Incident at the Window(第7章 窓辺の出来事)の挿絵

📕 ジキル博士とハイド氏 全11章の 7番目 目次 ↓

Incident at the Window

第7章 窓辺の出来事

  • 📖 553 words
  • ⏱ 約5分
  • 🔊 3:02
  • YL 5.0+
  • 英検1級・ネイティブ目安
  • 📝 全訳つき

あらすじある日曜日、アタスンとエンフィールドは、いつもの散歩の途中で再びあの裏庭をのぞきます。窓辺に座るジキル博士と言葉を交わしたその瞬間、思いもよらないことが起こります。

ロバート・ルイス・スティーヴンソン『ジキル博士とハイド氏』(1886年)原文。底本: Project Gutenberg eBook #43

キーワード(11語)本文の点線の語はタップで意味が出ます
  • by-street裏通り
  • court中庭
  • repulsion嫌悪
  • infinite限りない
  • disconsolateわびしい
  • prisoner囚人
  • abjectみじめな
  • terror恐怖
  • despair絶望
  • twilightたそがれ
  • traversed横切った
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It chanced on Sunday, when Mr. Utterson was on his usual walk with Mr. Enfield, that their way lay once again through the by-street; and that when they came in front of the door, both stopped to gaze on it.

ある日曜日、アタスン氏はエンフィールド氏と、いつもの散歩に出ていた。その道すがら、二人はまたあの裏通りを通りかかった。そしてあのドアの前まで来ると、二人とも立ち止まって、じっとドアを見つめた。

"Well," said Enfield, "that story's at an end at least. We shall never see more of Mr. Hyde."

「まあ」とエンフィールドは言った。「少なくとも、あの話はもう片がつきましたね。ハイド氏を見かけることは、二度とないでしょう」

"I hope not," said Utterson. "Did I ever tell you that I once saw him, and shared your feeling of repulsion?"

「そう願いたいね」とアタスンは言った。「わたしも一度あの男に会って、君と同じように、ぞっとしたという話はしたかね?」

"It was impossible to do the one without the other," returned Enfield. "And by the way, what an ass you must have thought me, not to know that this was a back way to Dr. Jekyll's! It was partly your own fault that I found it out, even when I did."

「あの男に会えば、誰だってぞっとしますよ」とエンフィールドは答えた。「ところで、ここがジキル博士の家の裏口だとも知らずにいたなんて、わたしのことをずいぶん間抜けだと思ったでしょうね!あとでやっと気づいたのも、半分はあなたのせいなんですよ」

"So you found it out, did you?" said Utterson. "But if that be so, we may step into the court and take a look at the windows. To tell you the truth, I am uneasy about poor Jekyll; and even outside, I feel as if the presence of a friend might do him good."

「じゃあ、気づいたんだね?」とアタスンは言った。「それなら、中庭に入って、窓を見てみようじゃないか。じつを言うと、かわいそうなジキルのことが心配なんだ。たとえ外からでも、友だちがそばにいれば、少しは元気が出るような気がするんだよ」

The court was very cool and a little damp, and full of premature twilight, although the sky, high up overhead, was still bright with sunset. The middle one of the three windows was half-way open; and sitting close beside it, taking the air with an infinite sadness of mien, like some disconsolate prisoner, Utterson saw Dr. Jekyll.

中庭はひんやりとして少し湿っぽかった。頭上はるかの空は、まだ夕焼けで明るかったのに、中庭にはもう薄暗がりがたちこめていた。三つの窓のうち、まんなかの窓が半分開いていた。そのすぐそばに座って、ジキル博士が外の空気を吸っていた。望みを失った囚人のように、限りなく悲しげな様子だった。

"What! Jekyll! Jekyll!" he cried. "I trust you are better."

「おや!ジキル!ジキル!」とアタスンは叫んだ。「具合はよくなったんだろうね」

"I am very low, Utterson," replied the doctor drearily, "very low. It will not last long, thank God."

「ひどく気が沈んでいるんだ、アタスン」と博士は暗い声で答えた。「ひどくね。ありがたいことに、それも長くは続かないだろうが」

"You stay too much indoors," said the lawyer. "You should be out, whipping up the circulation like Mr. Enfield and me. (This is my cousin—Mr. Enfield—Dr. Jekyll.) Come now; get your hat and take a quick turn with us."

