次期学習指導要領 全教科まとめ【合本】小学校
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審議まとめ(2026年10月5日)を小学校の全教科で1冊に

小学校全教科まとめ【合本】

校種ガイド+全13教科等の冊子を、この1冊にまるごと

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研修・会議・授業・保護者会での印刷・コピー・配布・投影はご自由にどうぞ。ご連絡は不要です。クレジットは残してください。審議まとめ(2026年10月5日)準拠・出典ページつき。告示前の方向性で、今後変わることがあります。2026年11月4日 版

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次期学習指導要領 校種別ガイド小学校
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審議まとめ(2026年10月5日)を小学校の先生向けに

小学校の先生のための次期学習指導要領ガイド

時間割を学校で工夫でき、総合に「情報」が加わる方向です。

たとえると

たとえるなら、栄養の基準は守ったまま、量や順番を学校で調整できる給食に変わるようなものです。教える内容(栄養)はそのままに、時間の使い方を学校が工夫できるようにする、というイメージです。

小学校はいつから?

全面実施2030年度(令和12年度)から(見込み)
移行期間2028〜2029年度
告示2026年度末の予定
教科書2030年度から新しい教科書(2028年度に検定)
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小学校の大きな変化

授業時数を学校で調整できる

教科の内容はすべて扱う前提で、標準の授業時数より少なく計画できる仕組みの案です(調整授業時数制度)。生まれた時間は、ほかの教科への上乗せ、学校独自の教科、学び直しや先生の研修の時間に回せます。減らせる幅は教科ごとに最大15%程度が想定されています。すべての教科を上限まで減らした場合、5年生の試算で1年間に最大138コマ程度です。国への申請はいらない方向です。 P31P32P37P38

いままで年度の初めに、各教科の標準授業時数を必ず確保して時間割を組んでいます。
→
これから(方向)標準を下回って計画し、生まれた時間を学校の判断で使える方向です。

総合に「情報の領域」

いまの小学校には、情報を学ぶ教科や決まった時間がありません。そのため学校ごとの差が大きいとされました。次期は、総合的な探究の時間に「情報の領域」を加え、体験しながら情報技術を使う力を育てる方向です。時間は3・4年が各学年最大30コマ程度、5・6年が各学年最大35コマ程度とされています。ローマ字の学習は今までどおり3年の国語で行い、ローマ字入力によるタイピングは、こちらを中心に学ぶ方向です。 P60P72P74P78P140

いままで情報の学習は各教科や総合の中で扱い、決まった時間はありません。
→
これから(方向)総合を「探究の領域」と「情報の領域」の2つで組み立てる方向です。

学年は「◯学年相当」に

いまは「習っていない漢字は使ってはいけない」といった指導が生まれることがあると指摘されました。次期は、学年別の目標を定めない方向です。学年を示すときも「◯学年相当」という書き方にします。その学年に縛られず、子供に合わせて計画できることをはっきりさせるねらいです。 P18

いままで学年ごとの書き方から「上の学年の内容は扱えない」という思い込みがあります。
→
これから(方向)「◯学年相当」と書き、学年に縛られない計画ができると示す方向です。

態度のABC評価をやめる方向

「主体的に学習に取り組む態度」をABCで評価するやり方は、ノートの提出回数のような形だけの評価になりがちでした。次期は、この力を所見欄で一人一人の伸びとして書く形(個人内評価)にする案です。思考・判断・表現の評価の中で、良い姿が続けて見られたら「◯」を書き添えます。小学校で多い業者の単元テストに頼った評価も見直す方向です。 P62P63P64

いままで教科ごとに3つの観点をABCで評価し、単元テストに頼る例が多いです。
→
これから(方向)学びに向かう力は所見で書き、思考・判断・表現に「◯」を添える方向です。

年間40週・週28コマへ

いまの「年間35週以上」という書き方から、時数を35週で割って週29コマにする習慣が根強いとされました。次期は「年間40週を標準」とする書き方に改める方向です。40週で計画すれば、週28コマにしやすくなります。1〜3年生についても、標準を大きく上回る時数の目安が国の通知で示され、見直しが促されています。 P39P55P56

いままで年間35週以上で計画し、週29コマにする学校が多い状態です。
→
これから(方向)年間40週を標準とし、週28コマなどへのならし(平準化)を進める方向です。

総合の名前と探究の形

小学校の「総合的な学習の時間」は、高校と同じ「総合的な探究の時間」に名前をそろえる方向です。クラス共通のテーマで取り組む「テーマ探究」と、子供が自分の「好き」から問いを立てる「マイ探究」をバランスよく組み合わせます。調べる・行動するだけでなく、作品をつくる「創作系」の探究も示されています。 P11P76P77

いままで名前は「総合的な学習の時間」で、学校が決めたテーマに子供を当てはめる例もあります。
→
これから(方向)「総合的な探究の時間」になり、テーマ探究とマイ探究を組み合わせる方向です。

外国語は中学校へなめらかに

3・4年の外国語活動は、音声で英語に慣れ親しむ時間です。そこから、読む・書くを含む5・6年の外国語科へ、なめらかにつなぐ指導を具体的に示す方向です。5・6年では、日本語と英語の語順の違いに気付かせる指導も挙げられています。国は、重要な語彙をまとめた「基盤語彙リスト」を作る方向です。 P61P281P283

いままで活動や話題の難しさが、小学校から中学校へうまくつながらない面があります。
→
これから(方向)話題や活動を段階的に高め、学年段階の目安とともに示す方向です。

体育は「動き」を軸に

体育では、4年生までは具体的な運動の種類を示すやり方を改める方向です。かわりに、どんな「動き」ができるようになってほしいかを軸に示します。たくさんの運動を全部やる負担を減らすねらいです。各領域は、2年間のまとまりで計画的に学ぶことを基本にするとされています。 P61

いままで低・中学年でも、具体的な運動の種類が示されています。
→
これから(方向)4年生までは、身に付けたい「動き」を軸に示す方向です。

変わらないこと

3つの力の柱で育てる

知識・技能、思考力・判断力・表現力等、学びに向かう力・人間性等という3つの柱で力を育てる考え方は続きます。次期は、その示し方を、力のつながりが見えるように整理し直す方向です。 P7P13P16

主体的・対話的で深い学び

「主体的・対話的で深い学び」を目指す授業改善は、これからも中心です。次期は、とくに「深い学び」の姿を先生がつかみやすくし、どの学校でも実際に行えるようにすることを目指しています。 P7

1年間の授業時間の合計

1年間の授業時間の合計(標準総授業時数)は、いまより増やさない前提です。新しい「情報の領域」の時間は、3年生以上の各教科から少しずつ減らして生み出す考え方です。 P78P79

教える内容は全部扱う

調整授業時数制度で時間を減らす場合も、学習指導要領に示す内容はすべて扱うことが前提です。内容を省くための仕組みではなく、時間の使い方を工夫するための仕組みとされています。 P31

先生の毎日はどう変わりそう?

授業では、単元の初めに「子供がどんな理解にたどり着くか」から計画を立てる形が求められる方向です。評価では、態度のABCのための材料集めが減り、所見で一人一人の伸びを書く形に変わる案です。時間割は、学校の判断で授業時数を調整し、学び直しや研修の時間を作れる案です。ICTは、1人1台端末などが常に使える前提で考えます。どれも告示前の方向性です。

全教科10秒早見表(小学校)

教科等小学校で変わること(10秒)
国語話す・聞く、書く、読むを「話や文章の機能」でつなぐ。手書きの書写を引き続き重視
話す・書く・読むを「話や文章の機能」でつなぐ教科へ
社会4年「県内の特色ある地域」は3地域→2地域に精選。情報の正しさを確かめる技能を加える
覚える社会から、問いと確かな情報で探究する社会へ
算数割合・比・分数の内容と順序を見直し。証明につながる「論理的に説明する活動」を充実
小中高を6つの分野でつなぎ、証明と批判的思考を育てる
理科分野をまたぐ課題を学ぶ「理科と日常生活」を新設。内容を物理・化学・生物・地学の4分野で整理
小中高を4分野でつなぎ、デマに流されない科学の目を育てる
生活目標を「身体性を伴う体験と多様な表現活動」に。動物は借りて飼うのも学校飼育と同等
体で感じて、表して、気付きを深める教科へ
音楽・図画工作音楽は「歌唱」と「器楽」を「歌唱・器楽」に統合。図工は発想から表すまでを思考・判断・表現に
思いをもつことから表すまでを、一続きの学びに
家庭領域を「家族・家庭と生涯発達」「食生活」など5つに再編。「住まいの主な働き」は高校へ
領域を5つに再編し、中学校では独立した教科に
情報の領域(総合)教科は作らず総合に「情報の領域」を新設。3・4年は最大30、5・6年は最大35コマ程度
小は総合に「情報の領域」、中は新教科、高は情報科を充実
体育1〜4年は「遊び」の要素を取り入れ、運動名でなく身に付けたい「動き」を軸に示す
身に付けたい「動き」と、運動の多様な楽しみ方を軸に
外国語活動・外国語外国語活動と外国語科の形は維持。読む・書くの段階を細かく示し、語順の違いに気付かせる
AI時代も人と伝え合う力を、段階を追って育てる英語へ
特別の教科 道徳1つの教材を翌週などにまたいで複数時間で扱う。「深める教材」は高学年8・中学年4が目安
1つの教材を複数時間で扱い、じっくり考え議論する道徳へ
総合的な学習の時間名称が「総合的な探究の時間」に。「探究の領域」と新しい「情報の領域」の2領域で構成
小中も「総合的な探究の時間」へ。一人一人の探究を深める方向
特別活動クラブ活動は学年(主に4年以上)の縛りや実施時期を柔軟に。児童会は学校運営に意見を
子供が学級・学校をよりよく創る「社会創造」の活動へ

いつから?(改訂スケジュール)

小学校の全面実施は2030年度(令和12年度)からの見込みです。その前の2028年度(令和10年度)から、調整授業時数制度や総合の「情報の領域」を先に始められるようにする方向です。どれも告示前の予定で、変わることがあります。
年度202620272028202920302031203220332034
幼稚園等審議・答申周知全面実施
小学校審議・答申・告示周知先行実施先行実施全面実施
小学校の教科書著作・編集検定採択・供給使用開始
中学校審議・答申・告示周知先行実施先行実施先行実施全面実施
中学校の教科書著作・編集検定採択・供給使用開始
高等学校審議・答申告示(年度末)周知先行実施先行実施先行実施入学生から2年生まで全学年
高校の教科書著作・編集検定採択・供給使用開始(学年ごと)

文部科学省「学習指導要領等の改訂に関するスケジュール(イメージ)」(令和8年10月5日 第136回教育課程部会 参考資料7。「今後変更の可能性がありうる」と注記)より。

よくある質問

「情報の領域」が入ると、ほかの教科の時間は減りますか?

1年間の授業時間の合計は増やさない前提です。そのため、情報の時間は3年生以上の各教科から少しずつ減らして生み出す考え方です。減らす割合は一律3〜4%程度とされ、35コマ以下の教科からは減らしません。具体の時数は、これから示されます。 P78P79

プログラミングが苦手でも教えられますか?

国が、授業でそのまま使える授業動画を含む教材を作る方向です。少なくとも1年に1度は新しくするとされています。小学校の先生向けの研修コンテンツは、2027年度末(令和9年度末)までに国が作って提供するとされています。 P75P261

調整授業時数制度は、いつから使えますか?

全面実施(2030年度)を待たず、2028年度(令和10年度)からの先行実施期間に使えるようにする方向です。それまでに、先に試す「サキドリ研究校」を増やして事例を集めます。使う学校は、活用の様子を学校のウェブサイトで公表することが求められる方向です。 P38P40

通知表の作業は軽くなりますか?

評定をまとめるのは学年末だけでもよい、と明確にする方向です。その場合、学期中は途中で声をかけて伸ばす評価(形成的評価)を中心にします。学校が作ってきた「内容のまとまりごとの評価規準」も、不要にする方向です。単元の目標を、そのまま評価規準として使う考え方です。 P69P70

「◯」は全部の教科で付けないといけませんか?

単元ごとに◯を付けることは求めない方向です。国が教科ごとに「見取る姿」を示し、できるだけ長い期間で見ていきます。全部の教科で◯を取ること自体が目的になる使い方は想定していないとされています。小学校には2028年度末までに周知する方針です。 P65P66

不登校の子への対応は変わりますか?

教育支援センター等に通う不登校の子のために、特別な教育課程を組める仕組みを新しく作る方向です。下の学年の内容で学び直しても、在籍学年の基準で評価され「1」などが付きやすい、という課題を改めるねらいです。2028年度からの先行実施期間に取り組めるようにする方向です。 P38P54

全教科の先生の準備チェックリスト

  • 単元づくりの出発点が「教科書のどこまで進むか」から「どんな資質・能力をつけたいか(統合的な理解・総合的な発揮)」に変わる。今から、単元を通した本質的な問いや論述・レポートなどの課題を考える練習ができる。国は教科等ごとの単元構想の参考イメージを示す。 P13P22P28
  • 「統合的な理解・総合的な発揮」だけを取り出して評価規準を作る必要はない。ただし「A:十分満足」の判断などで踏まえるので、評価と無関係ではない。 P15P68
  • 学年は「◯学年相当」の示し方になり、「上の学年の内容は扱ってはいけない」「習っていない漢字は使ってはいけない」といった運用は見直しの方向。相当学年外で扱う際の留意点は総則に書かれる。 P18
  • 令和10年度からの先行実施期間に調整授業時数制度を使えるようにする方向。研究・研修等枠を使えば週1コマ程度、教育課程の時間を使って組織的な研究・研修ができる。活用する学校はウェブでの公表や教育課程編成届への記載が求められる。 P34P36P38P40
  • 改訂を待たずに、標準を大きく上回る予備時数の見直しや、40週を前提にした週28コマへの平準化が国から促されている。年度途中に時数を見直すことも想定されている。 P56P57
  • 「主体的に学習に取り組む態度」のABC評価のために、ノート提出回数などの材料を集める作業はなくなる方向。学びに向かう力は総合所見での個人内評価と、思・判・表への「◯」の付記に変わる。単元ごとの◯付けは求められない。 P62P63P65
  • 各学校で「内容のまとまりごとの評価規準」を作る作業は不要になる方向で、単元の目標をそのまま評価規準にできる。評定へのまとめは学年末だけでもよいことが明確にされ、学期中は形成的評価(途中でのフィードバック)に力を注げる。 P69P70
  • 思考・判断・表現の評価は、ペーパーテストや業者の単元テストに偏らず、論述・レポート・口頭試問・プレゼン・作品制作などを核にする方向。AIに頼った成果物への対策として、口頭試問やブラウザ閲覧を制限するソフトの活用例も示されている。 P26P63P64
  • 総合的な探究の時間に「情報の領域」が加わる方向で、令和10年度から段階的な先行実施が想定されている。国が授業でそのまま使える授業動画を含む教材を開発し、研修も充実させる。国語の小3タイピングは情報へ移す方向。 P60P74P75P79
  • 学習の自己調整や学習方略の指導が重視され、一律の宿題から、子供が家庭学習の内容を自分で決められるよう段階的に指導する方向が示された。国が具体的な指導資料を出して支える。 P10P28
  • 特別活動では、校則を含む学校生活の課題を話し合い、納得解・暫定解をつくる活動や、児童会・生徒会の提案・意見表明、学校行事の企画・運営を子供が担うことが位置付けられる。キャリア・パスポートは例示資料が廃止され、学校による引継ぎは求められない。 P10P11P61
  • 総合では、テーマ探究とマイ探究をバランスよく組み合わせ、研究系・行動系に加え創作系の探究も認められる。小中の名称は「総合的な探究の時間」に。外部に協力を求めるときの留意事項も国が示す。 P11P77
  • カリキュラム・マネジメントは単元配列表づくりが目的ではなく、「ねらいの明確化→編成・実施・調整→評価・改善」の3ステップ。形骸化した取組を見直すことも重視され、そのための協議時間に裁量的な時間を使うこともできる。 P83P84P85
  • 道徳は一つの教材を複数コマで扱う教科書構成や、チームで行う道徳授業の推進が打ち出されている。読み物教材の数は精選され「深める教材」が展開される。 P11P61
  • 教育支援センター等に通う不登校の子について、特別の教育課程を組める制度が新設され、令和10年度からの先行実施期間から取り組めるようにする方向。在籍学年の基準で「1」や「ー」がつきやすい現状の改善がねらい。 P38P54P64
  • 教科書は精選され、教科書「を」全部教える前提が見直される。調整授業時数で時数を減らしても内容をおおむね扱える分量を目指し、指導書でも問いや評価課題、学習過程の構造が示される方向。 P22P58P89
次期学習指導要領 教科別まとめ小学校No.01
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審議まとめ(2026年10月5日)を小学校の先生向けにまとめ直しました

国語次期学習指導要領で、どう変わる?

話す・書く・読むを「話や文章の機能」でつなぐ教科へ

10秒でいうと

話す・聞く、書く、読むを「話や文章の機能」でつなぐ。手書きの書写を引き続き重視

やさしく言うと

国語は、話す・聞く、書く、読むの学習をつなぐ方向です。カギは「話や文章の機能」(仮称)です。これは、文章が社会で果たす役割のことです。たとえば「考えや主張の理由付けと吟味」があります。言葉の知識は、使いながら深めるものと、教養として深めるものに分けて整理する案です。小学校では、手で書く書写の指導を丁寧に進めるとされています。

小学校はいつから?

全面実施2030年度(令和12年度)から(見込み)
移行期間2028〜2029年度
告示2026年度末の予定
教科書2030年度から新しい教科書(2028年度に検定)
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研修・会議・授業・保護者会での印刷・コピー・配布・投影はご自由にどうぞ。ご連絡は不要です。クレジットは残してください。審議まとめ(2026年10月5日)準拠・出典ページつき。告示前の方向性で、今後変わることがあります。2026年11月4日 版

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国語の3行要約(全校種)

  1. 話や文章が社会で果たす役割(「話や文章の機能」(仮称))を軸に、話す・聞く、書く、読むの学習を関連付けて計画できるよう内容を整理し直す方向。
  2. 「知識及び技能」は「運用しながら深める」面と「教養として深める」面の2つに分け、漢字などの事項もまとめ直して精選する案。
  3. 高校は必履修2科目の枠組みと単位数を保ったまま、選択科目を標準2科目(各8新単位)と発展4科目(各4新単位)に組み替える案(科目名は仮称)。

※高校の新科目名(現代の国語Ⅰ・Ⅱ、言語文化Ⅰ・Ⅱ、論説と批評ほか発展4科目)と「話や文章の機能」は仮称。

国語のポイント4つ

「話や文章の機能」で3つの領域をつなぐ

今は、話す・聞く、書く、読むの学習が別々に意識されがちです。次期は、文章の役割(機能)ごとに指導事項を整理する方向です。たとえば「論説を読む」「意見文を書く」「提案のスピーチをする」を、同じ機能の学習としてつなげやすくします。 P131P134P139

授業では、たとえば説明文で学んだ「主張と理由」の形を、次の単元の意見文やスピーチでも使う。そんなつなげ方が考えられます。

言葉の知識を2つの面に分ける

知識は「運用しながら深める」面と「教養として深める」面に分ける案です。前者は文章の組み立てなど、使いながら身に付けるものです。後者は言葉のきまり、古典、書写、読書などです。漢字の「読み書き」と「成り立ち」も一つにまとめる例が示されています。 P131P135P138

授業では、たとえば新出漢字を、部首や成り立ち、意味と結び付けて読み書きする。そうした学び方が、この方向に合う一例として考えられます。

手で書く書写を丁寧に

タイピングで文字を入力する機会が増えても、書写は引き続き重視するとされています。とくに小学校では、手書きの書写を丁寧に指導する方向です。書くのが苦手な子には、デジタルの活用や代わりの方法を用意することも明確にするとしています。 P141

授業では、たとえば書写では字形や筆順を確かめて整えて書く。日記など表現の手段として書く文字とは、評価を分けて考えるのが一例です。

ローマ字は3年の国語、入力は「情報の領域」で

ローマ字の学習は、今どおり小学校3年の国語で行う方向です。ローマ字入力のタイピングは、総合的な学習の時間の「情報の領域」(仮称)が中心に担うとされています。要約など、育てたい力に直結する場面では、生成AIを不用意に使わないよう慎重にとしています。 P140

授業では、たとえば要約の単元では、まず自分で要約を書き、生成AIの出力は後で比べて吟味する材料にする。そうした順番が考えられます。

主な変更点9項目

「話や文章の機能」(仮称)で3つの領域の学習をつなぐ

これまでは「話すこと・聞くこと」「書くこと」「読むこと」の学習がばらばらに意識されがちでした。次期は、話や文章が社会の中で果たす主な役割を「話や文章の機能」として整理し、その機能ごとに指導事項を並べる方向です。機能は「事実や知識の整理と理解」「考えや主張の理由付けと吟味」「思いや経験の表出と想像」「協働による考えの深化や合意」(いずれも仮称)などです。たとえば「論説を読む」「意見文を書く」「提案のスピーチをする」を、同じ「考えや主張の理由付けと吟味」の学習としてつないだ年間計画が立てやすくなります。 P131P134P139

「思考力、判断力、表現力等」の示し方を、文章の種類と考える要素の「ひとまとまり」に

今は学習過程ごとに細かく分けた事項と、話や文章の種類ごとの言語活動例が別々に書かれています。次期は「話や文章の機能」を軸に、扱う文章の種類と、そこで働かせる考え方をまとめて一つの事項として示す方向です。例として「書くこと」では、「意見を述べる文章」と「主張を明確にする」「根拠を検討する」などを一括りにします。学習過程も簡単になり、話す・書くは「考えの形成/表現・推敲」、聞く・読むは「構造と内容の理解・解釈/考えの形成」にそろえる方向です。 P134P138

「知識及び技能」を「運用しながら深める」と「教養として深める」の2つに整理

言葉の知識を、使う場面がはっきりするよう2つの面に分ける案です。(1)運用しながら深める事項は、文章の構造や表現の仕方など、話す・書く・読む中で使って身に付けるものです。(2)教養として深める事項は、言葉のきまり、古典、書写、読書などを、その意味や価値と結び付けて理解するものです。事項は「事項のまとまり」に分けて示し、たとえば今は別々の「漢字の読みと書き」と「漢字の偏やつくり、由来や特質」を一つにまとめるとしています。 P131P135P138

評価のやり方の整理(形成的評価を重く、まとめの評価は後で)

短い単元ごとに最終評価まで行おうとして、途中の見取りや声かけがしにくい、単元後に知識だけのペーパーテストで評価する、といった実態が課題とされています。次期は、学習の途中では形成的評価(学習の改善に生かす評価)を行い、単元の成果として力が総合的に発揮されているかで総括的評価をする、という考え方を示します。運用しながら深める知識は複数の単元を経てから、教養として深める知識は単元末や学期末などにまとめて評価することが考えられるとしています。 P129P142

生成AIの使い方とローマ字入力の扱い

生成AIを含むICTは、授業のねらいに合うときに使うのが原則で、AIが出した答えも比べて吟味する対象とします。要約する、最初の考えを書く、文章の構成を考えるなど、その単元で育てたい力に直結する場面では、AIを不用意に使わないよう慎重になるべきだとしています。評価では、集めた情報の信頼性や妥当性を確かめて自分で考え表現できているかを、より重視します。ローマ字の学習は今どおり小学校3年の国語で行い、ローマ字入力のタイピングは「総合的な学習の時間・情報の領域」が中心に担う方向です。 P129P140

教科書の教材を「基幹教材」と「関連教材」に分ける

教科書の中で、力を育てる中心になる「基幹教材」と、学校や子どもの状況に合わせて使い方を変えられる「関連教材」をはっきりさせることが考えられています。同じ「話や文章の機能」に関わる教材をまとめて扱い、重なりを減らして教科書の内容を精選することが考えられています。調整授業時数で時数を増減する場合や高校で単位数を増減する場合は、必要な内容を保障したうえで関連教材の使い方を調整することで対応できるとしています。 P139

情報の扱い方・語彙・読書・古典の学習をさらに改善

情報の扱い方は、「情報どうしの関係を整理する力」と「情報の信頼性や妥当性を見極める力」という性質の違う2つの力を、学年に応じて系統的に示す方向です。語彙は、文脈の中で言葉を使って語感を磨く学習と、言葉の意味や関係を理解して語彙を増やす学習を両方進めます。読書は、きっかけづくりと、自分から読む読書へ移るための学習を充実させ、学校図書館との連携も進めます。高校の古典は、文語文法と口語訳に偏った指導を見直し、小中との接続や言語文化への理解を深める学習を重視するとしています。 P136

小中書写:手で書く指導を引き続き重視

タイピングなどで文字を入力する機会が増えても、小中学校での書写の指導は引き続き重視し、特に小学校では手書きの丁寧な指導を進めます。字を書くことに困難がある子には、デジタルの活用や代わりの方法を積極的に用意することを明確にします。評価では、書写で見る「文字を整えて書く力」と、ほかの学習で表現の手段として書く文字とを区別し、何を評価するのかをはっきりさせる方向です。 P141

小中柔軟な教育課程:調整授業時数・学年をまたぐ指導

国語も「調整授業時数制度」の対象教科です。生み出した「裁量的な時間」の例として、総合的な学習の時間での方言の探究、辞書を使った語彙の指導、ビブリオバトル(書評合戦)や読書会、演劇や文芸創作のプログラム、国語の単元づくりの研究・研修などが挙がっています。また学年ごとの区分は残しつつ、指導の時期を前倒し・後ろ倒しすることを認め、まとまった時間で学び直しをしやすくする方向です。 P141P142

現行と次期の比較(新旧対照)5項目

黄色のマーカー=次期で新しく入る・強く打ち出される言葉 取り消し線=現行から消える・言い方が変わる言葉

項目現行次期(審議まとめの方向)
国語の「見方・考え方」「言葉による見方・考え方」として、対象と言葉、言葉と言葉との関係を、言葉の意味・働き・使い方などに着目して捉えたり問い直したりして、言葉への自覚を高めること。「様々な事象を表す自他の言葉を」、その意味や働き、使い方に着目して吟味し、「多様な立場や考えを理解して、よりよく伝え合おうとすること」と、より短く示す(案)。 P132
「思考力、判断力、表現力等」の学習過程領域ごとに学習過程が違い、細かく分かれている(例:「読むこと」は「構造と内容の把握」「精査・解釈」「考えの形成」「共有」など)。領域どうしでそろえる。話す・書く=「考えの形成/表現・推敲」、聞く・読む=「構造と内容の理解・解釈/考えの形成」、話し合う=「考えの形成」。 P129P134
言語活動例・指導事項の示し方学習過程ごとに細分化した事項と、3領域別・話や文章の種類別の言語活動例を別々に示している。「話や文章の機能」(仮称)を軸に、扱う話や文章の種類と、思考・判断・表現の要素を一体にした「一括りの事項」として示す。 P129P134P138
「知識及び技能」の示し方個々の事項が独立して並ぶ(例:「漢字の読みと書き」と「漢字の偏やつくり、由来や特質」が別の内容)。どの知識を活用重視にし、どれを取り立てて学ぶのかが明確でない。「(1)運用しながら深める事項」と「(2)教養として深める事項」に分け、「事項のまとまり」で構造的に示す。漢字の読み書きと漢字の構成などは一つの事項に統合。 P129P135P138
ローマ字とタイピング小学校3年の国語でローマ字を学び、それに関連してコンピュータでローマ字などを入力する基本操作も学習している。ローマ字の学習は今どおり国語の小学校3年で行う。ローマ字入力のタイピングは「総合的な学習の時間・情報の領域」が中心に担う方向。 P140

授業時数

小中の国語の標準授業時数の具体的な数字は示されていない。総論では、新教科・領域の時数を確保するため、小学校3年以上で現在35コマ以下のものを除く教科等から一律3〜4%程度を「広く薄く」減らす考え方が示され、実数は今後検討とされている(P79)。国語の節でも内容の充実は「総授業時数を増加させないことが前提」(P134)。高校は必履修の単位数等に変化なし(現代の国語2単位→現代の国語Ⅰ4新単位、言語文化2単位→言語文化Ⅰ4新単位)。選択科目は現行各4単位から、標準科目各8新単位・発展科目各4新単位へ(P80・P82)。新単位は1単位の学習量を17コマとしたもの。

生成AI・ICTとの付き合い方7項目

生成AI時代に「人間ならではの言葉の力」を

AIが言葉を大量につくり、SNSで簡単に発信できる時代だからこそ、言葉の意味を理解し、自分の考えを形にして表現し、他の人の経験や気持ちを理解する「人間ならではの言語能力」を育てるとされています。 P128P130P140資料編(1)P46資料編(1)P139

AI要約をコピペする実態への対応

検索結果の一番上に出るAIの要約を、よく考えずにそのままコピーする実態が見られます。集めた情報が信頼できるか、妥当かを確かめたうえで、自分で考え・判断し・表現できるように指導することが重要とされています。 P129

生成AIを使う原則:ねらいに合うときに、出力も比べて吟味する

生成AIを含むICTは、発達段階をふまえ、授業のねらいに合うときに使うのが原則です。AIの出力も比べて吟味する対象であること、自分で考えた内容を自分の言葉で説明し責任を持つことを基本にします。 P140

AIの使用に特に慎重であるべき場面

文章の全体をつかむための要約、最初の考えを文章にする活動、書くための構成を考えたり情報を選んだりする活動など、その単元で育てたい力に直結する場面では、AIを不用意に使うことに慎重であるべきだとされています。子供自身が行うべき考える・判断する・表現する過程がAIに置きかわらないよう特に注意します。 P140

評価は「情報を確かめて自分で考えたか」を重視

評価では、集めた情報の信頼性や妥当性を確かめたうえで、それを使って自分で考え・判断し・表現できているかという観点を、当面の基本的な考え方としてより重視するとされています。技術の進展による変化にも対応が必要とされています。 P140

語彙:AIの時代こそ実感のある言葉を

生成AIが発展する中、人間ならではの実感を伴った理解・思考・表現を支える語感を磨き、語彙を豊かにする学習を充実させるとされています。 P136

ICTは特性に応じた学習と多様性の包摂に有効/書写は手書きを重視

ICTは話す・聞く・書く・読む活動で、子供の特性に合った学習をするのに役立ち、多様性の包摂の点でも重要です。一方、タイピングが増えても書写の指導は引き続き重視し、特に小学校では手書きを丁寧に指導するとされています。書字に困難のある子供には、デジタル学習基盤の活用や代わりの方法を積極的に用意します。 P140P141

今からできる準備チェックリスト7項目

  • 今すぐ今の年間指導計画の単元を、「話や文章の機能」(仮称)の4つ(事実や知識の整理と理解/考えや主張の理由付けと吟味/思いや経験の表出と想像/協働による考えの深化や合意)で色分けし、領域をまたいでつなげられる単元の組(例:論説を読む・意見文を書く・提案のスピーチをする)を1組見つけて、続けて教えてみます。 P131P134P139
  • 今すぐ要約する、最初の考えを書く、文章の構成を考えるなど、その単元で育てたい力に直結する場面では生成AIを使わせない、といった「使う場面・使わない場面」を教科会で話し合い、学年でそろえておきます。 P140
  • 今すぐ単元計画に、途中で学習状況を見取って声をかける場面(形成的評価)を書き込み、単元末の知識だけのペーパーテストで評価を済ませていないかを点検します。 P129P142
  • 告示まで「知識及び技能」を、話す・書く・読む中で使って深めるもの(文章の構成、表現の仕方など)と、教養として深めるもの(言葉のきまり、古典、書写、読書など)に仕分け、前者は複数の単元を経てから、後者は単元末や学期末にまとめて評価する計画を1学期分試します。 P131P135P142
  • 告示まで司書教諭・学校司書と相談し、読書のきっかけづくり(ブックトーク、読書会、ビブリオバトルなど)と、自分から読む読書へ移るための学習を年間計画に位置付けます。 P129P136P141
  • 告示まで書写で評価する「文字を整えて書く力」と、ほかの学習で表現の手段として書く文字とを分けて評価の対象を確かめ、書字に困難のある子供にはデジタルの活用や代わりの方法を用意しておきます。 P141
  • 全面実施まで教科書の「基幹教材」と「関連教材」の区別を見越し、同じ「話や文章の機能」の教材を束ねて、時数に応じて関連教材の扱いを増減できる単元計画の型を校内で作っておきます。 P139

次期を先取りする授業アイデア1本

小51単位時間(45分)

読む・書く・話すをつなぐ「主張と根拠」

同じ主張を3つの形で読み比べると、領域をこえて使える「骨組み」が見えてきます。

手順・ワークシート

ねらい

主張と理由・根拠の関係に着目して3種類の文章を読み比べ、形がちがっても「考えを理由や事実で支えて、相手の納得を促す」という同じ働きをしていることを、叙述をもとに説明できる。

流れ

  1. 5分先生がポスターを見せ、「このポスターは、みんなに何をしてほしいと言っているかな」と問います。続けて「同じことを、意見文とスピーチでも伝えてみたよ」と3つを配り、めあて「形のちがう3つの文章を比べて、共通する『しかけ』を見つけよう」を示します。
  2. 10分一人で、3つの文章に色を付けます(主張=赤、理由=青、根拠となる事実=緑)。スピーチは録音を聞いてから原稿に色を付けます。
  3. 10分ペアで表に整理し、「同じところ」「ちがうところ」を話し合います。同じ:主張は1つで、理由と事実で支えている。ちがう:ポスターは根拠が短い、スピーチは主張を最初と最後に2回言う、意見文には反対の考えへの答えがある、など。
  4. 10分全体で共有します。先生は3つを横に並べて板書し、子供の言葉で「主張を理由や事実で支えて、相手に『なるほど』と思ってもらう文章」とまとめます。こういう働きをする文章の仲間が、これからの「読む」「書く」「話す」単元でも出てくることを予告します(仮称の用語を子供に覚えさせる必要はありません)。
  5. 7分自分ならポスターにどんな根拠を1つ足すかを考え、付箋に「足す事実」と「それがなぜ主張を支えるか」を1文ずつ書いて、表のポスターの列に貼ります。
  6. 3分振り返りとして、「次に意見文を書くとき(スピーチをするとき)に使えそうなこと」を一言書きます。

評価

【思考・判断・表現(読むこと)】色分けと表から、主張と理由・根拠の関係を叙述をもとに捉えているかを見取ります。付箋では、足した事実が主張を支える理由を説明できているかを見ます。この時間は単元の導入なので形成的評価にとどめ、つまずいている子供には「この事実があると、なぜ『やろう』と思えるの?」と問い返します。まとめの評価は、後の意見文やスピーチの単元で行います。

指導案(試案)1本

小学校第5学年国語全8時間(本時は第4時)

図書室をもっと楽しい場所に ~集めたデータを根拠に提案文を書こう~

中教審の審議まとめ(2026年10月5日)で示された、国語科の「思考力、判断力、表現力等」を「話や文章の機能」(仮称)を軸に整理し直すという方向性を先取りした試案である。次期学習指導要領はまだ告示前であり、本案は審議まとめと資料編のイメージをふまえて作成した一つの例で、確定した内容ではない。前の単元…

指導案の全文

本時のねらい

読み手(図書委員会・学校司書の先生)が納得できる提案にするために、集めた材料が根拠として確かなものかを3つの観点で確かめ、主張を支える根拠を選んで構成メモにつなぐ。

本時の流れ

  1. 5分導入 前時に書いた材料カードと単元のゴールを確かめる。教師が用意した「よくない例」(主張は「昼休みも図書室を開けてほしい」なのに、根拠が「となりの学校ではそうしているらしい」だけの短い提案)を読み、本時のめあてをつかむ。
  2. 8分展開 前の単元で読んだ論説を開き、筆者が根拠として使っていたもの(調査の数字、だれが調べたか、いつの調査か)を確かめる。根拠を確かめる3つの観点(①どこから出た情報か ②いつ・何人に・どうやって調べたか ③主張とつながっているか)を全体でまとめる。
  3. 15分展開 同じテーマの3〜4人のグループで、自分たちの材料カードを根拠チェック表で確かめ合う。カードに◎(そのまま使える)、△(確かめが必要)、×(根拠には使わない)を付け、△には何を確かめればよいかを書き添える。
  4. 10分展開 一人で、主張を支える根拠を2つ選び、構成メモに「主張―理由―根拠」を線でつなぐ。「〜という結果から、〜と考えます。」の形で、根拠と主張をつなぐ一文(理由付け)を書く。
  5. 7分まとめ ペアで構成メモを読み合い、「この根拠なら納得できる」「ここはもう少し確かめたい」を伝え合う。全体で、主張と根拠のずれに気付いて材料を選び直した例を紹介する。ふり返りに、根拠を選ぶときに大切だと思ったことを書く。

PDF版:shidoan-sho5-kokugo-library-proposal.pdf(ダウンロードコーナー)

現行の学習指導要領・解説(小学校)

文部科学省の公式PDFです(クリックで開けます)。

次期学習指導要領 教科別まとめ小学校No.02
小学校版
審議まとめ(2026年10月5日)を小学校の先生向けにまとめ直しました

社会次期学習指導要領で、どう変わる?

