帰ってきた。「舟は大丈夫だ」そして七時、家じゅうの明かりがいっせいに消えた。

Kota screamed. Emma screamed louder. Mio's mother laughed and found some candles. "This happens every time," she said.

コウタが悲鳴を上げた。エマはもっと大きな悲鳴を上げた。母は笑って、ろうそくを何本か出してきた。「毎回こうなのよ」と母は言った。

The family sat together in the living room. Outside, the wind was howling like a giant animal. Emma sat with her arms around her knees and did not say a word. The cheerful girl was quiet for the first time.

家族は居間に集まって座った。外では、風が巨大な獣のようにうなっていた。エマはひざを抱えたまま、ひと言も話さなかった。あの明るい子が、初めて黙り込んでいた。

Mio looked at her. Then she did something new. She began to talk.

ミオはエマを見た。そして、これまで一度もしたことのないことをした。自分から話しはじめたのだ。

She told Emma about the typhoon when she was six. A tree fell on their house, and her father carried her on his back through the dark. Then she told an old Umino story. "A dragon god lives under our sea," she said. "When he is angry, he makes typhoons. But in the morning, he always goes back to sleep."

まず、六歳のときの台風の話をした。木が家の上に倒れてきて、父が暗やみの中、ミオをおんぶして運んでくれたこと。それから、海野に伝わる昔話をした。「この海の底には竜神さまが住んでるの。竜神さまが怒ると、台風になる。でも朝になると、竜神さまは必ずまた眠っちゃうんだよ」

Mio took out her sketchbook and drew by candlelight. She drew a funny dragon with a big round nose, sleeping on the waves. Kota laughed. Then Emma laughed too, just a small laugh.

ミオはスケッチブックを取り出し、ろうそくの明かりで絵を描いた。大きな丸い鼻の、おかしな竜が、波の上で眠っている絵だった。コウタが笑った。それからエマも、ほんの少しだけ笑った。

Later, Kota and the parents fell asleep. The two girls were still awake.

やがて、コウタと両親は眠ってしまった。ふたりはまだ起きていた。

"Mio," Emma said, "tonight, you are the brave one."

「ミオ」とエマが言った。「今夜は、ミオのほうが勇気があるね」

"Me? I'm never brave," said Mio. "At school, I can't even say hello first. I want to be an illustrator someday, but I can't show my pictures to anyone. I'm too scared."

「わたしが? わたしなんか、全然だよ」とミオは言った。「学校では、自分からあいさつもできない。いつかイラストレーターになりたいけど、自分の絵をだれにも見せられないの。怖くて」

"You showed them to me," said Emma. "And you know what? In Canada, I was often alone. I smile all the time because I'm scared too. When I smile, nobody can see it."

「わたしには見せてくれたじゃない」とエマは言った。「それにね、カナダでは、ひとりぼっちでいることが多かったの。いつも笑ってるのは、わたしも怖いから。笑ってれば、だれにも気づかれないでしょ」

Mio was surprised. "Even you?" "Even me."

ミオは驚いた。「エマも?」「わたしも」

They sat together and listened to the storm. Slowly, the wind became softer.

ふたりは寄り添って、嵐の音を聞いていた。少しずつ、風は穏やかになっていった。

In the morning, the sky was blue and clear. But the beach was not clean at all. It was covered with broken wood, plastic bottles, and seaweed. Their favorite place by the sea looked sad and ugly.

朝になると、空は青く澄みわたっていた。けれども浜辺は、ひどいありさまだった。折れた木材やペットボトル、海藻で、砂浜が埋め尽くされていた。ふたりの大好きな海辺は、見るも無残な姿になっていた。

Emma looked at the beach for a long time. Then she turned to Mio. Her eyes were shining. "Mio, I have an idea," she said. "But I need your help. And you will have to be brave again."