「君は家にこもりすぎなんだ」と弁護士は言った。「エンフィールド君やわたしのように、外に出て血のめぐりをよくしなくちゃいけない。(こちらはいとこのエンフィールド君。こちらはジキル博士だ)さあ、帽子を取ってきて、一緒にちょっとひと回りしようじゃないか」

"You are very good," sighed the other. "I should like to very much; but no, no, no, it is quite impossible; I dare not. But indeed, Utterson, I am very glad to see you; this is really a great pleasure; I would ask you and Mr. Enfield up, but the place is really not fit."

「ありがとう、君はやさしいね」と博士はため息をついた。「ぜひそうしたいんだが、いや、だめだ、だめだ、とても無理だ。そんなことはできない。でも、本当に、アタスン、君に会えてとてもうれしいよ。本当にうれしい。君とエンフィールドさんに上がってもらいたいところだが、ここはとても人をお通しできるような場所じゃないんだ」

"Why, then," said the lawyer, good-naturedly, "the best thing we can do is to stay down here and speak with you from where we are."

「それなら」と弁護士は気さくに言った。「わたしたちはここにいて、ここから話をするのがいちばんだね」

"That is just what I was about to venture to propose," returned the doctor with a smile. But the words were hardly uttered, before the smile was struck out of his face and succeeded by an expression of such abject terror and despair, as froze the very blood of the two gentlemen below. They saw it but for a glimpse for the window was instantly thrust down; but that glimpse had been sufficient, and they turned and left the court without a word. In silence, too, they traversed the by-street; and it was not until they had come into a neighbouring thoroughfare, where even upon a Sunday there were still some stirrings of life, that Mr. Utterson at last turned and looked at his companion. They were both pale; and there was an answering horror in their eyes.

「ちょうど、そうしてくれないかと言おうと思っていたところなんだ」と博士はほほえんで答えた。ところが、その言葉を言い終えるか終えないうちに、ほほえみが顔からかき消えた。かわりに浮かんだのは、言いようもないほどの恐怖と絶望の表情だった。下にいる二人の紳士は、血が凍りつく思いがした。窓がすぐにぴしゃりと閉められたので、二人がそれを見たのは、ほんの一瞬だった。だが、その一瞬で十分だった。二人は向きを変え、ひと言も口をきかずに中庭を出た。裏通りを抜けるあいだも、黙ったままだった。日曜日でもいくらか人通りのある近くの大通りに出て、ようやくアタスン氏は振り向き、連れの顔を見た。二人とも青ざめていた。そして二人の目には、同じ恐怖が浮かんでいた。

"God forgive us, God forgive us," said Mr. Utterson.

「神よ、お許しください。神よ、お許しください」とアタスン氏は言った。

But Mr. Enfield only nodded his head very seriously, and walked on once more in silence.

だがエンフィールド氏は、ひどく真剣な顔でうなずいただけで、また黙って歩きだした。

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ある日曜日、アタスン氏はエンフィールド氏と、いつもの散歩に出ていた。その道すがら、二人はまたあの裏通りを通りかかった。そしてあのドアの前まで来ると、二人とも立ち止まって、じっとドアを見つめた。

「まあ」とエンフィールドは言った。「少なくとも、あの話はもう片がつきましたね。ハイド氏を見かけることは、二度とないでしょう」

「そう願いたいね」とアタスンは言った。「わたしも一度あの男に会って、君と同じように、ぞっとしたという話はしたかね?」

「あの男に会えば、誰だってぞっとしますよ」とエンフィールドは答えた。「ところで、ここがジキル博士の家の裏口だとも知らずにいたなんて、わたしのことをずいぶん間抜けだと思ったでしょうね!あとでやっと気づいたのも、半分はあなたのせいなんですよ」

「じゃあ、気づいたんだね?」とアタスンは言った。「それなら、中庭に入って、窓を見てみようじゃないか。じつを言うと、かわいそうなジキルのことが心配なんだ。たとえ外からでも、友だちがそばにいれば、少しは元気が出るような気がするんだよ」

