Dr. Jekyll Was Quite at Ease(第3章 ジキル博士はすっかりくつろいでいた)の挿絵

📕 ジキル博士とハイド氏 全11章の 3番目 目次 ↓

Dr. Jekyll Was Quite at Ease

第3章 ジキル博士はすっかりくつろいでいた

  • 📖 798 words
  • ⏱ 約7分
  • 🔊 4:18
  • YL 5.0+
  • 英検1級・ネイティブ目安
  • 📝 全訳つき

あらすじ二週間後、ジキル博士の夕食会のあとで、アタスンは遺言書のことを切り出します。ジキルは笑ってかわしながらも、ある頼みごとを口にします。

ロバート・ルイス・スティーヴンソン『ジキル博士とハイド氏』(1886年)原文。底本: Project Gutenberg eBook #43

キーワード(11語)本文の点線の語はタップで意味が出ます
  • contrivedうまく取り計らった
  • fortnight2週間
  • heresies異端の説
  • hide-bound頭の固い
  • pedant学者ぶる人
  • ignorant無知な
  • blatant露骨な
  • incoherency支離滅裂
  • fancy気まぐれな考え
  • bear with我慢する
  • unobtrusive控えめな
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A fortnight later, by excellent good fortune, the doctor gave one of his pleasant dinners to some five or six old cronies, all intelligent, reputable men and all judges of good wine; and Mr. Utterson so contrived that he remained behind after the others had departed. This was no new arrangement, but a thing that had befallen many scores of times. Where Utterson was liked, he was liked well. Hosts loved to detain the dry lawyer, when the light-hearted and loose-tongued had already their foot on the threshold; they liked to sit a while in his unobtrusive company, practising for solitude, sobering their minds in the man's rich silence after the expense and strain of gaiety. To this rule, Dr. Jekyll was no exception; and as he now sat on the opposite side of the fire—a large, well-made, smooth-faced man of fifty, with something of a slyish cast perhaps, but every mark of capacity and kindness—you could see by his looks that he cherished for Mr. Utterson a sincere and warm affection.

二週間後、まことに運よく、博士は五、六人の古なじみを招いて、いつもの楽しい晩餐会を開いた。客はみな頭がよく、評判のいい人たちで、そろってワインの味がわかった。アタスン氏はうまく立ち回って、ほかの客が帰ったあとも一人だけ残った。これは今に始まったことではなく、それまでにも何十回となくあったことだった。アタスンは、好かれるところでは、とことん好かれた。陽気でおしゃべりな客たちが帰りかけるころ、主人たちはこの無愛想な弁護士を引きとめたがった。出しゃばらないアタスンとしばらく一緒に座っていると、一人きりになる前の心の準備ができる。にぎやかに騒いで気をつかい、くたびれたあとで、この男のゆたかな沈黙にひたって、頭を落ち着けることができるのだ。ジキル博士も、その例にもれなかった。いま暖炉の向こう側に座っている博士は、五十がらみの、大柄で、体つきのりっぱな男だった。つるりとした顔には、いくらかずるそうなところもあったかもしれない。だが、有能で親切な人柄が、どこを見てもうかがえた。その顔つきを見れば、博士がアタスン氏に、心からの温かい友情を抱いているのがよくわかった。

"I have been wanting to speak to you, Jekyll," began the latter. "You know that will of yours?"

「ジキル、君と話したいと思っていたんだ」とアタスンが切りだした。「君のあの遺言書のことだが」

A close observer might have gathered that the topic was distasteful; but the doctor carried it off gaily. "My poor Utterson," said he, "you are unfortunate in such a client. I never saw a man so distressed as you were by my will; unless it were that hide-bound pedant, Lanyon, at what he called my scientific heresies. O, I know he's a good fellow—you needn't frown—an excellent fellow, and I always mean to see more of him; but a hide-bound pedant for all that; an ignorant, blatant pedant. I was never more disappointed in any man than Lanyon."