エマは長いあいだ浜辺を見つめていた。それからミオのほうを振り向いた。目がきらきらと輝いていた。「ミオ、いいこと思いついた」とエマは言った。「でも、ミオの力がいるの。それに、もう一回、勇気を出してもらわなきゃ」

📖 全訳をまとめて読む 読み終わってからの答え合わせに

日曜の朝、空は不気味な黄色をしていた。風はどんどん強くなり、海は灰色に荒れていた。父は朝早く港へ行き、舟をしっかりつないだ。ミオとエマは母を手伝って、窓にテープを貼り、植木鉢を家の中に運び込んだ。

「バンクーバーには雨も雪もあるけど」とエマが言った。「台風はないの。本当に危ないの?」

「家の中にいれば大丈夫」とミオは言った。「台風は毎年来るから。心配しないで」

エマは笑おうとしたが、手が震えていた。

午後になると、雨が小石のように家にたたきつけてきた。庭の木々が風にしなっていた。父が頭からつま先までずぶぬれで帰ってきた。「舟は大丈夫だ」そして七時、家じゅうの明かりがいっせいに消えた。

コウタが悲鳴を上げた。エマはもっと大きな悲鳴を上げた。母は笑って、ろうそくを何本か出してきた。「毎回こうなのよ」と母は言った。

家族は居間に集まって座った。外では、風が巨大な獣のようにうなっていた。エマはひざを抱えたまま、ひと言も話さなかった。あの明るい子が、初めて黙り込んでいた。

ミオはエマを見た。そして、これまで一度もしたことのないことをした。自分から話しはじめたのだ。

まず、六歳のときの台風の話をした。木が家の上に倒れてきて、父が暗やみの中、ミオをおんぶして運んでくれたこと。それから、海野に伝わる昔話をした。「この海の底には竜神さまが住んでるの。竜神さまが怒ると、台風になる。でも朝になると、竜神さまは必ずまた眠っちゃうんだよ」

ミオはスケッチブックを取り出し、ろうそくの明かりで絵を描いた。大きな丸い鼻の、おかしな竜が、波の上で眠っている絵だった。コウタが笑った。それからエマも、ほんの少しだけ笑った。

やがて、コウタと両親は眠ってしまった。ふたりはまだ起きていた。

「ミオ」とエマが言った。「今夜は、ミオのほうが勇気があるね」

「わたしが? わたしなんか、全然だよ」とミオは言った。「学校では、自分からあいさつもできない。いつかイラストレーターになりたいけど、自分の絵をだれにも見せられないの。怖くて」

「わたしには見せてくれたじゃない」とエマは言った。「それにね、カナダでは、ひとりぼっちでいることが多かったの。いつも笑ってるのは、わたしも怖いから。笑ってれば、だれにも気づかれないでしょ」

ミオは驚いた。「エマも?」「わたしも」

ふたりは寄り添って、嵐の音を聞いていた。少しずつ、風は穏やかになっていった。

朝になると、空は青く澄みわたっていた。けれども浜辺は、ひどいありさまだった。折れた木材やペットボトル、海藻で、砂浜が埋め尽くされていた。ふたりの大好きな海辺は、見るも無残な姿になっていた。

エマは長いあいだ浜辺を見つめていた。それからミオのほうを振り向いた。目がきらきらと輝いていた。「ミオ、いいこと思いついた」とエマは言った。「でも、ミオの力がいるの。それに、もう一回、勇気を出してもらわなきゃ」

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理解度チェック Quick Quiz

読み終わったら、3問だけ。間違えても大丈夫。多読は「だいたいわかる」で十分です。

Q1. What happened at seven o'clock?

Q2. What did Mio draw by candlelight?

Q3. Why does Emma smile all the time?

この読み物の使い方 3ステップ

  1. 聞きながら読む 音声に合わせて光る文を目で追う(聞き読み)。わからない語は飛ばしてOK。
  2. 音声なしで読む ⏱計測ボタンで読む速さ(WPM)を測ってみる。
  3. 耳だけで聞く 🎧聞くだけモードで、文字を見ずに内容がわかるか試す。🔁1文リピートで音読・シャドーイングも。

聞き読みの効果とやり方/多読三原則

📕 交換留学生 The Exchange Student

全8話・3,332語。1話ずつ、音声と全訳つきで読めます。

目次(全8話)
  1. 交換留学生 第1話:新しい顔 320語
  2. 交換留学生 第2話:わたしはカニです 375語
  3. 交換留学生 第3話:花火 304語
  4. 交換留学生 第4話:ひみつ 352語
  5. 交換留学生 第5話:台風 487語
  6. 交換留学生 第6話:ビーチ・プロジェクト 495語
  7. 交換留学生 第7話:海の向こうから来た姉 466語
  8. 交換留学生 第8話:空港でさよなら 533語

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