中庭はひんやりとして少し湿っぽかった。頭上はるかの空は、まだ夕焼けで明るかったのに、中庭にはもう薄暗がりがたちこめていた。三つの窓のうち、まんなかの窓が半分開いていた。そのすぐそばに座って、ジキル博士が外の空気を吸っていた。望みを失った囚人のように、限りなく悲しげな様子だった。

「おや!ジキル!ジキル!」とアタスンは叫んだ。「具合はよくなったんだろうね」

「ひどく気が沈んでいるんだ、アタスン」と博士は暗い声で答えた。「ひどくね。ありがたいことに、それも長くは続かないだろうが」

「君は家にこもりすぎなんだ」と弁護士は言った。「エンフィールド君やわたしのように、外に出て血のめぐりをよくしなくちゃいけない。(こちらはいとこのエンフィールド君。こちらはジキル博士だ)さあ、帽子を取ってきて、一緒にちょっとひと回りしようじゃないか」

「ありがとう、君はやさしいね」と博士はため息をついた。「ぜひそうしたいんだが、いや、だめだ、だめだ、とても無理だ。そんなことはできない。でも、本当に、アタスン、君に会えてとてもうれしいよ。本当にうれしい。君とエンフィールドさんに上がってもらいたいところだが、ここはとても人をお通しできるような場所じゃないんだ」

「それなら」と弁護士は気さくに言った。「わたしたちはここにいて、ここから話をするのがいちばんだね」

「ちょうど、そうしてくれないかと言おうと思っていたところなんだ」と博士はほほえんで答えた。ところが、その言葉を言い終えるか終えないうちに、ほほえみが顔からかき消えた。かわりに浮かんだのは、言いようもないほどの恐怖と絶望の表情だった。下にいる二人の紳士は、血が凍りつく思いがした。窓がすぐにぴしゃりと閉められたので、二人がそれを見たのは、ほんの一瞬だった。だが、その一瞬で十分だった。二人は向きを変え、ひと言も口をきかずに中庭を出た。裏通りを抜けるあいだも、黙ったままだった。日曜日でもいくらか人通りのある近くの大通りに出て、ようやくアタスン氏は振り向き、連れの顔を見た。二人とも青ざめていた。そして二人の目には、同じ恐怖が浮かんでいた。

「神よ、お許しください。神よ、お許しください」とアタスン氏は言った。

だがエンフィールド氏は、ひどく真剣な顔でうなずいただけで、また黙って歩きだした。

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理解度チェック Quick Quiz

読み終わったら、3問だけ。間違えても大丈夫。多読は「だいたいわかる」で十分です。

Q1. Where was Dr. Jekyll sitting when his friends saw him?

Q2. What did Utterson invite Jekyll to do?

Q3. What happened to Jekyll's face before the window was shut?

この読み物の使い方 3ステップ

  1. 聞きながら読む 音声に合わせて光る文を目で追う(聞き読み)。わからない語は飛ばしてOK。
  2. 音声なしで読む ⏱計測ボタンで読む速さ(WPM)を測ってみる。
  3. 耳だけで聞く 🎧聞くだけモードで、文字を見ずに内容がわかるか試す。🔁1文リピートで音読・シャドーイングも。

聞き読みの効果とやり方/多読三原則

📕 ジキル博士とハイド氏 Strange Case of Dr Jekyll and Mr Hyde

全11章・25,608語。1章ずつ、音声と全訳つきで読めます。

目次(全11章)
  1. 第1章 戸口の話 2,400語
  2. 第2章 ハイド氏を捜して 2,944語
  3. 第3章 ジキル博士はすっかりくつろいでいた 798語
  4. 第4章 カルー殺人事件 1,665語
  5. 第5章 手紙の一件 1,634語
  6. 第6章 ラニョン博士の異変 1,492語
  7. 第7章 窓辺の出来事 553語
  8. 第8章 最後の夜 4,373語
  9. 第9章 ラニョン博士の手記 2,805語
  10. 第10章 ヘンリー・ジキルの陳述書(その1) 2,705語
  11. 第10章 ヘンリー・ジキルの陳述書(その2) 4,239語

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