よく見ている者なら、その話題が博士にとって不愉快なものだと気づいただろう。だが博士は、陽気に受け流した。「アタスン、気の毒にね」と博士は言った。「こんな依頼人を持って、君も運が悪い。わたしの遺言書のことで、君ほど頭を抱えた人間は見たことがないよ。まあ、あの頭の固い学者先生のラニョンが、わたしの科学の異端説とやらに頭を抱えているのは別だがね。いや、あいつがいいやつなのはわかっているよ。そんなに顔をしかめなくてもいい。すばらしい男だし、もっと会いたいといつも思っている。だが、それでもやっぱり頭の固い学者先生さ。ものを知らない、うるさい学者先生だ。ラニョンほどがっかりさせられた男はいないよ」

"You know I never approved of it," pursued Utterson, ruthlessly disregarding the fresh topic.

「わたしが一度もあれに賛成しなかったのは、知っているだろう」とアタスンは、新しい話題などおかまいなしに続けた。

"My will? Yes, certainly, I know that," said the doctor, a trifle sharply. "You have told me so."

「遺言書のことかい?ああ、もちろん知っているとも」と博士は、少しとげのある口調で言った。「君から何度も聞いたからね」

"Well, I tell you so again," continued the lawyer. "I have been learning something of young Hyde."

「では、もう一度言わせてもらう」と弁護士は続けた。「ハイドという若者のことが、少しわかってきたのだ」

The large handsome face of Dr. Jekyll grew pale to the very lips, and there came a blackness about his eyes. "I do not care to hear more," said he. "This is a matter I thought we had agreed to drop."

ジキル博士の大きな、整った顔が、唇まで真っ青になり、目のまわりに黒い影がさした。「それ以上は聞きたくない」と博士は言った。「この話はもうしないことにしたはずだ」

"What I heard was abominable," said Utterson.

「わたしが聞いたのは、忌まわしい話だった」とアタスンは言った。

"It can make no change. You do not understand my position," returned the doctor, with a certain incoherency of manner. "I am painfully situated, Utterson; my position is a very strange—a very strange one. It is one of those affairs that cannot be mended by talking."

「それで何かが変わるわけじゃない。君にはわたしの立場がわからないんだ」と博士は、いくらかしどろもどろになって答えた。「わたしはつらい立場にいるんだよ、アタスン。とても奇妙な、とても奇妙な立場なんだ。話し合ったからといって、どうにかなることじゃないんだ」

"Jekyll," said Utterson, "you know me: I am a man to be trusted. Make a clean breast of this in confidence; and I make no doubt I can get you out of it."

「ジキル」とアタスンは言った。「わたしという人間は知っているだろう。信用できる男だ。ここだけの話として、すっかり打ち明けてくれないか。そうすれば、きっと君を救い出してみせる」

"My good Utterson," said the doctor, "this is very good of you, this is downright good of you, and I cannot find words to thank you in. I believe you fully; I would trust you before any man alive, ay, before myself, if I could make the choice; but indeed it isn't what you fancy; it is not as bad as that; and just to put your good heart at rest, I will tell you one thing: the moment I choose, I can be rid of Mr. Hyde. I give you my hand upon that; and I thank you again and again; and I will just add one little word, Utterson, that I'm sure you'll take in good part: this is a private matter, and I beg of you to let it sleep."

「アタスン、君は本当にいい男だ」と博士は言った。「本当にありがたい。心からありがたいと思う。どうお礼を言えばいいのか、言葉が見つからないくらいだ。君のことは心から信じている。選べるものなら、生きているどんな人間より、そう、自分自身より、君を信じるだろう。だが、本当に、君が考えているようなことではないんだ。それほど悪いことじゃない。君のやさしい心を安心させるために、ひとつだけ言っておこう。わたしはその気になれば、いつでもハイド氏と手を切ることができる。それは握手して誓うよ。本当に、何度でも礼を言う。それから、もうひと言だけつけ加えさせてくれ、アタスン。きっと悪くはとらないでくれると思うが、これはわたし個人の問題なんだ。どうか、そっとしておいてほしい」

Utterson reflected a little, looking in the fire.

アタスンは火を見つめながら、しばらく考えこんだ。

"I have no doubt you are perfectly right," he said at last, getting to his feet.

「君の言うとおりなのだろうね」と、ようやく立ち上がりながらアタスンは言った。

"Well, but since we have touched upon this business, and for the last time I hope," continued the doctor, "there is one point I should like you to understand. I have really a very great interest in poor Hyde. I know you have seen him; he told me so; and I fear he was rude. But I do sincerely take a great, a very great interest in that young man; and if I am taken away, Utterson, I wish you to promise me that you will bear with him and get his rights for him. I think you would, if you knew all; and it would be a weight off my mind if you would promise."