覚える社会から、問いと確かな情報で探究する社会へ

10秒でいうと

4年「県内の特色ある地域」は3地域→2地域に精選。情報の正しさを確かめる技能を加える

やさしく言うと

小学校の社会は、身近な地域から国際社会へと広げる考え方を続ける方向です。そのうえで、グローバル化などの地域の変化も内容に入れるとされています。内容は重なりを整理してしぼる案です。調べてまとめる力には、情報が確かかどうかを確かめる力が加わる方向です。教科書が歴史の通史にならないようにすることも示されています。

小学校はいつから?

全面実施2030年度(令和12年度)から(見込み)
移行期間2028〜2029年度
告示2026年度末の予定
教科書2030年度から新しい教科書(2028年度に検定)
無料原田英語.com 次期学習指導要領ナビ

研修・会議・授業・保護者会での印刷・コピー・配布・投影はご自由にどうぞ。ご連絡は不要です。クレジットは残してください。審議まとめ(2026年10月5日)準拠・出典ページつき。告示前の方向性で、今後変わることがあります。2026年11月4日 版

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社会・地理歴史・公民の3行要約(全校種)

  1. 中学校社会に、地理・歴史・公民をつなぐ「分野横断」の単元として、A・Bを新たに設け、現行のまとめに当たるCを位置付け直す案。地域調査などの地域学習は単元B「私たちと社会(仮称)」でまとめて扱う方向。
  2. 学ぶ内容は増やさず、重なる事項や教科書の用語をしぼり込む方向。教科書「を」教えるから、教科書「で」教える授業への転換をめざす。
  3. ネットやAIの情報が正しいかを確かめる「情報の妥当性の確認」の技能を新たに位置付け、模擬選挙などの主権者教育や外部機関との連携を強める方向。

※中学校の単元A「社会へのまなざし」・B「私たちと社会」・C「よりよい社会を目指して」、地理総合の導入単元「地理と私たち」は仮称。

社会のポイント4つ

4年「県内の特色ある地域」は3つから2つへ

今は、地場産業、国際交流、資源の保護・活用の3つの地域を同じように扱うことになっています。次期は、このうち2つの地域を選ぶ方向でしぼる案です。5年の「産業と情報」は、新しい「情報の領域」と役割を分け、情報を生かす産業の役割に重点を置くとされています。 P153

授業では、たとえば県内の2つの地域を選び、それぞれの特色を時間をかけてじっくり比べて調べる。そんな単元の組み方が考えられます。

「確かな」情報で調べてまとめる

ネットの情報には、真偽や意図、背景が分かりにくいものがあります。そこで、調べてまとめる技能に「情報の妥当性の確認」(情報が確かか確かめること)を新たに位置付ける方向です。小中学校では「確かな」情報に基づき、「適切かつ」効果的に調べまとめるとしています。 P148P159

授業では、たとえば調べ学習のカードに「この情報はだれが出したか」「ほかの資料でも同じか」を書く欄を作る。そんな工夫が一例です。

歴史は人物と文化遺産で大まかに

小学校の歴史は、人物の業績や優れた文化遺産を通して、世の中の動きを大まかに理解する構成です。事象を網羅的に扱うものではないとされています。そのため、教科書が通史(すべての時代を順に追う形)にならないよう促す方向です。 P155

授業では、たとえばある人物の働きを中心に「なぜこの人は人々に支持されたのか」という問いで1時間を組み立てる。そんな授業が考えられます。

主権者教育を体験から

主権者教育を「深める」と「広げる」の両方から進める方向です。子供が主体となる模擬選挙や模擬議会などの実践的な活動を進めるとしています。こども基本法をふまえ、特別活動とも連携し、子供が実感をもって活動する機会を充実するとしています。 P157P158

授業では、たとえば学校のきまりや地域の課題について意見を出し合い、話し合って決める模擬議会を開く。そんな活動が一例です。

主な変更点6項目

学習内容をしぼり込む(具体例が示された)

全体として学習内容は増やさず、重なっている事項などを整理する方向です。小学校4年「県内の特色ある地域の様子」は、3つの地域を同じように扱うのをやめ、2つを選ぶ方向です。中学校地理「日本の諸地域」は、考察の仕方が重なる2地域を関連させて扱い、地域の数を減らすとしています。中学校歴史は文化・政治・外交・社会を一体的に扱って時代の特色をつかむ形に整理し、高校「日本史探究」は近現代の項目を、より上位の考え方でまとめる方向です。 P153P154

小中他の新しい教科・領域と役割を分ける

新しく設ける案の「情報の領域」(小学校は「総合的な学習の時間」の中に設け、名称を「総合的な探究の時間」に改める案)や「情報・技術科」と役割を分けて、社会科の内容をしぼる方向です。小学校5年「我が国の産業と情報との関わり」は、情報を活用する産業の役割に重点を置きます。中学校公民「私たちと現代社会」の情報化の影響の学習は、それによる社会の変化や課題を考える学習に重点を置きます。 P153

「調べまとめる技能」に情報の正しさを確かめる力を加える

ネットなどで集めた情報の真偽や意図、背景をつかむことがより大切になったため、情報の信ぴょう性を確かめる新しい技能(「情報の妥当性の確認」に関する技能)を位置付ける方向です。目標では、小中学校は「確かな」情報に基づき「適切かつ」効果的に調べまとめる技能、高校は「その妥当性を吟味しながら」調べまとめる技能を身に付ける方向です。図書や新聞を使うことも大事だと注意されています。 P148P159

AIに頼った成果物が通用しない評価を工夫する

AIの要約をそのままコピーする児童生徒への指導が十分でない、という課題が示されました。最終的には児童生徒が自分で考え、自分の言葉で説明し、責任を持つという考え方を当面の基本とします。評価の例として、口頭試問の要素を入れることや、端末のテストモードでブラウザが使えない状態で根拠をもって記述させることが挙げられています。 P146P159

主権者教育を「深める」「広げる」

主権者教育を学校の年間指導計画に位置付ける方向です。模擬選挙・模擬投票・模擬議会・模擬請願など、子供が主体となって実感をもてる活動を重視し、形だけで終わらず合意形成を図る活動にするとしています。選挙管理委員会や議会事務局、NPO法人などとの連携や、特別活動・総合的な学習(探究)の時間との連携を強める方向です。政治的中立性の確保と、国の通知に沿った指導が重要とされています。 P157P158

社会の変化をふまえて扱う内容を充実する

国際情勢、自然災害・防災、海洋を含む環境、生成AIの影響、食料安全保障、金融経済、自衛隊、領土、経済安全保障、拉致問題、アイヌに関する理解などの視点で必要な見直しを行う方向です。こども基本法・障害者差別解消法・理解増進法などをふまえた人権の内容や、旧優生保護法やハンセン病の歴史と被害の実態も扱うとしています。研修などで教師の指導力を高めることも必要とされています。 P156

現行と次期の比較(新旧対照)3項目

黄色のマーカー=次期で新しく入る・強く打ち出される言葉 取り消し線=現行から消える・言い方が変わる言葉

項目現行次期(審議まとめの方向)
見方・考え方小学校では、社会的事象を位置や空間的な広がり、時期や時間の経過、人々の相互関係などに着目して捉え、比較・分類・総合したり、人々の生活と関連付けたりすること。学ぶ対象を「社会的事象や言説」に広げ、よりよい社会の形成に向けて課題を「多面的・多角的」に考え、確かな根拠に基づいて「公正に判断」することとして整理。具体的な視点や方法は「統合的な理解・総合的な発揮」に移し、「社会的な視点や方法等」と呼ぶ。 P149
教科目標の柱書「グローバル化する国際社会に主体的に生きる平和で民主的な国家及び社会の形成者」に必要な資質・能力の育成。骨格は小中高共通のまま、地域・国・世界を含めたよりよい社会の形成をふまえて「グローバル化する国際社会」の記載を見直す。「主体的に生きる」も、多様な他者と「協働的に」生きることをふまえて見直す。 P144P148
小学校4年「県内の特色ある地域の様子」地場産業が盛んな地域、国際交流に取り組む地域、地域の資源を保護・活用している地域の3つを同様に扱う。2つの地域を選んで扱う方向で精選する。 P153

授業時数

小・中学校の社会の標準授業時数を変えるという記述は、この教科の節にはない。高校は標準単位数が新単位で示され、地理総合4・地理探究6・歴史総合4・日本史探究6・世界史探究6・公共4・倫理4・政治・経済4新単位(現行の2・3単位を新単位に直した値。現行1単位=新2単位、P81〜82)。内容の精選では調整授業時数制度で標準を下回る場合も考慮する(P153)。学年区分は示しつつ学年をこえた前倒し・後ろ倒しを認め、配当時数の目安の示し方は告示文で検討。高校は単位の細分化や増単・減単の仕組みの下で示し方を検討(P161)。

生成AI・ICTとの付き合い方6項目

生成AIやSNSの時代に、情報の真偽を見極める力

生成AIやSNSで大量の情報が簡単に手に入る一方、その真偽や信頼性を判断する力が求められています。資料や情報の真偽・意図・背景をつかみ、信ぴょう性を確かめ、根拠に基づいて自分の考えをつくる力を育てます。 P147

新しい技能「情報の妥当性の確認」

「社会的事象等について調べまとめる技能」の中に、集めた・読み取った・まとめた情報の信ぴょう性を確かめる新しい技能として「情報の妥当性の確認」を位置付ける方向です。総合の「情報の領域」などでの学習と関連させます。図書や新聞の活用も大切とされています。 P159

社会科のAI活用の基本的な考え方

最終的には子供が自分で考え、判断し、成果物の内容を自分の言葉で説明し、責任を持つという考え方のもとで、課題を追究・解決する学習とその評価方法を改善することが当面の基本とされています。 P159

AIに頼った成果物が通用しない評価

AI要約をそのままコピーする子供への指導が足りていない実態があり、最後の評価で自分で考えていない成果物が通用しない工夫が急ぎの課題とされています。例として、口頭試問の要素を入れる、端末のアンケートソフトのテストモードでブラウザを使えない状態にして、根拠を示して自分の考えを書かせる、が挙がっています。 P146P159

ICTを課題追究の学習の基盤に

社会科の教師の端末活用は「資料を大きく映す」「ネットで自由に調べる」が中心で、道具的な使い方にとどまっています。課題把握(統計資料の検索など)、課題追究(根拠資料・原典資料の収集・分析や共有)、課題解決(レポート作成・発表)の各場面で、学習の質を高める基盤としてICTを位置付け直すとされています。 P146P159

主権者教育:SNSや生成AIが判断に影響

社会参加にあたっては、SNSの影響や生成AIの普及が選択・判断に影響することをふまえる必要があり、情報モラルやメディアリテラシーの重要性がますます高まっているとされています。 P145

今からできる準備チェックリスト6項目

  • 今すぐ調べ学習の手順に「情報の妥当性の確認」(だれが・いつ・何をもとに出した情報か、ほかの資料と合うか)を入れたチェック表を作り、ネットだけでなく図書・新聞・統計も使って確かめる習慣をつけます。 P148P159
  • 今すぐ単元末の評価に、口頭試問の要素や、端末のテストモードでブラウザを使えない状態で根拠を示して書かせる問題を1つ入れ、AIに頼って自分で考えていない成果物が通用しない評価を試します。 P146P159
  • 今すぐ地域学習で協力してもらった地域の方・施設や、博物館・資料館のデジタルコンテンツの情報を校内で一覧にし、人事異動があっても引き継げるようにします。 P146P160
  • 告示まで単元ごとに学習上の課題(問い)を1つ立て、その問いの解決に必要な用語にしぼって教える計画を試し、教科書「を」教える授業から教科書「で」教える授業への切りかえを始めます。 P147P151P155
  • 告示まで主権者教育を年間指導計画に位置付け、模擬選挙・模擬議会などの活動を選挙管理委員会や議会事務局と事前に打ち合わせて計画します。政治的中立性に関する国の通知を、連携先とも共有しておきます。 P157P158
  • 全面実施まで「統合的な理解・総合的な発揮」を使った単元づくりに備え、校内研修で1つの単元について「覚えさせたい個別の用語」と「到達させたい概念」を書き分ける練習をします。 P148P150

次期を先取りする授業アイデア1本

小51単位時間(45分)

その情報、だれが言ってる? 出どころ探偵

同じ話題の3枚の情報カードを比べ、出どころと根拠を確かめる手順を身に付けます。

手順・ワークシート

ねらい

米づくりに関する複数の情報について、発信した人・日付・根拠を確かめ、統計資料と照らし合わせて、確かな情報を選んで自分の考えの根拠にすることができる。

流れ

  1. 5分3枚のカードを黒板に貼り、「この中でいちばん信じられそうなのはどれ?」と直感で手を挙げさせます。理由を2〜3人に聞きます。
  2. 8分班で「出どころ探偵チェック表」を使い、3枚それぞれのだれが・いつ・何をもとに、を調べて書き込みます。書いていないことは「書いていない」と記入させます。
  3. 14分カード②の内容を、教科書や地図帳の都道府県別の米の生産量の資料で確かめます。「本当か」「どこがちがうか」を、資料の数字を指して班で説明し合います。続けて、カード①のグラフが教科書・地図帳の統計と合うか、カード③に書かれた工夫が先生の用意した基の記事や広報資料にあるかも、班で手分けして確かめます。
  4. 8分全体で共有し、確かめる手順を子供の言葉でまとめます(例:①だれが言っているか ②いつの情報か ③何をもとにしているか ④ほかの資料と合うか)。先生は、ネットの情報だけでなく本や新聞、統計を使うと確かめやすいことを補います。
  5. 7分「米づくりがさかんな地域はどこか、それはなぜか」について、確かめた資料を根拠に1〜2文で自分の考えを書きます。
  6. 3分振り返りとして、4つの手順のうち、これからの調べ学習でいちばん使いたいものを選び、理由を書きます。

評価

【知識・技能】チェック表で発信者・日付・根拠を確かめ、統計資料と照らし合わせて情報の確かさを判断しているかを見取ります。【思考・判断・表現】確かめた資料を根拠に、米づくりがさかんな地域とその理由について考えを書いているかを見ます。

指導案(試案)1本

小学校第3学年社会全10時間(本時は第7時)

お客さんが集まるひみつをさぐろう ~まちのスーパーマーケットの仕事~

中教審の審議まとめ(2026年10月5日)で示された、社会科の「調べまとめる技能」に、集めた情報の信ぴょう性を確かめる「情報の妥当性の確認」に関する技能を位置付ける方向と、「見方・考え方」の対象を「社会的事象や言説」に広げる方向を先取りした試案である。次期学習指導要領はまだ告示前であり、本案は審議ま…

指導案の全文

本時のねらい

「安いからお客さんがたくさん来る」という言葉が本当かを、出どころの分かる複数の情報(アンケート・店長さんの話・見学の記録)で確かめ、お客さんの願いとお店の工夫を結び付けて考え、表現する。

本時の流れ

  1. 5分導入 学習問題「どうして〇〇スーパーにはたくさんのお客さんが来るのだろう」と、前時に分けたはっけんカードを確かめる。前時のふり返りに多く書かれていた「やっぱり安いからみんな来るんだよ」という考えを紹介し、本時の問いをつくる。
  2. 10分展開 はっけんカードの出どころマーク(自分で見た・店長さんに聞いた・チラシで読んだ・家の人や友達から聞いた)を見直し、「安い」に関係するカードを集める。どのカードが確かめられた情報で、どのカードがまだ確かめていない情報かを、グループで分ける。
  3. 15分展開 全体で、①アンケートの結果(お店を選ぶわけのグラフ)、②店長さんの話、③見学で撮った売り場の写真を順に見て、「安いから」以外の理由もあるかを確かめる。お客さんの立場(願い)とお店の立場(工夫)に分けて、板書で整理する。
  4. 8分まとめ 「安いからお客さんが来る」という言葉に戻り、学習問題に対する今の考えを、自分の言葉でノートに書く。何人かが発表する。
  5. 7分まとめ ふり返りに、「情報を確かめてよかったこと」と、店長さんにもう一度聞いてみたいことを書く。

PDF版:shidoan-sho3-shakai-supermarket.pdf(ダウンロードコーナー)

現行の学習指導要領・解説(小学校)

文部科学省の公式PDFです(クリックで開けます)。

次期学習指導要領 教科別まとめ小学校No.03
小学校版
審議まとめ(2026年10月5日)を小学校の先生向けにまとめ直しました

算数次期学習指導要領で、どう変わる?

小中高を6つの分野でつなぎ、証明と批判的思考を育てる

10秒でいうと

割合・比・分数の内容と順序を見直し。証明につながる「論理的に説明する活動」を充実

やさしく言うと

算数は、小・中・高で目標と見方・考え方をそろえる方向です。学習内容は共通の6つの「分野」で整理する案です。割合・比・分数など、つまずきやすい内容は、内容や順序の見直しを検討するとされています。中学校の証明につながる「論理的に説明する活動」も充実する方向です。算数の公式の英語表記は「Mathematics」に改めるとされています。

小学校はいつから?

全面実施2030年度(令和12年度)から(見込み)
移行期間2028〜2029年度
告示2026年度末の予定
教科書2030年度から新しい教科書(2028年度に検定)
無料原田英語.com 次期学習指導要領ナビ

研修・会議・授業・保護者会での印刷・コピー・配布・投影はご自由にどうぞ。ご連絡は不要です。クレジットは残してください。審議まとめ(2026年10月5日)準拠・出典ページつき。告示前の方向性で、今後変わることがあります。2026年11月4日 版

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算数・数学の3行要約(全校種)

  1. 小・中・高で教科の目標と「見方・考え方」の言葉をそろえ、学習内容を共通の6つの「分野」で整理する方向です。批判的に考える力や、証明などの論理的な学習を重視するとしています。
  2. 中学校と高校に、数学の全体像や社会・仕事とのつながりを学ぶ「数学ガイダンス」を新しく設ける方向。高校では必履修の数学Ⅰに「社会を読み解く数学」を加え、数学A・B・Cを1つの新科目にまとめる案です。
  3. 割合・比・分数のつまずき対策、教科書内容の精選、学年をこえた学び直しなど、だれもが「わかる」「できる」と感じられるための工夫を進めるとしています。

※数学A・B・Cを統合した新選択科目の名称は「数理活用(仮称)」などの案で検討中。「数学ガイダンス」は仮称。いずれも2026年10月の審議まとめ段階の案で、今後変わり得る。

算数のポイント4つ

割合・比・分数の内容と順序を見直す

割合・比・分数などは、理解が難しく、身に付いていない子が相当数いるとされています。そこで、確実に身に付くよう、学習内容や並べ方の改善を検討する方向です。帯分数のような「足掛かり」の事項も、本当に必要か点検するとしています。 P165P167P171

授業では、たとえば割合の単元の前に、かけ算・わり算の意味が分かっているかを短い問題で確かめてから入る。そんな確認が方向に沿う一例です。

「なぜそうなるか」を説明する活動

中学校・高校の証明(論証)につながる、論理的に説明する活動を充実する方向です。速さや割合の「みはじ」「くもわ」のような覚え方だけでは、かえって理解を妨げかねないとしています。最後は意味の理解を伴うことが欠かせないとしています。 P164P171

授業では、たとえば速さの問題で、図や数直線を使って「なぜこの式になるか」をペアで説明し合う時間をとる。そんな授業が考えられます。

小中高で共通の6つの分野

小学校の算数から高校の数学Ⅰまでを、共通する6つの「分野」で整理する案です。数と式、図形、変化と関係、データと確からしさ、論証、社会を読み解く数学の6つです。小中高の目線を合わせ、学びをつなぐことがねらいとされています。 P166P167

授業では、たとえば今の単元が6つの分野のどれに当たり、中学校のどの学習につながるかを、単元の初めに子供と確かめる。そんな工夫が一例です。

学び直しの時間をつくる

学年の区分は残しつつ、学校の判断で指導時期を前倒し・後ろ倒しできる方向です。まとまった時間をつくり、定着に課題がある単元を学び直せるとしています。分散学習など、認知心理学の知見をふまえた指導も有効とされています。 P174P175

授業では、たとえば以前の単元の問題を、間をあけて朝の時間や授業の冒頭に少しずつ解き直す。そうした分散学習の取り入れ方が考えられます。

主な変更点6項目

証明・論理的な説明の学習を小中高で強化(「論証」分野)

変化が激しい社会では、筋道立てて批判的に考える力(クリティカル・シンキング)が欠かせないとして、中学・高校で数学的推論や証明に関する学習を充実する方向です。小学校でも、中・高の証明につながる「論理的に説明する活動」を各単元で充実するとしています。資料編では、これまで「数と式」「図形」に散らばっていた内容を「論証」という1つの分野として独立させると説明されています。 P164P165P167P171

小割合・比・分数など、つまずきやすい単元の内容と順序を見直し(小学校)

割合・比・分数は理解が難しく、身についていない児童が相当数いるため、確実に定着するよう学習内容や並べ方(配列)の改善を検討します。帯分数のような「足がかり」として学ぶ事項は、本当に必要か改訂作業の中で点検します。また「みはじ」「くもわ」のような暗記だけの指導はかえって理解を妨げかねず、最後は意味の理解を伴わせることが欠かせないとされています。小学校では社会・職業との関係を独立した内容にはせず、各単元の指導で充実するとしています。 P164P165P167P171

目標・見方・考え方を小中高で統一し、学習内容を6つの「分野」で整理

小・中・高で教科の目標の言葉をそろえ、「見方・考え方」も統一する方向です。新しい見方・考え方は「事象や言説を数理の視点から捉え、論理的、統合的・発展的、批判的に考察すること」で、ニュースや意見などの「言説」と「批判的」(建設的な意味で)が加わる案です。小学校の算数から高校の数学Ⅰまでの内容を「数と式」「図形」「変化と関係」「データと確からしさ」「論証」「社会を読み解く数学」の6分野で整理し、各分野を1〜2の「区分」に分けて「統合的な理解・総合的な発揮」を示すとしています。教科名の統一は引き続き検討ですが、算数の英語表記は「Arithmetic」から「Mathematics」に改める案です。 P166P167P168P169P170

学年の区切りをこえた柔軟な指導と学び直し(調整授業時数の活用例も)

学年区分は示しつつ、学校の判断で指導時期を前倒し・後ろ倒しできるようにし、まとまった時間をつくって定着に課題のある単元の学び直しや、興味を引き出す探究的な学習に使えるようにする方向です。新しい調整授業時数の「裁量的な時間」では、下の学年の未習得事項を学び直すプログラムや、算数の単元構想の研究・研修などが例に挙がっています。ただし系統性が強い教科なので、安易な時数の調整で定着に影響が出ないよう注意が必要とされています。高校では科目の組み替えの仕組みで、いわゆる「理転」の壁を下げる効果も期待されています。 P174P175

定着を支える指導の工夫(認知心理学の知見・帰納と演繹のバランス・ICT)

基礎的な知識・技能を確実に身につけるため、分散学習・検索練習など認知心理学や学習科学の知見をふまえた指導や、学習前の「レディネス」(既習事項の習得状況)の確認が有効とされています。具体的な事象から考えさせる帰納的な指導と、先に教師が原理を教える演繹的な指導を、子どもの実態に合わせてバランスよく使い分けるとしています。「間違ってもよい」という心理的安全性も重視されます。1人1台端末やクラウドを前提とし、AIドリルは質や教師の指導などの条件のもとで計画的に使えば効果的とされています。 P164P174P177

内容の精選と、教科書で「必ず扱う内容」と「必要に応じて扱う内容」の区別

「統合的な理解・総合的な発揮」に欠かせない内容を中心に並べ、欠かせない内容でないものは精選するとしています。教科書を全部網羅して教える傾向があるとの指摘から、教科書の各内容が必ず扱うべきものか、必要に応じて扱うものかの区別(グラデーション)が分かるよう、教師用指導書での工夫を教科書会社に求めることも検討されています。資料編では、演習問題を基礎・習熟・発展に分ける、コラムなどには時数を配当しないといった例が挙がっています。 P173

現行と次期の比較(新旧対照)4項目

黄色のマーカー=次期で新しく入る・強く打ち出される言葉 取り消し線=現行から消える・言い方が変わる言葉

項目現行次期(審議まとめの方向)
学習内容の区分の仕方小学校算数・中学校数学は「領域」、高校数学は「項目」という名前で区分。小学校算数〜高校数学Ⅰまでを、共通の6つの「分野」(数と式、図形、変化と関係、データと確からしさ、論証、社会を読み解く数学)で整理し、さらに「区分」に分ける方向。 P167P170
見方・考え方事象を「数量や図形及びそれらの関係などに着目して捉え」、「論理的、統合的・発展的に考える」こと。「事象や言説を数理の視点から捉え、論理的、統合的・発展的、批判的に考察すること」。小・中・高で文言を統一する案。 P169
数学的活動の位置付けこれまでの学習指導要領で、算数科・数学科の学習過程として位置付けられてきた。「数学的活動」を個々の学習内容として規定するのではなく、教科全体を通じて充実に取り組む旨を規定すべきとされた。 P178
評価規準づくり各学校が、内容のまとまりごとの評価規準、単元の目標、単元の評価規準を作成。「内容のまとまりごとの評価規準例」は国が示し、学校での作成は不要にする方向。算数・数学の「内容のまとまり」は「区分」ごと・学年ごとの「内容」とする方向。単元の目標がそのまま単元の評価規準になる考え方。 P179

授業時数

高校:数学Ⅰは現行3単位→最大8新単位程度、数学Ⅱは現行4単位→6新単位(3単位)、数学Ⅲは6新単位、新選択科目は2〜12新単位(現行は数学A・B・C各2単位)。1新単位は17コマ。「社会を読み解く数学」相当を新科目で学ぶ場合は数学Ⅰから減単可能(P81、P82)。小・中学校の算数・数学の具体的な時数は算数・数学の節には書かれていない(総論では、35コマを超える教科等から一律3-4%程度を「広く薄く」減じる考え方を示し、実数は今後示すとしている:P79)。

生成AI・ICTとの付き合い方4項目

生成AIの時代にこそ数学を学ぶ意味がある

数学の問題解決に生成AIが使われる場面が増え、数学を学ぶ意義を問い直す声もあります。しかし、生成AIで処理した結果が妥当かを確かめるにも、生成AIの仕組みを理解するにも、数学の素養は欠かせません。生成AIに振り回されない批判的思考力のためにも数学的な思考力が必要とされています。 P166

クリティカル・シンキングの強化

AI技術やデータサイエンスが急速に進む変化の激しい社会では、論理的・批判的に考え判断する力(クリティカル・シンキング)が一層重要なので、数学的推論や証明などの学習を中・高で充実させます。 P167P171

AIドリルの使い方の条件

AIドリルは、①教材として一定の質がある、②教師の適切な指導助言がある、③子供が自分で学びを調整しながら使える、の3つが前提です。そのうえで計画的に使えば、知識を効率よく身に付けられるとされています。家庭学習が難しい子供にAIドリルを配る自治体の例もあります。 P176P177

ICT活用の例と、AIの扱いの機動的な見直し

効果的なICT活用例として、AIによる自動採点やデジタル教材・AIドリルの活用などが挙がり、国が改訂を待たず広く知らせることが重要とされています。学習科学をふまえたAI学習アプリなど新しい動きにも注目し、算数・数学でのAIの扱いは技術の発展に合わせて機動的に見直すとされています。 P177

今からできる準備チェックリスト6項目

  • 今すぐ単元に入る前に、その単元に必要な既習事項(レディネス)を5分ほどの小テストで確かめ、つまずきのある子供への手立てを用意してから始めます。 P164P165P174
  • 今すぐ授業の冒頭や宿題に、前の単元の問題を少し混ぜて思い出させる時間(分散学習・検索練習)を入れ、全員にまったく同じ問題だけを出すやり方を見直します。 P164P174
  • 今すぐ割合や速さで「みはじ」「くもわ」を使っている場合は、数直線や図で意味を説明させる時間を必ず入れ、暗記だけで終わらせないようにします。 P164P171
  • 告示まで小中の先生で、6つの「分野」(数と式、図形、変化と関係、データと確からしさ、論証、社会を読み解く数学)をもとに単元の系統表を作り、学校段階のつながりを確かめます。 P167P170P175
  • 告示まで現行学習指導要領に示された内容を確実に扱うことを前提に、教科書内の練習・補充・発展的な内容の扱い方や時数配分を教科会で点検します。次期課程での「必ず扱う内容/必要に応じて扱う内容」の区分は、告示・解説や教師用指導書が示された後に確認します。 P173
  • 全面実施までAIドリルを使う場合は、①教材として一定の質がある ②教師が適切に指導助言する ③子供が自分で学びを調整しながら使う、の3つを満たす使い方を校内で決め、計画的に使います。 P177

次期を先取りする授業アイデア1本

小51単位時間(45分)

500円引きと450円引き、得なのはどっち?

「くもわ」に頼らず、数直線で「もとにする量」を見つけて、理由を説明し合います。

手順・ワークシート

ねらい

2つの値引きについて、もとにする量と比べられる量を数直線に表して割合を求め、「値引きの額が大きい方が得」とは限らない理由を筋道立てて説明できる。

流れ

  1. 5分2枚の広告を見せ、「どっちが得?」と聞いて直感で手を挙げさせます。「500円引きの方が大きいから得」という考えを取り上げ、「本当にそう言えるかな」と問いを立てます。
  2. 8分一人で、A店の値引きを数直線に表します。「2000円を1とみると、500円はいくつにあたるか」を考え、500÷2000=0.25を求めます。
  3. 8分同じようにB店を数直線に表し、450÷1500=0.3を求めます。早く終わった子は、それぞれ「何割引き」かでも言い表します。
  4. 10分ペアで、説明の型カードを使って「B店の方が値引きの割合が大きい理由」を説明し合います。聞き手は「何をもとにしたの?」と必ず質問します。
  5. 9分全体で、「額で比べると」「割合で比べると」で結論が変わることを整理し、「得」とは何をもとにした話なのかを話し合います。支払う金額はA店1500円・B店1050円で、もともとの値段がちがうことや、何を買いたいかによって得の意味が変わることにも触れます。
  6. 5分振り返りとして、「割合で比べるとき、まず何を確かめるか」を自分の言葉で書きます。

評価

【知識・技能】もとにする量と比べられる量を数直線に正しく表し、割合を求めているかを見取ります。【思考・判断・表現】「何をもとにすると」をはっきりさせて、額と割合のちがいを筋道立てて説明しているかを、ペアの説明と振り返りで見ます。説明がうまくいかない子には、数直線の「1」にあたる場所を指で示させます。

指導案(試案)1本

小学校第4学年算数全3時間(本時は第2時)

どちらが「大きくふえた」? ~もとにする大きさに目をつけてくらべよう~

中教審の審議まとめ(2026年10月5日)で示された、算数・数学の新しい「見方・考え方」の案「事象や言説を数理の視点から捉え、論理的、統合的・発展的、批判的に考察すること」と、割合など定着に課題のある内容の確実な習得という方向性を先取りした試案である。次期学習指導要領はまだ告示前であり、本案は審議ま…

指導案の全文

本時のねらい

図書委員会のお知らせ「いちばん大きくふえたのは2組!」が本当にそう言えるかを、差と倍の二つの見方で確かめ、もとの数がちがうときの比べ方を、関係図や式を使って理由を付けて説明する。

本時の流れ

  1. 6分導入 架空の「図書委員会のお知らせ」を見る(先週と今週の図書室の貸出冊数。1組:20冊→60冊、2組:50冊→100冊。「いちばん大きくふえたのは2組!」)。お知らせの言葉を読み、自分ならどう思うかを考える。
  2. 10分展開 一人で、ノートに図や式を使って「どちらが大きくふえたと言えるか」を考える。考えが一つできた児童は、別の見方でも考えてみる。
  3. 15分展開 差で考えた考え(1組は40冊、2組は50冊ふえたので2組)と、倍で考えた考え(1組は3倍、2組は2倍なので1組)を発表し合う。二つの関係図を並べ、何をもとにして比べているかを確かめる。「もとの冊数がちがうとき、ふえ方をよく表しているのはどちらの比べ方か」を話し合う。
  4. 5分まとめ 「もとの数がちがうときは、もとの数を1とみて何倍になったかで比べることがある」とまとめる。お知らせの言葉に戻り、「2組は冊数が多くふえた。1組はふえ方(何倍か)が大きい。」のように、どの見方で比べたかが分かる言い方を考える。
  5. 5分まとめ 練習問題に取り組む(花だんの苗の高さ。ア:10cm→30cm、イ:20cm→40cm。よくのびたと言えるのはどちらか)。
  6. 4分まとめ ふり返りに「今日分かったこと」と「まだよく分からないこと」を書く。

PDF版:shidoan-sho4-sansu-fuekata-kurabe.pdf(ダウンロードコーナー)

現行の学習指導要領・解説(小学校)

文部科学省の公式PDFです(クリックで開けます)。

次期学習指導要領 教科別まとめ小学校No.04
小学校版
審議まとめ(2026年10月5日)を小学校の先生向けにまとめ直しました

理科次期学習指導要領で、どう変わる?

小中高を4分野でつなぎ、デマに流されない科学の目を育てる

10秒でいうと

分野をまたぐ課題を学ぶ「理科と日常生活」を新設。内容を物理・化学・生物・地学の4分野で整理

やさしく言うと

小学校の理科は、学習内容を物理・化学・生物・地学の4つの「分野」で整理する方向です。小・中・高で目標もそろえます。ただし、小学校の内容を難しくするものではないと、国が丁寧に周知する必要があるとされています。分野をまたぐ課題を学ぶ「理科と日常生活」を新しく設ける方向です。授業時間に「余白」を生むため、内容の精選も進めます。

小学校はいつから?

