The Secret of the Old Bookshop, Episode 2: The Robin by the River(古書店の秘密 第2話:川辺のコマドリ)の挿絵

📕 古書店の秘密 全8話の 2番目 目次 ↓

The Secret of the Old Bookshop, Episode 2: The Robin by the River

古書店の秘密 第2話:川辺のコマドリ

  • 📖 518 words
  • ⏱ 約6分
  • YL 1.0–1.4
  • 英検3級目安
  • 📝 全訳つき

あらすじ【連載第2話】「コマドリが道を教えてくれる。カモの川のほとりで」。なぞの言葉を手がかりに、レンは友人のミカと鴨川を歩きます。たどり着いた古い喫茶店で待っていたのは……。

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キーワード(10語)本文の点線の語はタップで意味が出ます
  • lonelyさびしい
  • lockedかぎがかかった
  • digging掘っている
  • cafeteria学食
  • turtlesカメ(複数)
  • chest胸
  • apronエプロン
  • nervous緊張した
  • with age古くなって
  • kanji漢字

🔊 音声は準備中です。もうしばらくお待ちください。

That night, Ren started reading The Secret Garden. It was about Mary, a lonely and unhappy girl. She went to live in a big old house in England. Near the house, there was a garden with high walls. Nobody could go in, because the door was locked and the key was lost.

その夜、レンは『秘密の花園』を読みはじめた。メアリーという、ひとりぼっちで不幸せな少女の物語だった。メアリーはイギリスの大きな古い屋敷で暮らすことになる。屋敷の近くには、高い塀にかこまれた庭があった。扉にはかぎがかかっていて、そのかぎはなくなっていた。だから、だれも中に入れなかった。

Ren read until two in the morning. The English was old, but the story was easy to follow. Then he found the part he was looking for. A little bird, a robin, was digging in the ground. Mary looked down and saw an old key in the earth. The robin showed her the key.

レンは夜中の二時まで読みつづけた。英語は古めかしかったが、話の筋は追いやすかった。そしてついに、さがしていた場面にたどりついた。コマドリという小さな鳥が、地面をつついて掘っている。メアリーが見下ろすと、土の中に古いかぎがあった。コマドリが、メアリーにかぎのありかを教えたのだ。

"The robin will show you the way, by the river of ducks," Ren read on the card again. "But where is the river of ducks?"

「コマドリが道を教えてくれるわ。カモの川のほとりで」レンはもう一度カードを読んだ。「でも、カモの川ってどこだろう?」

The next day, he showed the card to his friend Mika in the university cafeteria. Mika studied history. She had a long ponytail, and she always wore a bright yellow scarf.

次の日、レンは大学の学食で、友人のミカにカードを見せた。ミカは歴史を専攻していた。長いポニーテールで、いつもあざやかな黄色のスカーフを巻いていた。

"That's easy!" Mika said. "It's the Kamo River! Its name is written with the kanji for duck. The river near your shop is the river of ducks!"

「そんなの簡単だよ!」とミカは言った。「鴨川だよ! 鴨川の『鴨』は、鳥のカモの漢字でしょ。レンの店の近くを流れてる川が、カモの川なんだよ!」

"And the robin?" "A robin is 'komadori' in Japanese," she said. "Maybe there's a shop called Komadori near the river."

「じゃあ、ロビン(robin)は?」「robin は日本語で『コマドリ』でしょ。川の近くに、コマドリっていうお店があるのかも」

After their classes, they walked north along the river. The water was clear, and many ducks were swimming in it. At Demachiyanagi, where two rivers meet, children were jumping across big stones shaped like turtles.

授業のあと、ふたりは川ぞいを北へ歩いた。水は澄んでいて、たくさんのカモが泳いでいた。ふたつの川が合流する出町柳では、子どもたちがカメの形をした大きな飛び石をぴょんぴょん渡っていた。

They walked up and down the small streets for an hour. Mika was getting tired. Then Ren stopped. On an old wooden door, there was a small painting of a bird with an orange chest. Next to it, a sign said "Cafe Komadori."