「ああ、それから、せっかくこの話になったのだから(これが最後になるといいが)」と博士は続けた。「ひとつだけわかってほしいことがあるんだ。わたしは、かわいそうなハイドのことを、本当にとても気にかけているんだよ。君があの男に会ったことは知っている。本人から聞いたからね。失礼な態度をとったんじゃないかと心配している。だが、わたしは心から、あの若者のことをとても、とても気にかけているんだ。だから、アタスン、もしわたしがいなくなったら、あの男のことを大目に見て、あの男の権利を守ってやると約束してほしい。何もかも知ったら、君はきっとそうしてくれると思う。約束してくれれば、肩の荷がおりるんだが」

"I can't pretend that I shall ever like him," said the lawyer.

「あの男をいつか好きになれるとは、とても言えないね」と弁護士は言った。

"I don't ask that," pleaded Jekyll, laying his hand upon the other's arm; "I only ask for justice; I only ask you to help him for my sake, when I am no longer here."

「そんなことは頼んでいない」とジキルは、相手の腕に手をかけて頼みこんだ。「頼んでいるのは、公平に扱ってやってほしいということだけだ。わたしがもういなくなったとき、わたしのために、あの男を助けてやってほしい。それだけなんだ」

Utterson heaved an irrepressible sigh. "Well," said he, "I promise."

アタスンは、思わず深いため息をついた。「わかった」とアタスンは答えた。「約束しよう」

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二週間後、まことに運よく、博士は五、六人の古なじみを招いて、いつもの楽しい晩餐会を開いた。客はみな頭がよく、評判のいい人たちで、そろってワインの味がわかった。アタスン氏はうまく立ち回って、ほかの客が帰ったあとも一人だけ残った。これは今に始まったことではなく、それまでにも何十回となくあったことだった。アタスンは、好かれるところでは、とことん好かれた。陽気でおしゃべりな客たちが帰りかけるころ、主人たちはこの無愛想な弁護士を引きとめたがった。出しゃばらないアタスンとしばらく一緒に座っていると、一人きりになる前の心の準備ができる。にぎやかに騒いで気をつかい、くたびれたあとで、この男のゆたかな沈黙にひたって、頭を落ち着けることができるのだ。ジキル博士も、その例にもれなかった。いま暖炉の向こう側に座っている博士は、五十がらみの、大柄で、体つきのりっぱな男だった。つるりとした顔には、いくらかずるそうなところもあったかもしれない。だが、有能で親切な人柄が、どこを見てもうかがえた。その顔つきを見れば、博士がアタスン氏に、心からの温かい友情を抱いているのがよくわかった。

「ジキル、君と話したいと思っていたんだ」とアタスンが切りだした。「君のあの遺言書のことだが」

よく見ている者なら、その話題が博士にとって不愉快なものだと気づいただろう。だが博士は、陽気に受け流した。「アタスン、気の毒にね」と博士は言った。「こんな依頼人を持って、君も運が悪い。わたしの遺言書のことで、君ほど頭を抱えた人間は見たことがないよ。まあ、あの頭の固い学者先生のラニョンが、わたしの科学の異端説とやらに頭を抱えているのは別だがね。いや、あいつがいいやつなのはわかっているよ。そんなに顔をしかめなくてもいい。すばらしい男だし、もっと会いたいといつも思っている。だが、それでもやっぱり頭の固い学者先生さ。ものを知らない、うるさい学者先生だ。ラニョンほどがっかりさせられた男はいないよ」

「わたしが一度もあれに賛成しなかったのは、知っているだろう」とアタスンは、新しい話題などおかまいなしに続けた。

「遺言書のことかい?ああ、もちろん知っているとも」と博士は、少しとげのある口調で言った。「君から何度も聞いたからね」

「では、もう一度言わせてもらう」と弁護士は続けた。「ハイドという若者のことが、少しわかってきたのだ」

ジキル博士の大きな、整った顔が、唇まで真っ青になり、目のまわりに黒い影がさした。「それ以上は聞きたくない」と博士は言った。「この話はもうしないことにしたはずだ」

「わたしが聞いたのは、忌まわしい話だった」とアタスンは言った。

「それで何かが変わるわけじゃない。君にはわたしの立場がわからないんだ」と博士は、いくらかしどろもどろになって答えた。「わたしはつらい立場にいるんだよ、アタスン。とても奇妙な、とても奇妙な立場なんだ。話し合ったからといって、どうにかなることじゃないんだ」