全面実施2030年度(令和12年度)から(見込み)
移行期間2028〜2029年度
告示2026年度末の予定
教科書2030年度から新しい教科書(2028年度に検定)
無料原田英語.com 次期学習指導要領ナビ

研修・会議・授業・保護者会での印刷・コピー・配布・投影はご自由にどうぞ。ご連絡は不要です。クレジットは残してください。審議まとめ(2026年10月5日)準拠・出典ページつき。告示前の方向性で、今後変わることがあります。2026年11月4日 版

サイトで見る

理科の3行要約(全校種)

  1. 小・中・高で理科の目標と「見方・考え方」の文言を統一し、学習内容を物理・化学・生物・地学の4分野で整理し直す方向。
  2. 中・高に「科学とは何か」や研究倫理を学ぶ「科学ガイダンス」、小学校に分野をまたぐ課題を学ぶ「理科と日常生活」を新しく設けることが適当とされた。
  3. 高校は「科学と人間生活(8新単位)」だけで必履修を満たす道を加える案。学習内容は「統合的な理解・総合的な発揮」に必要なものに精選する方向。

理科のポイント4つ

新しく「理科と日常生活」

エネルギー問題や環境問題など、一つの分野に収まらない社会の課題が増えています。そこで、これまで学んだことをもとに、分野をまたぐ課題を学ぶ「理科と日常生活」を新しく設ける方向です。社会・職業との関係だけを扱う独立の内容は設けないとされています。 P182P187

授業では、たとえば電気・水溶液・植物などの既習事項を使い、「家庭の省エネ」を多面的に考える学習。そんな内容が方向に沿う一例として考えられます。

4つの分野で整理(難しくはしない)

今の小学校は「エネルギー」「粒子」「生命」「地球」の4領域です。次期は、小中高共通で物理・化学・生物・地学の4分野に分ける方向です。今の4領域で育てていた中心の考え方は、別の形で表すとしています。指導方法の違いを否定するものではないとされています。 P183P186

授業では、たとえば単元の初めに「これは物理の仲間で、中学校の電流につながる」と子供と確かめる。そんな見通しのもたせ方が考えられます。

「科学的な探究」を積み重ねる

小学校から科学的な探究の過程を経験し、中学・高校と積み重ねる方向です。今は校種によって探究の過程の用語が違うことが課題とされています。そこで探究の過程を教育課程全体に位置付け、具体的に示すとしています。学習場面から「特徴を見いだして表現する」ことも共通して示します。 P182P183P186

授業では、たとえば予想→計画→実験→考察の流れを、毎単元同じ言葉で板書し、子供が自分で次の段階を言えるようにする。そんな工夫が一例です。

授業時間に「余白」を

理科は、実験の進み具合や再実験で時間を組み替える必要がある教科です。そのため、授業時間に余白を生むことが欠かせないとされています。不可欠でない内容はしぼり、学年間の重なりが大きい部分は整理する方向です。 P189

授業では、たとえば結果がそろわなかった実験を、余白の時間で条件を変えてもう一度やってみる。そんな時間の使い方が考えられます。

主な変更点6項目

小小学校に分野横断の学習内容「理科と日常生活」を新設する方向

エネルギー問題や環境問題のように、一つの分野だけでは扱えない社会の課題が増えているため、小学校でも、それまでに学んだことをもとに分野をまたぐ課題を学ぶ内容「理科と日常生活」を新しく設けることが適当とされた。ただし社会や職業との関係だけを扱う独立した内容は小学校には設けず、各単元の中での指導を充実させることが期待されている。 P183P187

学習内容の見直し・精選で授業時間に「余白」をつくる

理科は実験のやり直しなどで時間を組み替えることが多いため、時間の余白が不可欠とされた。「統合的な理解」「総合的な発揮」に欠かせない内容を中心に並べ、必ずしも必要でない内容や、学年・学校種の間で重なりが大きい内容は整理する方向である。教科書についても、必ず扱う内容か必要に応じて扱う内容かが分かる工夫を教科書会社に求めることが考えられている。 P189

小・中・高の学習内容を4つの「分野」(物理・化学・生物・地学)で統一

学校段階のつながりや学問の筋道を分かりやすくするため、小・中・高で共通して4分野に分けて内容を整理することが適当とされた。さらに各分野を3つ程度の「区分」に分け、区分ごと・学校種ごとに「統合的な理解・総合的な発揮」を示す方向である。小学校の内容が難しくなるわけではないことは、国が丁寧に知らせるとしている。 P183P186

目標と「見方・考え方」を小中高で統一し、社会の情報も対象に

教科の目標の文言を小・中・高でそろえる方向である。「見方・考え方」は、デマやフェイクニュースが広がる時代を踏まえ、メディアリテラシーや批判的思考を意識したものにし、対象を「自然の事物・現象」から「自然や社会の事象・言説」へ広げる案である。また「科学的な視点」は「自然科学的な視点」と言い換え、人文・社会科学との違いをはっきりさせるとしている。 P183P185

「科学的な探究」の過程を教育課程全体に位置付け、用語もそろえる

今は学校種によって探究の過程の用語などが違い、教科として統一されていないという課題がある。そこで「科学的な探究」の過程を小中高を通して位置付け、解説などで具体的に示すべきとされた。資料編の案では、授業で「課題」を「問い」、「仮説」を「予想」などと言い換えることは妨げないとしている。 P182P183

表形式化は「並列パターン」、「統合的な理解」は平易に示す

理科は知識・技能の積み上がりがはっきりしているので、知識・技能と思考力などを並べて示す「並列パターン」で整理する方向である。「統合的な理解」は、個々の知識をどんな大きな理解に結び付けるかを先生がイメージできるよう、高校も含めできるだけ平易に示すとしている。「総合的な発揮」は、どの区分でも「特徴を見いだして表現する」ことを共通で示し、毎日の授業で科学の考え方を実践できるようにするとしている。 P186

現行と次期の比較(新旧対照)5項目

黄色のマーカー=次期で新しく入る・強く打ち出される言葉 取り消し線=現行から消える・言い方が変わる言葉

項目現行次期(審議まとめの方向)
教科の目標(柱書)小学校は「問題を科学的に解決するために必要な資質・能力」、中・高は「科学的に探究するために必要な資質・能力」など、学校段階ごとに文言が少しずつ違う。基本の方向は変えずに、小・中・高で同じ文言に統一する方向(到達の目安は解説で学校段階ごとに説明)。 P185
目標の「学びに向かう力」で育てたい心情「自然を愛する心情」などは小学校理科だけに書かれている。小・中・高共通で「生命を尊重する心情や人と自然環境の調和に寄与しようとする心情」と示す案。 P185
見方・考え方「(身近な)自然の事物・現象」を「科学的な視点」で捉え、比較したり関係付けたりする方法で考える(小は問題解決、中高は科学的に探究する方法)。「自然や社会の事象・言説」を「自然科学的な視点」から捉え、観察・実験の結果や科学的知見に基づいて客観的・論理的・批判的に考える、と小中高で統一する案。 P183P185
学習内容の分け方中学校は第1分野・第2分野、内容は「エネルギー」「粒子」「生命」「地球」の4領域で整理されている。小・中・高共通で4つの「分野」(物理・化学・生物・地学)に分け、各分野をさらに3つ程度の「区分」にする方向。4領域で育てていた中心の考えは「統合的な理解・総合的な発揮」で表す考え方。 P186
探究の過程の用語学校種によって探究の過程の用語などが違う(小学校は「問題解決の過程」で「問題の設定」「予想や仮説の設定」など)。「科学的な探究」の過程として小中高で用語をそろえる方向(例:「課題の設定」「仮説の設定」「検証計画の立案」「考察・結論」「表現・伝達」)。言い換えは妨げない。 P182P183

授業時数

高校:新しい単位計算(1新単位=50分×17コマ、P46)で、科学と人間生活4 or 8、各基礎4、各「○○」8新単位(現行は2・2・4単位、P82)。組替えのしくみで例:物理基礎+物理 現行6単位→5~6単位、基礎4科目 現行8単位→6~8単位(細分化しない場合、P190)。小・中:理科の節に具体的な時数の記載はない。総論では、情報の新教科・領域の時数を生むため、小学校3年以上の教科等(35コマ以下のものを除く)から一律3-4%程度を「広く薄く」減らす考え方を示し、実数は今後示すとしている(P79)。理科は調整授業時数の対象教科でもある(P190)。科学ガイダンスは総授業時数を増やさないことが前提(P187)。

生成AI・ICTとの付き合い方2項目

生成AIとデマ・フェイクニュースの時代の科学的な素養

生成AIの発展もあって、非科学的なデマやフェイクニュースがSNSなどで急速に広がっています。だからこそ全ての人に科学的な素養を身に付けさせる理科教育の重要性が高まっており、科学的に探究する従来の「見方・考え方」は引き続き適切だとされています。 P183P185

ICT活用例に「生成AIを適切かつ効果的に利用する」

理科のICT活用は学校や地域で差が大きいので、デジタルとアナログの適切な組み合わせを含む効果的な事例を、国が改訂を待たず広く知らせます。例として、データの記録・蓄積、シミュレーション、センサー、AR/VR、生成AIの適切かつ効果的な利用、ポートフォリオなどが挙がっています。 P191

今からできる準備チェックリスト6項目

  • 今すぐ小中(または中高)で、探究の過程を表す言葉(問題と課題、予想と仮説、計画、考察、結論など)の使い方の違いを一覧にし、ワークシートや掲示の言葉をそろえる準備をします。 P182P183
  • 今すぐデマや誇大広告、ニュースの中の科学的な主張など、「自然や社会の事象・言説」として授業で検証できる題材を集めておきます。実在の商品や個人を攻撃しない形に作り替えて使います。 P183P185
  • 今すぐ観察・実験の器具や実験計測用センサーの整備状況を点検し、理科教育設備整備費等補助金の対象を確かめて、更新の計画を立てます。 P182P192
  • 告示まで小学校の高学年では、電気・燃焼・生物と環境など、別々の単元で学んだことをつないで身近な課題を考える活動を単元末に1回入れ、「理科と日常生活」の先取りを試します。 P184P187
  • 告示まで現行の学習指導要領・解説に照らして必須事項を確認したうえで、発展資料や例示の扱いを見直し、再実験などに使える時間の余白を単元計画の中で検討します。次期課程での正式な区分は、告示・解説・教師用指導書の公表後に反映します。 P189
  • 全面実施まで小中(または中高)の先生で合同の研究授業や教材研究を行い、学校種をまたいだ学習内容のつながりを確かめます。調整授業時数の「研究・研修等枠」の活用例にもあがっている取組です。 P182P190

次期を先取りする授業アイデア1本

小61単位時間(45分)

既習を総動員!教室の電気を減らす作戦会議

電気・燃焼・生物と環境の学習をつないで、分野をまたぐ身近な課題を考えます。

手順・ワークシート

ねらい

電気の利用、燃焼の仕組み、生物と環境で学んだことを関係付けて、教室の電気を減らすことが環境とどのようにつながるかを説明し、根拠をもった提案をつくることができる。

流れ

  1. 5分教室の写真カードを見せ、「この教室で電気を使っているものはいくつある?」と問い、子供が見つけたものを板書します。
  2. 8分ふり返りカード3枚を配り、ペアで「電気」「燃える」「環境」の学習で分かったことを確かめます。手回し発電機で豆電球と発光ダイオードを光らせ、手ごたえの違いを体験して思い出します。
  3. 7分「教室の電気を減らすことは、環境とどうつながる?」と問い、3つの学習をつなぐ図(電気を使う→発電所で燃料を燃やす→二酸化炭素ができる→空気を通した生物と環境の関わり)を班でかきます。多くの発電所で燃料を燃やして電気をつくっていることは、教科書などの資料で確かめます。
  4. 15分班で「電気を減らす作戦」を1つ選び、提案シートに書きます。理由には、どの学習とつながるかを必ず入れます(例:「人がいないときはセンサーで消す(電気の利用)」「発光ダイオードの照明にする(電気の利用)」「燃料を燃やす量が減る(燃焼の仕組み・生物と環境)」)。
  5. 7分班ごとに30秒で提案を発表し、聞き手は「どの学習とつながっているか」を確かめて一言感想を伝えます。
  6. 3分振り返りとして、「理科で別々に学んだことがつながった」と感じたところを書きます。

評価

【思考・判断・表現】複数の単元で学んだことを関係付けて、電気の使い方と環境とのつながりを説明しているかを、つなぐ図と提案シートで見取ります。【主体的に学習に取り組む態度】学んだことを生活に生かそうとしているかを見ます。科学的な根拠と、生活の工夫や気持ち(「もったいない」)とを区別して書けているかも確かめます。

指導案(試案)1本

小学校第6学年理科全10時間(本時は第6時)

電気をつくって、ためて、上手に使おう ~「LEDは長持ち」をたしかめよう~

中教審の審議まとめ(2026年10月5日)で示された、理科の「見方・考え方」の対象を「自然や社会の事象・言説」に広げ、観察・実験の結果などに基づいて客観的、論理的、批判的に考察するという方向と、「科学的な探究」の過程を小・中・高を通して位置付ける方向を先取りした試案である。次期学習指導要領はまだ告示…

指導案の全文

本時のねらい

同じ量の電気で豆電球と発光ダイオードが光る時間を、条件をそろえて比べ、実験の結果を基に電気の利用について考えをまとめ、「LED電球は長持ち」という表示から言えることを説明する。

本時の流れ

  1. 5分導入 前時に立てた問題・予想・実験の計画を確かめる。売り場の表示「LED電球は長持ち」をもう一度見て、本時で確かめることをはっきりさせる。
  2. 15分展開 班(3〜4人)で、手回し発電機でコンデンサーに電気をため、豆電球と発光ダイオードにそれぞれつないで、明かりが消えるまでの時間をストップウォッチで測る。それぞれ3回ずつ測る。
  3. 5分展開 班の結果をクラウド上の共有表に入力し、学級全体の結果を見て、豆電球と発光ダイオードの光った時間を比べる。
  4. 12分展開 結果を基に、個人で考察をノートに書いた後、班・全体で話し合う。同じ量の電気で長く光ったのはどちらか、そこから何が言えるかを考える。
  5. 8分まとめ 結論を全体でまとめ、売り場の表示の言葉を、実験の結果を根拠に自分の言葉で言い直す。ふり返りを書く。

PDF版:shidoan-sho6-rika-denki-led.pdf(ダウンロードコーナー)

現行の学習指導要領・解説(小学校)

文部科学省の公式PDFです(クリックで開けます)。

次期学習指導要領 教科別まとめ小学校No.05
小学校版
審議まとめ(2026年10月5日)を小学校の先生向けにまとめ直しました

生活次期学習指導要領で、どう変わる?

体で感じて、表して、気付きを深める教科へ

10秒でいうと

目標を「身体性を伴う体験と多様な表現活動」に。動物は借りて飼うのも学校飼育と同等

やさしく言うと

生活科は、AIでは代わりができない「実感を伴う知」を育てる教科として、意味を整理し直す方向です。目標の言葉は「具体的な活動や体験」から「身体性を伴う体験と多様な表現活動」に改める案です。体で感じる体験と、言葉や絵で表す活動を行き来させます。他教科とのつながりを1年間の計画で示すことや、動物飼育の柔軟な扱いも示されています。

小学校はいつから?

全面実施2030年度(令和12年度)から(見込み)
移行期間2028〜2029年度
告示2026年度末の予定
教科書2030年度から新しい教科書(2028年度に検定)
無料原田英語.com 次期学習指導要領ナビ

研修・会議・授業・保護者会での印刷・コピー・配布・投影はご自由にどうぞ。ご連絡は不要です。クレジットは残してください。審議まとめ(2026年10月5日)準拠・出典ページつき。告示前の方向性で、今後変わることがあります。2026年11月4日 版

サイトで見る

生活の3行要約(全校種)

  1. 生活科の大切な意味を「身体性」「対象と自分との関わり」「他者と自分との関わり」「自己認識」の4つで整理し直し、目標の柱書を「身体性を伴う体験と多様な表現活動」に改める案が示された。
  2. 架け橋期のカリキュラムとスタートカリキュラムの関係を整理し、他教科とのつながりを入学直後だけでなく1年間の計画の中で「見える化」する方向。
  3. 動物飼育は借用や近くの施設での継続的な触れ合いも学校での飼育と同等の扱いであると明確にし、評価は他教科と同じく観点別評価を行う方向。

生活のポイント4つ

体験と表現を行き来する学びに

目標の柱書(目標の最初の文)を「身体性を伴う体験と多様な表現活動」に改める案です。体験で感じ取ること(内化)と、言葉などで表すこと(外化)を行き来させるねらいです。水やりの体験を言葉や絵で表すと、「成長には水が必要」と自覚できる、という例が示されています。 P202P203

授業では、たとえばアサガオの世話のあとに、絵や動作で様子を表して友達と伝え合う。そんな時間をセットにした単元が考えられます。

他教科とのつながりを1年間で計画する

合科的・関連的な指導(教科を合わせたりつなげたりする指導)が、入学直後だけで終わりがちだと指摘されています。そこで、生活科を結び目にして、各教科とのつながりを年間指導計画などに書き込む方向です。スタートカリキュラムの期間は、学校の実態に合わせて柔軟に決めてよいと明確にする方向です。 P201P206

授業では、たとえば町探検で見つけたことを、国語の「話す・聞く」や算数の「数で捉える」と結び付けます。その関係を年間計画に印で示す工夫が考えられます。

9つの内容は組み合わせて、2年間で見通す

内容(1)〜(9)を決まった形で同じだけ扱うのではなく、学校の実態に合わせて工夫することが重要とされています。複数の内容を組み合わせた単元や、2年間を見通した活動にする工夫が示されています。社会科や理科の先取りではなく、中学年以降につながる気付きを大切にする方向です。 P207

授業では、たとえば秋の公園で木の実を集める活動と、その木の実を使ったおもちゃづくりを1つの流れにつなげる、といった単元が考えられます。

動物飼育は「借りて飼う」なども同じ扱いに

動物飼育は、AI時代にこそ大切な体験として引き続き重視されます。学校で飼うことを基本としつつ、ほかの持ち主から借りて飼うこと(ホスティング)も同等の扱いと明確にする方向です。世話の体制が難しい場合は、近くの動物施設の動物と続けて触れ合う方法も同等とされています。 P208

授業では、たとえば休日の世話が難しい学校では、近くの動物施設に何度か通い、同じ動物の変化を観察カードに記録する、といった活動が考えられます。

主な変更点10項目

小目標の柱書が「身体性を伴う体験と多様な表現活動」に

今の「具体的な活動や体験」という言い方を「身体性を伴う体験と多様な表現活動」に改める案である。体で体験して感じ取ること(内化)と、言葉・絵・動作などで表すこと(外化)を行き来させる学び方をはっきりさせるためである。単元を考えるときは、体験の時間だけでなく、表現して気付きを深める場面をセットで組むことが求められる。 P202P203

小架け橋期のカリキュラムとスタートカリキュラムの関係を整理

今はスタートカリキュラムは各学校で作るよう求められている一方、架け橋期のカリキュラムは全校には求められておらず、関係が分かりにくい。そこで架け橋期のカリキュラムを「5歳児のカリキュラム」と「小学校1年生のカリキュラム(スタートカリキュラム)」をまとめた呼び名と位置付けるなど、概念を整理する方向である。スタートカリキュラムの期間は学校や子供の実態に合わせて柔軟に決めてよいことを明確にし、国が多様なモデルや動画などを示す方向も示された。 P206

小他教科とのつながりを1年間の計画で「見える化」

合科的・関連的な指導が入学直後だけで終わりがちな課題を受け、生活科を結び目として各教科との関連をスタートカリキュラムや年間指導計画にはっきり書き込み、1年間を見通して計画的に行うよう促す方向である。活動ごとに国語・算数・図画工作などのどの力が使われるかを整理し、指導のねらいを明確にした単元づくりも例として示されている。つながりは活動や題材だけでなく資質・能力の関連で考えることが大切とされる。 P201P206

小内容(1)~(9)を均等に扱わず、組み合わせた単元や2年間の見通しで

9つの内容を決まった形で同じだけ扱うのではなく、子供・地域・学校の実態に合わせて各校が工夫して教育課程を組むことが重要とされた。調整授業時数制度の活用も踏まえ、複数の内容を組み合わせた単元、単元どうしのつながり(ストーリー性)、2年間を見通した活動にすることで、内容の重なりを減らし時間を効率よく使う工夫が考えられている。 P207

小評価は観点別評価、「学びに向かう力」は個人内評価

内容は3つの資質・能力をまとめた一文で示すが、評価は他教科と同じく観点別評価を行うことが適当とされた。単元ごとは形成的評価(途中で見取って指導に生かす評価)を中心にし、学期末・年度末にまとめの評価をする。「学びに向かう力」は一人一人のよさや成長を見取る個人内評価とし、総合所見欄などに書く。「見取る姿」の行動が続けて見られた場合は「思・判・表」に「○」を付ける。 P210

小動物飼育は借用や施設との触れ合いも「学校での飼育と同等」に

動物飼育はAI時代にこそ大切な体験として引き続き重視し、学校での飼育を基本とする。そのうえで、休日の世話などが難しい場合も考え、他の持ち主から借りて飼う(ホスティング)ことや、近くの動物関連施設・民間団体の動物と継続的に触れ合う機会を設けることも、学校での飼育と同等の扱いだと明確にする方向である。飼う動物は今と同じく魚や昆虫など哺乳類・鳥類に限らないことも明確にし、教師用手引きも見直すとされた。 P208

小外部人材・地域との連携を1回きりにしない

地域の人や施設との関わりを単発の体験で終わらせず、年間指導計画の中で同じ人・施設と何度も関わる関係にする(再訪・再交流)。事前打合せは簡単な共有シート(ねらい/活動内容/子供の実態/留意点)や短いオンライン・電話の打合せで標準化し、校内で連携担当を決めることなどが例示された。教職員に過度な負担がかからないよう配慮し、設置者も地域人材・施設のリスト化などで支える。 P209

小中学年以降の社会科・理科・総合へのつなぎ方

社会科や理科の内容を先取りするのではなく、生活科の学びの中で中学年以降へのつながりを意識した指導を充実させる。体を通した体験で得た気付きを後の学びの土台とし、多様な表現から言葉による認識へと移っていくことを意識した指導計画の工夫などが例に挙げられている。解説の記載を充実し、実践事例でも示す方向である。 P207

小ICTは直接体験の代わりではなく、体験・認識・表現の質を高める補助

生活科のICT活用は、直接体験に代わるものではないことを前提に、体験・認識・表現の質を高める手段と位置付けた。例えば、撮影・記録を繰り返して対象をよく見る、画像や動画で比べて言葉にする、音声や画像で表現して交流する、などである。AI要約を含む検索で事前に調べてから対象に関わる使い方も例に挙がっている。 P209

小生活科の「本質的意義」を4つで再定義

AIでは代わりができない「実感を伴う知」を育てる教科として、生活科の大切な意味を①身体性、②対象と自分との関わり、③他者と自分との関わり、④自己認識の4つで整理した。これをもとに目標や「見方・考え方」、教育課程を改める方向である。 P202

現行と次期の比較(新旧対照)7項目

黄色のマーカー=次期で新しく入る・強く打ち出される言葉 取り消し線=現行から消える・言い方が変わる言葉

項目現行次期(審議まとめの方向)
目標の柱書の学び方の言葉「具体的な活動や体験」を通して学ぶ。「身体性を伴う体験と多様な表現活動」を通して学ぶ。体験(内化)と表現(外化)の行き来をはっきりさせる。 P200P203
内容の示し方資質・能力の3つの柱に分けずに内容を示している(「知識及び技能の基礎」「思考力、判断力、表現力等の基礎」と「の基礎」を付ける)。この方針を続け、3つの柱を一体として一文で示す。「統合的な理解・総合的な発揮」も3つの階層ごとに一文で示す。 P205
架け橋期のカリキュラムとスタートカリキュラムスタートカリキュラムは各学校で作るよう求めているが、架け橋期のカリキュラムは全ての学校には求めておらず、関係が分かりにくい。架け橋期のカリキュラムを「5歳児のカリキュラム」と「1年生のカリキュラム(スタートカリキュラム)」の総称と位置付ける。スタートカリキュラムの期間は柔軟に設定できると明確化。 P206
合科的・関連的な指導の時期入学当初の時期に限られ、年間を通じた取組になっていない場合が多い(現状の課題として指摘)。各教科との関連をスタートカリキュラムや年間指導計画に位置付け、1年間を見通して計画的に行う(接続の「見える化」)。 P201P206
動物飼育学校で動物を飼育する。飼う動物は魚や昆虫など、哺乳類や鳥類に限らない。学校での飼育を基本としつつ、他の持ち主からの借用(ホスティング)や、近くの施設・団体の動物と継続的に触れ合うことも学校での飼育と同等の扱いと明確化。 P208
学習評価他教科と同様に観点別評価を行う案。「学びに向かう力」は個人内評価で総合所見欄などに反映し、「見取る姿」の継続的な発揮が見られたら「思・判・表」に「○」を付ける。 P210
見方・考え方①対象=「身近な人々、社会及び自然」、②視点=「自分との関わりで捉える」、③考え方=「よりよい生活に向けて思いや願いを実現しようとすること」の3つの要素で整理する。 P202P204

授業時数

生活の節には授業時数の変更は書かれていない。調整授業時数制度を生かして、複数の内容を組み合わせた単元や2年間を見通した活動にする工夫が示されている(P207)。なお総論の一律3-4%程度の時数削減は「小学校3年以上」の教科等(35コマ以下を除く)が対象と書かれている(P79)。

生成AI・ICTとの付き合い方3項目

AIで代替できない「実感を伴う知」を育む教科

生活科は、AIで置きかえられない「実感を伴う知」を育てる教科として本質的な意義を整理し直します。第一の柱は「身体性」で、AIを含む仮想空間で情報を受け取るのではなく、体で身近な生活をとらえる体験を出発点にします。 P200P202資料編(2)P38

ICTは直接体験の代わりではなく、体験を豊かにする手段

ICTは体験の代わりではないことを前提に、体験・認識・表現の質を高める補助として位置付けるとされています。例えば、AI要約を含む検索で事前に調べてから対象に関わったり、体験して不思議に思ったことをICTで調べたり振り返ったりすることが考えられるとされています。 P209

AI時代だからこそ動物飼育

AI時代には、動物と直接関わり実感を伴って理解する体験として、動物飼育は引き続き重要とされています。 P208

今からできる準備チェックリスト8項目

  • 今すぐ今年度の生活科の単元を見直し、体験の時間のあとに、言葉・絵・動作などで表して気付きを深める時間がセットで入っているかを点検します。表現の場面がない単元には、観察カードや動作化の時間を1つ足しておきます。 P203P208
  • 今すぐ生活科の主な活動ごとに、国語(言葉に着目する)・算数(数・量で捉える)・図画工作(形や色で捉える)など、使われている他教科の力を一覧表にし、スタートカリキュラムと年間指導計画に書き込みます。合科的・関連的な指導が入学直後だけで終わっていないかも確かめます。 P201P206
  • 今すぐ端末は直接体験の代わりではなく、同じ対象を何度も撮って比べる、拡大して見る、写真を見ながら言葉にするといった補助として使う場面を、各単元に1つずつ決めておきます。 P209
  • 告示まで町探検などで関わる地域の人・施設をリストにし、同じ相手と年間で複数回関われる計画(再訪・再交流)にします。事前打合せ用に「ねらい/活動内容/子供の実態/留意点」を書く簡単な共有シートを作り、校内の連携担当も決めておきます。 P209
  • 告示まで動物飼育の体制(休日の世話、獣医師など専門家との連携、病気やけがのときの対応、繁殖制限、災害時の対応)を点検します。学校での飼育が難しい場合に備え、ほかの持ち主から借りて飼う方法や、近くの動物関連施設と継続的に触れ合う方法を候補として調べておきます。 P208
  • 先行実施まで近隣の幼稚園・保育所などと、幼児教育で育った力について話し合う機会をつくり、子供の実態に合わせてスタートカリキュラムの期間を見直します。合同研修や保育・授業の参観も年間計画に入れておきます。 P206
  • 先行実施まで9つの内容を決まった形で同じだけ扱う計画を見直し、複数の内容を組み合わせた単元や、2年間を見通した単元の並びを試作します。調整授業時数制度は小学校で令和10年度から先行実施される予定なので、その活用も視野に入れます。 P207P262
  • 全面実施まで単元の中では形成的評価を中心にし、学期末・年度末にまとめて評価する流れに切り替えます。「学びに向かう力」は「思いや願いをもった働きかけ」「他者との伝え合いや協働」「試行錯誤や自己調整」を手掛かりに一人一人の姿をメモし、総合所見に生かせる記録の形を試しておきます。 P210

次期を先取りする授業アイデア3本

小11単位時間(45分)

アサガオになってみよう!体で感じて言葉にする

さわる・かぐ・動いてみる。体験と表現を行き来して「水が大事」に自分で気付きます。

手順・ワークシート

ねらい

アサガオに諸感覚で関わり、体や絵・言葉で表すことを通して、アサガオの様子の変化と水やりとの関係や、自分と同じように水が必要なのではないかと考えて予想し、これからの世話への思いや願いをもつ。

流れ

  1. 8分鉢の前に集まり、葉をそっとさわる、土にさわって湿り気を比べる、葉のにおいをかぐ、と順に関わります。先生は「さわった感じは?」「土はどう?」と一人一人に短く問いかけ、子供のつぶやきをメモします。そのあと水やりをし、手を洗って教室に戻ります。
  2. 10分先生が元気な日としおれた日の写真を大きく映し、「アサガオになってみよう」と声をかけます。全員で、しおれたアサガオ(体を前にたらす)から、水をもらって元気になるアサガオ(ゆっくり背伸びする)を体で表します。何人かに「どんな気持ちのアサガオ?」とたずね、出た言葉を板書します。
  3. 12分観察カードに、今日さわったりかいだりしたアサガオを絵でかき、吹き出しに「さわったら」「においは」「アサガオの気持ち」を書きます。書くのが難しい子供には先生が聞き取って代わりに書き、言葉にする手伝いをします。
  4. 10分何人かのカードを紹介し合います。先生は「しおれていたのに元気になったのはどうしてかな」「みんなはのどがかわいたらどうなる?」と問い、子供から「水がないと元気がなくなる」「ぼくたちと同じ」といった言葉を引き出して、アサガオと自分の共通点として板書でつなぎます。
  5. 5分「明日アサガオにしてあげたいこと」を一言カードに書き足して終わります。先生は思いや願いが書けているかを見て、次の時間の声かけに生かします。

評価

この時間は記録に残す評価よりも、形成的に見取って次の指導に生かします。カードの絵・言葉と発言から、アサガオの変化と水やりを関係付けた気付きや、自分との共通点に気付いた言葉があるかを見ます。「明日してあげたいこと」の記述は、「思いや願いをもった働きかけ」の手掛かりとして単元を通して記録し、続けて見られたときに思考・判断・表現の評価に生かします。

小11単位時間(45分)

学校たんけん2回目は「数・ことば・形」の目で

3つの「たんけんめがね」で同じ場所が別の顔に。国語・算数・図工の力とつながる探検です。

手順・ワークシート

ねらい

もう一度行きたい場所を自分で選んで探検し、数や言葉、形や色に目を向けて見付けたことを友達に伝え合い、学校の人や場所への親しみを深める。

流れ

  1. 5分1回目の探検の写真を見ながら「もう一度行きたい場所」をグループで1つ選びます。先生は選んだ理由を聞き、子供の思いや願いを確かめます。
  2. 5分3つの「たんけんめがね」を紹介し、グループで今日かける1つを選びます。廊下は歩く、授業中の教室の前では声を小さくする、先生が立っている場所より先には行かない、という探検のルールを全員で確かめます。
  3. 20分グループで探検します。かずめがねは「本棚はいくつ」「すべり台の階段は何段」、ことばめがねは掲示やドアの札の言葉、かたちめがねは窓やタイルの形・色を見付け、カードにかいたり端末で撮ったりします。先生や職員は事前に知らせておいた場所で待ち、子供の質問に答えます。
  4. 10分教室に戻り、同じ場所に行ったグループどうしで発見を伝え合います。先生は「同じ場所でも、めがねが違うと見付けたものが違うね」と板書で整理し、「数で言うと分かりやすい」「言葉で書いてあった」など、使った見方を子供の言葉で残します。
  5. 5分「次は〇〇めがねで行ってみたい」「〇〇さんに聞いてみたい」を一言カードに書いて振り返ります。

評価

探検カードと伝え合いの発言から、自分で選んだ場所について数・言葉・形や色に目を向けた気付きがあるか、友達に伝えようとしているかを見取ります。この時間の見取りは形成的評価として使い、続けて見られた「他者との伝え合いや協働」の姿は単元を通して記録します。先生は、子供が使った見方を国語・算数・図画工作のどの力とつながるかメモし、年間指導計画の関連表に書き足しておきます。

小21単位時間(45分)

写真で見比べて「もう一度会いたい」町たんけん

1回きりで終わらせない。写真で気付いた「なぜ?」を持って、同じお店の人にまた会いに行きます。

手順・ワークシート

ねらい

1回目の町探検の写真を見比べて気付いたことや不思議に思ったことを言葉にし、お店の人にもう一度聞きたいことや伝えたいことを決めて、再訪への思いや願いを高める。

流れ

  1. 8分グループごとに、1回目に撮った写真を2枚並べて見比べます(例:朝のパン屋さんと昼のパン屋さん、八百屋さんの店先と奥の段ボール)。先生は「どこが違う?」「何をしているところかな?」と問い、気付いたことを付箋に書かせます。
  2. 10分付箋を出し合い、「どうして朝早くからパンが並んでいるの?」「段ボールの中には何が入っているの?」など、写真だけでは分からない「なぜ?」を学級で整理して板書します。
  3. 7分先生が検索して分かることを一緒に見ます。AI要約を含む検索結果を先生が見せる場合は、事前に先生が検索結果と参照元を確認し、教材として適切な画面だけを保存して提示します(その場で検索して映すことはしません)。そのうえで、「これは一般的なお店の話。あのお店でも同じかどうかは、お店の人に聞いて確かめよう」と伝え、確かめる相手は目の前の地域の人であることを押さえます。
  4. 12分グループで、お店の人に聞きたいこと1つと、1回目のお礼や発見として伝えたいこと1つを質問カードに書きます。あいさつ、名乗り方、聞き終わったらお礼を言う流れをペアで練習します。
  5. 8分グループで聞く順番と役割を決め、振り返りカードに「もう一度行ったら確かめたいこと」を書きます。先生は、出た質問を共有シートにまとめてお店の人に事前に渡すことを伝えます。

評価

写真を見比べて気付いた違いや「なぜ?」を言葉にしているか、聞きたいこと・伝えたいことを自分の思いや願いとして書いているかを見取ります。再訪の場面とあわせて、「思いや願いをもった働きかけ」「他者との伝え合いや協働」の姿が続けて見られるかを単元を通して記録し、学期末にまとめて評価します。

指導案(試案)1本

小学校第2学年生活全10時間(本時は第5時)

うごけ!わくわくおもちゃ ~もっと遠くへ、みんなでたのしく~

中教審の審議まとめ(2026年10月5日)で示された、生活科の目標の柱書を「身体性を伴う体験と多様な表現活動」に改め、体験を通した内化と表現による外化の往還を明確にするという方向性を先取りした試案である。次期学習指導要領はまだ告示前であり、本案は審議まとめと資料編のイメージをふまえて作成した一つの例…

指導案の全文

本時のねらい

自分のおもちゃをもっと遠くまで動かすために、ゴムの引き方や帆の大きさなどを変えて試したり、友達のおもちゃと比べたりしながら工夫し、気付いたことを言葉や絵、動作で表す。

本時の流れ

  1. 5分導入 前時につくったおもちゃを持って集まり、「どこまで動いたか」を思い出す。本時の願い「もっと遠くまで動かしたい」を一人一人が確かめ、「ためしコース」の使い方を知る。
  2. 15分展開 ためしコース(1mごとにテープで線を引いたもの)で、おもちゃを何度も動かす。どこまで動いたかを線の数で確かめ、ゴムの引き方、帆の大きさ、車輪のつけ方などを変えて試す。友達のおもちゃと比べる。最初の動き方を、ペアで端末を使って短い動画に1本撮っておく。
  3. 7分展開 一度集まり、何人かが自分の見付けた工夫を実演したり、おもちゃの動き方を体で表したりして紹介する。
  4. 10分展開 友達の工夫を取り入れたり、自分の考えで改良したりして、もう一度試す。改良したあとの様子も、ペアで端末を使って動画に撮り、最初の動画と比べる。
  5. 8分まとめ 撮った動画を見返しながら、工夫カードに、見付けたこと・工夫したことを絵と言葉で書く。何人かが発表する。

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現行の学習指導要領・解説(小学校)

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次期学習指導要領 教科別まとめ小学校No.06
小学校版
審議まとめ(2026年10月5日)を小学校の先生向けにまとめ直しました

音楽・図画工作次期学習指導要領で、どう変わる?