ふたりは一時間、細い通りを行ったり来たりした。ミカはくたびれてきた。そのとき、レンが立ち止まった。古い木のドアに、胸がオレンジ色の小鳥の絵が小さくかいてある。その横の看板には「喫茶コマドリ」とあった。

Inside, the cafe was warm and dark, and it smelled of coffee. An old woman with white hair and a purple apron came out. "Welcome," she said. "Two coffees?"

店の中は暖かくてうす暗く、コーヒーの香りがした。白髪に紫のエプロンのおばあさんが出てきた。「いらっしゃいませ。コーヒーをおふたつ?」

Ren was nervous, but he showed her the blue card. "Excuse me. This is a strange question," he said. "Do you know anything about this? About Hana?"

レンは緊張しながら、青いカードを見せた。「すみません。変な質問なんですが、これについて何かご存じありませんか? ハナという人について」

The woman read the card. Her hand went to her mouth. "Oh my," she said. "Please wait here."

おばあさんはカードを読んだ。その手が、思わず口もとへいった。「まあ……。ちょっと、ここで待っていてちょうだい」

She went into the back room. A few minutes later, she came back with an old paper bag. It was yellow with age. "My name is Nakai," she said. "Thirty years ago, a friend gave this to me. She said, 'Someday my daughter Hana will come and ask about the robin. Please give her this.' I waited and waited. But Hana never came."

おばあさんは奥の部屋へ入っていき、数分後、古い紙袋を持ってもどってきた。年月がたって黄ばんだ袋だった。「わたしは中井といいます」とおばあさんは言った。「三十年前、友だちがこれをわたしにあずけたの。『いつか娘のハナが来て、コマドリのことをたずねるはず。そうしたら、これを渡してね』って。わたしは待って、待ちつづけた。でも、ハナさんは来なかった」

Inside the bag was another English book, Little Women. A second blue envelope was inside the cover.

袋の中には、もう一冊の英語の本、『若草物語』が入っていた。表紙の内側に、二通目の青い封筒がはさまっていた。

"Your friend," said Mika softly. "Who was she?"

「そのお友だちは」とミカがそっとたずねた。「どなただったんですか?」

Mrs. Nakai smiled sadly. "Her name was Sachiko. Sachiko Tachibana. Her husband has an old bookshop near here. She died five years ago."

中井さんはさびしそうにほほえんだ。「さちこさん。立花さちこさんよ。ご主人がこの近くで古い本屋さんをやっているの。さちこさんは五年前に亡くなったわ」

Ren almost dropped his cup. "Tachibana? I work at that shop," he said. "But Mr. Tachibana never told me he had a daughter."

レンはカップを落としそうになった。「立花? ぼく、その店で働いているんです。でも、立花さんに娘さんがいるなんて、一度も聞いたことがありません」

Mrs. Nakai looked out of the window at the gray sky. "No," she said quietly. "He never talks about her. Not to anyone."

中井さんは窓の外の灰色の空に目をやった。「そうでしょうね」と静かに言った。「あの人は、娘さんの話をしないの。だれにもね」

📖 全訳をまとめて読む 読み終わってからの答え合わせに

その夜、レンは『秘密の花園』を読みはじめた。メアリーという、ひとりぼっちで不幸せな少女の物語だった。メアリーはイギリスの大きな古い屋敷で暮らすことになる。屋敷の近くには、高い塀にかこまれた庭があった。扉にはかぎがかかっていて、そのかぎはなくなっていた。だから、だれも中に入れなかった。

レンは夜中の二時まで読みつづけた。英語は古めかしかったが、話の筋は追いやすかった。そしてついに、さがしていた場面にたどりついた。コマドリという小さな鳥が、地面をつついて掘っている。メアリーが見下ろすと、土の中に古いかぎがあった。コマドリが、メアリーにかぎのありかを教えたのだ。