「ジキル」とアタスンは言った。「わたしという人間は知っているだろう。信用できる男だ。ここだけの話として、すっかり打ち明けてくれないか。そうすれば、きっと君を救い出してみせる」

「アタスン、君は本当にいい男だ」と博士は言った。「本当にありがたい。心からありがたいと思う。どうお礼を言えばいいのか、言葉が見つからないくらいだ。君のことは心から信じている。選べるものなら、生きているどんな人間より、そう、自分自身より、君を信じるだろう。だが、本当に、君が考えているようなことではないんだ。それほど悪いことじゃない。君のやさしい心を安心させるために、ひとつだけ言っておこう。わたしはその気になれば、いつでもハイド氏と手を切ることができる。それは握手して誓うよ。本当に、何度でも礼を言う。それから、もうひと言だけつけ加えさせてくれ、アタスン。きっと悪くはとらないでくれると思うが、これはわたし個人の問題なんだ。どうか、そっとしておいてほしい」

アタスンは火を見つめながら、しばらく考えこんだ。

「君の言うとおりなのだろうね」と、ようやく立ち上がりながらアタスンは言った。

「ああ、それから、せっかくこの話になったのだから(これが最後になるといいが)」と博士は続けた。「ひとつだけわかってほしいことがあるんだ。わたしは、かわいそうなハイドのことを、本当にとても気にかけているんだよ。君があの男に会ったことは知っている。本人から聞いたからね。失礼な態度をとったんじゃないかと心配している。だが、わたしは心から、あの若者のことをとても、とても気にかけているんだ。だから、アタスン、もしわたしがいなくなったら、あの男のことを大目に見て、あの男の権利を守ってやると約束してほしい。何もかも知ったら、君はきっとそうしてくれると思う。約束してくれれば、肩の荷がおりるんだが」

「あの男をいつか好きになれるとは、とても言えないね」と弁護士は言った。

「そんなことは頼んでいない」とジキルは、相手の腕に手をかけて頼みこんだ。「頼んでいるのは、公平に扱ってやってほしいということだけだ。わたしがもういなくなったとき、わたしのために、あの男を助けてやってほしい。それだけなんだ」

アタスンは、思わず深いため息をついた。「わかった」とアタスンは答えた。「約束しよう」

日本語訳:多読ベスト

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理解度チェック Quick Quiz

読み終わったら、3問だけ。間違えても大丈夫。多読は「だいたいわかる」で十分です。

Q1. What does Dr. Jekyll call Dr. Lanyon?

Q2. What does Jekyll say he can do whenever he chooses?

Q3. What does Jekyll ask Utterson to promise?

この読み物の使い方 3ステップ

  1. 聞きながら読む 音声に合わせて光る文を目で追う(聞き読み)。わからない語は飛ばしてOK。
  2. 音声なしで読む ⏱計測ボタンで読む速さ(WPM)を測ってみる。
  3. 耳だけで聞く 🎧聞くだけモードで、文字を見ずに内容がわかるか試す。🔁1文リピートで音読・シャドーイングも。

聞き読みの効果とやり方/多読三原則

📕 ジキル博士とハイド氏 Strange Case of Dr Jekyll and Mr Hyde

全11章・25,608語。1章ずつ、音声と全訳つきで読めます。

目次(全11章)
  1. 第1章 戸口の話 2,400語
  2. 第2章 ハイド氏を捜して 2,944語
  3. 第3章 ジキル博士はすっかりくつろいでいた 798語
  4. 第4章 カルー殺人事件 1,665語
  5. 第5章 手紙の一件 1,634語
  6. 第6章 ラニョン博士の異変 1,492語
  7. 第7章 窓辺の出来事 553語
  8. 第8章 最後の夜 4,373語
  9. 第9章 ラニョン博士の手記 2,805語
  10. 第10章 ヘンリー・ジキルの陳述書(その1) 2,705語
  11. 第10章 ヘンリー・ジキルの陳述書(その2) 4,239語

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