思いをもつことから表すまでを、一続きの学びに

10秒でいうと

音楽は「歌唱」と「器楽」を「歌唱・器楽」に統合。図工は発想から表すまでを思考・判断・表現に

やさしく言うと

小学校の音楽と図画工作では、「思いをもつこと」と「体を使って表すこと」を一続きでとらえる方向です。音楽は、表現の区分を「歌唱・器楽」と「音楽づくり」の2つに整理する案です。図画工作は、発想から工夫して表すまでの全体を「思考・判断・表現」として示す方向です。評価は、題材ごとに全観点を記録しなくてよいことが示されています。

小学校はいつから?

全面実施2030年度(令和12年度)から(見込み)
移行期間2028〜2029年度
告示2026年度末の予定
教科書2030年度から新しい教科書(2028年度に検定)
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研修・会議・授業・保護者会での印刷・コピー・配布・投影はご自由にどうぞ。ご連絡は不要です。クレジットは残してください。審議まとめ(2026年10月5日)準拠・出典ページつき。告示前の方向性で、今後変わることがあります。2026年11月4日 版

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芸術(音楽・図画工作・美術・書道等)の3行要約(全校種)

  1. 思いをもつ・発想する段階と、工夫して表す段階を切り分けず、一続きの「思考・判断・表現」として育てる形に整理する方向です。
  2. 小学校音楽の「歌唱」と「器楽」が「歌唱・器楽」にまとめる案など、区分の統合や具体的すぎる記述の見直しで、授業の組み立てが柔軟にする方向です。
  3. 高校芸術科では、どの科目を選んでも芸術の全体像や意味を考える時間を設け、評価は複数の題材をまとめて総括することもできると示されました。

音楽・図画工作のポイント4つ

音楽は「歌唱・器楽」を1つの区分に

小学校音楽の表現を「歌唱・器楽」と「音楽づくり」の2つで整理する案です。同じ曲を歌と楽器で扱うとき、ねらいを絞った指導や評価がしにくいという課題があったためです。「ハ長調・イ短調」のような具体的な記述は、内容の取扱いへ移すことが検討されています。 P215P216P219

授業では、たとえば1つの曲を歌ったり、楽器で演奏したり、合奏したりしながら、ねらいを1つに絞って見取る、といった授業が考えられます。

図画工作は、表すまでの流れ全体を「思考・判断・表現」に

図画工作では、発想や構想と、工夫して表す段階を分けにくいという課題がありました。そこで、表すまでの流れ全体を「思考・判断・表現」として示す方向です。区分も、学びの向きが分かるよう「自分と材料や場所」「自分と表したいこと」などで整理する例が示されています。 P214P215P216

授業では、たとえば作品の出来だけでなく、材料を試しながら考えを変える途中の姿を、写真やつぶやきで記録して見取る授業が考えられます。

鑑賞にも「技能」を示す

作品から特徴を見付けたり、情報を読み取ったりする「鑑賞の技能」を示す方向です。鑑賞で育てる力をはっきりさせ、効果的な指導につなげるねらいです。表現と鑑賞を行き来する学びも大切にされています。 P216P219

授業では、たとえば友達の作品を「色」「形」「並べ方」などの手掛かりで見て特徴を見付け、自分の作品づくりに生かす、といった授業が考えられます。

評価は年間を見通してまとめてよい

短い題材でも全観点を記録しようとして、まとめの評価ばかりになる実態が指摘されました。そこで、年間計画をふまえ、複数の題材をまとめて総括的評価(まとめの評価)をしてもよいことを促す方向です。途中の形成的評価(指導に生かす評価)を重視し、一人一人のよさを肯定的に見ます。 P221

授業では、たとえば年間計画を見て、どの題材でどの観点を記録するかを先に決めます。ほかの時間は声かけと助言に力を注ぐ、といった工夫が考えられます。

主な変更点8項目

小小学校音楽:「歌唱」と「器楽」を「歌唱・器楽」の一つの区分にする案

小学校音楽の表現は「歌唱・器楽」と「音楽づくり」の2つで整理する案です。同じ曲を歌と楽器の両方で扱うときに、ねらいを絞った指導や評価がしにくいという課題があったためです。歌唱と器楽に共通する知識・技能や思考・判断・表現はまとめて示す方向です。「ハ長調・イ短調」のような具体的すぎる記述は、内容の取扱い(指導上の注意の部分)へ移すことが検討されています。 P215P216P219

小中高発想・構想から工夫して表すまでを、まるごと「思考・判断・表現」に

これまで図画工作・美術・工芸では、発想や構想は「思考・判断・表現」、材料や用具を使って工夫して表す段階は「技能」と分けていましたが、両者は続いていて違いが分かりにくいという課題がありました。次期では、発想・構想から工夫して表現するまでの流れ全体を「思考・判断・表現」として示す方向です。音楽(習得した技能を生かして工夫して表現する過程全体)や書道(構想・工夫して表現する過程全体)も同じ考え方です。 P212P214P216

評価:題材ごとに全観点を記録しなくてよい。複数題材でまとめて総括も可

短い題材でも3つの観点すべてを記録に残そうとして、総括的な評価ばかりになる実態が指摘されました。そこで、年間指導計画を踏まえ、複数の題材や単元、区分をまとめて総括的評価をしてもよいことが示されました。学習の途中で行う形成的評価(指導に生かす評価)を重視し、「思考・判断・表現」は完成作品だけでなく、歌ったり作ったりする過程の中での姿でとらえます。他者と比べるのではなく、一人一人のよさや成長を肯定的に評価することも重視するとされました。 P221

小中高図画工作・美術:学びの方向が分かる新しい区分と〔共通事項〕の見直し

活動そのものが目的になり、育てたい力があいまいな指導が見られるため、学びの方向性が分かる区分で整理する方向です。例として、小学校図画工作は「自分と材料や場所」「自分と表したいこと」、中学校美術は「自分と美術」「生活や社会と美術」が挙げられています。〔共通事項〕(表現と鑑賞の両方で働く事項)には、造形の働き、美術の働き、美術文化、工芸の伝統と文化に関する事項を示す方向です。技能は、材料や用具の特徴を生かして使うことや表現方法を追求することとして示す方向です。 P215P216P219

小中高鑑賞にも「技能」を示す(図画工作・美術・工芸・書道)

鑑賞の活動を充実させるため、作品から特徴を見付けたり情報を読み取ったりする「鑑賞の技能」を示す方向です。書道では、作品や書から読み取った情報を精査することなどが鑑賞の技能になります。鑑賞を通して育てる力をはっきりさせ、表現と鑑賞を行き来する学びにつなげるねらいです。 P216P219

小中高音楽:知識と技能を一文で示し、「身体の使い方」を重視

子供が技能の必要性を感じ、実感を伴って理解できるよう、知識と技能の関係をはっきりさせて一文で示す方向です(「自分でやってわかる」ことが前提)。歌唱や器楽では、いろいろな歌い方や楽器に対応できる技能として身体の使い方を重視する方向です。音楽づくり/創作は小・中・高のつながりを明確にし、中・高の鑑賞は内容の取扱いと重なる記述を整理する方向です。 P216P219

マンガ・アニメ・ゲーム・映像など、多様な芸術や文化の学びを充実

メディア芸術(映画、漫画、アニメーション、コンピュータ等を使った芸術)や舞台芸術など、多様な芸術や文化に触れる機会を、芸術系教科だけでなく教育課程全体で充実させる方向です。図画工作・美術・工芸では端末を使った漫画・アニメーション・映像などの表現や鑑賞、発表・展示を発達の段階に応じて充実させる方向です。特別なソフトウェアがなくても、端末の撮影・記録や描画・加工といった基本機能で実践できることが望まれています。 P218

生成AIは「ツール」として。表現の過程を安易に任せない

デジタル学習基盤の活用には生成AIも含まれますが、表現する過程を安易に生成AIに任せることは適切でないとされました。人間ならではの感性や身体性を土台にした創造的な表現を大切にし、ツールとして適切に使うことが求められます。また、子供が芸術に関する様々なコンテンツに触れる機会が多いことから、発達の段階に応じて知的財産の保護と活用に関する指導を充実させる方向です。 P221

現行と次期の比較(新旧対照)5項目

黄色のマーカー=次期で新しく入る・強く打ち出される言葉 取り消し線=現行から消える・言い方が変わる言葉

項目現行次期(審議まとめの方向)
小学校音楽の表現の区分「歌唱」「器楽」「音楽づくり」の3つに分かれ、歌唱と器楽で別々に事項が示されている。「歌唱・器楽」と「音楽づくり」の2つに整理し、歌唱と器楽に共通する事項はまとめて示す。 P215P216P219
図画工作・美術・工芸の「思考・判断・表現」と「技能」の線引き発想や構想をする段階は「思考・判断・表現」、材料や用具を使い工夫して表す段階は「技能」と位置付けている。発想や構想をし、工夫して表現するまでのつながり全体を「思考・判断・表現」として示す。 P212P214
小学校音楽の具体的な記述(調性など)第5・6学年の歌唱・器楽の技能に「ハ長調及びイ短調の楽譜を見たりして」歌う・演奏する、と具体的に示している。「ハ長調・イ短調」のような具体性の高い記述は、内容の取扱いへの移行を検討する。 P216P219
書道の指導事項の示し方漢字仮名交じりの書・漢字の書・仮名の書と鑑賞のそれぞれの事項で、字形や全体の構成などを具体的に示している。〔共通事項〕で「書を構成する要素などの働き・関係」として整理し、学校の実態に応じて柔軟に指導できるようにする。 P219
学習評価(総括のしかた)短い題材でも3観点すべてを評価しようとして記録に残す評価だけになったり、完成作品だけで技能や思考・判断・表現を評価したりする実態がある。複数の題材・単元・区分でまとめて総括的評価をしてもよい。形成的評価を重視し、思考・判断・表現は学習の過程の中の姿でとらえる。 P221

授業時数

小・中学校の音楽・図画工作・美術の具体的な時数は本文に示されていない(総論では、新教科・領域の時数を確保するため小3以上の教科等から一律3〜4%程度を減じるが、現在35コマ以下の教科等からは減じないとし、具体の数値は今後示すとしている。P79)。高校は各科目4新単位とする案で、必履修教科ごとの合計が3新単位以下になる減単は不可のため、芸術(音楽Ⅰ・美術Ⅰ・工芸Ⅰ・書道Ⅰのいずれか)は減単不可とすべきとされた(P47)。

生成AI・ICTとの付き合い方3項目

AIの進化の中での芸術の意義

AIの進化などで正解のない問いに向き合う力が求められる中、人間の本来的な能力として芸術の学びの意義が改めて示されています。 P212

生成AIも使うが、表現する過程を安易に委ねない

デジタル学習基盤の活用には生成AIも含みますが、表現する過程などを安易に生成AIに任せることは適切ではないとされています。発達の段階を考え、人間ならではの感性や身体性をもとにした創造的な表現を大切にし、ツールとして適切に使うことが重要です。 P221

デジタルの効果的な活用

鑑賞での作品比較・意見共有・遠隔交流、表現での試行錯誤や記録・保存などに、デジタル学習基盤を生かします。漫画・アニメーション・映像などのメディアによる表現や鑑賞も充実させ、特別なソフトがなくても撮影・描画・加工などの基本機能で端末を活用することが望まれています。 P216P218P221

今からできる準備チェックリスト7項目

  • 今すぐ年間指導計画を見て、短い題材ごとに3観点すべてを記録している所を洗い出し、複数の題材・単元・区分をまとめて総括する組み合わせを検討します。 P221
  • 今すぐ歌ったり作ったりしている途中の姿を写真・録音・録画で残す仕組みをつくり、完成作品だけで技能や思考・判断・表現を評価しない形に近づけます。記録は学校・教育委員会の情報セキュリティ方針に従い、承認済みの学習用フォルダに閲覧者を限って保存し、顔や氏名は必要以上に記録せず、保存期間が過ぎたら削除します。校外に公開する場合は、本人・保護者への説明と同意、著作権・肖像への配慮を経て行います。 P221
  • 今すぐ小学校音楽では、歌唱と器楽で同じ曲を扱う題材を1つ選び、「全体の響き」などねらいを1つに絞って、歌と楽器を行き来する指導と評価の計画を試します。 P215P216P219
  • 告示まで図画工作・美術・書道の鑑賞で、作品から特徴を見付ける・情報を読み取るといった「鑑賞の技能」を、どんな姿で見取るかを教科会で言葉にしておきます。 P216P219
  • 告示まで生成AIの扱いについて「表現する過程を安易に任せない」「使うならツールとして」という線引きを教科内でそろえ、他人の作品やキャラクターを扱うときの知的財産の指導も題材の中に位置付けます。 P221
  • 告示まで地域の文化施設や専門的な人材との連携を見直し、どの資質・能力を育てるための連携かを学校側で明確にしてから、年間計画に位置付けます。 P220
  • 先行実施まで端末の撮影・記録、描画・加工といった基本機能だけでできる漫画・アニメーション・映像の題材を1つ開発し、校内展示やオンラインでの発表の場もあわせて計画します。 P218

次期を先取りする授業アイデア1本

小51単位時間(45分)

歌う?吹く?混ぜる?1曲で響きくらべ

同じ旋律を歌と楽器で組み合わせ、録音して聴き比べ。ねらいは「全体の響き」1つに絞ります。

手順・ワークシート

ねらい

同じ旋律を歌と楽器で組み合わせて演奏し、組み合わせ方や歌い方・吹き方による全体の響きの違いを聴き取り、どんな響きにしたいかの思いや意図をもって、息や口の使い方を工夫して表現する。

流れ

  1. 5分体ほぐしと呼吸の準備をします。両手を胸の前で合わせて息をゆっくり長く吐く、ストローをくわえたつもりで細く吐く、など息の量と速さを変える活動を全員で行います。
  2. 8分全員で旋律を歌い、続けて同じ旋律をリコーダーで演奏します。先生は「歌と笛で、どんなところが違って聞こえた?」と問い、「笛の方がまっすぐ」「歌の方がやわらかい」などの言葉を板書します。
  3. 12分4人グループで、A全員で歌う、B歌2人とリコーダー2人、C全員リコーダー、の3通りで演奏し、それぞれ端末で録音します。演奏する人と録音する人を交代しながら進めます。
  4. 10分録音を聴き比べ、響きメモに感じたことと理由を書きます。先生は「音色」「強さ」「音の重なり方」に目を向けるよう声をかけます。最後に「〇〇な感じにしたいから、△△の組み合わせにする」とグループの思いや意図を決めます。
  5. 7分決めた編成で演奏し、思い通りの響きになるよう、歌う人は口の開け方や息の支え、リコーダーの人は息の強さやタンギングを調整します。もう一度録音し、最初の録音と比べます。
  6. 3分「響きを変えるために、体の使い方で工夫したこと」を響きメモに一文で書いて終わります。

評価

思考・判断・表現は、完成した演奏だけでなく、響きメモの記述と、編成を選び体の使い方を調整している演奏の過程で見取ります(録音を記録として残します)。知識・技能は、全体の響きの違いを音色・強弱・重なりと結び付けて書けているか、息や口の使い方を変えて演奏できているかを見ます。この題材だけで3観点すべてを記録に残す必要はなく、年間指導計画に沿って他の題材とまとめて総括することもできます。

現行の学習指導要領・解説(小学校)

文部科学省の公式PDFです(クリックで開けます)。

次期学習指導要領 教科別まとめ小学校No.07
小学校版
審議まとめ(2026年10月5日)を小学校の先生向けにまとめ直しました

家庭次期学習指導要領で、どう変わる?

領域を5つに再編し、中学校では独立した教科に

10秒でいうと

領域を「家族・家庭と生涯発達」「食生活」など5つに再編。「住まいの主な働き」は高校へ

やさしく言うと

家庭科の領域は、小・中・高を通して5つに再編する方向です。「家族・家庭と生涯発達」「生活の経営と消費生活」「食生活」「衣生活」「住生活」(いずれも仮称)です。小学校の「住まいの主な働き」は高校へ移す方向です。小・中学校では、問題解決的な学習の課題を教師が決めてしまう現状が課題とされています。子供が自分で生活の課題を見つける学習を充実させる方向です。

小学校はいつから?

全面実施2030年度(令和12年度)から(見込み)
移行期間2028〜2029年度
告示2026年度末の予定
教科書2030年度から新しい教科書(2028年度に検定)
無料原田英語.com 次期学習指導要領ナビ

研修・会議・授業・保護者会での印刷・コピー・配布・投影はご自由にどうぞ。ご連絡は不要です。クレジットは残してください。審議まとめ(2026年10月5日)準拠・出典ページつき。告示前の方向性で、今後変わることがあります。2026年11月4日 版

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家庭の3行要約(全校種)

  1. 中学校の技術・家庭科は「情報・技術科」と「家庭科」に分ける方向で、家庭科は独立した教科として新しい目標が検討されます。
  2. 小・中・高を通して、領域が「家族・家庭と生涯発達」「生活の経営と消費生活」「食生活」「衣生活」「住生活」(いずれも仮称)の5つに再編する案で、一部の内容は学校段階をまたいで移す方向です。
  3. 高校では、ホームプロジェクトと学校家庭クラブ活動が各領域の中の「生活の課題と実践」(仮称)とし、「家庭総合」には領域を貫く「総合生活実践」(仮称)を加える案です。

※5領域の名称、「生活の課題と実践」、家庭総合のF領域「総合生活実践」は仮称。

家庭のポイント4つ

領域を5つに再編

領域を「生活の基盤」と「生活を構成する要素」の2つの観点から整理し、5つにする方向です。基盤は「家族・家庭と生涯発達」「生活の経営と消費生活」、要素は「食生活」「衣生活」「住生活」です(いずれも仮称)。並びは、食育の重要性などから「食・衣・住」の順とされています。 P225P230

授業では、たとえば今の年間計画を新しい5つの領域で色分けし、どの題材がどこに当たるかを確かめておく、といった準備が考えられます。

布を用いた製作は「基礎」として整理

小学校の「生活を豊かにするための布を用いた製作」は、新しいD領域で整理する例が示されています。名前は「布を用いた製作の基礎」です。布を用いた製作は、小・中・高のつながりをふまえ、知識と技能を段階的に身に付けて使う内容とする方向です。 P226P232

授業では、たとえば袋づくりでミシン縫いの基礎を学んだあと、自分の生活で使う場面を考えて大きさや形を決める、といった題材が考えられます。

「住まいの主な働き」は高校へ

小学校の「住まいの主な働き」は、全体のつながりを見直す中で、最も効果的に理解できる高校に移す方向です。中学校の「家庭内事故の防ぎ方」も高校へ移す方向です。社会の変化に合わせて内容を充実させつつ、全体の量は増やさず、精選を図る考え方が示されています。 P225P227

授業では、たとえば住生活の題材計画を点検し、高校へ移る見込みの内容の時間を、ほかの実践にどう充てるか考えておく準備が考えられます。

課題を子供が見つける学習と、新しい評価

小・中学校の問題解決的な学習では、教師主体の課題設定になっている現状が指摘されています。課題を見つけて解決する力を一層育てる方向です。評価では「学びに向かう力」を個人内評価で見取り、「見取る姿」が続けて見られたら「思・判・表」に「○」を付ける方向です。 P223P233

授業では、たとえば家での1週間の食事をふり返り、子供自身が「朝食に野菜を足したい」などの課題を立てて調理計画を作る授業が考えられます。

主な変更点4項目

小中高領域をA〜Eの5つに再編(「家庭総合」はFを加えて6つ)

「生活の基盤」に関する領域として「A 家族・家庭と生涯発達(仮称)」(人に関すること)と「B 生活の経営と消費生活(仮称)」(暮らしの営み方=マネジメント)を置く案です。「生活を構成する要素」に関する領域として「C 食生活(仮称)」「D 衣生活(仮称)」「E 住生活(仮称)」を置き、食育の重要性も踏まえて「食・衣・住」の順に並べる案です。生涯の生活設計と消費生活はB領域で関連付けて扱い、消費者教育や金融経済教育もBに明示する方向です。 P225P230P231

小中高内容の移管・統合:住まいの働きや家庭内事故は高校へ、金銭管理は中学校へ

小学校の「住まいの主な働き」と中学校の「家庭内事故の防ぎ方など」は、最も効果的に理解できる高校へ移す方向です。中学校の「金銭の管理と購入」と「消費者の権利と責任」は新しいB領域でまとめ、消費と環境を一体的に学ぶ方向です。高校「家庭総合」にあった「生活の営みに必要な金銭」と「生活時間などの生活資源」は、中学校のB領域「家庭生活と生活資源のマネジメント」に移す方向です。中学校の住生活では、間取り図などで家全体の危険を見付けて対策を考え、家庭で実践する流れを丁寧に行う方向です。 P226P227P232

小中高布を用いた製作・衣服の再利用の扱いを整理

小学校の「生活を豊かにするための布を用いた製作」は新しいD(2)「布を用いた製作の基礎」に、中学校の同じ項目はD(2)「生活を豊かにする布を用いた製作」に整理する案です。布を用いた製作は、小・中・高のつながりを踏まえ、知識・技能を段階的に身に付けて活用する内容とする方向です。中学校の「衣服等の再利用の方法」は、衣服のライフサイクルを意識した選択・活用の一つとして、必要に応じて製作の学習で取り入れる方向です。 P226P232

評価:「学びに向かう力」は「見取る姿」で個人内評価、「思・判・表」に「○」

「学びに向かう力」については、「初発の思考や行動・好奇心」「学びの主体的な調整」「対話や協働」の3要素からなる「見取る姿」を示す予定です。教師は思考・判断・表現の学習過程の中で、これらの姿が続けて発揮されているかを見取り、見取れた場合は「思・判・表」に「○」を付けて一体的に評価します。この部分は個人内評価(他者と比べない評価)として扱う方向です。 P233

現行と次期の比較(新旧対照)4項目

黄色のマーカー=次期で新しく入る・強く打ち出される言葉 取り消し線=現行から消える・言い方が変わる言葉

項目現行次期(審議まとめの方向)
「家庭総合」の履修年次複数年次に分けて履修する場合は原則として連続する2か年。内容のCは原則として入学年次とその次の年次の2か年のうちに取り上げる。連続2か年の規定を見直し、隔年での実施なども可能に。2か年のうちに取り上げる規定はB領域(生活の経営と消費生活)として明記。 P224P228
「家庭基礎」と「家庭総合」の違い科目の目標や学習内容に明確な差異が見いだしにくく、教科書の記述にも大きな差がない。家庭基礎=生活を営み家庭や地域の生活を「支える」力、家庭総合=多面的に生活を捉え家庭や地域の生活を「向上させる」力を育てる科目として趣旨を明確化。 P224P227
見方・考え方「協力・協働」「健康・快適・安全」「生活文化の継承・創造」「持続可能な社会の構築」等の事項を示していた。家庭科の本質に焦点化して短く示し、小・中・高で統一。上記の要素は「統合的な理解・総合的な発揮」の中で内容に即して示す。 P229
住まいの働き・家庭内事故の防ぎ方小学校B(6)ア(ア)「住まいの主な働き」、中学校B(6)ア(イ)「家庭内事故の防ぎ方など」で扱う。高校へ移管。家庭内の事故の防ぎ方は高校の「ライフステージに応じた住生活」で重点的に学ぶ。 P227P232

授業時数

中学校で独立させる方向の家庭科の時数は本文に示されていない(総論では、小3以上の教科等から一律3〜4%程度を減じるが現在35コマ以下の教科等からは減じず、具体の数値は今後示すとしている。P79)。高校の家庭基礎は、必履修教科ごとの合計が3新単位以下となる減単が不可のため減単不可とすべきとされた(P47)。家庭総合は「連続する2か年」の履修規定を見直す方向(P228)。

生成AI・ICTとの付き合い方3項目

生成AIなどの特性をふまえた情報収集・活用

集めた情報から考え、根拠を持って自分の考えを他の人に伝えるためには、生成AIなどの特性をふまえた適切で有効な情報収集・活用が求められるとされています。デジタル技術の操作そのものを目的にせず、実践的・体験的な活動を通して力を育てる観点で活用を考えます。 P225

家庭科のAI活用の基本的な考え方

子供が自分で考え、判断し、成果物を自分の言葉で説明し、最終的に自分で責任を持つという考えのもと、教師は問題解決的な学習を展開し、評価方法を改善することが当面の基本的な考え方とされています。 P233

1人1台端末を問題解決的な学習の基盤に

端末を問題解決的な学習に必要な学習基盤として位置付けるとされています。例として、調理や製作の様子を動画で撮って分析する、実践の前後を画像で比べる、3Dで住まいの間取りを計画する、が挙がっています。資料編には、AIを活用した情報の収集・整理や、AIを活用した客観的な評価の例も示されています。 P233資料編(2)P122

今からできる準備チェックリスト5項目

  • 今すぐ題材の課題設定が先生主導になっていないか点検し、子供が自分の生活を見つめて問題を見いだし、課題を設定する時間を各題材に入れます。 P223
  • 今すぐ調理や製作の様子を動画で撮って分析する、実践の前後を画像で比べる活動を1つの題材で試し、撮影範囲(手元だけなど)や撮ったデータの扱いのルールもあわせて決めます。 P233
  • 今すぐ生成AIを使う場面を設けるときは、子供が自分で考え判断し、成果物を自分の言葉で説明し、最後は自分で責任を持つことを条件にし、その説明を評価する方法も決めておきます。 P225P233
  • 告示まで今の年間指導計画の題材を、新しい5領域(家族・家庭と生涯発達/生活の経営と消費生活/食生活/衣生活/住生活、いずれも仮称)に振り分け直し、移される内容(小学校の「住まいの主な働き」と中学校の「家庭内事故の防ぎ方など」は高校へ、高校の金銭・生活時間などの生活資源は中学校へ)を確認します。 P225P227P230
  • 全面実施まで「学びに向かう力」の見取る姿の3要素(初発の思考や行動・好奇心/学びの主体的な調整/対話や協働)を手掛かりに、思考・判断・表現の過程で姿を記録する方法を試し、「○」を付ける評価に備えます。 P233

次期を先取りする授業アイデア1本

小51単位時間(45分)

手元を撮って比べよう!なみ縫いのコツ発見

10秒の手元動画をペアで見比べ、縫い目がそろう「手の動き」を自分たちで見付けます。

手順・ワークシート

ねらい

なみ縫いの手元を撮影して見比べ、縫い目をそろえるための布の持ち方や針の運び方のコツに気付き、それを生かして縫い直すことで、自分の上達を確かめる。

流れ

  1. 5分安全の確認をします。針ケースの針の本数を数えて記入し、使っていない針は必ず針山に刺すこと、端末は机の奥、針と布は手前と置き場所を分けることを全員で確かめます。
  2. 8分1本目の線に沿って5cmなみ縫いをします。ペアの相手が、手元だけが映るように10秒ほど撮影し、交代します。縫い終わった布は端末で撮影して保存します。
  3. 10分ペアで自分たちの動画をゆっくり再生して見比べ、縫い目がそろっている部分とそろっていない部分で、布の持ち方、針を出す向き、一度に進める針目の数などがどう違うかを探します。気付いたことを付箋に書きます。
  4. 7分付箋を出し合い、先生が見本動画を拡大して確かめながら、学級の「なみ縫いのコツ」を3つ程度にまとめて板書します(例:布を少しずつたぐる、針を布に対してまっすぐ出す、縫い目を指でしごいて整える)。
  5. 10分自分が一番取り入れたいコツを1つ選び、2本目の線でもう一度縫います。縫い終わったら撮影し、前後比較シートに1回目と2回目の写真を並べてはり、変わったところを書きます。
  6. 5分針の本数を数えて最初と合っているかを確かめてから片付けます。動画は学習用フォルダに保存し、授業後に先生が整理することを伝えます。

評価

知識・技能は、2回目の縫い目がそろってきているかと、コツを理由とともに説明できるかで見取ります。思考・判断・表現は、動画を見比べて縫い目の違いと手の動きを結び付けて考えているかを付箋とシートで見ます。1回目を振り返って自分でコツを選び、試して比べている姿は「学びの主体的な調整」の手掛かりとして記録し、題材を通して続けて見られたときに思考・判断・表現に「○」を付ける評価に生かします。

現行の学習指導要領・解説(小学校)

文部科学省の公式PDFです(クリックで開けます)。

次期学習指導要領 教科別まとめ小学校No.08
小学校版
審議まとめ(2026年10月5日)を小学校の先生向けにまとめ直しました

情報の領域(総合)次期学習指導要領で、どう変わる?

小は総合に「情報の領域」、中は新教科、高は情報科を充実

10秒でいうと

教科は作らず総合に「情報の領域」を新設。3・4年は最大30、5・6年は最大35コマ程度

やさしく言うと

審議まとめでは、小学校に「情報」という独立した教科を作るのではなく、総合の時間(次期は「総合的な探究の時間」とする方向)に「情報の領域」(仮称)を加える案が示されています。総合は「探究の領域」と「情報の領域」の2つで構成する案です。必要な時数は、3・4年が各学年最大30コマ程度、5・6年が最大35コマ程度の見込みです。小学校では令和10年度から段階的に先行実施する方向です。

小学校はいつから?