「コマドリが道を教えてくれるわ。カモの川のほとりで」レンはもう一度カードを読んだ。「でも、カモの川ってどこだろう?」

次の日、レンは大学の学食で、友人のミカにカードを見せた。ミカは歴史を専攻していた。長いポニーテールで、いつもあざやかな黄色のスカーフを巻いていた。

「そんなの簡単だよ!」とミカは言った。「鴨川だよ! 鴨川の『鴨』は、鳥のカモの漢字でしょ。レンの店の近くを流れてる川が、カモの川なんだよ!」

「じゃあ、ロビン(robin)は?」「robin は日本語で『コマドリ』でしょ。川の近くに、コマドリっていうお店があるのかも」

授業のあと、ふたりは川ぞいを北へ歩いた。水は澄んでいて、たくさんのカモが泳いでいた。ふたつの川が合流する出町柳では、子どもたちがカメの形をした大きな飛び石をぴょんぴょん渡っていた。

ふたりは一時間、細い通りを行ったり来たりした。ミカはくたびれてきた。そのとき、レンが立ち止まった。古い木のドアに、胸がオレンジ色の小鳥の絵が小さくかいてある。その横の看板には「喫茶コマドリ」とあった。

店の中は暖かくてうす暗く、コーヒーの香りがした。白髪に紫のエプロンのおばあさんが出てきた。「いらっしゃいませ。コーヒーをおふたつ?」

レンは緊張しながら、青いカードを見せた。「すみません。変な質問なんですが、これについて何かご存じありませんか? ハナという人について」

おばあさんはカードを読んだ。その手が、思わず口もとへいった。「まあ……。ちょっと、ここで待っていてちょうだい」

おばあさんは奥の部屋へ入っていき、数分後、古い紙袋を持ってもどってきた。年月がたって黄ばんだ袋だった。「わたしは中井といいます」とおばあさんは言った。「三十年前、友だちがこれをわたしにあずけたの。『いつか娘のハナが来て、コマドリのことをたずねるはず。そうしたら、これを渡してね』って。わたしは待って、待ちつづけた。でも、ハナさんは来なかった」

袋の中には、もう一冊の英語の本、『若草物語』が入っていた。表紙の内側に、二通目の青い封筒がはさまっていた。

「そのお友だちは」とミカがそっとたずねた。「どなただったんですか?」

中井さんはさびしそうにほほえんだ。「さちこさん。立花さちこさんよ。ご主人がこの近くで古い本屋さんをやっているの。さちこさんは五年前に亡くなったわ」

レンはカップを落としそうになった。「立花? ぼく、その店で働いているんです。でも、立花さんに娘さんがいるなんて、一度も聞いたことがありません」

中井さんは窓の外の灰色の空に目をやった。「そうでしょうね」と静かに言った。「あの人は、娘さんの話をしないの。だれにもね」

日本語訳:多読ベスト

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理解度チェック Quick Quiz

読み終わったら、3問だけ。間違えても大丈夫。多読は「だいたいわかる」で十分です。

Q1. In The Secret Garden, what did the robin show Mary?

Q2. Which animal is in the kanji for "Kamo"?

Q3. Who was Sachiko?

この読み物の使い方 3ステップ

  1. 聞きながら読む 音声に合わせて光る文を目で追う(聞き読み)。わからない語は飛ばしてOK。
  2. 音声なしで読む ⏱計測ボタンで読む速さ(WPM)を測ってみる。
  3. 耳だけで聞く 🎧聞くだけモードで、文字を見ずに内容がわかるか試す。🔁1文リピートで音読・シャドーイングも。

聞き読みの効果とやり方/多読三原則

📕 古書店の秘密 The Secret of the Old Bookshop

全8話・5,181語。1話ずつ、音声と全訳つきで読めます。

目次(全8話)
  1. 古書店の秘密 第1話:『秘密の花園』のメモ 558語
  2. 古書店の秘密 第2話:川辺のコマドリ 518語
  3. 古書店の秘密 第3話:ジョーの夢 527語
  4. 古書店の秘密 第4話:別の世界への井戸 579語
  5. 古書店の秘密 第5話:赤いスカーフの女性 692語
  6. 古書店の秘密 第6話:日曜日の物語 735語
  7. 古書店の秘密 第7話:翻訳家 734語
  8. 古書店の秘密 第8話:最後のページ 838語

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