次期学習指導要領とのつながり

審議まとめは、既習事項や話題を発達の段階に応じて繰り返し扱うことの重要性や、児童生徒が学習方略を活用して自己調整しながら学ぶことを重視しています。また、興味・関心に応じた使い方などAIの活用は有効と考えられる一方、出力をうのみにしないための教師の支援が重要だとしています。英文の難しさを生徒に合わせて調整する作業は、先生が一人で行うと時間がかかります。生成AIで下書きを作り、先生が確かめて直せば、同じ話を複数のレベルで用意できます。さらに、やさしい版では大事な情報が落ちていることに生徒自身が気付く場面を作ると、AIで書き換えた文章を吟味する目も育ちます。 P281P282
自分に合うレベルの英文を選んで読み、概要や要点を捉えて友達に伝えたり、内容について自分の考えを書いたりすることができる。
準備するもの
- 先生が書いたオリジナルの話(例:「さくら通りのブックボックス」。元の英文は先生が書き、生成AIで3段階に書き換えたあと、先生が誤りや不自然な表現を直したもの)
- Level A(やさしい)の例:There is a small wooden box on Sakura Street. There are books in it. Anyone can take a book. You can put your old books in it, too. An old man made the box. Now many people stop and talk there.
- Level B(ふつう)の例:Last spring, Mr. Sato, a retired carpenter, built a small wooden box on Sakura Street. He put twenty of his own books in it and wrote a sign: 'Take one, leave one.' At first, few people used it. But soon children began to leave picture books, and students left comic books. Now people often stop at the box and talk about books. Mr. Sato says, 'I made a box, but the town made a library.'
- Level C(チャレンジ)は、Level B に「本がぬれる・なくなると心配した近所の人がいたこと」「屋根を付けたこと」「高校生が感想ノートを置いたこと」を加えたもの
- 内容理解の質問(3つ)とレベル選びの目安(最初の5行で分からない語が5つ以上なら1つ下げる)
手順
- 【AIを使わない】箱に入った本の写真を見せ、何のための箱かを予想させます。5分Look at this box. There are books in it. What is it for?この箱を見て。中に本があるね。何のための箱だと思う?
- 【AIで作った教材の説明】「3つの英文は、先生が書いた1つの話を、生成AIで3つの難しさに書き換え、先生が確かめて直したものです」と伝えます。レベル選びの目安を示し、生徒は自分でレベルを選びます。5分
- 【AIを使わない】個人で読み、3つの質問(Who made the box? / What happens at the box now? / What can people put in the box?)に答えます。早く終わった生徒は1つ上のレベルにも挑戦します。12分
- 【AIを使わない】違うレベルを読んだ3人でグループになり、読んだ内容を英語で伝え合います。自分の版にしかない情報がないか探します。12分Tell your group about the story. Is there any information only in your version?グループに話の内容を伝えよう。自分の版にしかない情報はあるかな。
- 全体で「やさしい版で消えた情報は何か」を確かめます。Level A には Mr. Sato の最後の言葉がないことに気付かせ、「やさしく書き換えると、大事な情報や気持ちが落ちることがある」「AIが書き換えた文章も確かめて読む必要がある」ことを話し合います。そのうえで、Mr. Sato の言葉の意味をみんなで考えます。10分What does Mr. Sato mean? 'The town made a library.'佐藤さんの「町が図書館をつくった」とは、どういう意味だろう。
- 【AIを使わない】「自分の町にもブックボックスがあったら使いたいか」について、理由を付けて2〜3文で書きます。6分
評価(見取り)のポイント
【思考・判断・表現】選んだ英文の概要や要点を捉え、違うレベルを読んだ友達に伝えているかを見取ります。また、内容について自分の考えを理由とともに書いているかを見取ります。【主体的に学習に取り組む態度】自分に合うレベルを選び、必要に応じて上のレベルに挑戦しようとする姿を見取ります。
AIを使うなら
生成AIは先生の教材準備で使い、生徒は端末を操作しません。元の英文は先生が書いたオリジナルにし、教科書本文や市販教材の文章をそのまま入力しないようにします(著作物の扱いは学校のルールを確認します)。AIの書き換えには、事実の変化、不自然な表現、学年に合わない語が入ることがあるため、配る前に必ず先生が読み比べて直します。やさしい版で情報が落ちることは、授業の中で生徒に気付かせる材料として残してかまいません。
うまくいくコツ・アレンジ
- AIへの指示には、使用教科書と年間指導計画に基づく「このクラスの既習語・既習文法」の一覧と、「1文10語程度(目安)」などの条件を具体的に入れます。学年ごとに文法を区切る全国共通の決まりはないため、学年名だけで指定せず、自然な英語であることを優先させます。
- レベルは生徒が自分で選ぶことを大切にし、「Aを選んだ=できない」という雰囲気にならないよう、レベルを行き来してよいことを伝えます。
- 3つの版は文の順番をそろえておくと、グループで比べやすくなります。
アレンジ
- 中1では2つのレベルにし、絵を見ながら読める短い話を使います。
- 高校では、生徒が自分で書いた紹介文を、AIで中学生向けに書き換えさせ、何が落ちたかを吟味してから自分で書き直す活動にします。
ワークシート(印刷できます)
ワークシート:The Book Box on Sakura Street
Choose your level and read. Then share with your group. / レベルを選んで読み、グループで伝え合おう。
- My level: □A □B □C(選んだ理由:________)
- Q1. Who made the box? ________
- Q2. What happens at the box now? ________
- Q3. What can people put in the box? ________
- 自分の版にしかなかった情報・なかった情報:________
- Would you use a book box in your town? Why or why not? ________
Name: ______________________ Class: ______ No.: ______
ほかのアイデア
※ 次期学習指導要領は告示前です。審議まとめ(2026年10月5日)の方向性をふまえた原田英語.comのオリジナルのアイデアです。