全面実施2030年度(令和12年度)から(見込み)
移行期間2028〜2029年度
告示2026年度末の予定
教科書2030年度から新しい教科書(2028年度に検定)
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研修・会議・授業・保護者会での印刷・コピー・配布・投影はご自由にどうぞ。ご連絡は不要です。クレジットは残してください。審議まとめ(2026年10月5日)準拠・出典ページつき。告示前の方向性で、今後変わることがあります。2026年11月4日 版

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情報・技術、情報の3行要約(全校種)

  1. 中学校の技術・家庭科は「情報・技術科」と「家庭科」に分け、情報・技術科は「情報技術」と「情報を基盤とした生産技術」の2領域とする案が示された。
  2. 小学校の総合的な探究の時間に「情報の領域」を加え、3〜6年で情報技術の使い方・安全な扱い方・仕組みを順序立てて学ぶ方向。
  3. 新しい教科・領域の時数は、総時数を増やさず他教科から広く薄く確保する方向で、現時点の試算では一律3〜4%程度の減少が見込まれる(具体の時数は今後検討)。高校は情報Ⅰ・Ⅱを維持し、AI・データと探究(PBL)を強化する案。

※「情報・技術科」は資料編では仮称で、2領域で構成する案。小・中のコマ数は学習活動を積み上げた「各学年最大」の見込みで、標準授業時数の実数は今後示される。新教科・領域は小学校が令和10年度、中学校が令和11年度から段階的に先行実施。

情報の領域(総合)のポイント4つ

総合が「探究」と「情報」の2つの領域に

小学校の総合は「探究の領域」と「情報の領域」の2つで構成する案です。情報技術を学ぶこと自体が総合の目的だと誤解されないよう、情報の領域は探究や各教科の学びを支える土台と位置付けられています。小学校では「活用」を中心に、体験的な活動を重視する方向です。 P74P240P251

授業では、たとえば1学期に情報の領域で調べ方やまとめ方を集中的に学び、その力を2学期の地域の探究に生かす、といった計画が考えられます。

「ミニ探究ユニット」と「情報ブロック」

情報の領域では、2種類の学びを組み合わせる方向です。短い探究の中で情報技術を使う「ミニ探究ユニット」と、基礎を学ぶ小さなまとまり「情報ブロック」です。ミニ探究の例として、マイルールづくり、ロボットを動かすプログラム、生成AIの特性をふまえた作品制作が示されています。 P240P251

授業では、たとえば端末の便利さと困ることを調べてから「タブレットのマイルール」をクラスで作り、1か月後に見直す、といった授業が考えられます。

情報を見極める力を学年で積み上げる

偽・誤情報を見極めるメディアリテラシーを、学年を追って育てる例が示されています。3年は情報の特徴や偽・誤情報を知ります。4年はAIの出力も含め、情報をうのみにしない姿勢を育てます。5・6年はSNSの特性などもふまえ、多角的に判断する力へ発展させます。 P248P251

授業では、たとえば同じ出来事を伝える2つの記事を比べ、どこが違うか、だれが発信したかを確かめる、といった授業が考えられます。

1・2年は各教科で基本操作、国が動画教材

1・2年では、各教科の学習の中で文字入力や写真の撮影などの基本的な操作に慣れる方向です。IDやパスワードの管理、許可なく人を撮らないことなども一緒に学びます。国は、授業でそのまま使える動画などの教材を開発し、少なくとも年1回程度更新するとしています。 P251P262

授業では、たとえば生活科の観察で写真を撮るときに、「人を撮るときは許可をもらう」という約束を一緒に確かめる、といった指導が考えられます。

主な変更点7項目

新教科・領域の時数は、他の教科から「広く薄く」減らして生み出す方向

年間の総授業時数は増やさない前提のため、新教科・領域の時数を特定の教科から削るのではなく、小学校3年以上で今35コマを超える教科等から、同じ割合で時数を減らして確保する方向が示された。減らす幅は、現時点の試算で一律3〜4%程度と見込まれている。35コマ以下の教科等は「週1コマ程度は必要」として減らさない。具体的な数字は今後、教育課程企画特別部会で検討して示される。 P78P79

小小学校の総合的な探究の時間に「情報の領域」を加える案

小学校総合は「探究の領域」と「情報の領域」の2つの領域で構成し、時数もそれぞれ別に決める案。情報の領域では、探究の流れの中で情報技術を使ってみる小単元「ミニ探究ユニット」と、基礎を学ぶ小さなまとまり「情報ブロック」を組み合わせて学ぶ。内容は「活用」「適切な取扱い」「特性の理解」の3つを柱に、3年から6年へ段階的に発展させる方向。1学期に集めて配置するなど学校ごとの工夫もでき、国が参考例を示すとされた。 P78P240P250P251

タイピングや端末操作など、各教科で教えていた内容を新教科・領域へ移す方向

これまで各教科でばらばらに教えていたタイピング、映像の操作、グラフの作り方、データ分析の方法などは、新教科・領域で順序立てて学ぶ。プログラミングやデータ活用、産業と情報の関わり、情報機器と健康の関わりなども新教科・領域へ移す方向で、各教科はその分の内容を減らし、教科ならではの学びに時間を使えるようにする。メディアリテラシーはこれまで国語科や社会科でも扱ってきたが、新教科・領域で大きく強化する方向。どの内容を移すかは、教育課程全体を見ながら今後整理する。 P243P257

小中全面実施の前から段階的に先行実施する方向

全面実施は小学校が令和12年度、中学校が令和13年度と想定されているが、社会の変化に遅れないよう、新教科・領域を先行実施する経過措置を、小学校は令和10年度から、中学校は令和11年度から段階的に講ずることが適当とされた。具体的な中身は今後検討される。調整授業時数制度は小・中学校とも令和10年度から先行実施される予定で、それを使って早めに取り組むこともできる。 P79P262

教員不足への対策:研修・免許講習・遠隔授業など

令和7年度時点で、中学校の技術分野の担当教員のうち臨時免許状の人が543名、免許外で教えている人が1,863名、高校情報科でもそれぞれ47名・97名いて、「危機的な課題」とされている。国は、新課程の研修コンテンツを小学校向けは令和9年度末、中学校向けは令和10年度末までに作り、小・中・高のすべての担当教員に研修を行う。オンラインの免許法認定講習の充実、複数校をまとめて教える・遠隔授業の実証、企業などからの外部講師の活用、免許制度の検討も進める。 P239P261P262

国が授業でそのまま使える動画・教材を作り、年1回以上更新する

先生が過度な負担なく授業できるよう、国が授業動画を含む学習者用教材を作っており、技術の進歩で古くならないよう少なくとも年に1回程度アップデートする。公表時期は前もって学校に伝える。「技術の統合」については、教材だけでなく指導計画の例・参考資料・研修をセットで提供する。3Dプリンターなどの整備状況の見える化や、PC教室の維持・更新に向けた財政措置の整理も進める。 P240P251P254P262

メディアリテラシー・AI・プログラミング的思考を小中高でつなげて育てる

うその情報や偏った情報を見きわめる「メディアリテラシー」、AIを使いこなす力、「プログラミング的思考」を、情報活用能力の中心として小・中・高で系統的に育てる。プログラミング的思考は、AIに指示してプログラムを作らせる場合も含め、出てきたものを論理的・批判的に確かめて直し、責任を持って使うところまでを含む考え方に広げ、中学・高校でも育てる。AIの使い方のポイントは改訂を待たずガイドラインで示し、生成AIのガイドラインは令和8年度中に改定する。 P248P249P262

現行と次期の比較(新旧対照)3項目

黄色のマーカー=次期で新しく入る・強く打ち出される言葉 取り消し線=現行から消える・言い方が変わる言葉

項目現行次期(審議まとめの方向)
小学校での情報の学習教科等に明確な位置付けがなく、授業時数や指導内容の具体も示されていないため、地域や学校による差が大きい。コンピュータやネットワークの仕組みは扱われていない。総合的な探究の時間に「情報の領域」を加え、3・4年は各学年最大30コマ程度、5・6年は各学年最大35コマ程度を目安に、仕組みの理解やAIも含めて系統的に学ぶ案。 P78P239P240
情報活用能力のとらえ方「情報及び情報技術を活用する力」として、学習の基盤となる資質・能力に位置付け。情報活用能力は「情報技術の活用」に絞って整理し、「情報の活用」は各教科で育てる。「活用」「適切な取扱い」「特性の理解」の3要素で小中高を通して整理。 P238P239
プログラミング的思考前回改訂で小・中・高を通じたプログラミング教育を充実したが、内容や指導にばらつきがあり、問題解決にプログラミングを使う学習も十分でない。AIへの指示も含め、作ったものを論理的・批判的に評価・改善し、責任を持って使うまでを含む考え方に捉え直し、小学校だけでなく中学・高校でも育てる。 P249

授業時数

必要な時数の目安(学習活動の積み上げによる最大値):小学校総合「情報の領域」は3・4年が各学年最大30コマ程度、5・6年が各学年最大35コマ程度。中学校「情報・技術科」は1・2年が各学年最大70コマ程度、3年が最大35コマ程度(現行の技術分野の内容を含む時数)。総合の「探究の領域」と「情報の領域」は別々に標準時数を設定。標準総授業時数は現行維持とし、小3以上で現在35コマを超える教科等から一律3〜4%程度を減じて確保する考え方(3〜4%は現時点の試算)。具体の時数は今後精査・検討(P78, P79, P257)。高校は情報Ⅰ・情報Ⅱともに4新単位(現行2単位。1新単位=17コマ)。必履修教科の合計が3新単位以下となる減単は不可(P80, P82, P259)。

生成AI・ICTとの付き合い方8項目

AIの可能性とリスクの両方を学ぶ

AIなどの情報技術は社会のあらゆる活動の基盤になる一方、偽・誤情報の拡散、フィルターバブル、AIが人の認知や判断に与える影響などのリスクもあります。かたより・依存・学習過程の省略(認知的オフロード)などの負の側面を理解し、情報を批判的にとらえて使うメディアリテラシーが不可欠とされています。 P235P236

今の課題:生成AIなど先端技術の内容が明確でない

現行の学習指導要領では、生成AIなどの先端技術に関わる内容がはっきり位置付けられておらず、情報モラルやメディアリテラシーも学校による差が大きいことが課題とされています。 P72P239

中核となる学習内容:メディアリテラシー・AIを使いこなす力・プログラミング的思考

情報の真偽やかたよりを見極めるメディアリテラシー、AIを使いこなす力、プログラミング的思考を、情報活用能力の中核として小・中・高で体系的に整理します。AIの学習は内容項目を横断し、発達段階に応じて扱うとされています。 P248P249

AIを使いこなす力の中身

「AIエージェント」や「フィジカルAI」などAIの進展が速く、子供は検索エンジンなどを通じてすでにAIに日常的に触れています。AIを使いこなす力を、単なる操作ではなく、AIを適切かつ効果的に使って問題を解決したり考えをつくったりする力と捉えます。 P248

小学校「情報の領域」でのAI

適切な取扱いに「AIの適切な利用」を、特性の理解に「AI」を内容のまとまりとして位置付ける方向です。例えば4年生で、情報を発信・再構成する体験を通して、AIの出力も含め情報をうのみにしない姿勢を育てる例が示されています。「生成AIの特性やリスクを踏まえた作品制作を行う」などの「ミニ探究ユニット」も例示されています。 P250P251資料編(2)P153資料編(2)P162

資料編:校種別の「AI自体を学ぶ」内容の例

小学校では「AIの出力には誤りやかたよりがある」「AIに頼りすぎない」「最後は人間が判断する」など、中学校では「AIの出力には誤りやかたよりがあり人の判断を尊重する」「権利侵害や悪用のリスク」など、高校ではAIの分析結果がデータやモデルの選び方で変わることなどが例として整理されています。 資料編(2)P153

資料編:「AIを活用して学ぶ」考え方

小学校はミニ探究ユニットの中で体験的に使い、中学校はAIを補助的な役割として問題発見や設計・評価改善で使い、高校ではAIの出力を一つの情報として妥当性やかたよりを検討しながら使う、と段階的に整理されています。資質・能力の育成に効果的かどうかを吟味して使うことが前提です。 資料編(2)P154

授業での活用例

情報科の活用例として、生成AIとの対話でヒントを得て解決策を考えてプログラムにしたり、作ったプログラムをクラウドで共有して統合・テストしたりして、試行錯誤の回数を増やすことが挙がっています。 P260

今からできる準備チェックリスト4項目

  • 今すぐ各教科で教えているタイピング、写真・動画の操作、グラフの作り方、スライド作成、データ分析の方法などを学年別に棚卸しし、どの学年で何を教えているかを一覧にします。新教科・領域に移る可能性のある内容と、教科に残す内容を考える材料になります。 P243P257
  • 今すぐ生成AIの利活用に関するガイドラインは、学習指導要領の改訂を待たずに令和8年度中に改定される予定です。改定版が出たら内容を確認し、校内の生成AI利用ルールと授業での使い方を更新します。 P248P262
  • 告示まで小学校では、総合的な学習の時間の年間計画を見て、3・4年で各学年最大30コマ程度、5・6年で各学年最大35コマ程度とされる「情報の領域」をどこに置けるか(例:1学期に集中配置)を試算します。具体の時数は今後示されるので、案として持っておきます。 P78P251
  • 先行実施まで国が作る研修コンテンツ(小学校向けは令和9年度末、中学校向けは令和10年度末まで)や授業動画の公表時期を把握し、校内研修で事前に視聴する時間を確保します。新教科・領域は小学校が令和10年度、中学校が令和11年度から段階的に先行実施される予定です。 P79P261P262

次期を先取りする授業アイデア1本

小41単位時間(45分)

切り取り方で変わる?写真のトリミング実験

同じ写真が「楽しそう」にも「さみしそう」にも。情報は切り取られていることを体験で実感します。

手順・ワークシート

ねらい

同じ写真でも切り取り方や言葉の付け方で受け手の印象が変わることを体験を通して理解し、AIの出力も含めて情報を受け取るときに立ち止まって確かめる大切さを考える。

流れ

  1. 5分先生が校庭の隅だけを切り取った写真を見せ、「この学校の校庭、どう思う?」とたずねます。意見を聞いたあと元の写真を見せ、印象の違いを話し合います。
  2. 12分ペアで学校の写真を1枚選び、端末のトリミング機能で「楽しそうに見える1枚」と「さみしそうに見える1枚」を作ります。どこを残し、どこを切ったかをメモします。
  3. 10分別のペアに切り取った1枚だけを見せて印象を当ててもらい、そのあと元の写真を見せます。続けて、同じ1枚に「休み時間の人気スポット」「だれも来ない場所」など違う言葉を付けると、印象がさらに変わることも試します。
  4. 10分先生が「AIに書いてもらった学校紹介文」を映し、学校の様子と合っているところ、合っていないところを探します。誤りを見付けたら、「生成AIは多くのデータから学んだパターンをもとに文章を作るので、もっともらしくても誤りが含まれることがある」ことを押さえます。
  5. 8分今日の体験から「情報を受け取るときの立ち止まりポイント」を3つ(例:全体はどうなっているか、だれが何のために出した情報か、ほかでも確かめたか)学級でまとめて掲示し、振り返りを書きます。

評価

切り取り方や言葉の付け方と受け手の印象の関係を、自分たちの作った写真をもとに説明できているかをメモと発言で見取ります。振り返りで、AIの出力を含む情報を受け取るときに確かめる理由を自分の言葉で書けているかも見ます。この時間は形成的に見取り、ミニ探究ユニットで立ち止まりポイントを使えているかとあわせて評価します。

次期学習指導要領 教科別まとめ小学校No.09
小学校版
審議まとめ(2026年10月5日)を小学校の先生向けにまとめ直しました

体育次期学習指導要領で、どう変わる?

身に付けたい「動き」と、運動の多様な楽しみ方を軸に

10秒でいうと

1〜4年は「遊び」の要素を取り入れ、運動名でなく身に付けたい「動き」を軸に示す

やさしく言うと

小学校1〜4年は、「遊び」の要素を取り入れた学習として整理し直す方向です。具体的な運動のやり方ではなく、身に付けたい「動き」を軸に示す方向です。公正や協力などの態度は、「運動との関わり方」として知識や技能を中心に教える方向です。保健は、身近な生活を中心とした健康・安全の基礎を実践的に学びます。体育は2年間のまとまりで計画することを基本とする方向です。

小学校はいつから?

全面実施2030年度(令和12年度)から(見込み)
移行期間2028〜2029年度
告示2026年度末の予定
教科書2030年度から新しい教科書(2028年度に検定)
無料原田英語.com 次期学習指導要領ナビ

研修・会議・授業・保護者会での印刷・コピー・配布・投影はご自由にどうぞ。ご連絡は不要です。クレジットは残してください。審議まとめ(2026年10月5日)準拠・出典ページつき。告示前の方向性で、今後変わることがあります。2026年11月4日 版

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体育・保健体育の3行要約(全校種)

  1. 小1〜4は「遊び」の要素を取り入れた学習に整理し、具体的な運動名ではなく身に付けたい「動き」を軸に示す方向。
  2. 公正・協力・責任などの態度は「運動との関わり方」として知識・技能を中心に整理し直し、指導と評価をはっきりさせる方向。
  3. 「体育理論」は「スポーツ理論」に、高校専門学科「体育」は「スポーツ」に名前を変える案。保健は健康・安全の「概念」と「それに関わる原則」を軸にする方向。

体育のポイント4つ

小1〜4は「運動遊び」で学ぶ

小1〜4は「各種の運動の基礎を培う時期」とされています。ここでは「遊び」の要素を取り入れた学習として整理し直す方向です。「運動遊び」は、やらされる活動ではなく、教師の意図をもちつつ、子供が「やってみたい」と取り組む活動を想定しています。 P270

授業では、たとえば鬼遊びのルールを子供と工夫しながら、走る・かわす・止まるといった動きを繰り返し楽しむ、といった授業が考えられます。

「動き」を軸に、2年間のまとまりで計画

小4までは、具体的な運動のやり方を示すのをやめ、どんな「動き」を身に付けたいかを軸に示す方向です。体育は2年間のまとまりで計画的に学ぶことを基本とします。毎年同じ時期に同じ運動を置く計画を見直し、生まれた余白で学びの質を高めることが期待されています。 P272

授業では、たとえば3・4年の2年間で「跳ぶ動き」を見通し、マット・跳び箱・なわとびを組み合わせた計画にする、といった工夫が考えられます。

態度は「運動との関わり方」として教える

公正、協力、責任などの態度は、今は「学びに向かう力」に位置付けています。次期は「運動との関わり方」として、なぜそうするのか(知識)と、実際の行い方(技能)を中心に教える方向です。形だけの指導や評価にならないようにするねらいです。 P267P268P269

授業では、たとえばゲームの前に「どうしたら皆が楽しめるか」を話し合い、作戦タイムでの声のかけ方を練習する授業が考えられます。

保健は「概念」と「原則」を軸に

保健は、健康や安全の「概念」と「それに関わる原則」を軸に整理する方向です。概念は何が関わって起きるか、原則はどうすればよい結果になるかを表します。小学校では、身近な生活を中心とした基礎的な内容を実践的に学びます。演習的な学習で理解を深める方向です。 P266P267P268P271

授業では、たとえば1週間の睡眠時間を記録し、体調との関係を友達と比べて、よい生活のこつを見付ける、といった授業が考えられます。

主な変更点8項目

小小1〜4は「運動遊び」を通した学びに再整理

小学校1〜4年生の体育は、幼児期とのつながりを大切にして「遊び」の要素を取り入れた学習として整理し直す方向です。やらされる運動ではなく、子どもが「やってみたい」と夢中になって体を動かす中で、いろいろな「動き」を身に付けることをねらいます。学習指導要領では、具体的な運動のやり方を並べる示し方を改め、どんな「動き」ができるようになってほしいかを軸に示す方向です。教師が指導をイメージしやすいよう、解説や指導参考資料でねらいの動きなどを示すとされています。 P270P272P61P107

態度(公正・協力・責任など)は「運動との関わり方」として知識・技能で教える

これまで「学びに向かう力」に入っていた公正、協力、責任、参画、共生、健康・安全は、「運動との関わり方」という名前で、主に「知識・技能」として整理し直す方向です。「なぜそうするのか」「どうやって行うのか」を理解させることで、形だけの指導や評価にならないようにするのがねらいです。評価では、態度だけを見る評価にならないよう注意しつつ、指導と評価のイメージを今後さらに検討します。また「愛好的な態度」は「運動やスポーツの多様な楽しみ方を目指す態度(仮称)」として「学びに向かう力」に残すとされています。 P268P269P274

各領域は2年間のまとまりで計画的に学ぶことを基本に

体育の各領域の学習は、2年間のまとまりで計画的に学ぶことを基本とし、2年間で学ぶ内容を分かりやすく示す方向です。運動の種類を毎年すべて行うという意味ではないことを明確にするねらいです。毎年同じ時期に入れがちな運動も見直し、生まれた「余白」で学びの質を高める活動をすることが期待されています。年間・複数年の指導計画の立て方を見直す必要があります。 P272P61

小中高求める技能の水準を下げすぎず高すぎず調整(高2以上は現行の中3〜高1程度)

指導内容が積み上がりすぎないよう、高2以上の最終段階で示す技能は、現行で中3〜高1程度として示している程度を置くことを基本に、全体の系統を整理する方向です。小5〜中2は、ルールなどを簡単にした「運動」を通した学びを基本にするとされています。これは技能の水準をただ下げるのではなく、「好き」「楽しい」を育てながら楽しみ方を広げる趣旨だとされています。子どもの状況に応じて発展的な学習に取り組む工夫の余地も示されます。 P270P272

保健は「概念」と「それに関わる原則」を軸に、演習的な学習で深める

保健では、知識をため込むだけでなく、まだ知らない健康課題にも対応できる力を育てるため、健康・安全の「概念」(どんな要素が関わって起きるのか)と「それに関わる原則」(どう働きかければ良い結果になるのか)を整理して示す方向です。小学校は身近な生活を中心に実践的に、中学校は個人生活を中心に科学的に、高校は個人と社会生活について総合的に学ぶ流れに整理し直すとされています。生活習慣や地域の事故情報のデータを使うなど、演習的な学習が例として挙げられています。評価も、暗記ではなく「概念」と「原則」に照らして見ることを充実させる方向です。 P267P268P271P274

体育と保健の関連づけと、重なる内容の見直し

心と体を一体として捉えるため、体育と保健を関連付けた指導を充実させる方向です。例えば高校の体育「実生活に生かす運動の計画」と保健「健康に関する環境づくりと社会参加」のように、関連させやすい内容を整理して示すことも考えられています。一方、体育と保健で重なる内容(例:ストレスへの対処としての運動)や、教科書で何度も繰り返されている内容(例:健康には運動・食事・休養及び睡眠が関係すること)は、扱い方を見直すよう促すとされています。 P271P272

変化する健康課題・安全課題への対応と「生命(いのち)の安全教育」

メンタルヘルスの課題、自然災害、SNSや犯罪による被害、性犯罪・性暴力などを背景に、健康・安全の学習を学校全体で充実させることが求められています。国の教材がある「生命(いのち)の安全教育」は、教材の内容と学習指導要領との関係を分かりやすく示し、活用を進める方向です。一人一人の発達に応じた指導が必要な事柄は、保護者の理解を得て外部の専門家の協力も得ながら個別の指導などで扱い、学習指導要領は現場の指導をためらわせない書き方を検討します。 P265P271

水泳授業・暑さ対策など、授業の実施環境の見直し

水泳授業は、水に親しむ楽しさ、陸上と違う環境での動き、水の事故から身を守る力という意義を整理し、引き続き全員の学習機会を確保するとしています。プールは学校のものだけでなく、地域のプールの活用や民間への管理委託なども考えられるとされ、安全確保につながる指導は小学校だけでなく中学校以降の取組の整理も期待されています。暑さへの対応では、暑さに体を慣らす「暑熱順化」も含めた安全管理、実施内容・場所・時期の工夫、体育館などの計画的な空調整備を基本とします。 P273P274

現行と次期の比較(新旧対照)4項目

黄色のマーカー=次期で新しく入る・強く打ち出される言葉 取り消し線=現行から消える・言い方が変わる言葉

項目現行次期(審議まとめの方向)
公正・協力・責任などの態度の位置づけ「学びに向かう力、人間性等」の中に、愛好的な態度と並んで公正、協力、責任、参画、共生、健康・安全の態度が位置付けられている。これらは「運動との関わり方」として「知識及び技能」を中心に整理し直す方向。愛好的な態度は「運動やスポーツの多様な楽しみ方を目指す態度(仮称)」として「学びに向かう力」に残す。 P268P269
学習指導要領での運動の示し方「○○(運動)では、XXをする」のように、具体的な運動を限定して示していると読み取れる部分があり、教師・子ども双方の負担になる面がある。小4までは具体的な運動のやり方を示すのをやめ、身に付けたい「動き」を軸に示す方向。小5以降も運動や種目の示し方を柔軟にする方向で検討。各領域は2年間のまとまりで計画的に学ぶ。 P272P61
保健の学校段階ごとの学び方小学校「身近な生活における健康・安全に関する基礎的な内容」、中学校「個人生活における健康・安全に関する内容」、高校「個人及び社会生活における健康・安全に関する内容」のスパイラル構造。小学校は「身近な生活を中心とした」内容を実践的に、中学校は「個人生活を中心とした」内容を科学的に、高校は個人及び社会生活の内容を総合的に学ぶ系統に再整理。健康・安全の「概念」と「それに関わる原則」をスパイラルで深める。 P265P268
体育・保健の「見方・考え方」体育は、運動やスポーツを価値や特性に着目し、楽しさや喜びとともに体力の向上に果たす役割の視点から捉え、「する・みる・支える・知る」の多様な関わり方と関連付けること(92字)。体育は、運動やスポーツを心身の充実に果たす役割や多様な楽しみ方の視点から捉え、自他の豊かな生活と活力あふれる社会づくりにつなげること。全学校種で1つにそろえ、短く分かりやすく示す。 P267

授業時数

体育・保健体育の節そのものに授業時数の変更の記述はない。高校の標準単位数は、表で現行「体育7〜8単位・保健2単位」が次期「体育14〜16新単位・保健4新単位」と示されている(P82)。これは単位の数え方の変更(1新単位=50分×17コマ。現行の1単位は35コマ)によるもの(P81)。また、調整授業時数制度などを使って体育・保健の学びを深める取組の例が示されている(P274)。

生成AI・ICTとの付き合い方3項目

AI時代だからこそ体を通して学ぶ意味

社会の様々な場面でAIの活用が進む今、運動やスポーツで自分の体を通して学び、仲間と楽しさを味わうことは、自分を深く知ることや、体を使いこなして人生を切りひらく「人間ならではの力」を育てるうえで大きな意味があるとされています。 P266資料編(2)P201

ICT(生成AIを含む)で学習を見える化

体育・保健でICT(生成AIを含む)を使うと、学習の状況・考えの過程・感覚などを見える化でき、学ぶ機会や学習活動の充実を支えられる強みがあります。資料編では、生成AIとのやり取りによる対話型の振り返りなどが例に挙がっています。 P273資料編(2)P212

使うときの注意

自分や他人の体・健康・安全に関する情報を適切に取り扱うこと、実際に体を動かしたり仲間と関わったりする活動を支えるという視点を損なわないことに十分注意する必要があるとされています。 P273

今からできる準備チェックリスト7項目

  • 今すぐ年間指導計画で毎年同じ時期に入れている運動を洗い出し、各領域を2年間のまとまりで計画する案を作ります。生まれた時間を、学びの質を高める活動に回す使い道も考えておきます。 P272
  • 今すぐ小1〜4の単元のねらいを、運動名ではなく「投げる」「跳ぶ」「回る」など身に付けたい動きで書き直し、子供が思わずやってみたくなる場や用具の工夫を用意します。 P270P272資料編(2)P206
  • 今すぐ公正・協力・責任などは、「なぜそうするのか」(知識)と「どう行うのか」(技能)を教える場面を単元に入れ、態度だけを見る評価になっていないかを見直します。 P268P269P274
  • 今すぐ暑さ対策として、暑熱順化を取り入れた安全管理や、実施内容・場所・時期の工夫を年間計画に反映し、体育館の空調整備の計画も設置者と確認します。 P273
  • 告示まで保健の各単元について、健康・安全の「概念」(どんな要素が関わって起きるか)と「それに関わる原則」(どう働きかければよい結果になるか)を一文ずつ書き出し、暗記ではなく原則に照らして考える評価問題を作っておきます。 P267P268P274
  • 告示まで体育・保健でICTや生成AIを使うときのルール(自他の体・健康・安全に関する情報の扱い方、実際に体を動かす時間を削らないこと)を学年や教科会で決めておきます。 P273
  • 先行実施まで水泳授業について、学校のプールだけでなく地域のプールの活用、民間事業者との連携、管理の委託などの選択肢を設置者と検討し、水の事故から身を守る学習を水に触れる機会の中で行う計画を整えます。 P274

次期を先取りする授業アイデア1本

小21単位時間(45分)

思わず投げたくなる!ねらって当てる的あてランド

段ボールの的やフープで「当てたい!」を引き出し、遊びの中で「投げる動き」を磨きます。

手順・ワークシート

ねらい

いろいろな的あての場を選んで遊ぶ中で、ねらった方向に足を踏み出して投げる動きを身に付け、友達と遊び方を工夫したり、安全のきまりを守る理由を理解したりする。

流れ

  1. 5分「ボールとなかよし」で体をほぐします。ボールを上に投げてキャッチ、手を1回たたいてからキャッチ、片手で投げて両手でキャッチなど、先生の合図で次々に変えます。
  2. 8分的あてランドの場を紹介し、安全のきまりを確かめます。投げる方向は全員同じ向き、的の向こう側には入らない、ボールを拾いに行くのは先生の笛の合図で全員一緒、の3つです。「どうしてこのきまりがあるのかな?」と問い、ぶつからないため、みんなが安心して投げるためという理由を子供の言葉で確かめます。
  3. 12分好きな場を選んで的あてをします。近い線・遠い線は自分で選びます。先生は、遠くから強く当てている子供の「投げる手と反対の足を前に踏み出す」「腕を後ろに大きく引く」動きを見付け、名前を覚えておきます。
  4. 5分全員を集め、先生が見付けた2人に投げてもらいます。「どうしたら強く投げられたのかな?」と問い、子供の言葉で「足をふみ出す」「うでをうしろに引く」などの動きのひみつを掲示します。
  5. 10分動きのひみつを使って、もう一度的あてをします。遠い線に挑戦したり、グループで「フープは2点」など的の点数を決めたりして、遊び方を工夫します。先生は動きのひみつができている子供に具体的に声をかけます。
  6. 5分「できるようになった動き」と「楽しかった遊び方」を発表し合います。的やボールを協力して片付けます。

評価

知識・技能は、ねらった方向に足を踏み出して投げる動きの様子を見取り、きまりを守る理由(運動との関わり方)を言えるかも確かめます。思考・判断・表現は、遊ぶ場や線を選んだり、点数の決め方を工夫したりして、考えたことを友達に伝えているかを見ます。投げた距離の長さそのものではなく、動きの習得の様子を見取ります。

現行の学習指導要領・解説(小学校)

文部科学省の公式PDFです(クリックで開けます)。

次期学習指導要領 教科別まとめ小学校No.10
小学校版
審議まとめ(2026年10月5日)を小学校の先生向けにまとめ直しました

外国語活動・外国語次期学習指導要領で、どう変わる?

AI時代も人と伝え合う力を、段階を追って育てる英語へ

10秒でいうと

外国語活動と外国語科の形は維持。読む・書くの段階を細かく示し、語順の違いに気付かせる

やさしく言うと

3・4年の外国語活動と5・6年の外国語科という今の形は続く見込みです。そのうえで、つまずきの多い「読むこと」「書くこと」を、段階を追って丁寧に育てる方向です。学習は、考えを伝え合う「コミュニケーション活動」と、それを支える活動の2つで整理されます。中学校の文法につなげるため、日本語と英語の語順の違いに気付かせることも重視されます。

小学校はいつから?

全面実施2030年度(令和12年度)から(見込み)
移行期間2028〜2029年度
告示2026年度末の予定
教科書2030年度から新しい教科書(2028年度に検定)
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研修・会議・授業・保護者会での印刷・コピー・配布・投影はご自由にどうぞ。ご連絡は不要です。クレジットは残してください。審議まとめ(2026年10月5日)準拠・出典ページつき。告示前の方向性で、今後変わることがあります。2026年11月4日 版

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外国語の3行要約(全校種)

  1. 「言語活動」を「コミュニケーション活動」と「それを支える活動」に分け直し、英語の目標は「知・技」「思・判・表」「学びに向かう力」の3つの柱で示す方向。
  2. 国が基盤語彙リストを作り、中学校の文法は使用頻度の高いものに絞り、「社会的な話題」は「身近な社会的な話題」にするなど、難しくなりすぎた内容を適正化する方向。
  3. 高校の科目は「英語コミュニケーション(総合)」「同(発信)」(いずれも仮称)とする案。B2レベル相当以上などの要件を満たす場合の必履修科目の免除・振替や、AIの適切な活用の明記も提案された。

※高校の新科目名「英語コミュニケーション(総合)」「英語コミュニケーション(発信)」は仮称。単位数(学習量)は現行と同じ。外部試験でCEFR B2レベル相当以上の英語力を確認することなどを要件に、英語コミュニケーション(総合)Ⅰの免除・振替を学校の判断で可能とする案。対象試験・振替先・実施条件は今後、解説等で具体化(P48〜49、P284)。

外国語活動・外国語のポイント4つ

「読む・書く」は音声に慣れてから段階的に

一文を書き写す問題の正答率に学校間で差があるなど、「書くこと」に課題があるとされました。「読むこと」も、先生が指導の難しさを感じている領域です。そこで、外国語活動の音声での慣れ親しみから、読む・書くを含む外国語科へ、なめらかにつなぐ指導を示す方向です。 P277P281

授業では、たとえばたとえば、歌やチャンツで十分に聞いた語句を、絵と文字で見比べてから書き写す、という順番で進めることが考えられます。

日本語と英語の「語順の違い」に気付かせる

中学校の文法指導につなげるため、外国語科では、日本語と英語の語順の違い(文の組み立て)に気付かせることを示す方向です。音と文字の関係に慣れ、簡単な語句や基本的な表現を読んだり書いたりできるようにすることも挙げられています。 P281資料編(3)P19(外⑲)

授業では、たとえばたとえば「I like soccer.」と「わたしはサッカーが好き」を並べます。言葉の順番の違いを子供が見つける短い時間が考えられます。

「コミュニケーション活動」と「支える活動」

学習は、考えを伝え合う「コミュニケーション活動」と、語句や表現に慣れるなど「それを支える活動」の2つに整理されます。2つを行き来しながら、知識と、それを使う力を一緒に育てる考え方です。「練習」という言葉は本文では使わない方向です。 P279P284

授業では、たとえばたとえば、好きな物を尋ね合う活動の前に、必要な表現を聞いて慣れる短い活動を入れ、また伝え合いに戻る流れが考えられます。

外国語活動の教材と、学年ごとの目標の扱い

国の外国語活動の教材には、伝え合う目的や場面を作りにくい単元があると指摘されています。より身近で楽しく、5・6年につながる形に見直す方向です。また、学年ごとの目標を各学校が必ず作るきまりはなくし、必要なときに任意で作る位置付けとされています。 P280資料編(3)P17(外⑰)資料編(3)P19(外⑲)

授業では、たとえばたとえば学年会で、各単元に「だれに・何のために伝えるか」があるかを確かめます。足りない単元に相手や場面を加えることが考えられます。

主な変更点32項目

小外国語活動・外国語科の枠組みは続く

3・4年で音声中心に慣れ親しむ「外国語活動」、5・6年で読む・書くを加える「外国語科」という現行の形は成果が出ているとされ、目標の柱書でも「素地」(活動)と「基礎」(外国語科)の違いは残る。学習は「コミュニケーション活動」と「それを支える活動」を通して進める。 P276資料編(3)P1(外①)

小外国語活動の活動は「聞く・話す」で

外国語活動のコミュニケーション活動と支える活動は聞くこと・話すことについて行う。支える活動は、英語の音声や基本的な表現に慣れ親しみ、言語や文化の違いや共通点を体験的に理解する活動。導入した表現をすぐ話せることを求めず、聞いて慣れ親しむ段階から話す段階へつなぐ。 資料編(3)P33(外㉝)資料編(3)P36(外㊱)

小外国語科では「音声で十分に慣れ親しんでから」読む・書く

小学校外国語では、導入した語彙や表現をすぐ話せる・書けることを求めず、聞く・読むで理解する段階から話す・書く段階へ発展させる。特に読む・書くは音声で十分に慣れ親しんだ上で指導する。支える活動はコミュニケーション活動と関連付けることが特に大事とされる。 資料編(3)P32(外㉜)資料編(3)P35(外㉟)

小「読むこと」「書くこと」の段階を細かく示す

「書くこと」「読むこと」に課題があるため、文字を聞いて識別する→文字の形を認識し名称を発音する→音声と文字の関係に慣れ親しむ→語句を読んで意味を捉える、書き写す→語句を選んで書き写す→例を参考に書く、のように段階を示す。 P277資料編(3)P21(外㉑)資料編(3)P43(外㊸)

小文字の扱いを丁寧に(外国語活動でも)

国語科のローマ字学習や、新しい「情報の領域(仮称)」のタイピングなどと関連を図りながら、外国語活動でも文字に慣れ親しむ活動を大切にする。外国語活動の「内容」に「文字」(読み方を聞いてどの文字か分かる等)を丁寧に示すイメージ。 資料編(3)P17(外⑰)資料編(3)P42(外㊷)

小Let's Try!を見直す

伝え合う目的や必然性のある場面を設定しにくい単元があるという指摘を受け、より身近で楽しく活動できる内容にし、5・6年につながるよう目的・場面・状況を意識した活動を段階的に扱う形に見直す。 資料編(3)P17(外⑰)

小語順の違いへの気付きで中学校へつなぐ

中学校の文法指導につなげるため、外国語科では日本語と英語の語順の違い(文構造)に気付かせる。音声と文字の関係に慣れ親しみ、簡単な語句や表現を読んだり書いたりできるようにする。文を書き写すときは語と語の区切りに注意させる。 P281資料編(3)P19(外⑲)資料編(3)P43(外㊸)

小話題を学年相当で段階的に

外国語活動(3・4学年相当)は「相手のことや身の回りの物」「ごく身近な事柄」、外国語(5・6学年相当)は「自分のことや相手のこと」「身近な事柄」など、話題を段階的に示す。読む・書くの話題も段階的に示す。 資料編(3)P20(外⑳)資料編(3)P42(外㊷)資料編(3)P43(外㊸)

小学年ごとの目標の作成義務をなくす方向

現行は「学年ごとの目標を適切に定め」2学年間を通じて目標の実現を図ることになっているが、審議まとめでは一律の作成義務をなくし、必要なら任意で作る方向が示された。 P280資料編(3)P19(外⑲)現行現行抜粋P6・P15

小目標の言葉が変わる

外国語活動の思・判・表は「身近で簡単な事柄」から「ごく身近な事柄」へ。外国語の学びに向かう力は「自らの学習を調整して、他者との相互理解を図ろうとする態度」に。外国語の目標から「推測しながら」「語順を意識しながら」は外し、内容の取扱いで示す。 資料編(3)P3(外③)資料編(3)P6(外⑥)

小文化理解に「多様性の包摂」「多文化共生」

外国語の教材の留意事項に、多様性の包摂や他者との相互理解、多文化共生への理解をうながす観点を加えるイメージ。外国語活動の「内容」には文化に関する事項(日本と外国の生活・習慣・行事の違いなど)を置く。 資料編(3)P26(外㉖)

小小学校向け研修は担任と専科の両方に配慮

国が作る研修用の動画や資料は、学級担任と専科教員それぞれのニーズに合うよう十分に配慮するとされた。 P285

小全面実施は令和12年度から(想定)

小学校の全面実施は令和12年度~が想定されている。評価の「見取る姿」などは小中について令和10年度末までに周知するとされている。 P38P65

英語の目標を「3つの柱」で示す

現行の英語の目標(高校は科目目標)は「聞くこと」など5つの領域別に書かれていた。次期は外国語の目標と同じように「知識及び技能」「思考力、判断力、表現力等」「学びに向かう力、人間性等」の3つの柱で示す。領域ごとの細かい「できること」は「内容」の方へ移す。 P279P280資料編(3)P16(外⑯)

「内容」を学年段階の目安つきの表で示す

領域別の目標の要素を「内容」に移し、話題や活動がだんだん高度になる様子を、「〇学年相当」という目安とともに表形式で示す。学年ではっきり区切るのではなく、柔軟性を残した目安とする。表は「知・技」と「思・判・表」を並べる「並行」パターン。 P280資料編(3)P16(外⑯)資料編(3)P18(外⑱)

小中学年ごとの目標の一律の作成義務をなくす方向

学習指導要領自体が段階的な内容を示すようにするため、これまで各学校に求められていた「学年ごとの目標」の一律の作成義務はなくすべきとされた。必要な場合に学校が任意で作る位置付けになる見込み。 P280資料編(3)P19(外⑲)

「言語活動」から「コミュニケーション活動」へ

学習の中心を「コミュニケーション活動」(主に思・判・表を育てる)と「コミュニケーション活動を支える活動」(主に知・技を育てる)に分けて整理し、目標の柱書に書く。単元はコミュニケーション活動を中心にしながら、2つの活動を行き来して力を一体的に育てる。 P279P284資料編(3)P31(外㉛)

「言語の使用場面」「言語の働き」の名前と置き場所が変わる

現行で「内容」にある言語活動・言語の使用場面・言語の働きの例は、「指導計画の作成と内容の取扱い」に移し、「コミュニケーション活動」「コミュニケーションの場面」「コミュニケーションの意図(仮称)」と呼ぶ。「内容」は資質・能力だけに絞る。 P280資料編(3)P16(外⑯)資料編(3)P37(外㊲)

「統合的な理解」と「総合的な発揮」

知・技のゴールの姿を「統合的な理解」(英語のきまりを組み合わせて使うと理解や表現の質が高まると分かっている姿)として示す。思・判・表は「総合的な発揮」として、CEFRの分類を参考に「理解する」「表現する」「伝え合う」の3つに分けて書く。5領域をバランスよく育てる授業づくりをうながすねらい。 P280資料編(3)P8(外⑧)資料編(3)P9(外⑨)

外国語の「見方・考え方」を新しく

「外国語及び外国語によるコミュニケーションを、文化の違いや社会及び相手との関わりに着目して捉え、多様な他者の考えを受け止めるとともに、表現等を工夫して自分の考えを伝え、相互理解を図ること」と整理し直す(現行101字→91字)。AI時代に学ぶ意義と、人間ならではの非言語コミュニケーションも意識した表現。 P279資料編(3)P7(外⑦)

「学びに向かう力」を4つの要素に

①コミュニケーションへの興味・関心と伝えたい考えの形成、②対話・協働で考えを広げ深める態度、③自己イメージを持ち振り返りながら学習を調整する態度、④主体的に他者との相互理解を深めようとする心情、の4つに整理する。目標の文もこれに合わせて書き換える。 P279資料編(3)P4(外④)資料編(3)P5(外⑤)資料編(3)P6(外⑥)

「練習」という言葉を使わない

「練習」という言葉から思い浮かべるイメージが人によって違うことや、本文でこの語を使う教科がごく一部であることから、学習指導要領本文では「練習」を使わずに必要な活動を書く。 P284資料編(3)P27(外㉗)

国が「基盤語彙リスト」を作る

複数のコーパスなどを参考に、国が語彙選定のための基盤語彙リストを作り、教科書会社にリストの語を使うよう推奨する。語の難しさや使用頻度などから、指導すべき語彙数も精選を含めて見直す。高校の教科書の多様性は守り、リストは研究を続けて更新する。 P283P61資料編(3)P29(外㉙)

自分のこと・地域・日本・自分の意見を伝える

話題や活動の例を見直し、自分のことや日本のことに加えて、自分の意見を言える活動を充実させ、住んでいる地域の話題も明確に位置付ける。AIや学校内外の交流も使い、自分が伝えたいことを伝える活動を強める。 P281P10資料編(3)P25(外㉕)

CEFRに照らしてレベルを点検

現行では、各校種で想定したCEFRレベル(小~A1程度、中A1~A2程度、高A2~B1程度)より高い内容が書かれている場合がある。今後は「内容」や活動例をCEFRに照らして適切な文言にし、教師の足場かけが前提のものは解説で趣旨を示す。 P283

小中小中のつなぎ目を具体的に示す

各学校段階で身に付けさせること、前の校種からつなぐために重点を置くことを「指導計画の作成と内容の取扱い」で具体的に示す。例:小学校では日本語と英語の語順の違いに気付かせる、中1の初めは音声中心にし小学校の話題や表現を繰り返す、3年間を通じて発音と綴りを結び付ける。 P281資料編(3)P18(外⑱)資料編(3)P19(外⑲)

AIの適切な活用を学習指導要領に明記する方向

オンラインでの人との交流も含むデジタル学習基盤の活用を明記し、その一つとして発達の段階に応じたAIの適切な活用も書くべきとされた。目標はあくまで人間同士のコミュニケーションで、AIを使った会話練習などはそのための手段という原則をはっきりさせる。 P278P282P88

科学的知見にもとづく学び方の指導

第二言語習得や認知心理学、学習科学の知見を踏まえ、児童生徒が家庭学習も含めて自分で学習方略を使えるようにする。国が教師の指導や学習者に役立つ動画や資料を、学校の負担にも配慮して作る。 P278P281資料編(3)P15(外⑮)

文化理解と「多様な外国語」

多様性の包摂や多文化共生のための文化理解、母語や自国の文化を見つめ直すための言語の違いの理解を充実させる。帰国生徒や外国につながる生徒の外国語の力を生かす配慮を外国語の解説にも書く。英語以外の外国語については、開設状況の公表やオンライン講座などを検討する。 P282資料編(3)P26(外㉖)資料編(3)P27(外㉗)資料編(3)P28(外㉘)

評価規準の作り方が楽になる

「内容のまとまりごとの評価規準例」は国が示し、学校での作成は不要とする方向。外国語の「内容のまとまり」は5つの領域とする方向。学校が作る単元の目標はそのまま評価規準となるようにし、「内容」を基に作る。 P285資料編(3)P38(外㊳)資料編(3)P39(外㊴)

小小学校の教材「Let's Try!」を見直す

外国語活動の国の教材Let's Try!を、より身近で楽しく活動できる内容にし、5・6年の外国語科につながるよう目的・場面・状況を意識した活動を段階的に扱う形に見直す。外国語活動でも文字に慣れ親しむ活動を大切にする。 資料編(3)P17(外⑰)

教師を支える国の研修と資料

文部科学省が全国の教師向けに大規模なオンライン研修を行う。国が作る動画や資料は自治体の研修でそのまま使えるように作り、小学校向けは学級担任と専科教員それぞれのニーズに配慮する。ALTとの連携についての動画・資料も出す。 P285

現行と次期の比較(新旧対照)13項目

黄色のマーカー=次期で新しく入る・強く打ち出される言葉 取り消し線=現行から消える・言い方が変わる言葉

項目現行次期(審議まとめの方向)
学年ごとの目標各学校が「学年ごとの目標を適切に定め」ることになっている(小:2学年間、中:3学年間を通じて目標の実現を図る)。学習指導要領が段階的な内容を示すので、学年ごとの目標の一律の作成義務はなくし、必要な場合に任意で作る方向(審議まとめの案)。 P280資料編(3)P19(外⑲)現行現行抜粋P6・P15・P25
見方・考え方外国語で表現し伝え合うため、外国語やその背景にある文化を、社会や世界、他者との関わりに着目して捉え、目的や場面、状況等に応じて、情報を整理しながら考えなどを形成し、再構築すること(101字)。外国語及び外国語によるコミュニケーションを、文化の違いや社会及び相手との関わりに着目して捉え、多様な他者の考えを受け止めるとともに、表現等を工夫して自らの考えを伝え、相互理解を図ること(91字)。 P279資料編(3)P7(外⑦)
知識及び技能の目標の書き方外国語の音声や語彙、表現、文法、言語の働きなどを理解し、聞く・読む・話す・書くことによる実際のコミュニケーションで活用できる技能(中)。「外国語の特徴やきまり」を理解し、実際のコミュニケーションで活用できる技能。各言語材料や領域の列挙は目標から省いて短くする。 資料編(3)P2(外②)
目標で扱う話題中・高の目標に「日常的な話題や社会的な話題について」と書く。小学校外国語活動は「身近で簡単な事柄」。目標では中学校「様々な話題」、高校「幅広い話題」とし、具体的な話題は「内容」で示す。小学校外国語活動は「ごく身近な事柄」、外国語は「身近な事柄」。 資料編(3)P3(外③)
活動の名前言語活動コミュニケーション活動(主に思・判・表を育てる)とコミュニケーション活動を支える活動(主に知・技を育てる) P277P279P284資料編(3)P31(外㉛)
言語の使用場面「内容」の中に「言語の使用場面の例」として示す。「指導計画の作成と内容の取扱い」に移し、「コミュニケーションの場面」として例示する。 P280資料編(3)P16(外⑯)資料編(3)P37(外㊲)
言語の働き「内容」の中に「言語の働きの例」として示す。「コミュニケーションの意図(仮称)」として例示する(例:相手との関係を円滑にする・気持ちを伝える/事実・情報を共有する・相手の行動を促す/考えや意図を共有する)。知・技の指導での扱い方も示す。 P280資料編(3)P37(外㊲)
「内容」に入るもの知・技(言語材料)、思・判・表、言語活動及び言語の働きに関する事項(言語活動・使用場面・働きの例)。「内容」は資質・能力に限る。思・判・表は「総合的な発揮」と領域ごとの「話題・条件・できること」、知・技は「統合的な理解」と英語の特徴やきまりに関する事項。活動の例は「指導計画の作成と内容の取扱い」へ。 資料編(3)P16(外⑯)資料編(3)P44(外㊹)
思考力、判断力、表現力等の示し方5つの領域別の目標と、それを大まかにまとめた「内容」の思・判・表。重なりがあり、深まりが見えにくい。「総合的な発揮」をCEFRの分類(Reception・Production・Interaction)を参考に【理解する】【表現する】【伝え合う】に分け、領域ごとの内容は学年段階の目安つきで示す。 P280資料編(3)P8(外⑧)
AIの扱い学習指導要領にAI活用の位置付けがない。デジタル学習基盤の活用を明記し、その一つとして発達の段階に応じたAIの適切な活用を書く。人間同士のコミュニケーションを充実させるという原則を明確に。 P277P278P282
評価規準の作り方各学校が①内容のまとまりごとの評価規準、②単元の目標、③単元の評価規準を作る。外国語は領域別目標が3つの柱で整理されておらず、作業が煩雑。内容のまとまりごとの評価規準例は国が示し、学校の作成は不要。外国語の「内容のまとまり」は5つの領域とする方向。単元の目標がそのまま評価規準になるようにし、「内容」を基に作る。 P285資料編(3)P38(外㊳)資料編(3)P39(外㊴)
小学校外国語の思・判・表の目標音声で十分に慣れ親しんだ語彙や基本的な表現を「推測しながら読んだり、語順を意識しながら書いたり」して伝え合う基礎的な力。「推測しながら」「語順を意識しながら」は「内容の取扱い」で示し、目標は「読んだり書いたりして、伝え合うことができる基礎的な力」と短くする。 資料編(3)P3(外③)
教材に関する留意事項(文化)多様な考え方への理解、我が国の文化や英語の背景にある文化、国際理解の観点。これらに「多様性の包摂」「多文化共生に対する理解」を加え、話題・活動にも明示する。 P282資料編(3)P25(外㉕)資料編(3)P26(外㉖)資料編(3)P27(外㉗)

目標の新旧(現状→改善イメージ)

資料編の外①(柱書)、外②(知識及び技能)、外③(思考力、判断力、表現力等)、外⑥(学びに向かう力、人間性等)の「現状」と「改善イメージ」の対照表を要約した。いずれも外国語の目標で、「告示や解説を示すにあたり引き続き検討」と注記されている。英語の目標・高校の科目目標のイメージは外㊶~㊽にある。

校種・観点現行次期(改善イメージ)
小学校外国語活動
柱書
見方・考え方を働かせ、聞くこと、話すことの言語活動を通して、コミュニケーションを図る素地となる資質・能力を育成。コミュニケーションを図る素地となる資質・能力を、コミュニケーション活動及びそれを支える活動などを通して育成。 資料編(3)P1(外①)
小学校外国語
柱書
聞く・読む・話す・書くことの言語活動を通して、コミュニケーションを図る基礎となる資質・能力を育成。コミュニケーションを図る基礎となる資質・能力を、コミュニケーション活動及びそれを支える活動などを通して育成。 資料編(3)P1(外①)
小学校外国語活動
知識及び技能
言語や文化を体験的に理解し、日本語と外国語の音声の違い等に気付き、音声や基本的な表現に慣れ親しむ。言語や文化を体験的に理解し、音声や基本的な表現に慣れ親しむ(音声の違いへの気付きは「内容」で)。 資料編(3)P2(外②)
小学校外国語
知識及び技能
音声や文字、語彙、表現、文構造、言語の働きなどについて日本語との違いに気付き理解し、読む・書くことに慣れ親しみ、基礎的な技能を身に付ける。外国語の特徴やきまりを理解し、読むこと・書くことに慣れ親しみ、実際のコミュニケーションで活用できる基礎的な技能を身に付ける。 資料編(3)P2(外②)
小学校外国語活動
思考力、判断力、表現力等
身近で簡単な事柄について、聞いたり話したりして考えや気持ちを伝え合う力の素地。ごく身近な事柄について、聞いたり話したりして考えや気持ちを伝え合う力の素地。 資料編(3)P3(外③)
小学校外国語
思考力、判断力、表現力等
目的・場面・状況に応じ、身近で簡単な事柄について聞いたり話したり、推測しながら読んだり語順を意識しながら書いたりして伝え合う基礎的な力。目的・場面・状況に応じ、身近な事柄について聞いたり話したり、音声で十分に慣れ親しんだ語彙や表現を読んだり書いたりして伝え合う基礎的な力。 資料編(3)P3(外③)
小学校外国語活動
学びに向かう力、人間性等
言語やその背景にある文化への理解を深め、相手に配慮しながら主体的にコミュニケーションを図ろうとする態度。コミュニケーションなどに興味・関心を持ち、粘り強く自分の考えや気持ちを伝え、相手を理解しようとする態度。 資料編(3)P6(外⑥)
小学校外国語
学びに向かう力、人間性等
外国語の背景にある文化への理解を深め、他者に配慮しながら主体的にコミュニケーションを図ろうとする態度。興味・関心を持ち、対話・協働で考えを広げ深め、自らの学習を調整して、他者との相互理解を図ろうとする態度。 資料編(3)P6(外⑥)

語彙(単語の数)はどうなる?

現行の語数の目安

  • 小:600~700語程度(3・4年の外国語活動で扱った語を含む)
  • 小中高合計:4,000~5,000語(リストなし)

次期:国が「基盤語彙リスト」を作る方向

国が複数のコーパスを参照するなどして「基盤語彙リスト」を作り、教科書会社にリストの語を教科書で使うよう推奨する。語の難しさ(CEFRレベル等)や使用頻度にもとづく重要度(カタカナ語との対応なども含む)を考えて優先順位を付け、小・中・高への振り分けを検討する。その際、他のアジア諸国の状況も参考にする。指導すべき語彙数は、精選も含めて見直す(改善イメージでは合計「●語程度」とされ、数はまだ決まっていない)。ねらいは、教科書の語彙の難しさと選び方をならし、負担を適正にして、使用頻度の高い重要な語彙を様々な場面で繰り返し扱って身に付けさせること。高校は生徒の実態がさまざまなので教科書の多様性を守り、小中も難しくなりすぎないようにしながら多様な話題を扱えるよう配慮する。リストは必要に応じて更新できるよう継続的に調査研究する。入試や調査の作問に役立つよう、各教科書の新出語彙リストは電子データで提供されるべきとされた。

CEFRレベルの目安

小:~A1程度(改訂前の議論で想定されていた各校種のCEFRレベル) P283

評価はどう変わる?

評価規準例は国が示し、学校での作成は不要にする方向

現行は各学校が①内容のまとまりごとの評価規準、②単元の目標、③単元の評価規準を作っている。審議まとめでは「内容のまとまりごとの評価規準例」を国が示し、学校の作成は不要にする方向が示された。 P285

外国語の「内容のまとまり」は5つの領域

外国語の特質から引き続き5つの領域(聞く・読む・話す[やり取り]・話す[発表]・書く)で評価することが重要とされ、国の評価規準例の「内容のまとまり」は「内容」に示す5つの領域とする方向で検討する。 P285資料編(3)P39(外㊴)

単元の目標=評価規準

学校が作る単元の目標はそのまま評価規準となるようにする。作るときは外国語の目標・英語の目標(高校は科目目標)を踏まえつつ「内容」を基にする。 P285資料編(3)P38(外㊳)

評価が煩雑だった理由が解消される

現行は領域別の目標が3つの柱で整理されておらず、「内容」も領域別でないため評価の手順が煩雑だったが、今回の構造化で改善されると考えられている。多くの教科と同じように「内容」から評価規準を作れるようになる。 P280P285

「統合的な理解」「総合的な発揮」は当面直接評価しない

当面は「統合的な理解」「総合的な発揮」の育成状況そのものを一律に直接評価することは求めず、単元構想を含む指導・評価の計画の質を支える役割とする。 資料編(3)P40(外㊵)

知・技と思・判・表を同じテストで評価できる

知・技と思・判・表を同じパフォーマンステストなどで評価することも引き続き可能(具体は評価参考資料の作成時に検討)。単元例でも同一のパフォーマンステストで評価する例が示されている。 資料編(3)P13(外⑬)資料編(3)P40(外㊵)

総括は頻度を抑え、形成的評価を充実

学習成果の観点別評価・評定への総括は、学年末に絞るなど頻度を抑え、学習途中で差分を見取ってフィードバックする形成的評価を充実する(全教科共通の再整理案)。 資料編(3)P38(外㊳)

学びに向かう力は「見取る姿」で長い期間に

学びに向かう力の「見取る姿」は単元ごとではなく、学年・学期などの長い期間を通じて見取る。「見取る姿」や運用方法は小中について令和10年度末までに周知するとされている。 資料編(3)P13(外⑬)P65

MEXCBTとAIパフォーマンステスト

各学校の定期テストやパフォーマンステストに使えるよう、MEXCBTにCEFRを参照した問題を充実させ、AIを使ったパフォーマンステストツールの可能性を検討する。 P285

全国学力・学習状況調査の作問

今後の全国学力・学習状況調査は、CEFRレベルを勘案しつつ、個別の資質・能力に基づいて作問する。 P283

デジタル学習指導要領で評価規準例を一括確認

資料編の単元づくりのイメージでは、デジタル学習指導要領で解説の記述や評価規準例、小学校を含む前後の学習内容も確認できる姿が描かれている。 資料編(3)P12(外⑫)

国が用意するもの(支援)

学習方略の動画・資料

第二言語習得・認知心理学・学習科学の知見を踏まえ、教師の指導や学習者の参考になる動画・資料を国が提供する。学校の負担軽減に留意し、教師の指導や自治体の研修でも使えるように作る。 P281

AI活用の留意点・動画・資料

適切でない使い方も含めた留意点、動画・資料を国が具体的に示し、技術の発展に応じて更新する。外国語でのAI活用の考え方や実践事例も示す。 P282P88

クラスルームイングリッシュ等の表現集・動画

生徒の理解に応じた英語で指導する際に使える表現集(クラスルームイングリッシュ等)や動画を提供する。 P284

全国の教師向け大規模オンライン研修

改訂で重視する点を伝え、英語力・指導力の向上と継続的な授業改善を図るため、文部科学省が大規模なオンライン研修を行う。 P285

研修にそのまま使える動画・資料

国が作る動画・資料は自治体の教員研修でそのまま使えるようにし、教職課程でも使われることを念頭に作る。小学校向けは学級担任と専科教員それぞれのニーズに配慮する。 P285

ALT等との連携の動画・資料

ALT等との効果的な連携のあり方について参考となる動画や資料を提供する。 P285

英語資格・検定試験の特別受験制度の周知

検定団体が教師や教職課程の学生向けに受験料を減額するなどの特別受験制度について、学生の活用が進むよう一層周知する。 P285

教員養成のコアカリキュラム改善

教員免許制度の見直しを踏まえた外国語(英語)コアカリキュラムの改善で、科学的知見や学習方略の指導方法を学べるようにする。 P285

MEXCBTの問題充実

定期テストやパフォーマンステストに使えるよう、MEXCBTにCEFRを参照した問題を充実させる。 P285

国の評価規準例

「内容のまとまりごとの評価規準例」を国が評価の参考資料で示す。 P285

基盤語彙リストと新出語彙リストの電子データ

国が基盤語彙リストを作る。各教科書の新出語彙リストは入試や調査の作問に役立つよう電子データで提供されるべきとされた。 P283資料編(3)P29(外㉙)

Let's Try!の見直し

国が作成・配布している外国語活動教材Let's Try!を、身近で楽しい内容、5・6年につながる段階的な活動に見直す。 資料編(3)P17(外⑰)

教育課程特例校の実践事例の提供

教育課程特例校1,915校(令和7年4月時点)のうち1,483校が外国語に関する内容。制度が調整授業時数制度に統合されることを踏まえ、参照できる実践事例を教育委員会等に積極的に提供する。 P284P36

多様な外国語の学びの支援

各校の開設状況の公表と共有、教師の指導力向上・学習者同士の交流・オンライン講座の開設などの可能性の検討、大学が公表している教材などの資料の収集・公表を行う。 P282

外国語を使う機会の充実

英語キャンプ、英語での探究、海外校との交流、海外留学、ALT等の配置拡充など、先行事例の成果を共有し各地方の取組を推進する。 P285資料編(3)P15(外⑮)

デジタル学習指導要領

資料編のイメージでは、デジタル学習指導要領で解説や評価規準例、他教科や小学校を含む前後の学習内容を確認できる。 資料編(3)P12(外⑫)

生成AI・ICTとの付き合い方13項目

AI活用を学習指導要領に明記

オンラインでの人との交流などを含むデジタル学習基盤の活用を外国語の学習指導要領等に明記し、その一つとして発達の段階に応じたAIの適切な活用も書く。指導の参考となる考え方や実践事例も具体的に示す。 P278P282P88

原則:目標は人間同士のコミュニケーション

最終目標は外国語による人間同士のコミュニケーションを図る資質・能力で、AIを使った会話練習などはそのための手段。児童生徒の学びを深め、人間同士のコミュニケーションの充実につなげるという原則をはっきりさせる。 P282

AIの出力を鵜呑みにさせない

自分の興味・関心に応じた例文をAIで作るなどは有効と考えられる。ただし、児童生徒がAIの生成物を鵜呑みにせず、出力を吟味しながら自分の学習に生かせるよう教師が支援することが重要。 P282

家庭学習の出し方に注意

単純な英作文など、単にAI翻訳を提出すれば済むような家庭学習の課題を出さないなどの注意が必要とされた。 P282

国が留意点・動画・資料を示し更新する

諸外国の例も参考に、授業内外でのAIの効果的な使い方について、適切でない使い方を含む留意点や動画・資料を国が具体的に示し、技術の発展に合わせて更新する。 P282

話す量を増やす道具として

AIの活用で、恥ずかしがらずに話すことなどの練習量を大幅に増やす。家庭学習と連携して発話時間を確保する。 資料編(3)P15(外⑮)

言いたいことを英語にする活動

AIで自分が言いたいこと(母語)を英語にする活動を強化することが、英語で伝えたい内容を整理・発信する活動の充実策の一つとして挙げられている。 資料編(3)P15(外⑮)

交流の機会をつくる

児童生徒が英語で伝えたいことのイメージを持てるよう、AIや学校内外での交流機会を使いながら、自分が伝えたいことを伝える活動を強める。 P281

母語使用の考え方にAIも含めて示す

教師の補助的な日本語使用や、発達の段階に応じたAIの活用も含めた児童生徒の母語使用について、参考となる考え方を解説で示す。 P284

発信科目のフィードバックにAI

英コミュ(発信)(仮称)では、個別のフィードバックが物理的に難しいという課題に対し、AIを含むデジタル学習基盤の活用も含めたフィードバックの工夫を解説等で示す。 資料編(3)P23(外㉓)

AIを使ったパフォーマンステストの検討

AIを活用したパフォーマンステストツールの可能性を検討すべきとされた。 P285

AI時代でも相応の英語力は必要

AIで手軽に翻訳・通訳できる中でも、出力の正確さ・適切さを批判的に検討したり、ツールも使いながらリアルなコミュニケーションをしたりするには相応の英語力が必要という視点、AIを効果的に使う力が必要という視点が示されている。 資料編(3)P14(外⑭)

AI時代の教師の役割

授業デザイン、児童生徒の学ぶ意欲の向上、自律的な学習者を育てる学び方の指導などがより重要になる。人間同士のリアルなコミュニケーションが大切になることも踏まえる。 P285

今からできる準備チェックリスト17項目

  • 今すぐ自分の単元を、「コミュニケーション活動」(目的・場面・状況に応じて理解・表現・伝え合う)と「それを支える活動」(語彙や文法を理解し使う)に分けて見直し、両者を行き来する流れになっているか確かめる。 P284資料編(3)P31(外㉛)資料編(3)P34(外㉞)
  • 今すぐ単元の初めに「コミュニケーションを行う目的・場面・状況」を具体的に設定して生徒と共有する(例:日本に来たことがない海外の生徒に、住んでいる町の食べ物を紹介する)。 資料編(3)P12(外⑫)資料編(3)P13(外⑬)資料編(3)P31(外㉛)
  • 今すぐ同じ表現でも場面によって意図が変わることを意識させる(例:Can you ~? が質問にも依頼にも誘いにもなる)。似た意味の既習表現を整理して使えるようにする。 資料編(3)P37(外㊲)
  • 今すぐ導入したばかりの語彙や文法をすぐ話せる・書けることを求めず、聞く・読むで理解する段階から話す・書く段階へ進める計画にする。 資料編(3)P34(外㉞)資料編(3)P35(外㉟)資料編(3)P36(外㊱)
  • 今すぐ自分のこと・地域のこと・日本のこと・自分の意見を伝える活動を単元に入れる(例:地域のおすすめの場所を留学生に紹介、校則について意見を発表)。 P281資料編(3)P25(外㉕)
  • 今すぐ家庭学習の課題を見直し、単純な英作文などAI翻訳を出せば済むような課題になっていないか確かめる。 P282
  • 今すぐ授業でAIを使う場合は、例文の生成などに使っても出力を鵜呑みにさせず吟味させ、最後は人間同士のやり取りにつなげる設計にする。使う前に、学校・教育委員会が認めた環境かどうか、利用規約・年齢制限・必要な保護者の同意を確かめ、氏名や写真などの個人情報は入力させない。 P282
  • 今すぐ英語の学び方(学習方略)を授業で指導し、生徒が家庭学習でも自分で学習を調整できるようにする。高3の6割が学習方法が分からないという調査結果がある。 P281資料編(3)P15(外⑮)
  • 今すぐ外国語科で日本語と英語の語順の違いに気付かせる場面をつくり、中学校の文法指導につなげる。文を書き写すときは語と語の区切りに注意させる。 P281資料編(3)P19(外⑲)資料編(3)P43(外㊸)
  • 今すぐ「書くこと」は、文字を丁寧に書く→語句を書き写す→語句を選んで書き写す→例を参考に書く、と段階を踏んで指導する。一文の書き写しで学校間に大きな差があるという課題がある。 P277資料編(3)P17(外⑰)資料編(3)P21(外㉑)
  • 今すぐ外国語活動でも文字に慣れ親しむ活動を取り入れ、国語のローマ字学習などと関連付けて、5年からの読む・書くへ円滑につなぐ。 P281資料編(3)P17(外⑰)
  • 全面実施まで評価は5つの領域を「内容のまとまり」とし、単元の目標をそのまま評価規準にする形に移る方向なので、国の評価規準例が出たら単元計画の作り方を合わせる。 P285資料編(3)P38(外㊳)資料編(3)P39(外㊴)
  • 今すぐパフォーマンステストで知・技と思・判・表を同じ課題で見取る形を試す(引き続き可能とされている)。 資料編(3)P13(外⑬)資料編(3)P40(外㊵)
  • 今すぐALTやオンラインでの海外校との交流など、人間同士のリアルなコミュニケーションの機会を単元に組み込む。 P285資料編(3)P13(外⑬)資料編(3)P15(外⑮)
  • 今すぐ帰国生徒や外国につながる児童生徒の外国語の力を、授業で生かせるよう配慮する。 P282
  • 全面実施まで国が行う大規模オンライン研修や、動画・資料、表現集が出たら活用する。 P284P285
  • 全面実施まで学年ごとの目標は一律の作成義務をなくす方向なので、告示の内容を確かめたうえで、校種間の接続など必要がある場合に任意で作るかどうかを校内で決める。 P280資料編(3)P19(外⑲)

次期を先取りする授業アイデア10本

小5・615分

日本語と英語、どこが入れかわる?語順パズル

カードを並べかえるだけで、英語の語順のきまりに子供が自分で気付きます。

手順・ワークシート

ねらい

聞いて言えるようになった英文について、日本語と語の並び方が違うことに気付き、語と語の区切りに気を付けて自分の文を書き写すことができる。

流れ

  1. 3分先生が自分の好きなことを3文ほど話し、子供は聞いてまねして言います。単元の中で十分に聞いたり言ったりしてきた文を使います。
  2. 4分日本語カード「わたしは/サッカーが/好きです」を黒板に貼り、その下に英語カードをばらばらに貼ります。ペアで、さっき言った英語の順に並べかえます。並べる前に必ず声に出して言ってから動かすようにします。
  3. 3分日本語と英語の同じ意味のカードを線で結び、「どこが入れかわった?」と問いかけます。「『好き』が前に来ている」「英語は『だれが・どうする』が先」などの気付きを、子供の言葉のまま板書します。
  4. 3分自分の好きなこと(I like 〜. / I play 〜.)を言ってから、ワークシートの4線に書き写します。単語と単語の間に「指1本分」をあけることを、先生が書いて見せて確かめます。
  5. 2分書いた文をとなりの人に読んで伝え、相手の文を見て語の区切りを確かめ合います。最後に「今日気付いたこと」を一言ずつ書きます。

評価

【知識・技能】日本語と英語の語順の違いに気付き、語と語の区切りに注意して書き写している姿を、ワークシートの記述と書いた文で見取ります。【主体的に学習に取り組む態度】気付きを自分の言葉で表そうとしている姿を、単元を通して見取ります(この時間だけで評定に用いません)。

小5(外国語活動から外国語科へのつなぎ)10分

最初の音はどの文字?サウンド・ハンター

単語の最初の音を聞き取り、文字と結び付ける10分間の帯活動です。

手順・ワークシート

ねらい

慣れ親しんだ語の最初の音を聞いて、その音に当たる文字を選ぶことができる。

流れ

  1. 2分先生が絵カードを見せて語を言い、子供は繰り返します。絵と音が結び付いているかを確かめます。
  2. 3分先生が語の最初の音だけを強調して言い(/b/, /b/, bag)、子供は手元の文字カードからその文字を選んで高く挙げます。答えは先生が文字カードを見せて確かめます。
  3. 3分ローマ字表と比べ、「ローマ字の『か』は ka。英語の cat も同じような最初の音を c で表している(kite のように k で表す語もある)」など、似ている点と違う点を探します。ローマ字と英語では文字の使い方が同じではないことも確かめ、子供の発見を短く共有します。
  4. 2分慣れてきたら、先生の代わりに子供が絵カードを1枚引いて語を言い、ほかの子供が文字を選びます。最後に、今日いちばん分かりやすかった音を一つみんなで言って終わります。

評価

【知識・技能】最初の音を聞いて文字を選べているかを、カードを挙げる様子で全体的に確かめます。迷っている子供には口の形を見せて個別に支援します(記録に残す評価は、慣れ親しんだ単元の後半に行います)。

小61単位時間(45分)

ようこそ、わたしの町へ!おすすめスポット紹介

自分の町のおすすめを、ALTや海外の友達に伝えたくなる単元のゴール活動です。

手順・ワークシート

ねらい

相手に行ってみたいと思ってもらえるよう、地域のおすすめの場所とそこでできることを、既習の表現を選んで話して伝えることができる。

流れ

  1. 5分先生が自分の好きな地域の場所を、写真を見せながら紹介します。子供は「場所」「できること」「先生の気持ち」を聞き取ります。
  2. 8分単元のゴール(例:来月来る新しいALTや交流校の友達に、町のおすすめを伝える)を共有します。「相手が知らないことは何かな」と考えさせ、伝えたい場所と内容を、日本語も交えてメモします。
  3. 10分コミュニケーション活動を支える活動として、We have 〜. / You can 〜. / It's 〜. を使ってペアで言い合います。言いたいのに言えなかった語を出し合い、先生が全体で取り上げて言い方を確かめます(例:「お祭り」→ a summer festival)。
  4. 10分相手を替えて3回紹介し合います。聞き手は Sounds fun! / I want to go there. などで反応し、質問を一つします。回を重ねるごとに、伝える順番や付け足す内容を工夫させます。
  5. 8分紹介メモを見ながら、例を参考に紹介文を2〜3文書きます。写真と合わせて、ALTに渡すミニポスターにします。
  6. 4分「相手に伝わったと感じた瞬間」と「次に言えるようになりたいこと」を振り返りに書きます。

評価

【思考・判断・表現】相手に行ってみたいと思ってもらえるよう、伝える内容や順番を選んで話している姿を、3回目のやり取りの様子で見取ります。【知識・技能】We have 〜. / You can 〜. を使って、場所とそこでできることを伝えているかを見取ります。【主体的に学習に取り組む態度】相手の反応を見て付け足したり言い直したりしようとする姿を、単元を通して見取ります。

小3・415分

ことばだけじゃない!ジェスチャー探偵

表情や身振りで「伝わる」体験から、相手を意識したやり取りへつなげます。

手順・ワークシート

ねらい

気持ちを表す簡単な表現を表情や身振りを交えて伝えたり、相手の表情や身振りから気持ちを受け止めたりしようとする。

流れ

  1. 3分先生が声を出さずに表情と身振りだけで気持ちを表し、子供が当てます。当たったら英語で言い、子供が繰り返します。
  2. 4分先生が無表情で平らな声の I'm happy. と、笑顔で弾んだ声の I'm happy! を言い比べます。「どっちが伝わる?」と問い、ことばと一緒に表情や声も大事なことに気付かせます。
  3. 5分ペアで How are you? / I'm 〜. のやり取りを、表情と身振りを付けて行います。聞き手は相手の顔を見て、Oh, you're hungry! などと反応します。相手を替えて繰り返します。
  4. 3分手招きのイラストを見せ、国や地域によって「こっちへ来て」ではなく別の意味に見えることがあると紹介します。「わたしたちの身振りも、ほかの国の人には違う意味に見えるかもしれないね」と、自分たちにも返して考えさせます。

評価

【主体的に学習に取り組む態度】相手を見て、表情や身振りを交えて気持ちを伝えようとしている姿や、相手の気持ちを受け止めて反応しようとしている姿を、やり取りの様子で見取ります。外国語活動では、見取った姿を文章で記述します。

小51単位時間(45分)

新しいALTに届けよう!ウェルカムカード

「選んで書き写す」書くことの段階を、相手意識のあるカードづくりで踏みます。

手順・ワークシート

ねらい

自分のことを伝えるために、音声で十分に慣れ親しんだ語句を選び、語と語の区切りや符号に気を付けて書き写すことができる。

流れ

  1. 5分先生が自分の書いたカードを読み上げ、子供は聞きながら目で文字を追います。読み終えたら、カードに書いてある内容を日本語で確かめます。
  2. 10分語句リストの語を先生と一緒に何度か言い、言えるようになった語の中から自分のことを表す語を選びます。ペアで I like 〜. / I can 〜. を言い合い、選んだ語で伝わるか確かめます。
  3. 15分例のカードを見ながら、選んだ語を入れて書き写します。書き始める前に、文の初めは大文字、最後にピリオド、語と語の間をあけることを、先生が実際に書いて見せます。
  4. 8分ペアでカードを交換し、相手のカードを声に出して読みます。読みにくかったところがあれば、優しく伝え合って直します。
  5. 7分仕上げたカードをALTに渡し、一人一文ずつ読んで伝えます。ALTからの返事やコメントを聞き、振り返りを書きます。

評価

【知識・技能】大文字・小文字の区別、語と語の区切り、ピリオドに気を付けて書き写しているかを、カードで見取ります。【思考・判断・表現】自分のことを伝えるために、語句リストから自分に合う語を選んで書いているかを見取ります。

小5・61単位時間(45分)

給食やそうじ当番は世界でも「ふつう」?

当たり前の学校生活を外の目で見直し、日本のことを英語で伝えます。

手順・ワークシート

ねらい

ALTの話や写真から自分たちの学校生活との違いや共通点を聞き取り、日本の学校生活について簡単な表現で伝えることができる。

流れ

  1. 8分ALT(またはALTの話を録画したもの)が、自分が通っていた学校の一日を写真を見せながら紹介します。子供は聞いて、日本と「同じ」か「違う」かを札で示します。
  2. 7分聞き取ったことを班で整理し、「日本では当たり前なのに、ALTの学校では違ったこと」を日本語で出し合います。先生は「どうして日本ではそうしているのかな」と問い、理由も考えさせます。
  3. 10分コミュニケーション活動を支える活動として、In Japan, we 〜. / We 〜 every day. を使って、日本の学校生活を表す言い方を確かめます。clean our classroom, eat lunch in our classroom, wear indoor shoes などを、写真を見ながら言えるようにします。
  4. 12分ペアや班で、ALTに伝えたい日本の学校生活を一つ選び、写真を見せながら伝えます。ALTは Really? Why? などと質問し、子供は分かる範囲で答えます。英語で言えない部分は、身振りや知っている語を交えて伝えてよいことにします。
  5. 8分「ほかの国の学校と比べて初めて気付いた日本のこと」を振り返りに書き、何人かが発表します。

評価

【思考・判断・表現】ALTの話から日本との違いや共通点を聞き取り、伝えたいことを選んで話しているかを見取ります。【主体的に学習に取り組む態度】ALTの質問に、身振りや既習の語を使って粘り強く答えようとする姿を見取ります。

小615分(帯活動)

2回目はもっと伝わる!リトライ・トーク

話す→言えなかったことを全体で解決→もう一度話す。往還を15分で回します。

手順・ワークシート

ねらい

1回目のやり取りで言えなかったことに気付き、全体で確かめた表現を使って、2回目にはより詳しく伝え合うことができる。

流れ

  1. 2分先生がALTや子供の一人と、今日の話題で短いやり取りをして見せます。
  2. 3分ペアで1回目のやり取りを1分ずつ行います。言いたかったのに英語で言えなかったことは、日本語のまま付箋に書いておきます。
  3. 5分付箋を集め、多くの子供が困っていたことを全体で取り上げます。「すでに知っている英語で言い換えるには?」と問い、子供から出た言い方を優先して板書します(例:「バーベキューをした」→ I ate meat with my family by the river.)。
  4. 3分相手を替えて2回目のやり取りをします。板書した表現や言い換えを一つ使ってみることを目標にします。
  5. 2分「1回目と2回目で何が変わったか」を一言で振り返り、ノートに書きます。

評価

【思考・判断・表現】2回目のやり取りで、共有した表現や言い換えを使って伝えようとしているかを観察で見取ります。【主体的に学習に取り組む態度】言えなかったことを書き留め、次に生かそうとしている姿を、付箋と振り返りで単元を通して見取ります。

小620分

AIの英文、ほんとかな?日本紹介を確かめよう

先生が用意したAIの英文を、みんなで「本当?」と確かめてから自分の言葉で伝えます。

手順・ワークシート

ねらい

日本について書かれた短い英文を読み、自分の知識や生活と比べて内容が正しいかを考え、より正確な文に直して伝えることができる。

流れ

  1. 3分先生が「この英文は、生成AIに『日本を紹介する英文を作って』と頼んで出てきた英文をもとに、先生が練習用に作ったものです。正しくない文や言い過ぎの文も入れてあります」と正直に伝え、一文ずつ一緒に読みます。写真や絵を添えて意味を確かめます。
  2. 5分一文ごとに、〇(正しい)・×(違う)・?(わからない)のカードを挙げます。「毎日すしを食べる?」「日曜日も学校がある?」など、自分の生活と比べて、理由を日本語で話し合います。
  3. 5分×だと思った文を、知っている英語で直します(例:We eat sushi on special days. / Some people eat sushi every week.)。先生は子供の案を板書し、一緒に言えるようにします。
  4. 5分自分が本当に伝えたい日本のことを一つ選び、We have 〜 in Japan. / I like 〜 in Japan. などでペアに伝えます。聞き手は That's nice! / Me, too. などで反応します。
  5. 2分「AIが作った英文を読むときに気を付けたいこと」を全体でまとめ、振り返りに書きます。

評価

【思考・判断・表現】英文の内容を自分の知識や生活と比べて判断し、伝えたいことを選んで話しているかを見取ります。【主体的に学習に取り組む態度】「本当かな」と立ち止まって考えようとする姿を、話し合いや振り返りで見取ります。

小4(外国語活動)1単位時間(45分)生成AIの使い方つき

先生とAIでつくった「好きなものチャンツ」を、わたしの言葉に

先生が生成AIで下書きしたクラスのチャンツを声に出し、自分の好きなものに替えて伝え合います。

手順・ワークシート

ねらい

好きなものを尋ねたり答えたりする表現に慣れ親しみ、友達の好きなものを聞いて、自分たちのチャンツをつくって伝え合うことができる。

流れ

  1. 5分【AIを使わない】あいさつのあと、先生が絵カードを見せながら自分の好きなものを話し、何人かに尋ねます。
  2. 5分【先生がAIで作った教材】「このチャンツは、みんなのアンケートで人気だったものを生成AIに伝えて作ってもらい、先生が言いやすく直したものです」と伝え、手拍子に合わせて聞かせます。
  3. 8分【AIの出力を比べる】AIが最初に出した行(I absolutely adore crunchy, juicy apples!)と、先生が直した行(I like apples.)を両方言ってみて、「どっちが言いやすい?」「どっちが伝わりやすい?」を話し合います。「AIの案はそのまま使わず、言いやすく直して使った」ことを確かめ、直したチャンツをみんなで言います。
  4. 10分【AIを使わない】ペアや近くの友達と What do you like? / I like 〜. で好きなものを聞き合い、相手の好きなものを絵や記号でメモします。聞き手は Me, too! / Nice! などで反応します。
  5. 12分【AIを使わない】4人グループで、聞き合った好きなものを入れて、チャンツの一部を自分たちの言葉に替えます(例:Ramen, ramen, hot and yummy. I like ramen.)。手拍子に合わせて練習し、クラスに発表します。
  6. 5分振り返りカードに、友達の好きなもので新しく知ったことと、「AIが作ったものを使うときに気を付けること」を書きます(日本語でよい)。

評価

【主体的に学習に取り組む態度】(外国語活動では文章で記述)友達に好きなものを尋ね、相手の答えに反応しながら聞こうとしている姿を観察で見取ります。【思考・判断・表現】グループで、友達の好きなものを選んでチャンツの言葉を替え、伝えようとしているかを発表で見取ります。

小61単位時間(45分)生成AIの使い方つき

言いたいことボックス:日本語で集めて、やさしい英語で伝えよう

「中学校でがんばりたいこと」を日本語で書き出し、先生とAIで英語の言い方を探して、自分が言える英語で伝えます。

手順・ワークシート

ねらい

中学校でがんばりたいことについて、知っている語句や表現を使って短く言い換え、相手に伝えたり、質問に答えたりすることができる。

流れ

  1. 5分【AIを使わない】先生が中学生のころの思い出と、今がんばりたいことを英語で話します。
  2. 8分【AIを使わない】「中学校でがんばりたいこと」を、日本語で、本当に言いたい形のまま言いたいことカードに書きます。班で見せ合い、英語で言えそうな部分に〇、言えない部分に線を引きます。
  3. 10分【先生がAIを使う】線を引いた部分のあるカードのうち、本人が使ってよいと同意したもの、または先生が複数のカードをもとにつくった架空の例を3〜4枚(名前なしで)選びます。先生は手元の画面で生成AIに「小学6年生が言える、短くやさしい英語で3通り」と頼み、安全性・意味・英語の正確さを確かめてから、その3つを大型画面に映します。3つの英語を一緒に読み、「知っている言葉で言える」「長すぎる」を手を挙げて判定します。
  4. 3分AIの案の中にも、長すぎたり、言いたいことと少しずれたりするものがあることを確かめ、「言い換えのコツ」をまとめます。
  5. 11分【AIを使わない】自分のカードを、コツを使って英語1〜3文にし(1文でも達成)、ペアで言い合います。表現集(I want to 〜. / I want to be 〜. / I want to join 〜. / I want to study 〜.)と基本語彙リストから選んでよく、難しい内容は言いたいことを一つにしぼって言い換えます。言えないところは友達と相談し、先生は机間指導で個別の相談に乗ります。
  6. 6分【AIを使わない】ALTや別の班の友達に伝えます。聞き手は Why? / What club? などと質問し、話し手は短く答えます。
  7. 2分振り返りに「言い換えのコツで使えたもの」を書きます。

評価

【思考・判断・表現】伝えたい内容を、知っている語句や表現を使って短く言い換えて伝えているかを、ペアやALTとのやり取りで見取ります。【主体的に学習に取り組む態度】言えないところで止まらず、言い換えを工夫して伝えようとしている姿を見取ります。

指導案(試案)2本

小学校第3学年外国語活動全4時間(本時は第3時)

アルファベットたんていになろう ~頭文字カードで自分を紹介しよう~

中教審の審議まとめ(2026年10月5日)で示された「外国語活動においても文字に慣れ親しむ活動を大切にする」という方向性を先取りした試案である。次期学習指導要領はまだ告示前であり、本案は審議まとめと資料編のイメージをふまえて作成した一つの例で、確定した内容ではない。音声で十分に慣れ親しんだ後に、身の…

指導案の全文

本時のねらい

自分の名前の頭文字を集めるために、文字の名称を聞いてどの文字かを判断し、'Do you have ~?' を使って友達と尋ねたり答えたりしながら伝え合う。

本時の流れ

  1. 3分導入 挨拶をする。教師の後に続けて、AからZまでの文字の名称を、手拍子に合わせてゆっくり言う。
  2. 5分導入 第1時に見た身の回りのアルファベット(TV、AED、P など)の写真を見て、どの文字が使われているかを答える。本時のめあてを確かめる。
  3. 8分展開 【支える活動】ポインティングゲームをする。教師が言う文字の名称を聞いて、机の上の文字カードを指さす。次に、似た音の文字(B・D・E、M・N など)を聞き分ける。
  4. 7分展開 教師とALT(または担任と児童)のやり取りを見て、'Do you have ~?' 'Yes, I do. Here you are.' 'No, I don't.' 'Thank you.' の意味を推測する。その後、教師が全体に 'Do you have the ~ card?' と尋ねて児童がカードを持って答える練習と、隣の児童とのペアでの試しのやり取りをする。
  5. 12分展開 【コミュニケーション活動】「頭文字カード集め」をする。教師が事前に全員の頭文字を調べ、必要な枚数以上を用意して一人4枚ずつ配った文字カードを持ち、友達と 'Do you have the ~ card?' で尋ね合いながら交換し(1枚もらったら、自分のカードを1枚渡す)、自分の名字と名前の頭文字の2枚をそろえる。そろったら、まだそろっていない友達を手伝う。途中で一度活動を止めて、困ったことを出し合う。
  6. 10分まとめ そろえたカードを見せながら、近くの友達と 'My letters are H and S.' と伝え合う。振り返りカードに、聞き分けられた文字と、やり取りでうまくいったことを書く。何人かが発表し、聞き分けにくかった文字(板書の端に残したもの)をもう一度全員で聞く。

PDF版:shidoan-sho34-alphabet-detective.pdf(ダウンロードコーナー)

小学校第6学年外国語全8時間(本時は第6時)

ようこそ、わたしたちの町へ ~海外の友達におすすめの場所を伝えよう~

中教審の審議まとめ(2026年10月5日)で示された「自分の住んでいる地域に関する話題や活動を明確に位置付ける」「小学校外国語科では日本語と英語の語順の違い等への気付きを促す」という方向性を先取りした試案である。次期学習指導要領はまだ告示前であり、本案は審議まとめと資料編のイメージに基づく一つの案に…

指導案の全文

本時のねらい

海外の交流校の児童に町のよさが伝わるように、おすすめの場所とそこでできることを選び、語順や語と語の区切りに気を付けて、例を参考に紹介カードに書くことができる。

本時の流れ

  1. 5分導入 挨拶をする。教師の Small Talk(自分のお気に入りの場所の紹介)を聞き、場所とできることを聞き取る。何人かの児童が自分のお気に入りの場所を答える。
  2. 3分導入 本時のめあてを確かめる。前時に考えた「交流校の友達が楽しめそうなこと」のメモを見直す。
  3. 8分展開 【支える活動】Small Talk の文 'You can see many birds.' と「たくさんの鳥を見ることができます」を比べ、語句カードを並べ替えて英語の順番を確かめる。'You can play soccer there.' などでも試し、気付いたことを発表する。
  4. 8分展開 【コミュニケーション活動】ペアで自分のおすすめを伝え合う。聞き手は 'Sounds fun!' などと反応し、'What can I see there?' などで一つ質問する。相手の反応を見て、カードに書く内容(どの場所・どんなこと)を決める。
  5. 13分展開 紹介カードを書く。①例文を指でなぞりながら教師と一緒に読む。②'We have ___ in our town.' の下線部をワードリストから選んで書き写す。③'You can ___ there.' も選んで書き写す。④最後の一文('It's beautiful.' 'Please come!' など)は、例を参考に自分で選んで書く。書き終えたら、語と語の区切りを自分で確かめる。
  6. 8分まとめ ペアでカードを交換し、声に出して読み合う。相手のカードを読んで「行ってみたい」と思ったところを伝える。振り返りシートに、語順について気付いたことと、相手に伝えるために工夫したことを書く。

PDF版:shidoan-sho56-welcome-to-our-town.pdf(ダウンロードコーナー)

現行の学習指導要領・解説(小学校)

文部科学省の公式PDFです(クリックで開けます)。

次期学習指導要領 教科別まとめ小学校No.11
小学校版
審議まとめ(2026年10月5日)を小学校の先生向けにまとめ直しました

特別の教科 道徳次期学習指導要領で、どう変わる?

1つの教材を複数時間で扱い、じっくり考え議論する道徳へ

10秒でいうと

1つの教材を翌週などにまたいで複数時間で扱う。「深める教材」は高学年8・中学年4が目安

やさしく言うと

道徳科の目標は今の書き方を保ち、「考え、議論する道徳」を授業で実際に行えるようにする方向です。今は1時間に1つの読み物教材を扱い、登場人物の気持ちを読み取るだけで終わる授業が課題とされました。そこで1つの教材を複数時間で扱い、じっくり考える授業を進めます。小学校では発達の段階に合わせ、低学年ではとくに慎重に考える方向です。

小学校はいつから?

全面実施2030年度(令和12年度)から(見込み)
移行期間2028〜2029年度
告示2026年度末の予定
教科書2030年度から新しい教科書(2028年度に検定)
無料原田英語.com 次期学習指導要領ナビ

研修・会議・授業・保護者会での印刷・コピー・配布・投影はご自由にどうぞ。ご連絡は不要です。クレジットは残してください。審議まとめ(2026年10月5日)準拠・出典ページつき。告示前の方向性で、今後変わることがあります。2026年11月4日 版

サイトで見る

道徳の3行要約(全校種)

  1. 目標・評価・内容項目の枠組みは今のまま。次は「考え、議論する道徳」をすべての学校で実際に行う段階(「実装」)と位置付けられた。
  2. 1つの教材を翌週などにまたがって2コマ以上でじっくり扱う「複数時間」と、教科書に新しく入る「深める教材」が改善の柱。中学校は13コマ分程度が目安。
  3. 特別活動・社会科などとの連携、教師が交代で学級を回る「チームで行う道徳授業」、AIや情報モラルの扱い、デジタル活用の注意点も示された。

※「深める教材」の数は教科書のイメージとしての目安で、読み物教材と合わせて35コマ分。

特別の教科 道徳のポイント4つ

1つの教材を「複数時間」で扱う

1つの教材を2コマ以上に分けて扱う授業を進める方向です。連続した2コマではなく、翌週に続けて扱うことが想定されています。2コマ目には、読み物ではない「深める教材」を使うことも考えられています。低学年では、複数時間の運用に慎重であるべきとの意見も出ています。 P309P312

授業では、たとえばたとえば高学年で、1週目に教材を読んで問いを立て、翌週にその問いを話し合いや役割演技で深めることが考えられます。

「深める教材」の目安は高学年8・中学年4

教科書の読み物教材を精選し、「深める教材」を充実させる方向です。深める教材の数の目安は、小学校高学年で8、中学年で4、低学年で0とされています。読み物教材と合わせて35コマ分です。これは国が示す教科書のイメージとしての目安です。 P312P313

授業では、たとえばたとえば中学年では、2時間扱いにする教材を学年で年に数回だけ選び、子供の様子を見ながら広げていくことが考えられます。

「深い学び」の2つの視点

道徳科の「深い学び」の手がかりとして、2つの視点を示す方向です。1つは「多面化・多角化」で、ものの見方が一つから多方面に広がることです。もう1つは「自我関与」で、自分との関わりで価値の理解が深まることです。 P308

授業では、たとえばたとえば「主人公はどうすればよかったか」に加えて、「自分ならどうするか、なぜか」を問う発問を1つ入れることが考えられます。

端末で意見を共有するときの配慮

端末で意見を見える形にしたり共有したりする活用が示される一方、配慮も求められています。共有が「言いたくないことまで言わされる」圧力にならないようにすることです。家族愛では多様な家族の形、生命の尊さでは病気などへの配慮が必要とされています。 P316

授業では、たとえばたとえば家族を扱う授業では、全体での共有はせず、自分のノートに書くだけでもよい選択肢を用意することが考えられます。

主な変更点10項目

小中1つの教材を「複数時間」でじっくり扱う授業を進める

今の道徳科は1時間に1つの読み物教材を扱うことが多く、登場人物の気持ちの読み取りで時間が終わり、考えを深めるところまで届かないという課題が指摘されています。そこで、発達の段階をふまえながら、1つの教材を複数のコマで扱い「じっくりと深く学ぶ」授業を進めるとされました。複数コマは連続2コマではなく、翌週に続けて扱うことを想定しています。同じ内容項目を深める形(パターン1)と、関連する別の内容項目も扱う形(パターン2)の両方があり得るとされています。 P301P309

小中教科書の読み物教材を減らし「深める教材」を入れる

今の教科書は各学年35コマ分の読み物教材が基本で、それが「1時間に1つの読み物教材」という授業につながっていると指摘されました。今後は読み物教材を精選し、2コマ目などで使う「深める教材」(読み物より簡素で、話し合いや体験的な学習につなげやすい教材)を教科書発行者が開発する方向です(教科書での示し方は今後検討)。深める教材の目安は中学校13、小学校高学年8、中学年4、低学年0で、読み物教材と合わせて35コマ分とされました。なお資料編(m4 P88)では、これは教科書のイメージであり、現場の実践を制限するものではないと注記されています。 P312P313

小中「問題解決的な学習」「体験的な学習」の趣旨と「葛藤」の例を分かりやすく示す

「問題解決的な学習」と「道徳的行為に関する体験的な学習」(役割演技、動作化、当事者に会う活動など)について、趣旨と具体例が示され、活動そのものが目的にならないよう注意することや、これら以外の方法も含めて多様な実践をすすめることを明確にするとされました。学習で扱う「問題」の例は、これまでの4項目から、「価値の実現をめぐる葛藤」(分かっているのに行動が難しい)と「価値の対立をめぐる葛藤」(一方を取ると他方が損なわれる)の2つに整理して解説で示すとされました。価値の対立を扱うときは、主題に関連して複数の内容項目を設定できることも解説で明確化するとされました。感情の認識や調整に関わる学びも、体験的な学習の一例として解説で示すとされました。 P310P311

小中道徳科の「深い学び」を2つの視点で示す

現行の解説をもとに、「多面化・多角化」(ものの見方が一面的から多面的・多角的に広がること)と「自我関与」(自分との関わりで道徳的価値の理解が深まること)を、道徳科の「深い学び」の2つの視点として、現場で使えるイメージを示すとされました。登場人物の心情理解や、分かりきった善悪を確認して終わる授業からの転換をねらいとしています。 P301P308

小中教師が交代で学級を回る「チームで行う道徳授業」を導入できると明確化

現行の中学校学習指導要領では道徳科の指導は「学級担任が行うことを原則」としつつ、解説で交代で回る取組も効果的としています。次期では、同じ教材で繰り返し授業をすることで経験の浅い教師も含めて指導力が上がることなどから、学校の実態に応じて教師が交代で学年・学級を回って授業する方策を導入できることを明確化するとされました。一方で、子供の成長を見取りにくい、低学年では同じ先生の方が安心して発言できる、といった留意点も示されています。負担軽減だけが目的にならないことも注意されています。 P315

各教科・特別活動・社会科と道徳科の連携をはっきりさせる

道徳科は「道徳教育の要」として、各教科等で行う道徳教育を補い、深め、まとめる役割を持ちます。各教科の「内容の取扱い」にある道徳教育の記載は維持したうえで、その趣旨を解説でより具体的に示すとされました。特に特別活動とは、道徳科で考え議論したことを学級のルールづくり(合意形成)や自分の行動選択(意思決定)に生かす関係を、参考資料で分かりやすく示すとしています。主権者教育を進める社会科・特別活動の方向性とも連携し、道徳的価値やその葛藤を扱うことを解説で示すとされました。 P302P303P304

全体計画・道徳教育推進教師・高校の「中核的な指導の場面」の見直し

総則の道徳教育の記載は現行を維持するのが基本です。そのうえで、高校の全体計画も小中と同じく「重点目標」を書くなど、小・中・高で書き方をそろえるとされました。「道徳教育推進教師」は役割の共通理解が十分でないため、国が役割や、過度な負担なく取り組める実践例の資料を提供するとされています。高校では「人間としての在り方生き方に関する中核的な指導の場面」に、公民科(公共、倫理)と特別活動に加えて総合的な探究の時間を新たに位置付けることが提案されています。ただし、総合で道徳教育のための時間を別にとる必要はないと注意されています。 P304P305P100

小中情報モラルの見直しとAIが生む道徳的な問題を扱う

AIによる大量の情報や誤情報、低年齢からの情報発信・拡散、デジタル・タトゥーや闇バイトへの関与などのリスクが増えたことを受け、情報モラルの扱いを解説で見直すとされました。「してはいけない」と分かっていることも、なぜしてしまうのかという心の弱さと関わらせて考え議論することや、炎上投稿のリポストのように単純な正誤では判断しにくい問いと向き合う機会を設けることが示されています。また「何のために、どこまでAIを使うか」などAIが生む道徳的な課題を、教材で扱えることを解説で示すとされました。 P314

小中デジタル・AI活用のイメージと、内容項目ごとの配慮

意見の可視化・共有、振り返りの蓄積、AIに異なる立場の意見を出させるなどの活用イメージと留意点を、解説等で示すとされました。AIの答えを正解として扱わず批判的に吟味すること、まず自分で考えてから補助的にAIを使うことが注意点です。また、意見の共有が「言いたくないことまで言わされる」圧力にならないよう、内容項目ごとの配慮例(家族愛では多様な家族構成、生命の尊さでは家族の病気などへの配慮等)も示すとされました。 P316P317

小中内容項目の一部の文言を見直す

4つの視点と内容項目の枠組みは維持し、個別に必要な見直しを行うとされました。中学校の[家族愛、家庭生活の充実]の「父母,祖父母を敬愛し」は、例えば「父母、祖父母等の家族」とするなど見直します。[友情、信頼]の「心から信頼できる友達をもち」は、例えば「友達と互いに信頼し合い」とするなど見直します。小学校低学年[節度、節制]の「わがままをしない」は、子供の主体性をおさえる趣旨ではないことを解説で明確にするとされました。内容は、4つの視点ごとに学年を分けた表の形で示す案です。 P306P307

現行と次期の比較(新旧対照)5項目

黄色のマーカー=次期で新しく入る・強く打ち出される言葉 取り消し線=現行から消える・言い方が変わる言葉

項目現行次期(審議まとめの方向)
授業の進め方1授業で1つの読み物教材を扱うことが多い。学習指導要領には「一つの内容項目を複数の時間で扱う指導」も例として書かれている。1つの教材を翌週にまたがるなど複数コマで扱い、2コマ目に「深める教材」や問題解決的・体験的な学習を組み合わせて「じっくりと深く学ぶ」。 P309P310
教科書の教材構成各学年の教科書に35コマ分のいわゆる「読み物教材」が載っているのが基本。読み物教材を精選し、「深める教材」と合わせて35コマ分に。深める教材の目安は中学校13、小学校高学年8、中学年4、低学年0。 P312
問題解決的な学習で扱う「問題」の例平成28年の報告で4項目(価値が実現されていない問題、理解不足や誤解の問題、分かっているのにできない葛藤、複数の価値の対立)を例示。「価値の実現をめぐる葛藤」「価値の対立をめぐる葛藤」の2項目に整理して解説で例示。価値の対立を扱う際は複数の内容項目を設定できると明確化。 P311
全体計画の書き方(高校)小中は「重点目標」を設定、高校は「指導の方針や重点」を明らかにする。高校も全体計画に「重点目標」を書くなど、小・中・高で規定に連続性を持たせる。 P304P100
目標・見方考え方・評価目標は発達段階に応じて書き分け。見方・考え方は目標と別に示さない。評価は数値でなく記述式、大くくりのまとまりで、他者と比べない個人内評価。調査書に書かず入試に使わない。いずれも現行の考え方を維持。資質・能力を観点別に分けて扱わない整理も継続。 P306P308

授業時数

道徳科の授業時数を変えるという記述はない。本文では道徳科は「35単位時間の授業が行われることが前提」とされる(P304注、P309)。ただし現行の標準授業時数は小学校1年のみ34単位時間で、小学校2年以上と中学校が35単位時間。時数全体の見直しでは、現在35コマ以下の教科等からは時数を減らさない方針(P79)で、調整授業時数制度でも35コマ以下の教科等は減らせない(P32)。ソーシャルスキル育成などは道徳や特別活動(学級活動)への調整授業時数の上乗せで対応することも考えられるとされる(P33)。

生成AI・ICTとの付き合い方4項目

AIが新しい道徳的課題を生んでいる

AIなどの発展は、偽・誤情報やフィルターバブルによる価値観への影響だけでなく、AIへの過度の依存やELSI(倫理的・法的・社会的課題)など新しい道徳的課題も生んでいます。「AI時代の自らの人生の舵取り」の点からも、道徳教育の重要性が増しているとされています。 P301

道徳科でのAIとの向き合い方

AIをめぐる問いの例として、「何のために、どこまでAIを使うべきか、そもそも何のために学ぶのか」「AIの出力や、AIで個人向けに選ばれた情報をどう受け止め判断するか」が挙がっています。発達段階をふまえ、AIの道徳的課題を教材で扱えることを解説で示し、技術の変化に合わせて見直すとされています。 P314

道徳科でのAIの活用と留意点

AIに異なる立場の意見を出させる実践があり、考えを多面的・多角的にするうえで一定の効果が期待できるとされています。ただし、AIの回答を正解として扱わず道徳的価値との関わりで批判的に吟味すること、自分で考えた後に補助的にAIを使うなど、迷いや葛藤を含めて子供自身が考える機会を確保することが留意点です。 P316P317資料編(3)P90

情報モラルの変化

10年前と比べ、AIによる大量の情報生成を含めて、正しい情報と誤情報の見分けが難しくなっていることなどが指摘されています。 P314

今からできる準備チェックリスト8項目

  • 今すぐ年間指導計画の中から、1つの教材を翌週にまたいで2時間扱う授業を、まず1つ試行する箇所を選びます(頻度は審議まとめの目安ではなく、学校の実態に合わせて決めます)。中学校や小学校高学年から始め、低学年では慎重に考えます。 P309P312
  • 今すぐ発問を見直し、登場人物の気持ちの読み取りにかける時間を減らして、「多面化・多角化」と「自我関与」を促す問いを1つ入れます。 P308P309
  • 今すぐ教科書の教材を「価値の実現をめぐる葛藤」と「価値の対立をめぐる葛藤」の2つの葛藤の見方を手掛かりに点検し(2つは相互に関連し、はっきり分けにくい教材やどちらにも当てはまらない教材もあります)、子供の発達段階や実態もふまえて、問題解決的な学習に活用できそうな教材に印をつけておきます。 P311
  • 今すぐ端末で意見を共有するときの配慮を確認します。家族愛、生命の尊さ、友情・信頼などの内容項目では、言いたくないことまで言わされる圧力にならないよう、共有しない選択肢を用意します。 P316
  • 告示まで学年で「チームで行う道徳授業」(教師が交代で学級を回る授業)を試す場合は、子供の成長の見取りを担任へ伝える方法と、低学年での扱いを先に決めておきます。負担軽減だけが目的にならないようにします。 P315
  • 告示まで特別活動の年間計画と道徳科の年間計画を並べ、道徳科で考えたことを学級のルールづくり(合意形成)や行動の選択(意思決定)に生かせる時期に印をつけます。 P303P304
  • 先行実施まで情報モラルの教材を点検し、「してはいけないと分かっているのに、なぜしてしまうのか」を考える問いや、AIの使い方をめぐる問いを扱う授業を年間計画に位置付けます。 P314
  • 全面実施まで道徳教育推進教師を中心に、複数時間の授業や「深める教材」を使った実践の記録を校内で共有し、全体計画の重点目標と結び付けて見直します。 P304P317

次期を先取りする授業アイデア1本

小学4年1単位時間(45分)

「わかっているのに、言えない」を考える

正直に言えない心の弱さに目を向け、役割演技で言い出し方を試します

手順・ワークシート

ねらい

正直でいたいと分かっていても言い出せない気持ちに目を向け、その気持ちとどう向き合えばよいかを、役割演技を通して自分との関わりで考える。

流れ

  1. 5分場面を読み、「この子は、何をすればよいか分かっていると思いますか」と問います。多くの子が「分かっている」と答えることを確かめます。
  2. 10分「分かっているのに、どうして言えないのだろう」を個人で考え、心の天気カードで気持ちの強さを示しながら出し合います(怒られるのがこわい、嫌われたくない など)。
  3. 12分役割演技。2人組で「言い出せない子」と「貸した友達」を演じ、言い出し方を2通り試します。演じた後、それぞれの役でどう感じたかを短く話します。
  4. 8分全体で、言えたときに気持ちがどう変わったか、言われた側はどう受け取ったかを共有します。教師は「正直に言うべき」とまとめず、「言い出しにくい気持ちを支えてくれるものは何だろう」と問います。
  5. 10分「自分にも似たことがあったか(書ける人だけ)」「言い出せない気持ちのときに、自分を助けてくれるものは何か」を振り返りカードに書きます。

評価

発言や振り返りカードから、言い出せない気持ちを自分にも起こりうることとして考えているか(自我関与)、言い出し方や気持ちについて友達の考えに触れて見方を広げているか(多面化・多角化)を見取ります。役割演技の上手さや、「正直に言う」と書いたかどうかでは評価しません。

現行の学習指導要領・解説(小学校)

文部科学省の公式PDFです(クリックで開けます)。

次期学習指導要領 教科別まとめ小学校No.12
小学校版
審議まとめ(2026年10月5日)を小学校の先生向けにまとめ直しました

総合的な学習の時間次期学習指導要領で、どう変わる?

小中も「総合的な探究の時間」へ。一人一人の探究を深める方向

10秒でいうと

名称が「総合的な探究の時間」に。「探究の領域」と新しい「情報の領域」の2領域で構成

やさしく言うと

小学校の「総合的な学習の時間」は、小中高でそろえて「総合的な探究の時間」という名前に変える方向です。小学校では「探究の領域」に加えて、新しく「情報の領域」を設け、2つの領域で構成する案です。情報の領域は、情報を使う力を育て、探究を支える役割です。クラス共通の「テーマ探究」と一人一人の「マイ探究」を、発達の段階に応じて組み合わせることも示されています。

小学校はいつから?

全面実施2030年度(令和12年度)から(見込み)
移行期間2028〜2029年度
告示2026年度末の予定
教科書2030年度から新しい教科書(2028年度に検定)
無料原田英語.com 次期学習指導要領ナビ

研修・会議・授業・保護者会での印刷・コピー・配布・投影はご自由にどうぞ。ご連絡は不要です。クレジットは残してください。審議まとめ(2026年10月5日)準拠・出典ページつき。告示前の方向性で、今後変わることがあります。2026年11月4日 版

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総合的な学習の時間/総合的な探究の時間の3行要約(全校種)

  1. 小中学校の「総合的な学習の時間」も「総合的な探究の時間」に名前を変え、小学校から高校まで同じ名前・一貫した目標にすることが適当とされた。
  2. 小学校の総合は「探究の領域」と新しい「情報の領域」の2つで構成し、情報の領域はミニ探究ユニットと情報ブロックで学ぶ方向が示された。
  3. クラス共通の「テーマ探究」と一人一人の「マイ探究」を組み合わせ、学校行事との代替ルールや計画・評価の書き方もはっきり・シンプルにする方向。

総合的な学習の時間のポイント4つ

名前が「総合的な探究の時間」に

教育課程の基準上の名前を、「総合的な学習の時間」から「総合的な探究の時間」に変える方向です。小学校から高校まで一貫した名前にするためです。前回、高校で名前を変えたことが探究を進めるのに役立ったことも理由に挙げられています。 P343

授業では、たとえばたとえば年度初めに、子供と「探究ってどんなこと?」を話し合います。課題を自分たちで決める場面を入れた計画が考えられます。

新しい「情報の領域」と2つの領域

小学校の総合に「情報の領域」を加え、「探究の領域」と合わせた2つの領域にする案です。情報の領域には、探究の流れの中で情報を使う力を学ぶ小単元「ミニ探究ユニット」を置きます。探究に入れにくい基礎は「情報ブロック」という小さなまとまりで学ぶ考え方です。 P328P329

授業では、たとえばたとえば年度の初めに、写真の撮り方や調べた情報の整理の仕方を、身近な課題を解決しながら短く学ぶ単元が考えられます。

「テーマ探究」と「マイ探究」を組み合わせる

学級や学年で共通の課題を立てる「テーマ探究」と、一人一人の興味から課題を立てる「マイ探究」という整理が示されました。どちらも大切で、発達の段階や子供の実態に合わせて組み合わせることが必要とされています。時期を分けて1年に複数のテーマを扱う例もあります。 P322P323

授業では、たとえばたとえば1学期は学年共通の地域テーマ、2学期はそこから一人一人が見つけた問いを追う、という組み合わせが考えられます。

探究の成果を「外化」する機会

テーマ探究でもマイ探究でも、成果を表現する「外化」の機会を設けることを、学習指導要領ではっきりさせる方向です。外化とは、書く・話す・作るなどで、考えたことを外に表すことです。表現することが、各教科の学びにもつながると考えられています。 P323

授業では、たとえばたとえば学期末に、探究の成果をレポートやポスター、作品にまとめ、家の人や地域の人に伝える場をつくることが考えられます。

主な変更点10項目

小小学校の総合に「情報の領域」を設け、2つの領域で構成する方向

小学校の総合は、これまでの探究にあたる「探究の領域」と、新しい「情報の領域」の2つで組み立てる方向が示されました。情報の領域は、情報技術を使いながら小さな探究をする「ミニ探究ユニット」と、基礎を学ぶ小さなまとまり「情報ブロック」を組み合わせて学びます。例として「マイルールをつくる」「プログラムでオリジナルロボットを動かす」「生成AIの特性やリスクを踏まえた作品制作」などが挙げられています。情報の領域は探究の領域や各教科の学びを支える土台という位置付けで、例えば1学期に集中して置くなどの計画の工夫例を国が示すとされています。動画教材や研修資料も国が先頭に立って用意するとされています。 P78P328P329P330

学校行事を総合で代わりに行えるかのルールを明確にする方向

総合の時間を学校行事に充てられるかは、総合と特別活動の両方の目標・内容に照らして、実際の学習の中身で判断するとされました。「儀式的行事」と、「文化的行事」「健康安全・体育的行事」の準備(学習発表会を除く)は、原則として総合で代替しないとされています。修学旅行などの「旅行(遠足)・集団宿泊的行事」や職場体験などの「勤労生産・奉仕的行事」は、探究として成り立つ部分だけ代替できるとされています。総合の本来の趣旨と離れた活動に時数が使われている例があるため、とくに中学校向けに、修学旅行や職場体験を質の高い探究として行う事例を示すとされました。 P336

クラス共通の「テーマ探究」と一人一人の「マイ探究」を組み合わせる

先生が学年・学級で共通のテーマを決める「テーマ探究」と、子供一人一人の「好き」や「得意」を起点にする「マイ探究」をバランスよく組み合わせる方向です。目指すのは、高校段階で自分の在り方生き方に関わるマイ探究を自分で進められるようになることです。「1年間1テーマ」だけでなく、1年に複数テーマを時期を分けて行う、両方を並行して行うなど、年間指導計画の参考例を示すとされました。マイ探究は「子供に任せればよい」という意味ではなく、先生の見取りや指導の役割も解説で示すとされています。 P322P323

成果を「外化」する機会と、「節目としての探究」

テーマ探究・マイ探究のどちらでも、探究の成果を論述・レポート・プレゼン・作品制作などで表す(外化する)機会を適切に設けることが、学習指導要領で明確化する方向です。外化を通して言語能力や情報活用能力が育ち、各教科の学びにもつながるという考え方です。また、各学校段階の最終学年などで、学びの成果や自分の変化を実感する「節目としての探究」を位置付けることが望ましいとされます。細かな要件は国は求めず、幅広い事例を参考資料で示し、探究の成果物のアーカイブなど学校図書館との連携の仕方も示すとされています。 P323P325

全体計画・評価をシンプルにし、目標は学校の「基本的な方針」とも結ぶ

これまで例示されていた「3観点を10の要素に分けた評価規準を単元ごとに作る」やり方は負担が大きいとして見直し、目標に照らした評価の視点例を5要素程度で示す方向です。細かな評価場面の設定や評価材料の集めすぎは求めず、先生の形成的評価(その場でのフィードバックや支援)と、子供の自己評価(振り返り)・相互評価の機会を一層重視するとされました。全体計画には育てたい資質・能力を短く書き、「学習活動・指導方法・指導体制・評価」は単元計画に書けばよく、全体計画への記載は必須としない方向です。総合の目標・内容は、学校教育目標だけでなく校長が作る学校運営の「基本的な方針」とも関連を図り、学校の目標を決める視点として「重点化」(重視する要素をしぼる)と「付加」(指導要領にない要素を加える)を示すとされました。 P333P334P335

探究のとらえ方を整理し、「研究系・行動系・創作系」を示す方向

探究は「興味・関心や問題意識に基づき課題を設定し、知識や方略を使い、試行錯誤しながら新たな価値の創造を繰り返す学習のプロセス」と分かりやすく言い直すとされました。「課題の設定→情報の収集→整理・分析→まとめ・表現」の4つの流れは典型例であって、順に回すこと自体を目的にしないと明確化し、「振り返り」は各コマや一定のまとまりごとなど様々な場面で随時行うものとして、4つの流れに並ぶ独立した一段階には位置付けない方向です(振り返りを軽く見るという意味ではなく、自己評価としての振り返りは一層重視されます)。課題に注目した探究の形として「研究系」「行動系」「創作系」があり、形によって進め方が違うことを参考資料で示すとされました。AI時代に作品を作り上げる経験が大切だとして、「創作系」も推進するとされています。 P321P324P325

情報技術を積極的に使い、AIは「偽の熟達」に注意

総合では、体験が土台であることを前提に、小中高を通じて教育課程全体の中でもとくに積極的に情報技術を使うことが求められると明確化すべきとされました。そのため中学校の情報・技術科、高校の情報科など情報活用能力を育てる「要」の教科ととくに緊密に連携するとされています。AIを使う場合は、一見高度に見えても力が育っていない「偽の熟達」に注意し、元の情報を確かめること、試行錯誤の記録、その場で説明して質問に答えること、現場体験や実験などAIに代わりにくい経験を重視することが考えられるとされます。具体的な使い方はガイドライン等で示される予定です。 P328P330

各教科・道徳・特別活動との役割分担を整理する

総合は、各教科で得た学びを「道具」として使い、自分にとって切実な課題に挑む「試合」の場と位置付けるとされました。学習者が課題・プロセス・成果のすべてを自分で決められるもの(パターン4)を「探究」、一部を決められるものを「探究的な学び」と整理し、各教科は探究的な学び、総合は探究を担いつつ互いに行き来すると整理されています。道徳は「学びを方向付ける人間性」、総合は「初発の思考や行動を起こす力・好奇心」、特別活動は「他者との対話や協働」を育てることに向く、と整理されます。キャリア教育は特別活動が「要」、総合は実社会との関わりの中で探究を通して実践する場とされ、学校行事の「文化的行事」は学習発表会の要素を加えた「文化・学習発表的行事(仮称)」に改める案です。 P320P325P326P327P337

「社会との連携」を進める(総合は教育課程の「出島」)

総合は学校の裁量が大きく、教科や学校と社会の壁を越える教育課程上の「出島」として、地域・企業・大学などとの連携が期待されます。社会側の関わり方は「出会い」「伴走」「協働」の3段階程度のイメージで示すとされ、コーディネーターや社会教育士の活用、費用の工夫の事例も紹介するとされています。子供が外部に協力を頼むときは、事前に自分で下調べし、相手の時間や立場を尊重するといった注意点を指導することが必要とされます。また新しい「裁量的な時間」でマイ探究を深掘りする場合は、総合との役割分担や連携を図ることを明確化するとされました。 P335P338P339P340P342

小中小中学校も「総合的な探究の時間」に名称変更する方向

小中学校の「総合的な学習の時間」の名称を「総合的な探究の時間」に変え、小学校から高校まで同じ名前にすることが適当とされました。目標を小中高で一貫した形に整理してきたこと、前回の高校での名称変更が探究の推進に役立ったことが理由です。 P77P343

現行と次期の比較(新旧対照)8項目

黄色のマーカー=次期で新しく入る・強く打ち出される言葉 取り消し線=現行から消える・言い方が変わる言葉

項目現行次期(審議まとめの方向)
名称小中学校は「総合的な学習の時間」、高校は「総合的な探究の時間」小学校から高校まで一貫して「総合的な探究の時間」とすることが適当とされた P343
小学校の総合の構成「情報の領域」はなく、各学校が定める探究の学習として行う「探究の領域」と「情報の領域」の2つの領域で構成する案。情報の領域は内容を国が具体的に示し、「ミニ探究ユニット」と「情報ブロック」を組み合わせて学ぶ P328P329P332
探究の質を考える視点「高度化」(整合性・効果性・鋭角性・広角性の4要素)と「自律化」(自己課題・運用・社会参画の3要素)で示され、分かりにくいとの指摘がある「課題の質」「プロセスの質」「成果の質」の3つの視点に整理して参考資料等で示す P321
探究のプロセス平成20年改訂の「課題の設定、情報の収集、整理・分析、まとめ・表現」の4つの流れ。順に回すこと自体が目的化している例がある4つの流れは典型的な姿の一例とし、課題の設定を強調。「振り返り」は様々な場面で随時行うものとし、プロセスの独立した一段階には位置付けない。課題によって「研究系」「行動系」「創作系」で進め方が違うことを示す P324
評価規準のつくり方3観点を10の要素(視点)に分けた詳しい評価規準を単元ごとに作る扱いが例示され、細かな評価場面や評価材料集めが必要になっている(指導要録には身に付いた力を文章で端的に記述)文章で記述する基本は維持しつつ、評価の視点例を5要素程度に絞る。細かな評価場面の設定は求めず、形成的評価と自己評価・相互評価を一層重視 P333P335
総合で学校行事を代替できる範囲代替できる例として修学旅行等の「旅行(遠足)・集団宿泊的行事」と職場体験等の「勤労生産・奉仕的行事」、できない例として「文化的行事」「健康安全・体育的行事」の準備が挙げられるが、解説に曖昧さが残る両方の目標・内容に照らした学習の実態で判断。「儀式的行事」と、文化的行事・健康安全・体育的行事の準備(学習発表会を除く)は原則代替しない。旅行・勤労生産の行事は探究として成り立つ部分だけ代替可能 P336
総合の目標を決めるよりどころ各学校の総合の目標は学校教育目標との関連を図る学校教育目標に加えて、校長が作る学校運営の「基本的な方針」とも関連を図る。目標を定める視点として「重点化」「付加」を示す P334
考えるための技法比較する・分類する・関連付けるなど10個の例が並べて示されているだけで、考えを広げる(発散)思考が含まれていない当面「発散」の観点を加え、「発散と収束」の観点から分類して示す。学習方略とともに使いやすく具体化 P337P338

授業時数

小学校の総合では「探究の領域」と「情報の領域」がそれぞれ別に標準授業時数を設定する方向。情報の領域に必要な時数は各学年最大で、小3・小4が30コマ程度、小5・小6が35コマ程度と見込まれている(P78)。この増えた分は年間の総授業時数を増やさずに、標準時数が35コマ以下の教科等を除いた教科等から一律3~4%程度を「広く薄く」減らして確保する考え方で、具体的な数は今後示される(P79)。情報の領域は全面実施(小学校は令和12年度)を待たず、令和10年度から段階的に先行実施する経過措置が適当とされている(P79)。また、新しい調整授業時数制度では総合も調整の対象になる(ただし35コマ未満に減らすことはできない)(P32)。高校は標準単位数3~6単位→6~12新単位(P82)。

生成AI・ICTとの付き合い方6項目

AIが答えを出す時代の「探究」の意義

AIは人間の知的活動のあり方を含め、社会を構造的に変えつつあります。AIが簡単に情報を示す時代に、判断や人生の主導権を持ち続けるためにも、批判的に情報と向き合い、真偽や意味を問い直す力が一層重要とされています。 P319

AIやネットの切り貼りで終わる「調べ学習」の課題

ネット上の情報やAI要約を切り貼りするだけの「調べ学習」に終わる例が見られることが課題とされています。 P76

小学校の総合に「情報の領域」

小学校の総合を「探究の領域」と「情報の領域」の2つで構成し、情報活用能力を探究の基盤として育てます。「生成AIの特性やリスクを踏まえた作品制作を行う」などのミニ探究ユニットも例示されています。 P74P77P329資料編(3)P116

「創作系」の探究:AIに操られずクリエイターに

AIなどデジタル技術で、だれでもアイデアを作品にできるようになりました(デジタル技術の民主化)。一方、おすすめされ続けるコンテンツを消費し続ける誘因も増えています。AIに操られず人生を舵取りするため、作品を作り上げる「創作者」としての経験を重ねる「創作系」の探究を進めます。 P324資料編(3)P103

総合におけるAIの取扱い

AIは効果的に使える一方、高度に見えても実際は力が育っていない「偽の熟達」のおそれや、認知的負荷の低下・記憶や理解の弱化・批判的思考の低下などの負の影響も議論されています。AIは「仮説を立てる」「論じる」など高度な認知も代わりにできる点が特徴だという指摘もあります。 P330資料編(3)P117

AIを使うときに重視すること

AIで得た情報の元になった一次情報(発信者・時期・妥当性)を確かめることに加え、試行錯誤の過程、口頭での説明(その場で説明し質問に答える)、AIに代わりにくい現場体験・協働・実験・観察、AIを使う中で自分の成長を自覚すること、を重視する対応が考えられています。発達段階に応じたAI活用のあり方は、ガイドライン等で示す必要があるとされています。 P330

今からできる準備チェックリスト8項目

  • 今すぐ年間指導計画で、学年共通の「テーマ探究」と一人一人の「マイ探究」がどう配置されているかを確かめ、「1年間1テーマ」以外の組み方(時期を分ける、両方を並行する)も検討します。 P322P323
  • 今すぐ探究でAIを使うときの約束を決めます。もとの一次情報(発信者・時期・妥当性)を確かめる、試行錯誤を記録する、その場で説明して質問に答える、AIに代わりにくい体験を大切にする、の4点が手がかりになります。あわせて安全面の約束として、学校・教育委員会が認めたサービスを使い、最新の年齢制限・利用規約と保護者同意の要否を確認する、氏名・写真などの個人情報を入力しない、教師の指導監督下で使う、の3点も必ず加えます。 P330
  • 今すぐ単元ごとに3観点を10要素に分けた評価規準を作るやり方を見直す方向をふまえ、細かな評価場面を増やすより、見取りにもとづく声かけ(形成的評価)と、子供の振り返り・相互評価の時間を確保します。 P333P335
  • 告示まで総合の時数を学校行事に充てている部分を洗い出します。儀式的行事や、文化的行事・健康安全・体育的行事の準備(学習発表会を除く)は原則として代替しない方向なので、修学旅行や職場体験は探究として成り立つ部分を明確にします。 P336
  • 告示まで全体計画を見直し、育成を目指す資質・能力を端的に書く形に整理します。学習活動・指導方法・指導体制・評価は単元計画に書く方向です。目標は学校教育目標に加え、校長が作る「基本的な方針」とも関連付け、「重点化」「付加」の視点で検討します。 P334P335
  • 先行実施まで小学校では令和10年度から「情報の領域」を段階的に先行実施する方向です。ミニ探究ユニットと情報ブロックをどの時期に置くか(例:1学期に集中)を学年で検討し、国の教材や研修資料が示されたら確認します。 P79P329P330
  • 先行実施まで地域・企業・大学などとの連携を「出会い」「伴走」「協働」の3段階で整理し、子供が外部に協力を頼むときの事前の下調べや、相手の時間・立場を尊重する指導を計画に入れます。 P339P342
  • 全面実施まで最終学年などで学びの成果や自分の変化を実感する「節目としての探究」をどう位置付けるかを検討し、成果物のアーカイブを含めて学校図書館との連携を相談します。 P325

次期を先取りする授業アイデア1本

小学5年1単位時間(45分)

素朴な問いを「探究の課題」にみがく

「好き」や「気になる」から出た問いを、自分と社会にとっての意味から磨きます

手順・ワークシート

ねらい

自分の興味・関心から出た素朴な問いを、自分にとっての意味と、他者や社会・自然にとっての意味の両方から見直し、探究したい課題として言葉にする。

流れ

  1. 5分気になることメモから、今いちばん追いかけたい問いを1つ選び、シートの①に書きます。
  2. 10分②「この問いは、あなたの毎日や将来にとってどんな意味や魅力があるか」、③「だれか・社会・自然にとってどんな意味や魅力があるか」を個人で書きます。書けない欄があってもよいと伝えます。
  3. 15分3人組で問いを紹介し合います。聞き手は「どうしてそれが気になったの?」「それが分かったら、だれが喜ぶ?」などの質問を付箋に書いて渡します。
  4. 10分もらった付箋を見て問いを書き直します(④)。「調べて答えが分かる問い」か「試したり作ったりして確かめる課題」かも考えます。
  5. 5分書き直した問いと、最初の問いからどう変わったかを一言書いて提出します。

評価

問いの出来ばえを評価するのではなく、①から④への変化に注目し、自分や他者・社会にとっての意味を考えながら問いを見直しているかを見取ります。審議まとめが示す方向性をふまえると、細かな評価場面を設けて評価材料を集めるより、見取りをもとにその場で声をかける形成的評価と、子供の自己評価・相互評価を重視します。

現行の学習指導要領・解説(小学校)

文部科学省の公式PDFです(クリックで開けます)。

次期学習指導要領 教科別まとめ小学校No.13
小学校版
審議まとめ(2026年10月5日)を小学校の先生向けにまとめ直しました

特別活動次期学習指導要領で、どう変わる?

子供が学級・学校をよりよく創る「社会創造」の活動へ

10秒でいうと

クラブ活動は学年(主に4年以上)の縛りや実施時期を柔軟に。児童会は学校運営に意見を

やさしく言うと

特別活動は、子供が学級や学校という身近な社会をよりよく創る活動として見直す方向です。三つの視点のうち「社会参画」は「社会創造」に整理し直す案です。学級活動は、人間関係や安心して話せる雰囲気をつくる「学級経営の要」と明確にします。クラブ活動は「好き」を追う場として柔軟にする案です。評価は「学びに向かう力」の個人内評価にする方向です。

小学校はいつから?

全面実施2030年度(令和12年度)から(見込み)
移行期間2028〜2029年度
告示2026年度末の予定
教科書2030年度から新しい教科書(2028年度に検定)
無料原田英語.com 次期学習指導要領ナビ

研修・会議・授業・保護者会での印刷・コピー・配布・投影はご自由にどうぞ。ご連絡は不要です。クレジットは残してください。審議まとめ(2026年10月5日)準拠・出典ページつき。告示前の方向性で、今後変わることがあります。2026年11月4日 版

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特別活動の3行要約(全校種)

  1. 特別活動を「確かな民主主義の担い手を育み、共生社会を実現する基盤」と位置付け、三つの視点の「社会参画」を「社会創造」に整理し直す方向が示された。
  2. 児童会・生徒会は校則など学校運営に意見を出す活動、学校行事は子供が創造する活動、学級活動は「学級経営の要」と明確化することが適当とされた。
  3. 学級活動の項目名と内容を整理し自殺予防等も明示する案。評価は「学びに向かう力」の個人内評価とすることが適当とされ、キャリア・パスポートの例示資料は廃止する方向。

特別活動のポイント4つ

学級活動は「学級経営の要」

学び方が多様になるほど、学級経営が欠かせなくなるとされています。そこで学級活動を、よい人間関係や心理的安全性(安心して発言できる状態)をつくる「学級経営の要」と明確にする方向です。学校の教育活動全体を下から支える役割です。 P349

授業では、たとえばたとえば朝の会や学級会で、困っていることを安心して出し合える約束を、子供と一緒に決めることが考えられます。

クラブ活動を「好き」を追う場に

クラブ活動の意義として、「好き(興味・関心)」を追って個性を伸ばすことを重視する方向です。異学年で行う原則は保ちつつ、学年の縛り(主に4年生以上)を柔軟にできるようにします。特定の期間に集中して行うことや、地域の活動とつなげることも明確にする案です。 P355P356

授業では、たとえばたとえば3年生も体験として参加できる期間を設けたり、クラブに関わる地域の教室を掲示して紹介したりすることが考えられます。

児童会が学校運営に意見を出す

児童会活動は、校則など学校のルールづくりをはじめ、学校運営に子供が関わる仕組みだと明示する方向です。学校のきまりなどについて子供が提案し、先生との話し合いを通して関わる、といった「意見表明」の記載を設ける案です。 P355

授業では、たとえばたとえば児童会が全校アンケートで休み時間のきまりの困りごとを集め、改善案を先生たちに提案する活動が考えられます。

評価は「学びに向かう力」の個人内評価に

資質・能力の3つの柱に分けた、目標に準拠した評価は行わない方向です。話し合いなどの中で表れる「学びに向かう力」を、一人一人の伸びとして見る個人内評価にする案です。過度な評価材料集めを抑え、子供のよさや成長を自然に見取ることがねらいです。 P361

授業では、たとえばたとえば学級会では、よい姿をその場で言葉にして認めます。記録集めより、子供自身の振り返りを大切にすることが考えられます。

主な変更点10項目

学級活動(ホームルーム活動)の項目名と内容を整理し直す

学級活動の(1)〜(3)の項目名を見直し、小中高のつながりが分かるよう内容の構成も整理する案です。(1)アは「学級における生活づくりへの参画」とし、アは学級内の課題、イは学級内の組織や役割、ウは学級を越えた学校の課題を扱うと区別する案です。ウで学校の課題を扱うときも学級での話し合いを原則としつつ、学年や異学年で話し合う場合の扱いは、学級活動で育てたい力に照らして適切に判断すべきとされました。(2)(3)は特に中高で項目数が多いため精選し、SOSの出し方に関する教育や生命の安全教育など現代的な課題への対応をはっきりさせる方向です。 P353P354

学級活動を「学級経営の要」、生徒指導・特別支援の「要」と明確化

教育課程が柔軟になり学び方が多様になるほど、学級経営が欠かせなくなるとされました。標準授業時数の中に時間がある学級活動を、学びの土台となる人間関係や心理的安全性をつくる「学級経営の要」と明確化することが適当とされました。学級経営が目指すものは、一人一人の子供と学級全体のウェルビーイング(心身・社会的に良い状態)として広くとらえます。また、特別活動(特に学級活動)は、すべての子供を対象とする生徒指導の第1層(発達支持的生徒指導)の要とされ、学級活動(2)は第2層(課題未然防止教育)も担います。学級活動(2)で自殺予防等を扱うことを「内容の取扱い」に明示し、障害の有無を含む多様な個性や背景を尊重することも内容に明記する案です。 P349P350P95

評価を「学びに向かう力」の個人内評価とし、過度な評価材料集めを抑える案

現行は3観点それぞれで目標に準拠した評価を行い、各活動ごとに十分満足できる場合に「○」をつけていますが、国の示す評価と現場の実態にずれがあると指摘されました。次期は、資質・能力の3つの柱に分けた目標準拠の評価は行わず、話し合いなどの過程で表れる「学びに向かう力」を一体的に個人内評価することが適当とされました。総括的な評価は、成長が特に顕著な場合に「○」をつける形です。教師の声かけなどの形成的評価と、子供自身の振り返り(自己評価)や話し合い(相互評価)を一層重視し、過度な評価材料集めを抑えるとしています。 P361P346

児童会・生徒会活動に「学校運営への意見表明」を書き込む

児童会・生徒会活動は、教師の適切な指導のもと、校則など学校のルールづくりをはじめ学校運営に子供が関わる仕組みであることを明示するとされました。例えば、学校のきまりなど生活上の課題について子供が提案し、教師等との話し合いを通して学校運営に関わる、といった「意見表明」に関わる記載を設けることが適当とされています。現在の「学校行事への協力」は内容を見直し、教師等が子供の声を聴く要素を加える方向です。委員会からの改善提案、学校運営協議会への子供の参画、学校評価で子供の意見を聞く取組とも関連し得るとされ、詳しくは解説で示すことが適当とされています。 P355P363P364

学校行事は「子供たちが創造する活動」に。文化的行事は「文化・学習発表的行事(仮称)」へ

学校行事は子供たちが企画や運営も含めて主体的に役割を担い創造する活動だと明確にする方向です。ただし、安全の確保など教師の適切な指導、行事の目的や発達の段階、教師に過度な負担を生じさせないことに留意するとされました。「好き」や「得意」の成果を発表する場として、「文化的行事」の名称に学習発表会の要素を加え「文化・学習発表的行事(仮称)」とする案です。また、総合で学校行事を代替する扱いを整理し、儀式的行事や、文化的行事・健康安全・体育的行事の準備(学習発表会を除く)は総合で代替しないことを原則とする案です。修学旅行や職場体験などは、探究として成り立つ部分について代替を可能とする方向です。 P356P357

キャリア教育の役割分担と「キャリア・パスポート」の見直し

特別活動はキャリア教育の「要」として、学習の見通しと振り返りを通じて将来の生き方を考える役割を担い、各教科等はその実践の場とされました(例:総合は興味・関心にもとづく探究、家庭科はライフキャリア、社会科は主権者教育)。「キャリア・パスポート」は、例示資料にそったワークシート作りが目的化しているとの指摘から、事務連絡にもとづく「例示資料」を廃止し、見通し・振り返りのための多様な取組に変える方向で見直すべきとされました。記録の蓄積はクラウド上などでの個人管理を基本とし、学校による引継ぎは求めない方向です。 P358P359P95

「合意形成」「意思決定」の意味と進め方を示す

合意形成は、多様な意見や価値観、背景を認め合い、対立や葛藤と向き合いながら「納得解」(みんなが受け入れられる案)をつくっていくこと、意思決定は自分の価値観に照らして責任をもって行動を選ぶことと整理されました。合意形成の典型的な流れは「課題の設定→発散(意見表明・受容)→収束(吟味・創造)→実践・振り返り」、意思決定は「課題の設定→発散(情報収集・相互参照)→収束(自己理解・自己決定)→実践・振り返り」とされ、解説等で参考として示すことが適当とされています。安易な多数決や予定調和に流されず、納得解や暫定解をつくることが重視されています。ただし実践を特定の型にはめるものではないと注意されています。 P345P359P360

小クラブ活動を「好き」の追求の場として柔軟にする

クラブ活動の意義として「好き(興味・関心)の追求による個性の伸長」を重視する方向です。時間が全国的に減っていることもふまえ、学校のクラブは「好き」や「得意」を追う「きっかけの一つ」と位置付け、放課後子供教室や地域クラブ活動など地域の活動とつなげます。異学年の原則は残しつつ、学年の縛り(主として4年生以上)や活動内容を柔軟にできること、特定の期間に集中して行えること、文化・学習発表的行事(仮称)と連携できること、教師が適切に関わる前提で社会教育団体等が活動を担えることを明確化する案です。裁量的な時間でクラブ活動の学びを深める連携も解説等で示すことが適当とされています。 P355P356

三つの視点と用語の見直し(「社会創造」「主体的」など)

前回整理された「人間関係形成」「社会参画」「自己実現」の三つの視点のうち、「社会参画」を、身近な社会をよりよく創ることを重視した「社会創造」に整理し直すべきとされました。目標と見方・考え方の記載も見直す方向です。また、同調圧力につながるとの指摘がある「集団」という語は、具体的な対象があるときは「学級」「学年」「学校」などと書き分ける方向です。「主体的」「自主的」「自発的」は原則として「主体的」にそろえ、「~に対応させる」という意味の「適応」は見直す方向です。特別活動の英語訳も「Tokkatsu(Student-Led Activities for Civic and Personal Development)」と定めることが適当とされました。 P351P352

デジタル・AIの活用と裁量的な時間との関係

意見や少数意見の可視化、活動記録や振り返りの蓄積、グループウェアでの連絡などの活用イメージを解説等で示す方向です。AIは生徒会の議事録まとめや企画づくりの補助などに役立つ場合がある一方、合意形成や意思決定の主体はあくまで子供であること、効率化が目的にならずリアルな体験や協働を重視することが留意点とされました。また、裁量的な時間でいじめ防止やソーシャルスキルなど特別活動に関わる活動をする場合は、特別活動との役割分担や連携を図ることを明確化する方向です。年度途中に子供の発議で決まった活動の時間を裁量的な時間で確保する在り方は今後検討とされています。 P362P363

現行と次期の比較(新旧対照)7項目

黄色のマーカー=次期で新しく入る・強く打ち出される言葉 取り消し線=現行から消える・言い方が変わる言葉

項目現行次期(審議まとめの方向)
学級活動(ホームルーム活動)の項目名(1)学級や学校における生活づくりへの参画、(2)日常の生活や学習への適応と自己の成長及び健康安全、(3)一人一人のキャリア形成と自己実現。(1)学級や学校における生活の創造、(2)日常生活における自己の成長と健康安全、(3)将来に向けた自己の成長とキャリア形成(いずれも案)。 P354
学級活動(1)ア学級や学校における生活上の諸問題の解決(否定的な状況の改善に限ってとらえられがちと指摘)。学級における生活づくりへの参画(アは学級内の課題、ウは学級を越えた学校の課題と区別。ウも学級での話合いが原則)とする案。 P354
三つの視点人間関係形成・社会参画・自己実現。人間関係形成を基盤に、社会創造・自己実現が往還的に高まる関係として整理(「社会参画」を「社会創造」に)する方向。 P352
評価の仕方知識・技能、思考・判断・表現、主体的に学習に取り組む態度ごとに目標に準拠した評価を行い、各活動ごとに十分満足できる場合に「○」。3つの柱に分けた目標準拠の評価は行わず、「学びに向かう力」を一体的に個人内評価。成長が特に顕著な場合に「○」を付記。形成的評価・自己評価・相互評価を重視(案)。 P361
キャリア・パスポート事務連絡(H31)にもとづく様式例(例示資料)を参考に各学校が作成・蓄積。例示資料を廃止し、見通し・振り返りのための多様な取組へ見直す方向。蓄積はクラウド上などでの個人管理を基本とし、学校による引継ぎは求めない方向。 P359P95
児童会・生徒会活動の役割児童会・生徒会の役割として「学校行事への協力」が規定されている。「学校行事への協力」を見直し、校則など生活上の課題について子供が提案し、教師等との話合いを通して学校運営に関わるなど、学校運営への意見表明の記載を設けることが適当とされた。 P355
学校行事の種類(文化的行事)「文化的行事」。学習発表会は解説で具体例として挙がっている。学習発表会の要素を名称に加え「文化・学習発表的行事(仮称)」とする案。 P357

授業時数

特別活動の時数を変えるという記述はない。学級活動は標準授業時数に含まれ、児童会・生徒会活動、クラブ活動、学校行事は標準授業時数に含まれず各学校が適切な時数を充てる(P349注)。調整授業時数は学校行事・クラブ活動・生徒会活動等の時数の上乗せには使えない(P32)。ソーシャルスキル育成などは特別活動(学級活動)への調整授業時数の上乗せで対応することも考えられる(P33)。クラブ活動の時間は全国的に減少傾向で、時数の確保を求めることも難しいとされる(P355)。

生成AI・ICTとの付き合い方2項目

「生成AI時代の主権者」を育てる

多様な他者との対話や協働で、ルールづくりや学校生活の改善、行事などに子供が主体となって参画することで、「生成AI時代の主権者」として確かな民主主義の担い手を育てる領域として位置付けを明確にするとされています。 P351P352

AIを含むデジタル学習基盤の活用のあり方を示す

合意形成や意思決定の考え方の整理、学習評価の改善とともに、AIを含むデジタル学習基盤の活用についても具体的なあり方を示すとされています。 P346

今からできる準備チェックリスト8項目

  • 今すぐ学級会の進め方を「課題の設定→発散(意見表明・受容)→収束(吟味・創造)→実践・振り返り」の流れで見直し、すぐに多数決に頼らず、納得解や暫定解をつくる時間を確保します。 P345P360
  • 今すぐ観点ごとに「○」を記録する評価補助簿づくりを見直す方向をふまえ、話し合いの過程で見られた子供の姿をその場で認める声かけと、子供の振り返り・相互評価の時間を重視します。 P361
  • 今すぐ学級活動を「学級経営の要」として、一人一人が安心して意見を言える関係づくりを計画的に行います。学級活動(2)では、障害の有無を含む多様な個性や背景を尊重することを扱います。 P349P350
  • 告示まで児童会・生徒会が学校のきまりなどについて提案し、教師と話し合う手順(提案の受け付け方、回答の時期、回答の仕方)を校内で決めておきます。 P355
  • 告示までキャリア・パスポートの「例示資料」を廃止する方向をふまえ、何のために書くのか(見通しと振り返り)を校内で確認し、様式を簡素にします。蓄積はクラウド上などでの個人管理を基本とし、学校による引継ぎは求めない方向です。 P359
  • 先行実施まで学校行事ごとに、子供が企画・運営を担う部分を1つ決めます。安全の確保、行事の目的、教師に過度な負担を生じさせないことを前提にし、文化的行事を「好き」「得意」の成果を発表する場にすることも検討します。 P356P357
  • 先行実施まで学級活動(2)で自殺予防やSOSの出し方に関わる内容を扱う時期を年間計画に位置付けます。動画を見て終わりにせず、子供の主体的な活動と組み合わせます。 P350P354
  • 先行実施まで(小学校)クラブ活動の学年(主として4年生以上)の縛りや実施時期を柔軟にできる方向をふまえ、学校規模に合った運用や、地域の放課後の活動とのつなぎ方(関係する地域の活動を掲示して紹介するなど)を検討します。 P355P356

次期を先取りする授業アイデア1本

小学4年1単位時間(45分)

学級会で「納得解」をつくる

すぐに多数決に頼らず、意見を出し合い組み合わせて、みんなが受け入れられる案をつくります

手順・ワークシート

ねらい

雨の日の休み時間の過ごし方について、多様な意見を出し合い、理由を聞き合いながら組み合わせ、みんなが納得できる案を決めて実践する。

流れ

  1. 5分計画委員が議題と提案理由を説明し、「みんなが気持ちよく過ごせる雨の日にする」という話し合いのめあてを確認します。
  2. 12分発散:一人一人が意見カードやデジタル付箋に案と理由を書き、全員分を黒板や画面に並べます。少数の意見も消さずに残します。
  3. 15分収束:似た案をまとめ、「困る人はいないか」「組み合わせられないか」を話し合います。対立する意見は、それぞれの心配や願いを聞き合い、両方を生かす案を考えます。
  4. 8分決定:まとまった案を確認します。多数決をとる場合も、反対の人の心配をどう生かすかを付け加えます。「2週間試して見直す」暫定解として決めます。
  5. 5分振り返り:自分の意見がどう生かされたか、友達の意見で考えが変わったことを書きます。見直しの日を決めます。

評価

審議まとめが示す方向性をふまえると、特別活動では3観点に分けた目標準拠の評価は行わず、話し合いの過程で表れる「学びに向かう力」を一体的に個人内評価する方向です。友達の意見を聞いて考えを変えたり、少数意見を生かす案を出したりする姿を見取り、その場で認める声かけ(形成的評価)と、子供自身の振り返り(自己評価)を大切にします。

現行の学習指導要領・解説(小学校)

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